【旧優生保護法訴訟 弁護団声明のご紹介】
旧優生保護法下で、不妊手術を強制されたことの損害賠償請求訴訟。仙台高裁が原審に続いて違憲・違法の判断をして損害賠償を認めました。
弁護団からの声明をご紹介します。
優生保護法訴訟仙台高裁第2民事部判決に対する弁護団声明
http://yuseibengo.starfree.jp/wp-content/uploads/2023/10/sendai_seimei.pdf
<一部引用>
本日の仙台高裁判決では、原審同様旧優生保護法が違憲であることを
認め、優生手術の被害者にとって客観的に権利行使が不可能ないし著しく
困難であったとして、正義・公平の観点から、民法724条後段を時効
と解すれば権利濫用(民法1条3項)により、除斥期間と解しても適用
制限すべき場合に該当するとして、20年が経過したことによる損害
賠償請求権は消滅しないと判断した。また、旧優生保護法が平成8年に
改正されたとしても国が人権侵害を認めなかったことからすれば、上記
結論は左右されないとした。
(中略)
国は被害回復に向けて積極的に動いているとは言えない状況にある。
国は、本判決を重く受け止め、旧優生保護法に基づく重大な人権侵害
の実態、被害回復の必要性について真摯に向き合い、上告することなく、
岸田文雄総理大臣が率先して本件の政治的解決に向けて被害者らと即時
面談すべきである。最高裁判所に係属する6つの事件についての判断を
待たずして、高齢化している全国の被害者のためにも、国は、一刻も
早く全面解決を図るべきである。
<引用終わり>
「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命
健康を保護すること」を目的に制定された優生保護法。何万人もの人が、
この差別意識と優生思想に満ちた法律によって、不妊手術を(多くの場合、
意味が分からないまま)強制されたことは、あまりにもむごい、国家に
よる残酷な人権侵害です。政府はお金も時間もかかる司法での判断を待つ
という後ろ向きの姿勢を改めて、謝罪・救済・補償の政策をとるべきです。