2015年12月30日水曜日

【エンタメ憲法】★参議院選挙のためにスターウォーズを見ておくべき3つの理由★

☆エピソード7のネタバレはありません。

自民党はいよいよ憲法改正をしようと目論んでいて、異論のない緊急事態条項からお試し改憲をしようなどと言っていますね。災害対策やテロ対策のために緊急事態条項が必要だとか言ったりするわけですよ。

ところで、今、エピソード7が大人気のスターウォーズの過去作、エピソード2と3では、緊急事態条項をめぐってストーリーが展開しているということをご存知でしょうか?

スターウォーズを知らない方のために、エピソード1〜3を超ザックリまとめると、銀河共和国が課税してくるのに抵抗して共和国を離脱しようとする分離派が、軍隊を組織して戦争を仕掛けてくるというので非常事態になっちゃったわけです。
これに対応するのに、共和国議会は非常事態宣言をして、最高議長に非常大権を与えちゃって軍隊を創設したんですね。その際、最高議長は、非常事態が終わったら、速やかに非常大権を返上すると言っていました。
ところが、ずっと非常事態宣言中のままなのでおかしいよねってことになりました。しかし、最後には最高議長が皇帝に成り上がっちゃったわけですよ。
しかも、非常事態の原因は、最高議長が裏で糸を引いて、自作自演だったんだから目も当てられないわけです。

ということで、

理由①

緊急事態条項のヤバさがリアルに分かる!

だって、スターウォーズは、緊急事態条項の問題のせいで、映画6部作になっちゃうくらいなんですもの。一度、緊急事態条項が使われると、どんだけ民主主義を取り戻すのが大変かということが分かろうというものです。

でも、実は、スターウォーズの緊急事態条項は、自民党が必要だと言ってるものよりは、まだマシだったんです。
なぜなら、自民党の案は、内閣が自分で緊急事態の宣言ができるのに対し、スターウォーズのは議会で承認されなければ最高議長は非常大権を得られなかったからです。
いや、自民党の案も、事後的に国会の承認が要るじゃないかと言われるかもしれませんが、どうせ与党が多数なんですから!
どうせ党議拘束ですから!
政府の言うとおりにスルーしちゃいますよね!


ちなみに、議会で緊急事態宣言をすべきかどうかを判断するのはドイツと同じタイプではあります。そのドイツでは、ナチスが全権委任法を作って、憲法を無視して人権侵害をして、ユダヤ人を虐殺した歴史を反省して、緊急事態の宣言などを議会のコントロール下に置いて、できる限り濫用できないように予め仕組んでいます。
フランスのテロでも、オランド大統領は、短期間に限定されていた非常事態宣言の効力を3ヶ月延長して欲しいと議会の承認を求めていました。
それらの国と比較して、自民党の案はどうでしょうか?

もっとも、スターウォーズでは、非常事態宣言を議会の権限にしていたのに、エピソード3の最後には、非常大権を手にしている最高議長が皇帝になっちゃうんですからねえ。
そして、最高議長の陰謀に気づいたジェダイに反逆者のレッテルを貼って大虐殺ですよ。なので、議会の承認にかからせれば絶対に大丈夫ってことではありません。

ということで、自民党の緊急事態条項は、スターウォーズのよりもヤバい!

理由②

自民党の緊急事態条項案は、司法の事後的審査を想定していないのがヤバいことがよくわかる。

スターウォーズに出てくるジェダイって、銀河に正義をもたらす存在ということで、争いを調停したり、なんだったらライトセイバーでワルいヤツをやっつけたりします。今でいうと、警察と裁判所と執行官を足したようなものなんでしょうかね。
そして、さっき書いたとおり、非常大権を握った最高議長が、実は黒幕だったことをジェダイが知って止めようとするんですが、返り討ちにあっちゃうのです。その結果、ジェダイは反逆者だとレッテルを貼られて、虐殺され、ワルい最高議長は、共和国を廃止して帝国の皇帝になるわけですよ。
ある意味、司法が止めようとしたけど、歯が立たなかったという状況です。
ナチスが反対派を投獄して、やりたい放題やっていたのと同じですね。

一方、自民党の緊急事態条項では、司法が事後的に緊急事態条項が適切に行使されたかどうかを判断できるかどうか、何も触れていません。

しかし、砂川事件判決でお分かりのとおり、日本の裁判所は、極めて政治性が高いからと言って、そもそも憲法判断を回避して、政治に丸投げしてしまうことが多くあります(統治行為論)。
そうしたら、政府が「大変だ!緊急事態だ!」と言っている状況であれば、極めて政治性が高いと言って裁判所が判断を回避することは目に見えているじゃないですか。
しかも、本当に緊急事態かどうかは、特定秘密ですから、出てこないわけですよ。どうやって判断するんでしょうね。

緊急事態に対する備えをすることは必要ですが、これを入れるのであれば、少なくとも司法がきちんと審査して、人権侵害を防ぐ仕組みまで含めて入れ、統治行為論を否定しなければ、スターウォーズの世界と同じになってしまいます。
いや、そういう力があったとしても、ジェダイは歯が立たなかったんですよね...。

自民党のいう緊急事態条項が通っちゃったとしたら...?

...ワルい予感しかしません。

理由③

フォースに覚醒しないといけないことがよく分かる。

スターウォーズでは、緊急事態条項で独裁者が出てきてしまってから、フォースに目覚めたルーク・スカイウォーカーが帝国を倒してくれます。でも、現実にはジェダイなんていません。
そして、新作のエピソード7では、ルークも姿を隠してしまっていて、ジェダイやフォースは半ば伝説的な存在になってしまっています。助けてくれるようなジェダイがいない中で、誰かがフォースに目覚めていくわけです(誰が目覚めるのかは、映画を見てのお楽しみ)。

同じように、今の憲法が無視される立憲主義の危機に、都合よく助けてくれる誰かがいるわけではありません。誰かに頼ればなんとかなることはないのです。

でも、曲がりなりにも国民主権で民主主義なのですから(まだ、今のところは)、私たち一人ひとりが自分たちには力があるんだということに目覚めたら、来年の参議院選挙は随分変わるはずです。

では、目覚めなかったら、どうなるでしょうか?
参議院の242議席の内、半数の121議席が2016年7月に改選されます。
憲法改正の発議をするには、衆参両院で各3分の2以上の賛成が必要です。
そうすると、242議席から議長を除いた241議席の3分の2以上というのは、161議席です。

現在、改憲派とみられる自公、おおさか維新、旧次世代で146議席なので、まだ憲法改正の発議はできません(改憲勢力で改選されるのは62議席)。でも、あとたった15議席です。

一方、2016年7月の参議院選挙で改選される議席の内、今のところ非改憲勢力の民主党の議席は42もあります(参議院における民主党の全議席の71%以上)。これは、政権交代で民主党が大勝した時の議席なので、今の状況でどうなってしまうのか...。改憲を阻止するためには、野党が割れて、候補者が乱立して、票を分散させている場合ではないのです。
そして、野党が細かいところで一致できなくて共闘できないのであれば、私たち市民が目覚めて、野党に共闘を求めて行く必要があるのです。

この夏、野党が違憲な安保法案に反対して共闘できたのは、市民が求めていったからでした。それだけの力が、私たちにはあるのです。
そう、フォースは、皆さんの内にあるんです。
だって、国民主権なんですから。

2016年7月の選挙までに、私たちが目覚めて、行動に出ないと、本当にスターウォーズの銀河帝国に支配されるような状況になりかねません。

まだ緊急事態条項のヤバさがピンとこない方々は、参議院選挙までにスターウォーズを見ていただいて、ヤバさを実感していただきたいと思います。

いや、なんだったら、この正月休みに、スターウォーズ全7作を一気見してください!

国民主権と共にあらんことを。

2015年12月29日火曜日

柳澤協二さんが講師×あすわか弁護士が生徒!憲法カフェ(上級編)のご報告☆


 今年も元気に駆け抜けまだまだエネルギーいっぱいな
あすわかの関西メンバー。
 たくさん発信しながらも、自らも常に学び続けなければ!
ということで、元内閣官房副長官補の柳澤協二さんをお招きして、
新大阪駅近くの薬膳料理のお店で、憲法カフェ(上級編)を開催
しました。
 すなわち、あすわかメンバーが「聞き手」です☆

 柳澤さんといえば、元防衛官僚で4代の総理大臣の参謀役を
務められ、イラク戦争時には官邸で自衛隊の派遣を統括された、
まさに防衛のエキスパート。新たな安保法制に対しては、ご自身
の経験に根ざした鋭い批判をしてこられました。
(参考:過去のブログ記事↓)
http://www.asuno-jiyuu.com/2013/10/blog-post_18.html


今回は、あすわか弁護士10人から防衛のプロである柳澤さんへ、
聞きたいこと何でも聞いちゃおう!というとんでもなく贅沢な企画でした。

 柳澤さんからのお話は、
「安保法制の成立と、国民が考えるべきこと」。

レジュメは記事の最後に貼り付けますね。
カフェで印象深かったやりとり(あすわか弁護士からの質問と
柳澤さんからの回答)を、ここで3つご紹介します。

Q(自衛隊員のリスク)
 第二次世界大戦後、自衛隊員が海外で一人も殺さず、

殺されてもいないというのは、結果論であり、従前の
法制下での後方支援であっても、死者が出る可能性は
十分あったのではないでしょうか。

A 従前の法制下での活動であっても、例えば今のイラクへ
派遣されていたら死人が出る可能性は高い。
ただ、従前は、最大限武器を使わない努力をしていた。
抑制的にやろうという政治の雰囲気があった。
しかし、今はそういう状態ではなくなっている。新しい法制下では、

より戦闘に近い場所で活動し、武器の使用基準も緩和され、
政治の意思も変わった。人は組織の論理で動く。隊員が「撃た
ない」という選択をすることが難しい状況になるだろう。
また、武器使用の結果人を殺した時は、個人として「殺人」した
ことになってしまう。法制度上の矛盾であり、不備。
 現場では、撃てば、より多く撃ちかえされ、多くの命が失われ

ることが危惧される。私が今あちこちで講演したり、本を書いた
りしているのは、「自衛官が犠牲になったとき、『なんでうちの
息子が』という母親の嘆きに、どう答えるのか」という問題意識
が根底にある。


Q(「中国の脅威」に対する反論)
 憲法カフェの講師をしていると、安保法制賛成の方がよく言って

くるのが「中国の脅威」論。これに対し、きっちり反論できるように
なりたいのですが。

A まず、尖閣諸島を防衛するのは、個別的自衛権の問題であり、
今回の法制とは関係がない。
南シナ海のシーレーン問題などについては、脅威の内容が何で、

どんな手段をとることが必要か、冷静に分析しなければならない。
それが安全保障。アメリカは中国と本気で戦争するつもりはない
というメッセージを送っている。日本がこの地域に軍艦を送るの
であれば、その分日本の防衛が手薄になる。それだけの自衛隊
のキャパシティーもない。
 「中国の脅威」と一言で言ってナショナリズムを煽るのは簡単

だが、反論するには多くの言葉が必要。感情に流されては、
安全保障にならないと言うべき。
(「冷静な分析」の詳細については、ぜひ後述のご著書をお読み

ください。)


Q(新しい安保法制が発動する際の意思決定プロセス)
 例えば、「ISILに対する攻撃に日本が後方支援する」という場合、

誰がどのように意思決定することになるのでしょうか?
 また、国民が「政府が後方支援しようとしている」ということを知る
ことができるのはどの段階ですか?

A ①日米の安全保障を担う担当者による相談・交渉、②国家安全
保障会議での決定、③閣議決定、④国会への発議、⑤衆議院・
参議院それぞれ過半数による承認、⑥自衛隊の出動 という流れ
になる。
 明確に国民に知らされるのは、④の段階。④から⑤の間は「衆参

両院は首相に承認を求められたらそれぞれ7日以内に議決する
よう努める」、という規定がある。 


 最後のQと今後の展望に関係して、柳澤さんのお話の中で
大事だなと感じたことを一つ。
 集団的自衛権の行使や後方支援のための自衛隊の出動には、
か・な・ら・ず衆議院・参議院それぞれの過半数の議員による承認
が必要になります(法律と違い、衆議院で再可決、なんてことは
できません!)。
つまり、来年の参議院選挙で、安保法制に反対の議員が参議院の
半分以上になれば、集団的自衛権や後方支援のための自衛隊の
出動をストップすることができ、一つの確実な歯止めとなります。
 その意味でも、来年の参議院選挙は、とっても大切ですね!

 私たちのいろんな疑問に、誠実にお答えくださった柳澤さん、
本当にありがとうございました!全てのやりとりをここで紹介する
のは(紙面の都合上)難しいのですが、教えて頂いた最新の防衛
の知識や、感じ・考えたことは、これからの憲法カフェで私たちが
講師として、みなさまにお伝えしますYO!


 さてさて。
安保法制について、もっと知りたい!勉強したい!と感じた方のために、
柳澤さんのご著書を2冊紹介しちゃいます。どちらも、とってもおススメです。
● 「自分で考える集団的自衛権 若者と国家」
 柳澤さんが、息子さんに語りかけるつもりで書いた本だそうです。
尖閣や北朝鮮のミサイルをどう考えるか、プロの目線で、でもとっても
わかりやすく書かれています。
● 「新安保法制は日本をどこに導くか」
 あのワカリニクイ安保法制の中身が、コンパクトにまとまっています。
できてしまった安保法制が、実際に"シームレス"に発動してしまった場合、
今後起こりうる戦争のシナリオは必見です。

 年末年始のコタツのお伴にいかが!



***** レジュメ *****

  安保法制の成立と、国民が考えるべきこと 2015年12月
<護憲派も改憲派も、まじめに考えてほしい日本と戦争のこと>


○ 安保法制とは何か?…「切れ目ない」自衛隊の派遣と武器使用

☆4つの法律事項+憲法事項
 ①自衛隊の派遣・・・重要影響事態法・国際平和支援法・PKO法
  *地理的制約をなくす<我が国周辺から地球の裏側まで>
      活動地域の拡大<非戦闘地域から非戦闘現場へ>
      ⇒湾岸戦争に兵站部隊による参戦が可能
  *安保理の武力行使容認決議がなくても<平和への脅威と認定すれば>
  *国連統括外の占領行政(国際連携平和安全活動)に参加
   ⇒イラク戦争に兵站部隊の参加・戦後占領統治に参加
   ⇒「ISIL攻撃の支援は、政策として、しない」

 ②武器使用権限・・・自衛隊法・PKO法
  *武器等防護の拡大で米艦護衛(自衛隊法§95-2)
   ⇒米海軍と同じROEで、現場が「応戦」
  *邦人保護措置(武器を使った邦人救出)
  *駆け付け警護・住民保護(PKO法)
  *共同宿営地の防護(PKO法・重要影響事態法・国際平和支援法)
   ⇒自己保存に限定<抑制的>から武器を使用する任務<必然的>へ
  ◆何が起きるか?
   国家意思なら「武力行使」=憲法が禁止
   個人意志なら「武器使用」=結果は個人の「殺人」
    ⇒憲法改正(軍法)なしに軍隊並の武器使用はできない

 ③米軍等への物品・役務提供・・・重要影響事態法・国際平和支援法
  *弾薬提供、発信準備中の航空機への給油が可能に
   ⇒戦闘行為との一体化

 ④隊員への罰則の海外適用
  *職務離脱、抗命は、海外でも処罰(自衛隊法§122-2)
   ⇒罰則による部内秩序=命令による海外での武力行使

☆憲法事項=集団的自衛権行使(武力攻撃事態法)
  *存立危機事態とは何か?<立法事実の不在>
   ⇒「ホルムズ海峡封鎖は現実には想定されない」「ミサイル防衛に当たる
    米艦だけへの攻撃はあり得るか?」
  *憲法解釈の整合性
   ・・・砂川判決(防衛のための措置を取り得る)=米軍駐留は統治行為
   ・・・72年政府見解(生命・自由・幸福追求権⦅憲法§13⦆のため、自衛は  
     可能)=集団的自衛権は必要最小限度を超える
    ⇒武力攻撃がないのに、生命・自由が脅かされることはない
   (「必要最小限度」は、程度ではなく、目的の概念)
  *憲法§9の規範性
   ・・・自衛隊発足後60年間維持した集団的自衛権不行使を国民が支持
      ⇒生きた9条の規範性<立憲主義に違背>

<参考>関連して改正された法律
 *重要影響事態船舶検査法
 *米軍等の行動関連措置法
 *特定公共施設利用法・・・港湾、飛行場、道路、海域、空域、電波の優先利用
 *海上輸送規正法・・・第3国船舶の戦時臨検
 *捕虜等の取扱いに関する法律
 *国家安全保障会議設置法


○ 語られない「大戦略」

 ☆大戦略とは?
  戦闘に勝つ<戦争に勝つ<平和を作る・・・どのような平和?
  *1次大戦後の平和と2次大戦後の平和の違い
  ・・・敗者が受け入れる秩序をどう構築するか
  *目的は戦勝ではなく平和(秩序)=戦争以外の選択肢を考える
 

 ☆戦争と抑止(国家の視点)
  戦争=暴力による意思の強制
  抑止=より強い暴力の顕示による戦争意志の抑圧
  *相手も強くなる⇒安全保障のジレンマ
  *メッセージの重要性・・・何が許され、何が許されないのか?
  *暴力以外の強制手段にどう対抗するか?
  *敵を作らないことが最高の抑止

 ☆「アメリカの船を守れば抑止(平和)になる」という論理
  *アメリカの船を攻撃する国から見れば敵国になる
  *抑止とは・・・米中が本気で戦争する前提⇒米中戦の戦場は日本  
   本気の戦争がなければ、抑止でなく危機管理
   本気の戦争を誰も予想しない・・・なぜか?
  *アメリカの船が弱いのか、戦争する意志が弱いのか?
  *アメリカは何を「抑止」するのか、日本は?

 ☆アメリカとの立ち位置
  *強者との同盟=巻き込まれの恐怖と見捨てられの恐怖
   ・・・戦争を決めるのは強国の特権
  *戦後日本のトラウマ=対米従属と安全
  ①自立か②無視か③寄り添いか?・・・戦略思考の自立が必要
  *「アメリカの船を守る」から「従属ではない」という錯覚

 ☆尖閣問題の本質を読み解く
  ①戦争の要因=利益・恐怖・名誉<トゥキュディディス>
   ・・・経済権益・軍事バランス・ナショナリズム(または宗教的価値観)
    尖閣の対立は、「名誉」=統治の正統性

  ②「戦争の三位一体(国民・軍隊・政府)」<クラウゼヴィッツ>
   *国民を動員するために必要なことは、国民感情を煽ること
   ・・・北東アジア危機の背景=大衆デモクラシーの陥穽   


○ 語られない戦争の「大義」<国家像>

 ☆武器使用によってリスクは増大する
  *イラクの教訓=一発の弾も撃たない
   ロケット弾攻撃、IED、ルメイサ事件
   なぜ撃たなかったのか・・・政治の意志と現場判断
  *訓練によってリスクは減るか?・・・引き金を引く訓練
  *殺すリスク=人格崩壊 
  *問題は、戦死・殺害を正当化する「大義」
   ・・・「普通の国になる」「アメリカのために血を流す」
  「なぜうちの子が?」に、どう答えるか?<大言壮語でなく、人格の目線で

 ☆戦争正当化の論理
  ⅰ列強と勢力均衡の時代・・・19世紀~第2次大戦
   *国家の生存(自給自足)・排他的経済圏・富国強兵
   =勢力均衡が崩れて戦争になる
   *国家の生存+適者生存で戦争を正当化<お国のため>
    ・・・殺せば英雄・犠牲は英霊
  ⅱ2極冷戦の時代・・・20世紀後半
   *経済的軍事的封じ込め(地球規模の配備とドルの力・核兵器)
   =核の恐怖・戦争の抑止が最大の戦略
   *全体主義という『絶対悪』で戦争を正当化<自由と民主主義のため>
   *一方、縁辺部では、民族自決と大国の介入<集団的自衛権=価値観による
    介入戦争の時代>
  ⅲ今日・・・911テロから21世紀
   *世界が単一の市場経済・技術の拡散・相互依存
    ・・・大国の戦争は世界システムの破壊
    ⇒戦争は、国民国家同士の「政治の手段」として非合理的に
   *イラク戦争=「悪の枢軸」・・・ならず者国家=絶対悪
    軍事力による政権転覆・しかし安定した統治には失敗
   *非国家主体の戦争
    ・・・ジハード=戦争の正当性を「神」に求める
     疎外と憎悪の連鎖=抑止は効かない
     国家意思の手段としての軍事力の限界⇒戦死を正当化する理念は?
   *人権を守る積極的平和<ガルトゥング>の思想・・・非軍事を重視

 ☆日本の国家像とは?
   *国家の論理で死ねるか?⇒どのような国か?
    ⇒日本を「普通の国」にするか、「普通の国」を日本のようにするか
   *70年の非戦という「日本ブランド」の再考
  


○ 語られない「平和のかたち」…抑止による平和か、納得の平和か?

 ☆日本への脅威の実態
  *北朝鮮の核・中国の離島奪取・・・守るのは個別的自衛権
   <日米安保=基地提供と安全供与・・・日本を守るのは米国の義務>
  *シーレーン(国際公共財)への脅威
    排他的利益か共通の利益か?
    集団的安全保障(敵国を想定しない)と集団的自衛権(敵国を想定)

  *国際テロの脅威・・・中東混乱の原因は大国の介入・欧州における差別
    「もはや一国では守れない」のは、この分野
    日本はいかなる貢献をするか?

 ①北朝鮮という「脅威」
  ・・・目的は体制の保証⇒核・ミサイルは外交カード<悪事か報酬か?>
  ・・・通常戦争を遂行する「国力」なし  
  *戦争するなら対南・在日米軍・太平洋米軍への同時侵攻or工作員潜入
  *ミサイル発射は「黒船」(1998の実感)・PAC-3配備(2009・2013)は過剰

 ②中国の狙い=大国としての承認願望と国内統治の維持
  *韜光養晦から大中華の復興へ
    2008東シナ海合意と領海侵入 2013尖閣国有化に反発
  *リーマンショック⇒「ドルはもはや基軸通貨ではない」2011胡錦濤
  *アメリカの見方=地域覇権を許さず・中国はFRENEMY
     軍事的にはアメリカの優位・されど侵食<A2/ADとASB>
   封じ込めは否定、ヘッジと責任あるステーク・ホルダーへの慫慂
  *中国の限界=経済成長に陰り・国内の腐敗撲滅・格差問題

  ☆南シナ海で何が起きているのか?
  *中国の「サラミ・スライス戦略」・・・軍隊を出さない既成事実化
  *米国の「航行の自由作戦」・・・領有への中立・攻撃の意図なしアピール
  *落としどころは「非軍事化」・・・検証の困難
  ⇒自衛隊は出るべきでない<安保法制は無用か有害>

  ☆南シナ海を守れるか・・・自衛隊のcapacity?
  冷戦時・陸18万、海60隻、空430機
  現計画・陸15.9万、海54隻、空340機
  *海自幹部は予算増を要求

 ③国際テロと日本
  *日本は、原爆から経済大国に復活した国<日本ブランド>
  *2億ドルの難民支援・・・「ISILと戦う」ためか?
  *自衛隊のイラク派遣は成功したか?
   ・・・対米お付き合いとしては成功(一人も死ななかった)
   ・・・米国の統治は失敗、それでも自衛隊派遣は成功か?

  ☆11.13パリ同時テロと今後の展望
  *9・11後の雰囲気に酷似<国際連帯>  
  *フランスに500万のイスラム人口・十字軍の発祥の地
  *空幕ではISILからの地域奪還は不可能
  *地上軍派遣なら、日本も協力⇒イラク戦争時のスペイン列車テロ


○ 強行採決と国民主権・・・民主主義の実践

 ☆「世論は変わる」・・・自衛隊も90%の国民が支持
  ⇒支持してきたのは国民を助け、一人も殺さない自衛隊

 ☆政府は間違える・・・特に戦争
  国民の閉塞感⇒強い政府への支持
  国民が現状に満足⇒賢い政府への支持
  ・・・「検証」がなければ、「風」による政府選択
 ☆問われる民意
  ・・・慢性的「違憲状態」の議会・巨大与党⇒多様な民意の黙殺
  ・・・自己実現が阻害されない社会が目標
  *担い手=政党・メディア・教育機関+国民自身による発信
  *デモによる発信が自己実現(SEALs)
  *民意の反映は選挙=参議院の承認権限に注目


[参考] 安保法制の背景・・・日米一体化

◆「日米防衛協力ガイドライン」実施のための法制
 *76年GL=日本有事における米軍の来援(日本防衛=安保§5)
  ・・・自衛隊が持久、米軍は来援と打撃力
  ⇒同盟の性格・・・対ソ連前線拠点としての日本防衛
  ⇒米戦略・・・ソ連海軍の太平洋への進出を防ぐ・自力防衛能力の慫慂
  *97年GL=朝鮮半島有事、米軍増派への後方支援(極東有事=安保§6)
  ・・・日本への波及を防ぐ、日本防衛は自衛隊が主・米軍は打撃力で補完(complement)
  ⇒同盟の性格・・・日本防衛から地域安保へ
  ⇒米戦略・・・北朝鮮・イラク抑止、冷戦時の駐留規模を維持
   ⇒沖縄基地問題・・・安定的駐留の継続
  *15年GL=地球規模における米軍支援(対中抑止・対テロ戦争)
  ・・・日米一体化、ミサイル。離島防衛は自衛隊が主・米軍は支援・補完
 (supplement)
   ⇒同盟の性格・・・日本防衛からグローバルな支援同盟へ
  ⇒米戦略・・・同盟国の役割増大、中国に対するリバランス、対テロ戦争の逡巡

◆2015ガイドラインにおける一体化
 *平時から有事へ、作戦の一体化
 ・・・シーレーンとアセット防護(平時のパトロール・重要影響事態・有事)
  ⇒情勢緊迫時の共同演習<見せる抑止と米艦防護>
 *情報指揮通信の一体化
 ・・・米軍のネットワークに入らなければ作戦できない
  ⇒宇宙・サイバー防衛<日本が弱い環にならないために>
 *政策の一体化
 ・・・平時からの政策調整メカニズム・あらゆる事態の共同計画作成
 ⇒日本:要請を断れない・米国:日本の戦争に巻き込まれない
 *総じて、日本の負担のみ増大、対米従属の制度化


◆集団的自衛権論議の経緯と狙い
(1) 冷戦後の海外派遣・・・二つの文脈
 ①湾岸のトラウマ→カンボディアPKO<停戦前提の国連協力> 
  PKO5原則=停戦合意・受け入れ同意・中立・業務中断・自己保存 
  「国または国準」との交戦(武力行使)を避ける 
 ②北朝鮮核開発危機→周辺事態<戦時下の同盟協力>
  「グラス半分の水の満足」=集団的自衛権不行使が前提
  非戦闘地域・弾薬提供、発信準備中の給油を除外
  
(2) 21世紀の同盟像
*2000アーミティジ・ナイ・レポート
 ・・・英国のような同盟国となるための集団的自衛権行使を慫慂
*2003イラク戦争・米政府から集団的自衛権を求める発言・小泉総理は否定
 2004「この国を守る決意」安倍幹事長
 ・・・血の同盟論<血を流さなければイコール・パートナーとは言えない>
*2004自衛隊イラク派遣・・・boots on the ground=better than everな同盟
*2007第1次安倍政権・・・安保法制懇で、集団的自衛権の論議
*2010オバマ政権の対テロ戦争見直し・・・同盟再漂流
*2012野田政権・平和のフロンティア部会・・・アジア連携の集団的自衛権
(3) 安倍政権の集団的自衛権
*2012「やり残したことがある」・尖閣防衛を公約に、第2次安倍政権成立
*2012~13 米議会調査局・・・安倍政権の歴史認識、近隣国との関係に懸念
*2013日米ガイドライン改定に着手
*2104安保法制懇報告・閣議決定
*2015ガイドライン改定合意・「法律を夏までに成立させる」
*「米艦(米国のパワーの象徴)を守る」という対米メッセージ
      ・・・従属と対等の並存
 ⇒国際情勢ではなく、日米政策サークルによる一体的同盟像の追及の果て

2015年12月28日月曜日

年末年始のオススメ図書!倉持麟太郎弁護士の新著「2015安保 国会の内と外で」


 クリスマスも終わり、いよいよ仕事納めやら帰省の準備で
慌ただしくお過ごしでしょうか。
 年越し(冬休み)の図書として絶賛オススメな新著のご紹介です!


 「2015安保 国会の内と外で」(岩波書店)
 著者:福山哲郎、倉持麟太郎、奥田愛基
(対談形式)



 そう、我らが倉持麟太郎弁護士が著書の1人として名を連ねる
対談本が刊行されました。     
 今回の安保国会、国会内と国会外でなにがあったのか、路上に
どうしてあんなに人が集まったのか、なぜあの法案は違憲なのか、
与野党は国会内でどのような攻防をしたのか。日本が70年間守り
続けてきた価値観を変えた法制について、今年の終わりに総括
できる本です(by 倉持)。

http://www.amazon.co.jp/2015%E5%B9%B4%E5%AE%89%E4%BF%9D-%E5%9B%BD%E4%BC%9A%E3%81%AE%E5%86%85%E3%81%A8%E5%A4%96%E3%81%A7%E2%80%95%E2%80%95%E6%B0%91%E4%B8%BB%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%82%92%E3%82%84%E3%82%8A%E7%9B%B4%E3%81%99-%E5%A5%A5%E7%94%B0-%E6%84%9B%E5%9F%BA/dp/4000610996/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1451235219&sr=1-1&keywords=2015%E5%AE%89%E4%BF%9D%E3%80%80%E5%9B%BD%E4%BC%9A%E3%81%AE%E5%86%85%E3%81%A8%E5%A4%96


 「今年のあの出来事や私のアクションに、何の意味があったのか」
を整理することって、とても大事なことです。どんな意味があったのか、
どんな価値があったのかをストンと理解することは、「それじゃあ来年
何をすべきなのか」を考える時、正しい方向へと導いてくれます。
 立憲主義と民主主義をあきらめないと強く決意している方はもちろん、
政治にまだ敷居の高さを感じている方(それでも何かしなきゃいけない
のかなとうすうす感じている方)にもオススメです。
ぜひぜひ、お買い求めください!


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 「勝手に決めるな!」
 9月19日午前2時すぎ、日本が現行憲法の下で守り続けてきた
平和主義、専守防衛を真っ向から否定する「平和安全法案」が“可決”。
その時、国会前では抗議に集まった人々が、強行採決に抗う議員へ
の激励のコールを叫んでいた────。
 2015年の夏、学生、ママ、学者、中年等々、10万を超える人々が
「国のあり方」を強引に変えようとする政権に対し、各地で倦むことなく
声を挙げた。路上、法曹、議員の3つの視点から見た2015年安保
の記録を中心に、公述、国会、路上のスピーチも併せて収録。


 ―西谷修さんの「はじめに 政治の杭を打ち直す」より抜粋―
『政府が「戦争」を「平和と安全」と言いかえるとき、この社会では
あらゆることがらを語る枠組みが崩れる。社会の相互了解やコミュ
ニケーションが成り立たなくなる。そこで問答無用の規制や暴力が
露出する。それを社会の鑑ともいうべき政府がやっている。
               無理になぎ倒された政治の杭を打ち直す。
(中略)自分たちでまともな政治を取り戻す。かれらはそのために
骨身を惜しまず活動する。あらゆる創意工夫を尽くす。
どこにでも出ていって政治を糺す場を広げる。                                     それが、この夏に現れた人びとによる政治参加の新しいかたちだ。
(はじめに より)』

2015年12月25日金曜日

年末年始 あすわかリーフレットの発送について☆


 メリークリスマス☆

 ということで、クリスマスとは特に関係のない、
あすわかリーフレットのご注文と発送についての、
年末年始の特別体制のご連絡です♪


 本日、25日からご注文頂いた
リーフレットの発送は、
年明け1月7日以降の発送となりますので、
ご了承ください(^^)/

2015年12月21日月曜日

音楽いっぱいな憲法カフェ@豊能町 のお知らせ☆


 この国に立憲主義と民主主義を取り戻すために、
立憲主義と民主主義を諦めない国民の輪が
ひろ~くふと~く成長しているようですね!


 安保関連法反対グループ 野党支援へ新団体設立(NHK)
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151220/k10010347571000.html

 SEALDsなどが「市民連合」、野党統一候補支援へ(朝日)
 http://www.asahi.com/articles/ASHDN5WGBHDNUTIL00N.html


 自分たちの手でもう一度近代国家をやり直そう!という号令が
聞こえてくるようで、希望が見えます。今、手をつながなくてどう
するんだっ、というこの声に、野党の方々はどう応えるのでしょうか。
引き続き、注目していきましょう。


 さて、大阪ののどかな豊能町で、小谷成美弁護士の憲法カフェ
が開催されます。
お隣の能勢に負けじと(?)豊能でも、というその志にカンパイ!
今年、西日本を爆走した小谷弁護士の「カフェ納め」です☆


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ミュージカルなけんぽうcafe

弁護士 小谷成美さんが来町♪

 そもそも憲法って何?
 日々の暮らしとのつながりは?
 頭の中も大掃除して、よい年を迎えましょう!


【日時】12月26日 13:00-17:00

【場所】大阪府豊能町中央公民館


【プログラム】
 13:00- モンゴル料理を作って食べよう (調理室)
 14:00- 小谷さんのお話と
        お茶を飲みながらグループディスカッション (調理室)
 16:00- まとめと歌(フォルクローレなど)

【イベントページ】
 https://www.facebook.com/events/1313441115352129/permalink/1334349993261241/


【連絡先】
増田 masudato@mb.infoweb.ne.jp
今岡 imaoka@lang.osaka-u.ac.jp

2015年12月15日火曜日

1月16日 憲法カフェ@下北沢かまいキッチンのお知らせ☆


 師走も半分が過ぎてしまいました!
 すでに来年の憲法カフェの予定もどんどん立っています。
今日は下北沢での憲法カフェのお知らせ、講師は美声の
田村優介弁護士です!


☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*


2016年1月16日(土)@下北沢かまいキッチン
 憲法カフェ~安保法制ってなに?
 

                                   
 安保法案が2015年、国会で成立しました。
 なにかキナ臭い、でもよくわからない…そもそも、安保法案ってなんのため?
 日本は「戦争する国」になるの?って方も多いのでは。
 そんな疑問を、ざっくばらんにお茶とお菓子と共に話してみませんか?

 ゲスト講師に、弁護士の田村優介さんを迎え、お話を聞きながら自由に
質問や意見を言い、気持ちを分かち合える会にできればと思っています。

 ルールは一つだけ。相手を批判しないこと。

 政治はわたしたちの生活を、よりよくするためのもの。
 そして憲法はフツウの人たちの自由や権利を保障するもので、だれもが
しあわせに過ごせる暮らしと地続きなはず。

 安保法案って?憲法って?わたしたちの暮らしと関係あるの?
などなど、一緒に話して考えましょ。
 もちろんお子さま連れ大歓迎です♪


■日時:2016年1月16日(土)
 15時半~17時半
 ※12時~15時、18痔~20時は通常営業なのでご飯もどうぞ。


■参加費:1,500円(飲みものとケーキ付き)
 ※小学生以下無料



■場所:かまいキッチン/KAMAY KITCHEN
 東京都世田谷区北沢2-3-6 第2ミチルビル2F
(「下北沢」駅下車徒歩5分)
 http://kamaykitchen.blogspot.jp/


■ご予約はお電話はメールで「かまいキッチン」
までどうぞ
 TEL:  03-6318-5323

  E-mail: kamaykitchen@gmail.com


■講師:田村優介さん(明日の自由を守る若手弁護士の会)
 1982年生まれ。石川県金沢市出身。大学は法律系ではなく、
文学部で社会心理学を専攻。日本の働き方がおかしいと思って
労働問題に関わる弁護士になろうと方向転換、法科大学院に
進学し弁護士に。ブラック企業被害対策弁護団、2011年9月
「原発やめろデモ」不当逮捕事件弁護人など。
 ツイッター:@tamuraysk


■明日の自由を守る若手弁護士の会(通称:あすわか)
 2012年4月に発表された自由民主党の改憲草案に衝撃を受け、
第2次安倍政権の発足により改憲の可能性が高まったことに危機感
を抱く若手弁護士により結成された。1人でも多くの国民に、改憲草
案の内容とその危険性、民主主義・立憲主義の考えを知ってもらう
ことを目的として、さまざまな発信活動を展開している。
 URL: http://www.asuno-jiyuu.com/
  FB: https://www.facebook.com/asunojiyuu/

2015年12月9日水曜日

☆祝重版☆『これでわかった! 超訳 特定秘密保護法』


 昨日の報道ですが、会計検査院が2013年9月の段階で
特定秘密保護法は憲法に違反すると指摘していたことが
報道されました。


 特定秘密保護法 『憲法上問題』検査院が支障指摘(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/articles/20151208/ddm/001/010/164000c


 そりゃそうですよね、会計(国の収支)を厳しくチェックしなきゃ
いけないところを、『特定秘密だからこの支出については答えら
れない』と言われたら、会計検査院の仕事が立ちゆかなくなります。
そんなことを許してしまうのであれば、特定秘密保護法は憲法90条
違反になるのは明らか。
 なのに内閣官房はその会計検査院からの指摘を無視して立法
したのだそうです…。

 国の収支をきっちり検査するのは、国民の税金が適切に使われた
か監視する上で必須です。
 それを「どうでもいい、そんなことよりも国民とメディアから情報を
隠す方が大事だ」と考える政治権力。正義感も倫理観も、疑わしいと
言わざるを得ません。


 …さてっ、そんな特定秘密保護法。成立してから2年が経ちました。
もう忘れてしまいましたか?
安保法案の方が重大だと思いますか?
 いえいえ。
 特定秘密保護法は、戦争できる国づくりのステップ1として作られ
ました。集団的自衛権をうま~~くスムーズに行使して、権力の思う
ままに戦争参加できるようにするために、作られた法律です。
「戦争法」が成立した今、この特定秘密保護法がコラボすることで、
どのように国民から自由が奪われ、民主主義が機能しなくなって
しまうのか、知っておく必要があります。


 そんな皆さまにオススメなのが、
岩波書店から出ている、
あすわかの
『これでわかった! 超訳 特定秘密保護法』。
 おかげさまで、ついに4版が決定いたしました!!
 おそらく、このテの本としてはそこそこ売れているはずw


 あのヤヤコシイ条文すべてを「ゆる~い」しゃべり言葉に訳しました。
 コラムやマンガをふんだんに載せて分かりやすく解説してあります。
  これなら年末年始、コタツで読める!帰省の新幹線の中で読める!
 (憲法カフェでも、特定秘密保護法はもちろん取り扱っています。)
 ぜひ、お買い求め下さい☆

2015年12月8日火曜日

12月23日 クリスマス憲法カフェ@広島のお知らせ☆


 今日は太平洋戦争が始まった日です。
じわじわと戦争できる国を目指して国内体制を整えた末の、
マレー半島上陸、そして真珠湾攻撃でした。
 自民党が大勝して与党に返り咲いた、あの選挙からもう
3年経ちますが、この3年間は、まさに「戦争できる国」づくり
の3年間だったように思えます。国民・メディア・国会議員の
目も耳もふさぐ特定秘密保護法が作られ、解釈の名の下に
憲法9条が死文化され、安保関連法案が成立してしまった…
暗澹たる気持ちになりますが、来年は、この流れを大転換
させて食い止める年にしましょうね☆


 さて、今日は広島でのクリスマス憲法カフェのお知らせです!


☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆


 クリスマス憲法カフェ☆

 広島の名店、喫茶さえきがある、「さえきビル3F」で、
中高生も参加できる憲法カフェが開催されます。
 サンタさんからのプレゼントがあるかも!
 


日時:12月23日(水・祝)
   13:30~ 憲法のおはなし
  15:00~ カフェ交流タイム



会場: 喫茶さえきビル3F
    広島市中区紙屋町1丁目4-25
    http://xn--r8jkw5439auu9b.com/

参加費: 中学生以上 1,000円
     (ドリンク・スイーツ付)


講師: パパさん弁護士 楾(はんどう)大樹さん
   (ひろしま市民法律事務所 所長/
         明日の自由を守る若手弁護士の会)


<お申込み>
Mail against.hiroshima@gmail.com
Tel 080‐8234‐0211 沖横田(おきよこた)
Facebook 安保関連法案に反対するママの会*広島


※駐車場はございません。車でお越しの方は近隣の
 コインパーキングをご利用ください。


 手作りケーキをのんびり食べながら、パパさん弁護士に何でも
聞いてみましょう!
 お子様連れ大歓迎!お気軽にお越しください!

2015年12月1日火曜日

12月10日 憲法カフェ@墨田聖書教会のお知らせ☆


 墨田区の教会で、憲法ビギナーのための憲法カフェが
開催されます。
 待降節の教会は、きっとクリスマスに向けてより一層
おごそかな空気に包まれているのでしょうね☆
講師は伊藤朝日太郎弁護士。神学の本も次々に読み
こなすクリスチャン弁護士です。
 


+;+;+;+;+;+;+;+;+;+;+;+;+;+;+;+;


 はじめて学ぶ憲法カフェ


日時: 12月10日(木)
  19:00~ カフェ交流タイム
  19:30~ 憲法のおはなし



会場: 墨田聖書教会
  墨田区墨田3-19-4
   http://sumidabible.blog10.fc2.com/


参加費:無料(予約不要)


講師: 伊藤朝日太郎弁護士
  (明日の自由を守る若手弁護士の会)

師走だからなおさら(?) 武井由起子弁護士がシンポジウムに!憲法カフェに!と大奮闘っ☆☆


 とうとう師走になりました。
立憲主義と民主主義が否定された、国民にとっては屈辱的な年も、
残すところあと1ヶ月です。
 来年は必ず両方とも取り戻すぞ~と意気込むあすわかであります。
 さて、大人気・武井由起子弁護士は、師走も(というか師走だから
尚更)大奔走・大活躍☆大阪のシンポジウムや関東での憲法カフェに
駆け回ります。
 「今の政治、おかしいとは思っているんだけど」
「戦争法、心の中では反対なんだけど」
 でもあと一歩、どう出したらいいのかな、と迷っている方も少なくない
のでは?
 まずは武井弁護士とともに憲法について知り、思いを語り合って
みてはいかがでしょう☆必ず、新たなエネルギーチャージになる機会
になりますYO(^^)/


☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・☆彡.。.:*・


① 12月5日 シンポジウム@大阪

 「日本はどこに向かうのか? PARTⅤ 
      安保法制と秘密保護法を考える」


日時: 2015年12月5日(土)
   13:30~16:30(受付開始:13時)



会場: 大阪弁護士会館 2Fホール
   (大阪市北区西天満1-12-5)



概要: 昨年12月から秘密保護法が施行され、今年の9月に
  安保関連法が成立しました。
   元々、秘密保護法と安保関連法は車の両輪の関係にあり、
  秘密保護法の下では、集団的自衛権行使の前提となる重要
  な情報が秘密とされ、なぜ集団的自衛権が行使されたのか
  の検証が全くできなくなるおそれがあります。
   日本は今後どのような方向に進むのか、私たちはそれに
  対してどのように対処すれば良いのか、皆さんと一緒に考え
  たいと思います。申込不要です。ぜひご参加ください。


出演者: 阿部 岳 氏(沖縄タイムス記者)
      SEALDs KANSAIメンバー
     武井 由起子 氏
      (弁護士、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)所属)



② 12月6日憲法カフェ@千葉市


 憲法カフェ ー暮らしと憲法ー 
    第7回 平和を願う市民の集い



憲法カフェとは?
  あすわか(明日の自由を守る若手弁護士の会)による気軽な
  憲法学習会。その名も「憲法カフェ」。
   少人数でも大人数でも、レストラン、カフェ、公民館のお座敷、
  お寺、病院…どこでも駆けつけて、憲法のイロハや民主主義・
  平和を学び合う、そんな敷居の低いライトなスタイルの学習会を
 提唱しています。
  早いもので、設立以来2年半で全国で累計700回以上開催
 されてきました。
  今回は武井由紀子弁護士をお迎えし、カフェを飛び出して、
 「憲法カフェ・拡大バージョン」を開催します。


日時: 12月6日(日)13:30~16:30
   (13:15開場)



会場: 千葉市文化センター 5階セミナー室
   (定員140名)
     千葉市中央区中央2-5-1

地図: http://www.f-cp.jp/bunka/access-location/access.html


参加費: 500円 高校生以下無料


<プログラム>
 ■オープニング 紙芝居「憲法さん」市川まり子
 ■「憲法カフェ」
  武井由起子さん(明日の自由を守る若手弁護士の会)
 ■パネルディスカッション
  学生、働く若者、子育てや仕事、介護など真っ最中の
  さまざまな世代のみなさんに、「憲法」と私たちの現在と
  未来について語り合っていただきます!

<武井由起子 プロフィール>
 明日の自由を守る若手弁護士の会所属。
 中央大学法学部、一橋大学大学院法務研究科卒。
 総合商社勤務を経て弁護士に。一児の母。
 パワフルで笑いを誘う「憲法カフェ」が評判!

参加申し込み 
 メール marityan@col.hi-ho.ne..jp
 FAX 043-262-9534(市川)
 TEL 090-9304-1030(鎌倉)090-3317-6410(舘)
 件名を「12/6つどい申込」とし、お名前、お電話番号を明記の上、
 お申し込みください。

〈主催〉 平和を願う市民のつどい実行委員会
〈後援〉 千葉市・千葉市教育委員会・朝日新聞千葉総局・
   東京新聞千葉支局・読売新聞千葉支局・千葉日報社・
   毎日新聞千葉支局


③ 12月12日 憲法カフェ@三軒茶屋


 皆さまのお申し込みお待ちしています!
 NPO法人ブリッジ・フォー・ピース(Bridge for Peace)の
 「憲法カフェ」by 武井由起子弁護士@カフェ・オハナ
  憲法学者の多くが「違憲」とした安保法案が国会で
強行採決されるなど、「平和憲法」がないがしろにされ
戦争に近づいているという不安がぬぐえない今の日本。
 日本とアジアの戦争体験者の証言を通して平和への
橋渡しをしてきたBridge for Peaceが、日本とアジアの
戦争と平和を考える上で避けて通れない「憲法」の問題を、
誰にでもわかりやすく気軽に参加できる「憲法カフェ」で
取り上げます。
 講師の武井由起子弁護士は「あすわか(明日の自由を
守る若手弁護士の会)」のメンバーで、国内のみならず
海外でも「憲法カフェ」を開催!
 海外から日本へ安保法制反対のメッセージを発信する
OVERSEASを立ち上げるなど、海外と日本の橋渡しをしながら、
憲法と「戦争法案」の問題に取り組まれています!
 親しみやすい語り口で、憲法とは何かを一から解き明かして
いただきます!


日時:12月12日(土)15:30~18:30


場所:ふろむあーすカフェ・オハナ
  (東京都世田谷区三軒茶屋1-32-6 豊栄ビル1F)
   TEL (03) 5433-8787
   http://www.cafe-ohana.com/access.html


参加費: 1500円(1ドリンク付き)


お申し込みは以下リンクからどうぞ!
 http://bridgeforpeace.jp/workshop/workshoprequest/
 http://bridgeforpeace.jp/primary/20151212/