2020年11月26日木曜日

国民投票法 問題点を報じないマスメディア

 

● 国民投票法改正案が審議入り 今国会の成立は断念 (テレ朝NEWS)https://news.yahoo.co.jp/articles/087b4b6584b8ac789feb352498866564ace240dc


 このニュースでは、改正案の中身については「国民投票法の改正案は、

投票の利便性を国政選挙と同じようにするものです。」とだけ。。。


● 国民投票法改正案 審議入り 立憲など慎重姿勢 (FNN)https://news.yahoo.co.jp/articles/f719d672ebfff66e561bd09ea006bb962e8c203f


 このニュースでも、改正案の中身については「憲法改正に必要な国民

投票の利便性を高めるためのもので」とだけ。。。


 なぜ、国民の意思を正確に反映できない数々の重大な欠陥があること、

そして改正案はそれを一切修正しないことの説明をしないのでしょう。

この報道だけでは、なぜ野党が慎重なのか、国民は知ることができず、

「知る権利」に応える報道とは到底言えません。国民の関心が高まら

ない原因は、マスメディアのこういういい加減な報道にもあるのでは

と思わずにはいられません。


 とにもかくにも、致命的な欠陥を一切直す気のない“改正案”をわざわ

ざ急いで採決しよう、という発想に、主権者として最大級の警戒を抱き

ます。

 「真に民意を反映した公正な投票結果が出る。そういう仕組みを整え

ることこそ、憲法改正議論の私は前提だと思う」(奥野議員)に、論理

で反論できる議員・政党はいるのでしょうか。 

本日、衆院憲法審査会(採決なし)


 国民投票法の改正案、衆議院憲法審査会での本日の採決は見送られる

見込み、とのこと。


● 国民投票法、今国会も成立見送りへ 26日衆院実質審議入り (TBS)https://news.yahoo.co.jp/articles/c685da8390aa650a86e881378ceef1d60d296eef


「なぜわざわざ今このタイミングで?」という違和感、

「なぜ欠陥を何一つ修繕しないまま採決なの?」という率直な疑問に対し、

反論も正当化もできないのでしょう。

 この改正案おかしい、と感じて発信したすべての人に敬意を表します。


 審議をするのであれば、ずっと前から言われていた(にもかかわらず修繕

すべきと扱われてこなかった)数々の欠陥について、真摯に向き合ってほし

いと思います。

2020年11月25日水曜日

国民投票法 え、今、このタイミングで採決!?しかも、そのポンコツ改正案!?



 憲法改正の国民投票法には、さまざまな問題・欠陥があることを、
先だっての記事で書きました。


 今、採決されようとしている国民投票法の改正案は、
・ 駅や商業施設などへ共通投票所を設置する
・ 期日前投票の理由に「天災又は悪天候により投票所に到達することが
 困難であること」を追加する
・ 投票所に同伴できる子供の範囲を「幼児」から「児童、生徒その他の
 18歳未満の者」に拡大する
・ 洋上投票(外洋を航行中の船員がFAXで投票できる制度)の対象の拡大


 など、公職選挙法の内容を、憲法改正の手続きに関する国民投票にも適用
しようという、7項目。
 …たしかに、「無いよりあった方がマシ」です、どれも。
 でも広告規制や最低投票総数など致命的な欠陥については、一切触れて
いません。

 ずーーっと前からこれらの問題点を指摘し続けたのに、あえてこの改正案で
何一つ取り上げないということは、それらの欠陥を直す意思がない、という
ことです。ひ、ひどい。。。orz💦

 採決されて、「これで国民投票法の修繕も済んだ」ことにされてしまえば、
最高法規である憲法が、国民の意思を反映できるとは到底言えないめちゃ
くちゃな手続きで改正されてしまいかねません。
 ただでさえ憲法改正を急げなどという世論が盛り上がったことはないのに、
今はコロナ禍で多くの市民が命と健康の危機におびえ、明日の見通しも立た
ない生活に苦しんでいます。
 国民は、迅速なコロナ対応はじめ、少しでも社会を憲法の理想に近づける
努力こそ国会議員に求めているのに、その今、まさかの、国民投票法ですか?
なんか…ちがいませんか?いろいろ!



2020年11月24日火曜日

野田聖子議員の“女性手帳”的な発想


 自民党の野田聖子幹事長代行が、菅政権が「不妊治療への保険適用」

を打ち出したことについて喜びを語るインタビューがありました。

確かにそれ自体は不妊に悩む方々にとって大きな後押しです。


● 不妊治療の保険適用が「少子化対策」を加速する (毎日)https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20201119/pol/00m/010/009000c


 しかし、野田氏の発言の中に、引っかかるものも少なくありません。。。


<一部抜粋>

 保育園の充実や待機児童の解消も大事ですが、子供が生まれなければ

どうしようもありません。待機児童を減らすことだけが「少子化対策」

ではありません。

 重要なのは、20代、30代の女性が子供を産める環境にすること

です。出産する女性の9割は20代、30代だからです。小さな企業は

育休制度がないところも多いですが、義務化して国が援助する▽フル

タイムで働けなくても正社員の身分を保証する▽夫も休む―――など、

できることはたくさんあります。

 今は特に働きながら出産するとなると、なんだか「申し訳ありません」

というような雰囲気があります。もっと堂々と胸をはって「出産します

!」と言えるような国にしたいです。

 教育の場で、避妊の前に「妊娠」を教えることも必要だと思います。

女性は30代後半になれば妊娠しにくくなります。「女性は20代から

30代前半で子供を産む」と、教えなければと思います。

<抜粋終わり>


 「女性は20代から30代前半で子供を産む」と教えなければ…って、、、

 不妊に苦しんだ自身の経験からの言葉だとは思いますが、これは、

2013年に猛批判の嵐で撤回された「女性手帳」と同じ発想では

ないでしょうか…??

 すべての人の「子どもを産むか産まないか、産むならいつ産むか、

何人産むかを自分自身で決めることができる」権利の保障との関係を、

どう考えているのか、とても気になります。


 また、野田氏は不妊回避のために「避妊の前に『妊娠』を教える」

と述べていますが、長年にわたり自民党が安倍晋三氏を中心として科学

的な性教育をつぶしてきた(「寝た子を起こすな」と性交には触れず

避妊だけ教えるという無理すぎる授業しか許さない)歴史への反省は、

まったく語りません。先ほど述べた、すべての人に「子どもを産むか

産まないか、産むならいつ産むか、何人産むかを自分自身で決めること

ができる」権利を保障しようと思えば、まずは、科学的な性教育を阻み

続けた歴史の反省が、大前提なのではないでしょうか。


 


軍事研究と「学問の自由」の緊張関係


 前回の記事でご紹介した信濃毎日新聞の社説、

 軍事研究へ研究者を取り込む動きについても大切なことが書かれ

ています。


● 学術会議への介入 自由の圧迫に抗さねば (信濃毎日)

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2020112300065


<一部抜粋>

 運営費交付金は総額の削減が続き、法人化後の10年でおよそ1割

減額された。研究者は資金不足にあえいでいる。軍事応用できる基礎

研究に助成する公募制度を防衛省が始めた15年度には、大学からの

応募が相次いだ。軍事研究に科学者を取り込む動きは安倍政権下で

目に見えて強まった。

 歯止めをかけたのが学術会議の17年の声明だ。学問の自由、大学

の自治の観点から、防衛省の制度は「政府による介入が著しく、問題が

多い」として大学や研究機関に慎重な対応を求めた。同時に、戦争を

目的とする研究を絶対に行わない決意を掲げた50年と67年の声明を

継承すると明記した。

 学術会議は、戦争に科学者が動員され、また自らすすんで協力した

ことへの深い反省に立って創設された。軍事と一線を画す決意は、ゆる

がせにできない戦後日本の科学界の出発点である。

<抜粋終わり>


 つまり、予算を削って事実上「研究者が自由に研究できる」環境を

奪い、防衛省が札束で引っぱたくように軍事研究に誘い、科学者コミュ

ニティを切り崩しているわけです。

 

 日本学術会議の「軍事的安全保障研究に関する声明(2017年)」

は、札束(予算)に誘われるがままに軍事研究を始めれば、防衛省(国

家権力)の大学・研究への介入(コントロール)は不可避で、研究の自主

・自立も、学術の健全な発展も、消えてなくなることを懸念したものです。

短いので、ぜひ全文お読みください。


<日本学術会議>

軍事的安全保障研究に関する声明(2017年3月24日)

 http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/gunjianzen/index.html


 少なからぬ方々が、軍事研究を禁じる日本学術会議こそ、「学問の

自由」を侵害している!と怒っておられますが、

 声明をお読み頂ければ分かるように、そもそも日本学術会議は軍事

研究を「禁じ」てはいませんし、

 予算を枯渇させて研究者が自由に研究できない環境にした上で、

「防衛省の予算で研究いかがですか♪」とばかりに甘く厚い札束で

軍事研究へと誘う。その誘いの先には研究の自律性も、成果の公開も、

科学者の倫理もない。

 この状況を前に、一体、「学問の自由」を侵害しているのは誰かと、

問いたいところです。

信濃毎日「学術会議への介入 自由の圧迫に抗さねば」


 信濃毎日新聞の社説をご紹介します。

 まだまだ、日本学術会議への人事介入(新会員候補6名の任命拒否)を

「学問の自由とは関係ない(個々の研究者は自由に研究できてるじゃないか

)」と大誤解している方が少なくないようです。


● 学術会議への介入 自由の圧迫に抗さねば (信濃毎日)

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2020112300065


<一部抜粋>

 《突き崩される防波堤≫

 国会で政府は「個人として有している学問の自由への侵害になるとは考え

ていない」と答弁している。そこにもごまかしがある。個々の研究は妨げ

られなくても、任命拒否が学問の自由を侵害しないことにはならない。

 学問研究の自由を確保するには、外部からの圧力や介入に対抗できる制度

的な枠組みが欠かせない。大学の自治や、学術機関の政治権力からの独立と

自律を保障することはその柱だ。

 誰を会員に選ぶかは、学術会議の運営や活動の根幹に関わる。何より自律性

が重んじられるべき事柄だ。任命拒否はそれをないがしろにした。学問の自由

の防波堤が突き崩されようとしていることを見落としてはならない。

 <抜粋終わり>


 何度でも確認したいところです。

 学問コミュニティの自律性を侵す、これはまぎれもなく「学問の自由」への

侵害です。

 「異論を許さない政治」が、憲法を蹴破る。憲法を蹴破る政治が、次に狙う

のはだれでしょうか。

 出版でしょうか。映画でしょうか。集会でしょうか。


 この問題は、だれにとっても他人事ではない、という意識を、もっともっと

広めなければなりませんね。


2020年11月23日月曜日

停滞する学術会議問題 終わったことにさせない


● 停滞する学術会議問題 発覚から1カ月半、

                                         政府の回答先送り続く (東京)

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/69985


「政府は今回の人事について、既に手続きは完了していると説明。

欠員を埋めるには学術会議がもう一度、会員候補を推薦する必要が

あるという立場で、自ら問題解決に動く気配はない。」


 完了…!?

 前提がそもそもおかしい。

 任命拒否は違法なのです。完了なんて認められるわけがありません。

 この問題は、違法を認めて6人を任命することでしか治癒できません。


 政権は、違法な任命拒否を正当化できず、ひたすらはぐらかし続ける

ことで国民が飽き、忘れるのを待っています。その上で「そもそも日本

学術会議っておかしい組織なんですよ、これ変えなきゃいけないでしょう」

と論点をズラし、二度と政権を批判しないような(忖度するイエスマン

な)組織に変えようとしているわけです。

 

 任命拒否をこのまま認めたり、ズラされた論点にそのまま乗っかったり

すると、恣意的な法解釈の変更や運用で国会がどんどん無意味な存在に

なっていくことを認めることになります。そこで言われる「官邸主導」

とか「強いリーダーシップ」って、独裁と何がちがうのでしょうか。

 ぜったいに忘れません。

 


生存権(25条)の意味


 不定期に繰り返しアップしていますが、25条(生存権)について、

ぜひ知っておいてください。

 ままならない事情で経済的に困窮する危険は、誰にでもあります。

それを「弱肉強食の世界だから」「自己責任」と見捨てる世界観を、

日本国憲法は明確に否定します。本人の努力ではどうにもならない

貧困から救い上げ、人間らしさを保てる最低限の生活を保障すること

は国家の義務です(25条)。

 生存権は、まぎれもない基本的人権で、生活保護の受給は、怠慢でも

わがままでもないこと、ぜひ、ぜひ、忘れないで下さい。


 また、生存権(25条)がすべての国民に「健康で文化的な最低限度の

生活」を保障するのは、「戦争の芽を摘む」という意味においても大切

です。

 貧困と差別は戦争の温床です。

 いつの時代も不況・飢餓・差別が市民を分断し、政府は失政を隠すため

に市民の憎悪を「外敵」に向けさせ、戦争を起こしました。



山梨県弁護士会 拒否された候補者6名の速やかな任命を求める会長声明

 山梨県弁護士会

「日本学術会議会員の任命拒否に抗議し,

拒否された候補者6名の速やかな任命を求める会長声明」

http://yama-ben.jp/statement/1408/


 日本学術会議の新会員候補6名を首相が任命拒否した件、

学問の自由への侵害である上に、恣意的な法解釈の変更が国会の

形骸化(=民主主義の破壊)につながることを厳しく批判しています。

ぜひお読みください!!


<一部抜粋>

 国会審議を経て確定した法解釈を内閣が恣意的に変更し,その法の

趣旨を逸脱した適用を行うことは,国会の地位や権能を形骸化する

ものであり,許されるものではない。

 このような恣意的な法適用により,政府が学術会議の会員人事に

介入することを許せば,学術会議の独立性は失われ,時の政府や

政治権力の意向に従う組織へと変質する恐れがある。それにより不利益

を被るのは,学術会議会員のみならず,自律した組織運営に基づく学問

研究の成果を享受すべき国民と社会全体である。

 また,問題は学術会議の人事にとどまらない。政府による法解釈の範囲

を逸脱した恣意的な解釈変更を許せば,国立大学法人の申出に基づき

文部科学大臣が任命する国立大学長の人事など,様々な学問研究分野へ

の政治の介入に道を開くことになる。仮に,そのような介入が現実に

行われていないとしても,そのような恐れがあること自体が研究者の

学問研究を萎縮させ,学問の自由への脅威となる。残念ながら,任命

拒否の具体的な理由を説明しないまま,「既得権益」などと学術会議の

あり方を非難する政府の態度が,まさしくその脅威を増幅させていると

いわざるを得ない。

<抜粋終わり>


2020年11月21日土曜日

クリスマスや年末年始に! あすわか「憲法かるた」🎄


 あすわか「憲法かるた」、5月の発売スタート以来、大変なご好評

を頂いております♡

 ステイホームは、退屈で先の見えない不安に満ちたものかもしれま

せん。でも、せっかくなので少しでも「いい時間」にしませんか。



 

 この「憲法かるた」、100%子ども向けとあなどることなかれ!

 読み札のウラにはミニ解説もあるので、少し憲法知ってる大人でも、

「え、こんな規定あったっけ💧」「そういう意味だったのか…」と

知識・うんちくが深まります。

 ほんとうに家族全員が楽しめるアイテムです。クリスマスプレゼント

にぜひ🎁年末年始にみんなで楽しんでください!

 子どもも大人もいつの間にか「主権者」力アップまちがいなし!✌


1セット1,500円(税込み、送料別途)。

ご注文はこちらから→https://mailform.mface.jp/frms/asunojiyuu/7zmamuigg76d?fbclid=IwAR029uQmZt1YukouvBSII26O89UGBRnBzJP_DSuo3Kov_hMurytebDEUIbE



<おまけクイズ!>

憲法かるたの読み札をご紹介。何条のどんな規定のか分かりますか?

(答えは次回ブログで!)


Q1 わたしたち けっこん相手は自分で決める


Q2 「もうだいじょうぶ」 ささえるのは国のぎむ


Q3 らんぼうやめて。 しゃべらなくてもいいんだから


Q4 歴史は語る じんけんの重み フォーエバー

2020年11月18日水曜日

選択的夫婦別姓 ぜんぜん「伝統」じゃない

 

 もう待ちすぎるほど待っている、選択的夫婦別姓の導入。

 世論は、何度調査しても、導入に賛成の声が多数です。

 ただ、多数決の問題ではない、ということは知っておいて頂きたい

ことです。

 自分の姓を失うことが、アイデンティティの喪失につながる人がいます。

例え難いほどの苦しみを抱えている人がいます。

 国際的にも例を見ない「夫婦同姓強制」の婚姻制度は、一定の人の人権

を侵害してしまう制度である以上、多数決で決める問題ではなく、今すぐ

変えなければならないのです。

 

TBS NEWS@tbs_news のツイート

https://twitter.com/tbs_news/status/1328733644031098880

【「選択的夫婦別姓」賛成が7割以上】

結婚する夫婦が別々の名字を選べる #選択的夫婦別姓 制度。7000人を対象にした大規模調査で、7割以上の「賛成」が明らかに。「キャリアが分断される」などの切実な声に加えて、結婚や出産を諦めた人も・・・#news23



● 結婚前の姓を名乗れる選択的夫婦別姓 7割が「賛成」 (NHK) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201118/k10012717801000.html


 いまだに国会議員が「伝統的家族観」という謎の概念を持ち出して

大反対をしていますが、ここで、『イマドキ家族のリアルと未来』p40

を引用します。


<一部抜粋>

 選択的夫婦別姓に反対する人たちは、「夫婦同姓は我が国の伝統」と

言いますが、誰もが氏を持つようになったのは、明治時代になってから。

それ以前に氏を持つこと許された特権階級では、むしろ夫婦別姓でした

(源頼朝・北条政子etc)。

 明治時代でも当初は夫婦別姓が原則で、1898年の明治民法により

家制度が確立した際、戸主と家の構成員はその家の氏を名乗る、原則と

して妻は夫の家に入る、ということで夫婦同姓がスタート。非常に差別

的な家制度は日本国憲法が公布されたことに伴い、真っ先に廃止されま

した。ところが十分な議論がされないまま、1947年に成立した民法

で、夫婦は必ず同姓という750条が規定されてしまいました。

<抜粋終わり>


 同姓強制は、家制度の産物なのです。ぜんっぜん「伝統」じゃない。

 これが日本の伝統である、と物知り顔で話す人には、ぜひ、教えて

あげて下さい。

 (百万歩譲って、それが伝統だとして、廃止しちゃいけない理由には

なりません。悪しき因習です。)




国民投票法 与党の改正案って、問題点を修繕できてるの?


 憲法改正の国民投票法には、さまざまな問題・欠陥があることを、

先だっての記事で書きました。

( http://younglawyersfreedom.blogspot.com/2020/11/blog-post_33.html )


 全国の弁護士会でも、同様の声明がたくさん出ています。

・京都弁護士会

「日本国憲法の改正手続に関する法律の問題点解消を求める会長声明」

 https://www.kyotoben.or.jp/pages_kobetu.cfm?id=1260&s=seimei


・秋田弁護士会

「現行憲法改正国民投票法のもとで国民投票を行うことに反対する会長声明」

 https://akiben.jp/statement/2018/05/post-128.html


 それに対して、今、与党が提案している国民投票法の改正案は、

・駅や商業施設などへ共通投票所を設置する

・期日前投票の理由に「天災又は悪天候により投票所に到達することが

 困難であること」を追加する

・投票所に同伴できる子供の範囲を「幼児」から「児童、生徒その他の

 18歳未満の者」に拡大する


 …など、公職選挙法の内容を、憲法改正の手続きに関する国民投票にも

適用しようという、7項目です。

 これって…こないだの記事でまとめた(上記声明で指摘されている)

根本的な欠陥については、ぜんぜん、ノータッチですね💧

「ないよりはあった方がマシ」的な項目ばかりで、広告規制や最低投票総数

など「これほんとうにマズい」という問題点は、スルー。


 肝心なところ(いま権力を握っている憲法を変えたい人には有利に

使える規定)には手をつけないで、すごい微々たる点だけいじって、

「これで国民投票法についてはしっかり議論できて、しっかり修繕できた」

ってことにされるのは、とても恐ろしいことです。

 こうした問題点について直す気があるとは、与党は一切、答えません。

直す気…ないんですね (*_*;

 ハッキリ言ってしまえば、直さない方が、簡単に改憲できるから、と

いうこと…なのでしょう。


 国民投票法案の改正案、といっても、「ほんとの欠陥を直す改正案」

なのか?というところは、しっかり知っておいた方がいいですね🖊

ぜひ、ご友人やご家族に、知らせてください👍




「そのうち忘れるだろう」と思われている市民としてできること


 杉田水脈議員の「女性はいくらでもうそをつく」発言、そして謝罪

や議員辞職を求める署名(13万6千筆)の受け取り拒否。

市民の怒りが募るのを尻目に、政権は、市民が飽きるのを待っている

フシがある、という分析があります。


● 問題発言を風化させた「『逆』牛歩戦術」

            杉田水脈議員は逃げ切ったのか(下) (47NEWS) https://news.yahoo.co.jp/articles/6fae47c4c32bd531fce4ca03bf2c339df81d5544?page=1


「自民党は政権与党として、所属議員によるこの問題に正面から向き

合ってもよさそうなものだが、今回はひたすら沈静化を待つような

動きが目立った。」


評論家の荻上チキ氏も、記事中で

「現在の与党は、何か問題が起きたときに、できるだけ対応を遅らせ、

多くの人が関心を持たなくなるまで待つ『逆牛歩戦術』を常とう手段

にしている。今回の署名受け取り拒否も、その典型だ」

と述べています。


 「桜を見る会」や目下の日本学術会議の件でも同じですね。

「はぐらかし続ければ、どうせいつか忘れるだろう」という思惑は、

たしかに、透けて見えます。

 でもそれは、市民への愚弄ですし、不誠実の極みです。

国民から選ばれている国会議員が国民をバカにし、国民への説明を

拒む国で、民主主義は正常に動くはずもありません。


 私たちは決して忘れません。飽きません。

 一人ひとりは微力ですが、微力でもできることはあります。

 地元の自民党議員さんに、「杉田議員の件をどう考えるのか」

「自民党としてどう対応するのか。まさか許すのですか?」と尋ね、

要望や怒りを伝えることは、やはりとても大事ですね。

 FAXでも電話でも手紙でもいい。主権者(有権者)が、現に

政権・与党に怒って不信感を抱いていることを、議員一人ひとりに

「実感」させましょう。

 そしてマスメディアへの投稿も、大事です。特集を組んで欲しい、

追及してほしい、しっかり尺を取って報じてほしい、と伝えましょう。

 性暴力・性差別を許さない、という強い気持ちが、行動に移されて

積み重ねられれば、おのずと、性暴力・性差別を許す議員の居場所は

なくなります。


2020年11月16日月曜日

憲法改正 国民投票法には問題ばかり💦(>_<)!


 「憲法改正」は国会が「発議」して「国民投票」で過半数の賛成が

あれば改正されます(憲法96条1項)。

 憲法を変えるのかどうか、最終的には私たち国民の「投票」次第。

まずは国民投票の仕組みを知って、憲法改正案の内容を良く調べ、

賛成or反対を決める必要があります。


 憲法改正国民投票の仕組みや国民投票運動のルールは「国民投票法」

が定めています。ところが、この「国民投票法」にはいくつもの問題点が!

このままでの国民投票は、あまりにもアンフェア💦

 改憲したいなら発議の前にまず国民投票法の抜本的な改正をして、

公正・公平な手続きを整えることが先決です。

 与党は、国民投票法の改正を憲法審査会で議論したいようですが、以下に

書いた問題点に真摯に取り組もうとしているのか、しっかり見極めることが

主権者として大事です👍




<最短2か月で国民投票!?> 

 今の国民投票法では、国会で「発議」されてから「国民投票」まで

の期間は最短でたったの60日(2か月)!仕事・家事・育児・介護

と並行して、そんな短期間で憲法改正案を吟味し、投票運動に参加し

て、「賛成」「反対」を決められますか?本の出版も間に合わないん

です。。。熟慮には、もっと時間が必要です。


<最低投票率が決められてない!>

 今の国民投票法には、最低投票率(投票が少なすぎるので国民投票

は無効、というボーダーライン)の定めがありません。

 例えば投票率がたった30%でも過半数の15%強の賛成で、いや、

もっと極端なこといえば、5人しか投票しなくても憲法改正が可能と

いうことです💦

 それだと到底「国民全員で決めた改正」とはいえず、正統性に疑義

が生じます。最低投票率の定めは必須です。


<有料広告はフリーダム(資金力次第)>

 今の国民投票法には、CMなど有料広告の規制はほぼゼロ。

資金力のある側がゴールデンタイムのCMの枠を買い占めて、人気

タレントを起用したCMを流し続ければ、世論が操作されて国民は

冷静な判断がしにくくなります。表現の自由に配慮しつつ、広告の

公平性やフェアな投票運動を守るルールが必要です。


<まとめて賛成or反対!?>

 条文ごとに賛成か反対か投票できる個別投票が、原則になっていま

せん!今の国民投票法は「内容において関連する事項ごとに区分して

行なう」としか定めておらず、改憲の項目が複数あったとしても、

まとめて「賛成」か「反対」か投票を迫られる可能性があります。

「条文ごとに個別投票」の原則を!


<公務員と教員は何も言えない!?>

 今の国民投票法では、公務員と教員の「国民投票運動を効果的に行い

うる影響力又は便宜を利用し」た国民投票運動が禁止されています。

曖昧すぎて意味不明…💦こんな書き方では、何が許されて何が許されな

いのか分からず、必ず処罰を恐れて委縮してしまうでしょう。。。

表現の自由・学問の自由・教育の自由の過度な制限です。


「女性はいくらでもうそをつく」発言 もう終わったことにはさせない


 「女性はいくらでもうそをつきますから」と発言した杉田水脈議員。

 まともな謝罪がないままで、自民党も事実上不問に付したままです。


● 「レイプ神話」届かぬ被害者の声

         杉田水脈議員は逃げ切ったのか(上) (47NEWS)

https://news.yahoo.co.jp/articles/9ebf9bf62abc0133963aba592755d88c73db757e?page=1


「謝罪や辞職を求める13万8千筆超の署名も受け取られることなく

宙に浮いたまま。世間の関心は日本学術会議の任命拒否問題などに

移り、杉田氏や自民党が『逃げ切った』かのようにも見える。」


 あらゆる犯罪の中でも突出して「被害者の落ち度」が語られ、被害者が

責められるのが、性犯罪です。


 そんな夜中に歩いているからだ、

 叫んで全力で抵抗しないのが悪い、

 そんな服装だからだ、


 根底には「抑えられない男性の性欲」への“寛容”な考え(女性は

甘受せよという強要)、つまり性差別があります🔥

社会にも、司法の世界にも、まだまだ根深い。。。

 それを助長させる発言を繰り返す杉田水脈議員と、同氏を擁護し

続ける自民党。被害の記憶や周囲からの偏見の目に苦しみながら、

それでも必死に生きている女性たちをさらに蹴落とすような発言を

ためらわない杉田議員に、憲法尊重擁護義務をまっとうできる能力

・世界観があるとは到底思えません。

 

 日本学術会議やコロナ対応、国会にはさまざまな重大問題が山積

していますが、決してこの問題を「もう終わった」ことにはさせない

よう、しっかり声をあげませんか。

 「ぜんぜん終わってない」「何の対応もせず擁護するだけなのか」

と、自民党にも、マスメディアにも、声を届けましょう。

 


この状況で「中止」の選択肢を作らない政府の言説には要警戒


● IOCバッハ会長 菅総理と五輪開催に向けきょう会談 (テレ朝) https://news.yahoo.co.jp/articles/d7e8cffc321ecbef59042af4a2b76e061e4bf081


 確実に感染が拡大していて政府が「とにかく何もしない」姿勢を貫く

この国で、そして万単位で感染者が増えている国・再び外出禁止令を

出した国ばかりという今、「中止」の選択肢を作りもしないIOCや

政府の非科学的な言葉に、決して流されないことが、主権者として大事

です⚠️

 新型コロナウイルスがここまで猛威を振るっていて、一方で気をつけろ

と警戒させておきながら、他方で五輪という世界的な商業イベントについ

ては「やると言ったらやるんだ」となりふり構わず開催に向けて走り続け

るのは、どう考えても論理的ではないからです。

 論理をかなぐり捨ててでも得たい、なにかしらの権益・利得があるから、

としか思えない。

 そこに、「国民の命が最優先」という発想がないことに、主権者として

心の底から怒りを覚えます。


 菅首相は先月、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして

開催し、東日本大震災の被災地が復興を成し遂げた姿を世界に向けて

発信する場にしたい」と発言しました。

 …打ち勝った、って、どんな状況になれば「打ち勝った」といえるので

しょう(*_*;?

 すでにおびただしい数の死者は出ています。コロナ禍で仕事を失い困窮

している人も、とてつもない数です。ワクチンが開発されたところで死者が

生き返るわけでもなく、ワクチンが開発されたとしてもすべての人に行き

届くまでにどれだけの月日がかかるかなんてまったく予想不可能です。

 なにもかも予測不可能で明るい見通しが立ちようもないのに、来年の7月

に「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として開催する」ことだけは

決めている、って、あまりにも、気味が悪いほどおかしくありませんか。


 「国民の命と生活が最優先」という姿勢があれば、

 少しでも科学的・論理的にものを考える力があれば、

 なにがなんでも来年7月に「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し

として開催」するんだ、という考えに行き着くはずがない。


 それはまちがっているんじゃないか、

 なんかおかしい、

 そういう気持ちを、決して捨てずに、流さずに、発信してください。

 同じ気持ちの人と、必ずつながれます。


下村氏「納得しないなら日本学術会議は民間に」


下村博文氏

「どうしても野党や学術会議の皆さんが(首相らの説明に)納得しない

なら、首相が(会員を)任命しないよう組織を変えた方がいい。

民間組織にすれば首相が任命する必要もない」


● 学術会議、民間移行も選択肢

         「野党納得しないなら」―自民政調会長 (時事)

 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020111500257&g=pol


 逆ギレして脅す。。。🔥

 なんだか「自分たちはこんだけ丁寧に説明してあげてんのに納得しな

いなんて」という前提があるように見えますが、めっちゃくちゃ異議

あり!ですね。。。

 そもそもまともな説明をしていない政権に、逆ギレする資格はあり

ません。


 文句あるならつぶすぞ(民間に行けーー)というのは、「異論を許さ

ない」政権ならではの本音ですね。(*_*;

 ブレーキも、諫言も、不要。イエスマンだけで十分。

 学問も科学も、権力の道具でしかない。


 …そういうタガの外れた発想が詰まっている発言です。

 それでも、この政権と、この政党を、支持しますか?

 一人ひとりが問われています。



2020年11月13日金曜日

「支配の道具」としての校則 今すぐ廃止して下さい。


 中学校の校則の見直しに向け、佐賀県弁護士会(富永洋一会長)が、

判断基準などを示した提言書をまとめました。


● 中学校則「下着は白」、教員が目視で確認

                                       …弁護士会「明らかな人権侵害」(読売)

 https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20201112-OYT1T50299/


 提言は「規制の目的と手段(指導)が合理的なものか」との基準

を示したほか、「子どもの権利を明言すること」や「策定・改定の

際に子どもが関与できる仕組み作り」からなる、とのこと。

 具体的に存在する「校則」として挙がったのは、マフラー禁止、

髪形のツーブロック禁止のほか、下着は白、というものまで。。。


<一部抜粋>

 中学生へのヒアリングでは、定期検査の際に教員が下着を目視で確認

する指導が現在も行われていることが判明したという。同委員会の稲村

蓉子弁護士は「明らかな人権侵害だ」と指摘。

 また、多くの学校で、制服や髪形が、男女別に細かく定められている

ことについて、「性的少数者(LGBT)や障害者、異なる文化や宗教

を背景に持つ子どもたちを社会がいかに受け入れ、多様性を確保する

のかという視点が欠落している。子どもたちが納得できない、学校側

が理屈を説明できない校則は改定を検討すべきだ」とした

<抜粋終わり>


 下着の色指定なんて、一体、誰のための、なんのための校則だという

のでしょう。

 合理性も必要性も、なにもない、ただただ「大人が生徒を支配する

ため」だけの道具です。

 制服が男女別に細かく分かれているのも、学校が「この世には男性と

女性の2種類しかいない」という前時代的なメッセージを放っていて、

生徒の人格を否定する可能性は看過できません。


 ブラック校則が話題になるたびに書いていますが、

 問答無用に教師が校則で自由を奪い続けて生徒と誠実な議論もしない

のであれば、当然「長いものには巻かれるしかないんだ。権力には従う

しかないんだ」と生徒は学びます。そして考えることをやめ、長いものに

巻かれ続ける大人になります。自由を奪うということの重みを、学校側

は絶えずかえりみてください。


「なぜこんな校則に従わなきゃならないのか」「なぜこんな生活指導で

生徒をしばるのか」という質問に対し、人権の観点から真摯に検証し、

理論的・科学的な説明をしない教職員は、教育者として失格と言わざる

を得ません。


「息子に“男らしさ”を押し付けていない?」


 あすわか太田啓子弁護士の『これからの男の子たちへ』、今週はもはや

メディアジャックなんじゃないかと思うほど、多くの媒体にインタビュー

記事が掲載されています!

 ご紹介が追いつかなくてすみません💦

 先月には、女性誌『LEE』のサイトに、発売記念イベントのリポート

記事が掲載されました🎉


● 「息子に“男らしさ”を押し付けていない?」

    ジェンダーレス時代に、男の子ママなら一度は考えること

 https://lee.hpplus.jp/kurashinohint/1768631/area02/


 「DV・モラハラ、セクハラ、性犯罪を犯してしまう男性の性差別的

な考え方は、一体、どこからきているのか」という問題意識から始まり、

 それが「有害な男らしさ」というキーワードの発見につながり、

 男の子を育てるにあたって、この「有害な男らしさ」からできるだけ

遠ざけるための試行錯誤、

 そして大人たち側も自らの中から「有害な男らしさ」を払い落として

(アンインストールして)いかなければならない、という自省と啓発…


 読んでいて、必ず、「あ、これ、自分のことだ!」

あるいは「これ、夫のことだ!」とグサっとくる箇所が、

いくつかあるはずです。

 そういうのをママ友同士や夫婦で、互いに語り合ったりする機会が

あるといいですよね🍀


パワハラはまぎれもない人権侵害です


<浅井氏及びアップリンクとの合意に際して(PDFデータ)>

 https://drive.google.com/file/d/1M-RiIDcbbMK_a1_Fl4ji5gc_pFymzR9M/view


● 「人の尊厳を犠牲にした働き方が日本の映画業界を支えている」

      アップリンク パワハラ訴訟で和解も原告がコメント (毎日)

https://mainichi.jp/articles/20201104/k00/00m/040/108000c


 加害者である浅井氏たちから真摯な謝罪がなく、むしろ正当化しよう

としてくるなど不誠実な態度に対して、被害を受けたスタッフの方々

(原告)の不信感は増すばかりで、訴訟を選ぼうかという中、「和解」

を選んだ理由としてこう書かれています。

<一部抜粋>

 決して、浅井氏及びアップリンク側の謝罪に満足できたわけではあり

ませんでしたが、もし今後もアップリンクという会社が存続し、浅井氏

が継続して取締役社長を続けるのであれば、ほんのわずかでもアップリ

ンクに在籍するスタッフの負担が軽減されるための仕組みを作ることの

方が、より意味があると判断したため、裁判で判決をもらうのではなく、

下記の点について合意を得ることを優先することに決めました。

<抜粋終わり>


 具体的には、複数株主制への移行、取締役会および(原告が候補者を

提案する)第三者委員会の設置など、とのこと。


<一部抜粋>

 アップリンクという会社の功績が、労働者の犠牲の上に築き上げられ

てきたものであり、それらは簡単に切り離すことができず、映画のため

の犠牲として見過ごされてよいものではありません。

<抜粋終わり>


<一部抜粋>

 深刻なパワハラが繰り返されてきたことが明らかになってもなお、沈黙

を続けるのは何故でしょうか。「作品に罪はない」と問題を矮小化させて

しまう発言をするのは何故でしょうか。加害者を擁護するため、被害者で

ある私たちの発言を否定したのは何故でしょうか。尊厳を犠牲にすること

を前提とした働き方が日本の映画業界を支えているのだということを、

そしてその問題から目を背けたあなたの言葉や行動が、時に人を死に追い

詰め、誰かの人生を奪っているのだという事に気づいてください。

<抜粋終わり>


パワハラ撲滅への熱意、真摯なたたかいに、心より敬意を表します。

パワハラは、被害者の心身をむしばむ人権侵害です。

ひどければ一生を狂わせることも、自殺に追い込まれることもあります。

 上記の抜粋からも如実に伝わってきますが、圧倒的な力関係の下、

さらにさまざまなしがらみの中、その被害を公にし「こんなのおかしい」

と声をあげることは相当な勇気が要ります。たしかな人権意識を共有し、

「行きすぎた指導」「部下を思うあまり」「冗談のつもりだった」など

の言い訳を許さない社会を求めます。


タニタに続いて電通も「社員を個人事業主に」 憲法27条が骨抜き!


● 電通、社員230人を個人事業主に 新規事業創出ねらう (日経)

 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66103760R11C20A1916M00/?n_cid=SNSTW001


 「社員の自由な働き方のために」と美しく報じられていますが、

とても危険です。

 だって、雇われた社員でなく個人事業主になると、労働法に守られた

存在ではなくなり、労働時間の規制も、残業代のルールも適用されず、

命や健康に被害が生じても「労災」ではなくなります。

 社員にすさまじい長時間労働を強いて自殺に追い込んだ電通が、人権

軽視な社風を抜本的に改革する姿勢をまったく見せないまま、こういった

策を講じてくることには、危機感しかありません(;>_<;)💧

 ハッキリいえば、人間らしく働く権利(憲法27条)を骨抜きにする

発想です。

 

 社員の方々には、そのリスクをよくよく考えてほしいと思いますし、

ほんとうに自由意思で選べるのか、それとも事実上個人事業主になら

ざるをえない状況に追い込まれるのか、怪しいと思ったら証拠を残して

おくことをオススメします。


 そして、電通ではない企業に勤務しておられる方々にとっても、

他人事ではありません。「タニタと電通、2つの大手企業が採用したの

なら、じゃあうちの会社でも」という波が起きることは、まったく不思議

ではないからです。

 できれば労働組合に入ることをオススメします。

 いざというときに、大勢で声を合わせて、「おかしいよ!やめて!」と

いえる強みは、代えがたいものです。




「市内にLGBT差別は存在しない」春日部市議、謝罪を拒否


 10月30日にFB投稿でご紹介した、春日部の井上市議。

LGBTのパートナーシップ条例の創設などを求める請願に対し「春日部

市にLGBTに対する差別がないことは明らか」「左翼の作戦」などと発言

していましたね…

(10月30日の記事→ https://www.facebook.com/asunojiyuu/posts/3363521643683004


 その井上市議が、改めて、謝罪も発言の撤回も拒否した、とのこと。


● 「LGBT差別は存在しない」

                        問題発言の春日部市議 謝罪も撤回もせず (東京)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/67830



 「差別するつもりはない」とのことですが、いうまでもなく、差別

する意思が本人にあるかどうかは、発言が差別的かどうかとは、関係

ありません。セクハラと同じようなものです。

 記事の最後に「市は『相談の有無にかかわらず性的少数者は社会の

中で困難を感じていると認識している』とし、市民への啓発を引き続き

進めるとしている。」とあり、市の良識がせめてもの救いです。

井上市議は、自分がグルっと見まわした範囲で差別が見えなかったこと

をもって「市内に差別は存在しない」と思い込み、苦しみを訴える声を

排除しました。十分、差別的です。


 相談窓口に相談が来ないということは、その相談窓口は利用しづらい

ということなんじゃないか、という容易に想像できることにも思いが

至りません。

 自分の身の回りに性的少数者がいないということは、自分は「カミング

アウトしないでおこう」と思われているのだ、ということにも気づけませ

ん。こういう浅はかさを、市民(有権者)はどう評価するのでしょうか。


 差別を許さない有権者の気持ちが一票に託されれば、おのずと、差別を

許さない議員が多く当選し、差別に「寛容」「無関心な議員の居場所は

なくなるはずなのですが。




2020年11月10日火曜日

11月14日(土)楾大樹弁護士の憲法カフェ「檻の中のライオン」in市川☆


「檻の中のライオン」in市川☆

 https://www.facebook.com/events/355945695438125



日時: 2020年11月14日(土)

  13:30~17:00


会場:市川市 生涯学習センター 

  グリーンスタジオ

 http://www.city.ichikawa.lg.jp/catpage/cat_00000496.html


講師:楾 大樹(はんどう たいき)氏

  1975年生まれ

  ひろしま市民法律事務所所長・弁護士

  「明日の自由を守る若手弁護士の会」会員

  『檻の中のライオン 憲法がわかる46のおはなし』、

  『けんぽう絵本 おりとライオン』著者

  檻の中のライオン講演は、市民だけで無く小中高校・短大や大学、

 自治体等も主催し全国45都道府県で450回以上開催されており、

 楽しく分かり易いと好評を博している。


参加費:700円

 (大学生500円、高校生以下200円)

*オリジナル憲法条文クリアファイルつき


*保育あり(要事前予約)


主催:2020年市川憲法集会実行委員会

後援:市川市、市川市教育委員会


お問い合せ:ichikawakenpou@gmail.com

  (電話・FAX)047-357-9420 村上


<FBイベントページ>

https://www.facebook.com/events/355945695438125


<主催者メッセージ>

 今年の市川憲法集会は、「檻の中のライオン in 市川」として開催します!

◆「檻の中のライオン」とは?

 「檻」を憲法、「ライオン」を権力者として例えた憲法書として異例の

ベストセラー

 中学校公民資料集に大きく掲載・進研模試に出題の話題作

 『檻の中のライオン』著者 楾弁護士が、市川憲法集会に登場します!

 楽しく!わかりやすい!

 社会の仕組みが分かる。

 憲法エンターテイメント!

 知らなくて損してる?

 弁護士が教えてくれる

 生活と憲法の話!


2020年11月7日土曜日

次なる首相の言い訳「調整できなかった」 ←圧力かけたのに、ってことですか( ゚Д゚)


 日本学術会議への人事介入について、菅首相は刻一刻と任命拒否の

理由を変えています。

野党から追及されてもその答弁は…国会中継やどの動画をご覧になれ

ば分かると思いますが、消え入りそうな、というか意識の混濁が起きて

るのかと思うほどしどろもどろで、うしろの「ささやき秘書官」がいな

ければ何一つ答えられないような有り様…。

すみませんが、まさか、こんなにも能力が低いのか、と、唖然とします。


 さて、そんな菅首相が繰り出した次なる任命拒否の理由は、

「以前は正式な名簿の提出前に、内閣府の事務局などと会議の会長との

間で一定の調整が行われていた」

「今回は推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らない者が生じた」

 …そんな、あからさまに政治圧力かけたのにびくともしなかったから

拒否しました、と言われても、、、( ゚Д゚) 


● 「事前調整働かなかった」から任命拒否 首相答弁に批判 (朝日)

 https://news.yahoo.co.jp/articles/09c382972b7a9647c4d0b1f1d93554c657059a9b


「首相のこの日の発言は、事前調整を学術会議側に求めたことを認めた

うえに、事前調整がなければ推薦通りには任命しないという考えを示し

たものだ。この発言を野党側は問題視。立憲民主党の森ゆうこ氏は朝日

新聞の取材に『独立性をもってできた学術会議に政治が介入し、それを

堂々とやろうとする宣言だ』と述べた。」


 憲法で保障された自律性を一蹴する、この知的でない暴力的な姿勢には、

心から失望します。

 この発言に関して、日本学術会議の歴代の会長も、怒りを込めて批判

しています。


● 人事めぐる事前調整「なかった」

    山極前会長が首相答弁に反論<学術会議の任命拒否> (東京)

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/66779

 


大西元会長

「官邸に事前説明はしたが、要望を受けて選定過程も含め、事前に何か

を調整したということは一切ない」

「2016年の補充人事では官邸が難色を示したが、選考委員会で議論

し『官邸の要望は受け入れられない』と判断したまで。調整をしたとは

思っていない」

  

山極前会長

「私は(杉田官房副長官と)直接会うことも電話で話をすることも、

長を通じて断られた。話し合いたいとの官邸からの誘いもなかった」

「官邸側はうわさとして注文をつけてきたが忖度はしない」


 どう逆立ちしても正当化できない違憲・違法の人事介入。

 いいかげんに、政権は責任を認め、6名を任命すべきです。

こんな痛々しい反知性的な政治は、もう見ていられません。


過去に選択的夫婦別姓に賛成と述べた菅首相「政治家として責任がある」!

  

 11月6日、参議院予算委員会において、小池晃議員が選択的夫婦別姓

について質疑でとりあげました。

橋本聖子大臣からは、第5次男女共同参画基本計画の策定に向けての意見

募集において、選択的夫婦別姓への反対意見がなかったこと(!)、

上川陽子法務大臣も選択的夫婦別姓に賛成であること、

菅首相も過去に選択的夫婦別姓に賛成する発言をしていることを認め、

「私は政治家としてそうしたことを申し上げてきたことには責任がある」

と答弁しました。


● 首相、選択的夫婦別姓に「政治家として責任がある」 (朝日) https://www.asahi.com/articles/ASNC66J6QNC6UTFK01F.html


 選択的夫婦別姓について、橋本聖子大臣・上川陽子大臣・菅首相への

質疑が、動画でまとめられているので、こちらもぜひご覧ください。

<小池晃議員の質疑の動画> https://twitter.com/koike_akira/status/1325017195437453312?s=20


 小池晃議員は、日本の結婚の制度を「(世界で唯一の)いってみれば

強制的夫婦同姓制度ですよ」「しかもこれ、人権の問題だから。世論が

っていうより、人権の問題として考えるべきだと思うんですよね。」

と、強く法改正を訴えました👏°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

 まさしく、人権の問題です🔥「賛成の人が多いなら変えよう」という

問題ではないのです。一人でも、その制度によって尊厳を奪われ、人権を

侵害されている人がいるのであれば、その制度は変えられなければなら

ない問題なのです ❗


 これまで何度もいうように、「同姓にしたい」カップルは、同姓にすれ

ばいいだけの話です。選択的夫婦別姓にしても、誰にもデメリットがあり

ません👍

 首相は言行一致で、自分の言葉に責任をもって、自民党を説得して、

国際的に見ても恥ずべき婚姻制度を変えてください ❗


伊吹文明氏、日本学術会議に「自由を乱用するな」と。


 自民党の伊吹文明議員…これまでも強硬な改憲を主張してきた方

ですが、日本学術会議への人事介入について、

 「学問の自由と言えば、水戸黄門の印籠の下にひれ伏さなくては

いけないのか。憲法は、自由は乱用してはならないと定めている」

と述べ、さらに学術会議の会員は特別職の国家公務員だと指摘し

「一方的に政治的な声明を出すとか、学術会議の肩書で政治的な発言

をするのは自粛しないといけない」

と言ったそうです。


● 伊吹氏「学問の自由は印籠か」 学術会議側をけん制 (共同通信)

 https://this.kiji.is/697063830492546145


 まず、とにかく「日本学術会議=政府の一機関」で「会員=単なる

公務員」ということにしたいと必死です。

 日本学術会議の独立性の高さや、その土台に「学問の自由」がある

ことを、どこまでも軽視・軽侮しています。

人権の知識が底抜けに無いか、知っていてぶっ潰したいと考えている

のか、まぁ、どちらにせよ、ひどいことです。


 「学問の自由」を水戸黄門の印籠のように言うな、と批判しています

が、日本学術会議は別に権限の拡大を企んだり大きな権益を欲しがった

りしてるのではありません。憲法で保障されている自律・独立を侵す

違法な行為をしてきた政府に「違憲・違法な行為はやめてくれ」と

言っているだけです。

信号無視した人に信号無視するなと言っているだけ。

 自由を踏みつぶす人に「踏みつぶすな」と言っているだけなのに、

「自由は乱用してはならない」と理不尽な逆ギレって、ありえないと

思うのですが。

 強硬な改憲論者ほど、憲法の基本知識を軽々と蹴飛ばす…。


 政権を担う与党の重鎮がこういう発言を平然とする、という光景を

前に、私たち国民は、たとえ大学や学術と無縁でも、「日本学術会議

の件は他人事ではない」と察知しなければいけません。人権や自由を

軽視・無視するような政治家が権力を持っているということは、次は

「憲法は、自由は乱用してはならないと定めている」と言ってデモや

出版、報道を封じかねないからです。

 「次に狙われるのは自分かもしれない」ときちんと警戒することが、

とても大事です。



2020年11月6日金曜日

蓮舫議員の首相への質疑(一部)その2 とにかく公文書は開示しない、と。


 前回に引き続き、11月5日の参議院予算委員会における、蓮舫議員の

首相への質疑(一部)をご紹介します。

 前回のFB投稿、読まれましたか?ほんとにヤバかったですよね(-_-;)、

任命拒否の理由がどんどん変わっていく有り様。その続きをお読み下さい。

 この人たちに権力を託しておくわけにはいかない、と少しでも震えた方、

ぜひご家族やご友人にも、TVではなかなか報道されないこういう詳しい

議事の様子を、伝えてください。


*・。*゜・。・o゜・。*゜・。・o*゜・。*゜・。・o*゜・。*゜・。・o*


蓮舫 この総理の説明、官房長官の説明が矛盾だらけ、答えていない。

 逃げているということを、この6人を削った経緯を知る方法が一つ

 あります。8月31日に推薦名簿が出て、9月24日起案されるまで

 の過程の公文書はありますか?


官房長官 今回の任命にかかる経緯について、杉田副長官と内閣府との

 やりとりを行った経緯について、担当の内閣府において管理をしている

 というふうに承知をしております。


蓮舫 どういう内容ですか、管理されているのは?


官房長官 今申し上げた杉田副長官と内閣府でやり取りを行った、

 それ以外もあるかもしれませんが、それが、そういった記録という

 ことを承知しております。


蓮舫 提出して下さい。


官房長官 まさにこれは人事に関する記録でありますから、内容の提出

 は、今回の件に限らず、こうした案件については差し控えさせて頂いて

 るところであります。


蓮舫 それは詭弁です。公文書管理法の目的と原則は何ですか?


井上信治大臣 公文書管理制度は、行政の適正且つ効率的な運営を

 実現するとともに、現在と将来の国民への説明責任を全うするため、

 極めて重要な制度であると認識をしております。そして、公文書

 管理の適正化に向けては、ルールの明確化やチェック体制の整備

 などの取り組みを着実に実施してきたところでありまして、新政権に

 おいても引き続き各大臣の下でルールに沿った適正な管理を徹底

 してまいりたいと考えています。


蓮舫 大臣、公文書管理法の原則は何ですか、って聞いているんです。


井上大臣 公文書管理法上の重要な原則として文書主義がございます。

 公文書管理法の第4条、意思決定の過程や事務事案の実績を合理的に

 あと付け、検証することができるよう、軽微な事案を除き、文書を

 作成しなければならない旨を規定しております。

 このことを文書主義と呼んでおります。


蓮舫 公文書、文書主義、つまりすべて残すというのが前提。

 特に菅官房長官、安倍総理時代に桜やモリカケがあってもうとにかく

 公文書は改ざんされる、不作成、直前にシュレッダー、そのことに

 よって安倍内閣のときでも見直しをして、ガイドラインで打ち合わせ

 やメモ全部残しましょうということになったんですね。

(中略)つまり、さきほど官房長官がおっしゃったように、人事に関する

 といえば何でも出さないということじゃないんですよ。まず全部作る、

 その中で人事に関する機微な部分は出さないでも結構ですけど、会議

 をした、省議をした、こんなうち合わせをした、そして要件を狭めて

 いった、こういうふうにした、総理に報告をした、最終権者の総理が

 決裁をする時点までを一連のファイルで残さなきゃいけないんです。

 これ、残していると思います。人事の機微な部分は黒塗りでも結構

 です。出してください。


官房長官 (中略)これは行政機関の保有する情報の公開に関する法律

 においても、人事管理にかかる事務に関し、公正かつ円滑な人事の

 確保に支障を及ぼすおそれがある場合については開示をしなくても

 いいと、こういうふうにされているところでありますので、いずれに

 しても、人事に関する記録、この内容については、今申し上げた今後

 の公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれもあることから、

 この提出はこれまでも差し控えさせて頂いているということであります。


蓮舫 いや総理、人事に関する機微な情報、個別名詞とかこの人はこう

 いう理由だ、そこはいいんです別に。ただ、こういう過程で狭めて

 いった、省議を重ねたという途中経過をお示し下さい。

 総理として指示をしますか?


首相 今、官房長官が申し上げたとおりです。


蓮舫 総理として指示しないということですか?


首相 官房長官と総理は一体であります。


蓮舫 政府があらゆる記録を克明に残すのは当然、議事録とは最も基本的

 な資料、国家運営の責任感の無さ、この作成を怠ったのは責任感の無さ

 が如実に表れている、国民への背信行為、これはあなたのブログで、

 本に書かれた記述です。今でもこのお考えですか?


首相 そこは変わっておりません。


蓮舫 国民への背信行為にならないように情報公開する、私たちに提出

 する、って言ってください。


首相 ルールに基づいて行いますので、先ほど官房長官申し上げた

 とおりです。



蓮舫議員の首相への質疑(一部)その1  任命拒否の言い訳の破綻スゴイ


 11月5日、参議院予算委員会での、蓮舫議員の首相への質疑(一部)

をご紹介します。長いのですが、ヤバいので(w?)あっという間に

読めてしまえます。任命拒否についての首相の言い訳がグズグズと

破綻していく有り様が、とにかくひどいです。


<この蓮舫議員の質疑(一部)の動画>

https://twitter.com/MAKINO1121/status/1324741366161657856


*・。*゜・。・o゜・。*゜・。・o*゜・。*゜・。・o*゜・。*゜・。・o*


蓮舫 もう、外した経緯を説明できないから、女性だとか若手だとか大学が

 偏っているとか、そういうのは後付けだったんじゃないですか。


首相 閉鎖的で既得権益に、そうした状況になっているということに対して、

 私は官房長官時代から懸念をしているということを申し上げてきています。


蓮舫 女性バランスと言いますけれども、この20年間で日本学術会議は、

 女性の割合は1%から38%になっているんです。それは政府の男女

 共同参画基本計画の目標30%をはるかに超えているんですよ。

 あなたの内閣の女性割合はどれくらいですか?


首相 今、ここの承知のとおりであります。ただ、女性は、女性は確かに

 水準を超えていると思います。しかし大学は大きく偏っていますから、

 そうしたことも、これ…全体の、全体のバランスというのは、それは

 私は違うと思います。私、申し上げましたけれども…いや、そうした

 ことは、全体として私は言っています。


官房長官 内閣における女性比率ということでありますが、総理を入れて、

 今、内閣21名、そのうち2名が女性ということでありますから、

 1割弱ということになるわけであります。


蓮舫 閣僚で言ったらわずか2人で9.5%なんですよ。学術会議38%

 ですよ。で、女性のバランスが悪いって総理がおっしゃったから聞いて

 いるんです。なんで女性のバランス悪いって言ったら今度違うこと言い

 出すんですか?


首相 女性のバランスについて私は言っておりません。


蓮舫 じゃ、大学が偏っている、会員ゼロの人、会員1人の大学の教授

 2人外したのはなんでですか?


首相 個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の

 任免であって、通常の公務員の任免と同様にその理由については、 

 人事に関することであり、お答えは差し控えるべきだと思います。


蓮舫 人事については答えは差し控えると言いながら、女性バランス悪く

 ないじゃないですかって言ったら、それは言ってないと言って、言って

 るときと言わないとき使い分けるのやめてください。


首相 私はこのようにお答えをしています。今回の個人の任免の判断

 とは直結しませんが、学術会議自体には出身や大学に大きな偏りが

 あり、会員の選考方法も閉鎖的で既得権のようになっていると

 言わざるも、言わざるを得ない状況ですという話を実はいたして

 おります。さらに、今回105人の推薦に対しても99名を任命する

 ことで、結果として、例えば民間人や若手も増えていくことを期待

 しており、今後、学術会議、国民に理解されるように、より良いもの

 にしていきたい、このように思っています。


蓮舫 結果として若手も女性も外され、私大も外されました。言ってる

 こととバランス真逆の結果の人事、どうして納得したんですか。


首相 全体としては、マクロで見た場合は、まったく違うと思います。

 例えば、出身大学に大きな偏りがあると私申し上げました。

 帝国大学、これ7つでありますけれども、国立大学に所属している

 この会員は45%です。それ以外に173の国立大学、公立大学、

 併せて17%です。また、615ある私立大学は24%にとどまって

 います。さらに、産業界や、産業界に所属する会員や49歳以下の

 会員はそれぞれ3%にすぎないということを、私は偏っていると

 いうことを申し上げていました。(中略)


蓮舫 総理、ミクロだろうとマクロだろうと、いいですか、6人を外した

 ことで私大の人はいなくなった、若手はいなくなった、そして女性も

 いなくなった。バランス悪くなっているじゃないですか。

 結果として納得したんですか?


首相 私、先ほど来申し上げていますけど、今回の個々の任命の判断とは

 直結しないがという形で私は答弁をしています。


蓮舫 いや、だって、個々人の判断と直結しないと懸念は払しょくでき

 ないじゃないですか。


首相 これも先ほど申し上げていますけれども、約10億円の予算を

 使って活動している政府の機関であり、任命された会員は公務員に

 なるのですから、その前提で社会的課題に対し提言などを行うため、

 専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスの取れた活動

 を確保するために必要な判断を行ったということであります。


蓮舫 いや、支離滅裂を超えていますよ。これで国民のために働く

 内閣なんですか?


首相 そこはしっかり働いていきたいと思います。


(2に続く)


憲法15条1項を持ち出して「首相には公務員の選定・罷免の権限がある」と主張する政府の初歩的な大間違いについて


 日本学術会議への人事介入の件、連日、国会では野党の追及が続いて

います。

 首相はじめ政府の答弁は「はぐらかし」に徹しているというか、文字

通り支離滅裂なものになっていて、論理でものを考えようとする人に

とってはとても忍耐の要るものになっています…。


 気になるのは、首相や官房長官がいまだに何度も何度も

「学術会議の会員の任命は、憲法第15条1項の関係で推薦された方々

を必ずそのまま任命しなければならないということではないということ

は内閣法制局の了解を得た政府の一貫した考え方です。」

と繰り返すことです。

 「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」

という規定を、政府の権限として、あらゆる公務員にそのまま適用して

いいんだ、という発想。

 以前、この考え方が初歩的な大間違いであることを書きました。→http://younglawyersfreedom.blogspot.com/2020/10/blog-post_20.html

 改めて書きますが、この15条1項は「あらゆる公務員は、もはや

天皇に奉仕する職員ではなく、国民主権国家においては究極的には

国民が任命・罷免するような立場ですよ」、という宣言です。

 天皇に尽くすのではなく国民主権原理の中で「全体の奉仕者」として

働くんですよ、という宣言は、天皇主権の国に生きてきた国民には新鮮

だったことでしょう。国民主権と結びつけるための大きな枠組みについ

ての条文を、なんにでも「公務員なんだから、国民の代表である首相が

煮るのも焼くのも自由」という言い訳のために持ち出してくるのは論外

なわけです。

 だって…じゃあ、国立大学の教授も、政党の党首も、市長も町長も、

大きく言えばみんな「公務員」ですが、これ全員、首相が自由にクビ

切れるんですか、っていう話です(-_-;)💦

 内閣法制局は、エリートであり職人集団のトップですから、15条なんて

根拠にできるわけがないことを当然知っています。知ってるのに「それっぽ

いこと言っちゃえばいい」というやり方が、ほんとうに不誠実です(まぁ、

そういう黒を白と言えと圧力かけるのは政権なのですが…)。


 11月4日の予算委員会で、日本共産党の志位和夫委員長が、この

15条についての首相の発想を斬っているので、以下、ご紹介します。


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11月4日 

衆議院予算委員会における日本共産党・志位和夫委員長の質疑(一部)


志位 総理は、呪文のように憲法15条1項を持ち出しますが、憲法

 15条1項「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有

 の権利である」は、公務員の選定・罷免は、主権者である国民の権利

 であるという一般原則を述べたものであり、内閣総理大臣に公務員の

 任免権を与えた規定ではありません。


  国民の選定・罷免権をいかに具体化するかは、国民を代表する国会に

 おいて個別の法律で定められるべきものであります。日本学術会議の

 会員の選定・罷免権は、日本学術会議法で定められており、この法律に

 違反した任命拒否こそ憲法15条違反であり、総理の弁明は天につば

 するものと言わなければなりません。

  そもそも憲法15条1項は、戦前の大日本帝国憲法が、天皇主権の

 もと、第10条で「天皇ハ……文武官ヲ任免ス」と、官吏をすべて

 「天皇の官吏」としたことが、全体主義と侵略戦争につながったこと

 の反省にたって、公務員の選定・罷免権を主権者である国民に委ねた

 ところにその核心があるんです。


  総理は、公務員の選定・罷免権をあたかも内閣総理大臣にあるかの

 ごとく、この条項を読み替えておりますが、それは内閣総理大臣が、

 主権者である国民から、公務員の選定・罷免権を簒奪(さんだつ)する

 暴挙であるといわなければなりません。

  くわえて言えば、憲法15条を持ち出した任命拒否合理化論は、憲法

 学界の通説でも何でもありません。著名な憲法学者の小林直樹氏は、

 憲法15条を持ち出した任命拒否が許されれば、どんな独裁制でも合理

 化されてしまうことになると指摘し、「憲法15条の趣旨は決して、

 このような官僚的な行政支配の基礎を用意したのではない」と厳しく

 批判しています。独裁政治に道を開くこのような法解釈は断じて認めら

 れません。

11月4日 志位和夫委員長(日本共産党)の衆議院予算委員会での質疑


 11月4日の衆議院予算委員会における、日本共産党の志位和夫委員長

の菅首相への質疑(一部)をご紹介します。

 相変わらず、菅首相の「はぐらかし」は、お家芸ともいえる域で、

「総合的・俯瞰的活動を確保するため」の任命拒否なんていう理由が、

破綻していることを如実に語っています。

ここではご紹介できなかった、それ以外の質疑の部分では、やれ大学が

偏ってるとか、女性が少ないとか、「バランスが悪いから任命拒否した」

みたいな言い訳がすべて破綻していて、まともな答弁は1つもありません

でした…。

「バランスと言いながら自ら違法状態を作り出してバランスを壊している

のは総理じゃないですか」という志位委員長の批判には、首相は「人事に

関することは回答を差し控える」と、まさに「逃げ」るしかありませんで

した…。


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志位 なぜ6名の任命を拒否したのか。総理はその理由として、学術会議

 の総合的、俯瞰的活動を確保する観点からだと繰り返してこられました。

 しかし、総理のこの説明に対して、どの世論調査でも、国民の6割から

 7割が説明不足と答えております。(中略)

 問題は、「総合的、俯瞰的活動を確保する」ということが6名の任命

 拒否の理由になり得るか?ということです。総理に伺います。

 私は、10月29日の本会議の代表質問で、6名を任命すると、学術

 会議の総合的、俯瞰的活動に支障をきたすという認識なのかと聞きま

 した。総理からは答弁がありませんでした。私は非常にシンプルなこと

 を聞きました。支障をきたすという認識なのか?イエスかノーか、

 端的にお答えください、総理。


首相 きわめて大事なことですから、イエスかノーかで答えられないと

 思います。私は説明をさせて頂きたいと思います。年間10億円の予算

 を使って活動している政府の機関であり、任命された会員は公務員に

 なります。その前提で、社会的課題に対して提言などを行うために、

 専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスのとれた活動を

 確保するために必要な判断を行ったものです。

 さらに、今回の個々人の任命の判断とは直結しませんけれども、私は

 学術会議自体に官房長官時代からさまざまな懸念を持っていました。

 (中略)さらに、会員の選考というのは、全国に90万人いる研究者の

 うち、約200人の会員、また2,000人の連携会員とのつながりの

 ある方に限られた方々の中から選ばれており、閉鎖的・既得権益のよう

 になっていると言われても仕方がないと思います。


委員長 答えをまとめてください。まとめて簡潔にお願いします。


首相 こうした中で推薦された方々がそのまま任命されてきた前例踏襲

 をやめて、総合的な判断として99人を任命することを判断をさせて

 いただいたということであります。


志位 今、長々とお答えになりましたが、私の聞いたことに全く答えて

 おりません。その中で、最後総理が言われた「閉鎖的で既得権益」

 これはひどい答弁だと思いますよ。会員・連携会員とのつながりのある

 限られた中から選ばれていると言いますが、事実に反します。

 新会員の選考というのは、会員・連携会員の推薦だけでなく、協力

 学術研究団体からの情報提供をもとに選考委員会が選考している。

 既得権益といいますけれども、10億円ということも言うけれども、

 会員の給与はゼロですよ?それから、自らの研究や教育の時価を削って

 科学の成果を社会に還元しようという使命感で頑張っておられる、

 そういう科学者に対して、あまりに敬意を欠いた失礼な発言だと思い

 ますよ。そして、あなたがあれこれ言ったことは、何よりも6名の任命

 拒否の理由に全くなっていない。別の問題のすり替えです。

 私が聞いたのは1つ。答えてください、6名を任命すると、学術会議

 の総合的、俯瞰的活動に支障をきたすのかどうか、これを聞いている

 んです。これが答えられないんですか?


首相 個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の

 任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については人事

 に関することであり、お答えは差し控えたいと思います。


志位 個々人の任命の理由について聞いてるんじゃない。6名を任命し

 たら支障が出るのかと聞いた。それに対して答えられない。

 つまり、「総合的、俯瞰的活動を確保」というのは、任命拒否の理由に

 なり得ないということであります。


2020年11月5日木曜日

11月4日 辻元清美議員の予算委員会での質疑


 11月4日の辻元議員の菅首相への質疑(一部)を、ご紹介します。

長いのですか、「え?え?えええ!?」と、一気に読めてしまうと

思います。

 首相が、どれだけ質問に真正面から答えようとしていないか、はぐ

らかそうとしているか、不誠実な姿勢が如実に分かります。

質疑する議員は、主権者国民の代表として質問しています。

国民に一切説明する気がないのと同じなわけです。

 また、「どれだけ無知か」「どれだけ任命拒否のやり方がいいかげん

だったか」も分かります。え、それも知らない?それも知らない!?

辻元議員は見事でした。

 この人が総理大臣で、この人に国民の命と暮らしが託されていて、

いいのでしょうか。

 少しでもおかしいと思ったら、その思いを、形にしましょう。

この質疑をご家族や友達に見せるんでもいい、メディアに投書する

のもアリです。



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辻元 これを決裁したときに6人が外されていることは知らなかったと

 おっしゃったので、ではその後、6人の人が実は外されていたんだと

 いうことを総理が知ったのはこの決裁の後のいつごろですか?と聞い

 ているんです。


首相 8月31日、学術会議の推薦を受けて、具体的な対応について

 相談を受けたわけで、具体的な相談を受けたのは総理大臣になった後

 です。9月16日、私、内閣総理大臣に就任しましたので。その後に

 それを受けて、私が懸念や任命の考え方を官房長官や副長官を通じて

 内閣府に伝えて、最終的に99名を任命する決裁を行ったということ

 です。


辻元 ですから、もう一回言いますよ。この6名の、加藤陽子さん以下

 6名の名前が出ました。これは、じゃあこんな人たちが任命されて

 いなかったということはニュースで知ったんですか、新聞とか。

 いかがでしょう。

 ちょっと、関係ないでしょう。もう全然関係…なんで?総理の記憶を

 お聞きしているんですよ。


首相 まず、8月31日に学術会議から総理大臣宛てに105名の推薦

 名簿が提出され、担当の内閣府からその内容の報告を受けて、私が

 官房長官時代から持っていた懸念というものを伝えました。こうした

 懸念点や任命の考え方を官房長官を通じて内閣府に伝えて、9月24日

 に内閣府が99名を任命する旨の決裁を起案して、9月28日ですね、

 決裁を行ったのは。


辻元 そうすると総理は、懸念は伝えた、と。しかし具体的に、

 こういう6名の方がこうこうこういう理由で任命から外されました

 という説明は受けていないということですね、具体的な名前を入れて。


首相 先ほども申し上げましたように、懸念や任命の考え方を官房長官

 や副長官を通じて内閣府に、それに基づいて9月24日に内閣府が

 99名を任命する旨の決裁を起案して、9月28日に私のところに

 決裁が回ってきて、決裁を行ったということです。


辻元 それね…今、同じ答弁をされているんですよ。ですから、これ

 だけ騒ぎになっている6名の方のお名前ですね、加藤さんとか宇野

 さんとか。具体的に、こういう人が外されていたんだと総理が名前

 も認識したのは、決裁の後ですか?


首相 決済をする前に、99名にするという話は報告を受けています。


辻元 ですから、、、105名出されていて、6人のこういう人が外さ

 れたんだということを、総理が名前も含めて自覚したのは、いつか、

 と。。。決裁しちゃったけれども、その後、大騒ぎになりましたよ。

 それで、あぁこういう6人が外されていたのか、と、その時にお知り

 になった、ということでよろしいですね?


委員長 具体的事実だから、しっかり答えてもらいます。


首相 私が99名の祖の決裁をする前です。

 決裁を99人で上がってきたその前に、こういう形で上げますから、

 という形です。


辻元 決裁を、ハンコを押す前に、こんな6名の人が外されたという

 ことを知っていたということですか?


首相 そういうことです。


辻元 それでは、その6名の方が外されたという説明は誰から受け

 ましたか。


首相 まず私は、8月31日に…いや、ちょっと経緯がありますから。

 8月31日に学術会議から総理大臣宛てに105名の推薦名簿を提出

 され、担当の内閣府からその内容の報告を受けて、私、官房長官時代

 から持っていた懸念を実は伝えました。そして、こうした懸念や任命

 の考え方を官房長官や副長官を通じて内閣府に伝えて、最終的には

 9月24日に内閣府が99名を任命する旨の決裁を起案して、28日

 に私が最終的な決裁を行った。24日にこの99名が任命が上がって

 くる前に聞いています。


辻元 誰から聞きましたか?


首相 たぶん、杉田副長官だと思います。これはいろいろな方が来て

 いましたので。内閣府からも来ていましたから。


辻元 そうしますと、その時初めて総理は6名が任命されていなかった

 ということを知った。杉田官房副長官から聞いた、と。

 じゃあ6名を任命しないと決めたのは誰ですか。


首相 それは、最終決裁者は私ですから。


辻元 ということは、杉田官房副長官がこの6名は任命しない方がいい

 ですよ、と持ってきて、そこで話し合って、じゃ、この人はこうだね、

 この人はこうだね、じゃ、この6名は外れて99名にしておこうと

 相談したんですか?


首相 先ほど申し上げましたけれども、私、8月31日に105名の

 推薦名簿が提出されたときに、官房長官時代からの私の懸念を内閣府

 に伝えたんです。その中で、最終的に上がってくる段階で聞いたのは、

 杉田副長官です。


辻元 じゃあ杉田副長官が6名を提示したということじゃないですか。

 ということは、杉田副長官がこの6名を外した方がいいという判断を

 されて提示しているわけですから、杉田官房副長官に、どういう理由

 で外そうとしたのか、ここに来ていただいてご説明いただく必要が

 あるので、私たちは参考人として来てくださいと言っているわけです。

 委員長、今度こそ呼んで下さいよ、杉田さんを。いいですか委員長?

 委員長に言ってるんですよ、今は。


委員長 理事会で協議をさせていただきます。


辻元 それでこの間、総理は加藤陽子さんだけご存知だったとお答え

 になりましたね。どういうようにご存知だったんですか?加藤陽子さん。


首相 これは最終任命権者が私ですから、最終的には私が決めていると

 いうことです。これは当然のことですけれども。加藤陽子さんに

 ついては、当日、あそこに名簿が出ていましたですよね。

 この委員会で配られています。私は新聞とかそういうことで知って

 いました。


辻元 どういう判断基準で判断されたのか?総理は6人のうち加藤陽子

 さんはご音字だったということですか。加藤陽子さんについて、

 ちょっと、私は女性の歴史学者として本当に尊敬している方なんですよ。

 それで本なんかも「それでも日本人は『戦争』を選んだ」、ものすごく

 売れていますよ。なぜこの人が外されたのか、と、すごいショック

 だったんです。

  総理、ご存知ですか?加藤陽子さんの例でいきますと、小泉政権から

 菅政権までの17年間、歴代内閣の政府の委員会や懇談会、例えば内閣

 府独立行政法人評価委員会など8つの委員を務めてこられました。

 安倍政権、菅官房長官の時も、内閣府公文書管理委員会の委員に!

 内閣府の官房長官が、任命しているんですよ。そして菅内閣、今も加藤

 陽子さんは、国立公文書館の機能・施設の在り方等に関する調査検討

 会議委員を務めて頂いているわけですよ。

  こういう加藤さんが、ずっと政府が世話になってきて、その業績を

 評価していたという事実は、総理はご存知でしたか?加藤さんについて、

 いかがですか?総理の認識。いや、総理が知っていたかどうかですから。

 総理、どうぞ。


首相 内閣でお願いしているということを私は承知していませんでした。


辻元 こういうことも承知せずに、じゃ、杉田さんから言われて、外して

 おこう、外しておこうと外したんですか?加藤さんのケースでもそう

 ですけれども、政府の委員というのは、政府が「この人はやめておこう」

 と思ったらやめられるわけで、そして推薦がなくても、政府の一存で

 決められるわけですよ。ハードル低いんですよ?そっちでは今もお世話

 になって、政府がその見識や学識を頼って、そして今も委員を務めて

 頂いている、政府の。ところが一方、独立性が高い日本学術会議の推薦

 の方は外してしまう。同じ人物を、一方では政府が力を借りて、一方で

 は拒否!任命拒否の根拠は破綻していると思いませんか?

 総理、いかがですか?いかがですか?


首相 個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員

 の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については、

 人事にかかわることですから、控えたいと思います。


辻元 この新しい国立公文書館を作るというのは上川大臣が議連の会長

 で、私も一緒にやらせて頂いていますけれども、非常に見識の高い歴史

 学者として、私どもは加藤先生をはじめ歴史学者の方のお力を借りて

 いるんですよ、分かりますか?今まで加藤氏のような歴史学者の、

 例えば学術会議の答申によって国文学研究資料館が設立されています。

 今、国立公文書館、ありますね?これを新しくしようとしているわけ

 ですよ。これについても学術会議の公文書散逸に向けてという勧告が

 もとになって、日本は初めて国立公文書館を作ったんですよ。諸外国は

 あったんですよ。日本は遅れていたんですよ。学術会議がそれに勧告を

 出して、よしやろうということで、国際基準に合ったものを作ろうと

 なったわけです。こういう歴史、総理、ご存知でしたか?

 総理、総理です、総理です、総理。


首相 そういう形の中で…公文書管理館ですか…?できたという経緯は

 承知していません。


辻元 何にも知らないんじゃないですか…。学術会議が今までどんな

 ことをやってきたか。例えば原子力基本法も、学術会議の声明によって

 日本の原子力利用についての基本が作られたんですよ。

  公立公文書館もそうですよ、、、そして新しい公文書館も、今、力を

 借りてるんですよ。その人を、外しているんですよ。

  外した本人は、「いや、そんな政府の役職をしていたのは知らな

 かった」とか、そして学術会議がそういう仕事をしていたのは知りませ

 んでした。。。任命権者として、失格じゃないですか?

 総理。いかがですか?


首相 それは、私でなくて、皆さんが考えることだと思います。