安保法制や共謀罪に反対し、するどい質問で真っ正面から政府に
斬り込んで、その問題性を暴いてくれた山尾志桜里議員が、改憲に
ついて語っています。
● 時代の正体<551>改憲論議に先手打つ 山尾志桜里氏が語る(下)
http://www.kanaloco.jp/sp/article/289883
「安倍晋三首相による憲法改正提案とは「改憲」自体が自己目的化し、
変えやすいところのつまみ食いを繰り返して出てきたものにすぎない。」
自民党(やその背後にいる日本会議)が,前のめりになって主導しようと
している改憲は、山尾議員が指摘するとおりですね。
「とにかく改憲したい」という結論ありきな姿勢が、
96条を改正したい
↓
緊急事態条項ならどうだろう?
↓
じゃあ、自衛隊明記は?教育無償化でもいいよ!
…という、見事に一貫性のない(いや、「どこでもいいから改憲したい」
という姿勢だけは一貫している)姿を見せてくれました。
選挙の間だけ憲法については語らず、選挙に勝てば「改憲について国民の
支持を得た」と語り、数の暴力で議論をせずに強行採決…。
憲法に縛られるものの振る舞いとして許されない光景を、5年弱見続けて
きました。近代国家として必須の土台である「立憲主義」を取り戻したい、
という国民の当たり前すぎる要求を、山尾議員がしっかり受け止めてくれて
いることを心強く思います(すでにこれまでの数々のするどい質問が、その
決意を物語っています)。
ただ、このくだりについては、ちょっと残念です。
↓
「これまでの改憲議論は、「一文字でも変えたい改憲派」と、「一文字も
変えさせない護憲派」による二項対立の構図にからめとられてきた。」
ほんとうに、こんな対立構図は存在するのでしょうか?
「800億円の血税を払ってまで今すぐ変える必要がある箇所はないと
考える人」なら、たくさんいると思います。あすわかにもいます。
これを書いている私自身、「一文字も変えさせない護憲派」に、現実
世界で出会ったことは一度もありません。
「一文字もかえさせない護憲派」という呼称は、今の憲法はアメリカの
押しつけだからダメ(自主憲法制定)と主張する方々が、それに反対する
人たちを揶揄したものです。
現実に「憲法は不磨の大典で一文字も変えてはいけない」と明言している
人は、極めて、極めて(ゼロなんじゃないかなと思ってしまうくらい)少数
です。
いろんな思いで、「こんな改憲おかしい」と声をあげている人がいます。
今までだって、そうです。9条を変えちゃダメ、と声を上げている人それ
ぞれに、それぞれの考えがあったはずです。
過去の侵略を繰り返さない国にしたい、とか、誰も殺したくないし殺され
たくない、とか、あるいは現代社会では戦争放棄が一番リアリズム、とか。
今はまた、立憲主義を壊すような改憲は許されない、とか、国民主権を骨抜
きにする改憲に危機感を持ったり。
そういう、自民党(や背後の日本会議)が進める改憲にそれぞれの危機感
を持って反対する人たちをまとめて「一文字も変えさせない護憲派」と揶揄
して、現実には存在しない対立構図を示す、これは安倍政権の手法そのもの
です。
自民党はじめ、「自主憲法制定」を叫ぶ方たちが
「改憲に反対する人たち=時代遅れの人たち・議論できない人たち」かの
ように印象づけようと揶揄するのは、とても不誠実ですし、もしほんとうに
そう思っているのなら現状認識力が決定的に欠けていると言わざるを得ません。
山尾議員が、この現実に存在しない対立構図について、批判的にとり
あげずにそのまま採用なさるのは、ちょっと…残念です。
自民党が進めようとする改憲にはあまりにも問題点が多いので、反対の
声を上げる方達の「思い」も千差万別です。
「思い」が千差万別でも、「この改憲だけは許しちゃいけない」という
一点でまとまれるように、あすわかも尽力しますっ!
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