「難民や移民が増えると日本の治安が悪化する」と漠然とイメージ
していませんか?
なにか根拠はあるのでしょうか。
「特に根拠はないけど、なんとなく…」という方が多いのではない
でしょうか。
非常に排外的で差別的な入管法の改正案が、強行採決されそうな情勢
です。今、この改正案を容認して、助けを求める難民を蹴飛ばすように
排斥する国づくりを支持していいのか、一人の人間として立ち止まって
考えなければならない時です。
ジャーナリストの志葉玲氏が、移民・難民の増加と「治安の悪化」は、
ほんとうに相関関係があるのか、分かりやすい記事を書いてくれていた
ので、ご紹介します。
● 難民は受け入れるべきか、治安は悪化するか
― 感情論でなく法や事実に基づいた論議を (志葉玲)
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20201013-00202803/
<一部抜粋>
「難民・移民が増えると治安が悪化する」というのも、入管行政
を正当化する上でよく主張されることだ。だが、訪日する外国人旅行客
及び日本に在留する外国人が共に右肩上がりに増加しているにもかかわ
らず、外国人犯罪は顕著な増加傾向にはない。警察庁の発表している
「組織犯罪対策に関する統計」の令和元年版も「検挙件数・人員とも
わずかな増減はあるものの、近年のほぼ横ばい状態の傾向が継続して
いる」としている。刑法犯検挙状況では、むしろ「検挙件数・人員とも
減少している」とのことだ。
逆に増加しているとされているのが、「特別法犯」だが、これは入管
法違反がほとんどだ。この入管法違反も、現代の奴隷制のような技能
実習生制度の弊害が大きく、むしろ日本の行政側の監督不行き届きで
ある。また上述したように、本来、難民として庇護されるべき人々が
「入管法違反」扱いされてしまうという問題もある。
したがって、難民・移民含め「外国人が増えると日本人の安全が
脅かされる」という言説は、統計上根拠のない、ヘイトスピーチだと
言えよう。
<抜粋終わり>
ぼんやりとした偏見が積み重なって、深刻な差別や憎悪を生みます。
知らず知らずのうちに差別に加担することのないよう、正確な知識を
身につけましょう💡