https://twitter.com/asuno_jiyuu/status/1688077788950204416?s=20
「抑止力によって平和が維持できる」とよく聞きますが、本当でしょうか。
「いざというときの報復の準備」を見せつけて威嚇することで他国との
信頼関係が増すのでしょうか?むしろ周辺国の不安を煽り、軍事的緊張
を高めるのでは?防衛体制の強化は、自ら戦争の危機を作る本末転倒な
ように思えます。
「抑止力による平和維持」は確実な方法でしょうか? どんなに強大な
兵器をそろえても、「攻撃されたら倍返しで報復するぞ(だから武力行使
するな)」というメッセージが相手国に伝わらなかったり、相手国が
理性的に行動しなければ、抑止は失敗します。結局、相手国次第の不安定
・不確実なものです。例えば、太平洋戦争は勝算がないにもかかわらず
日本は自ら戦争の火ぶたを切りました。アメリカの“抑止”が効かず、
日本を抑え込めなかったといえます。また、ロシアが侵略戦争に踏み
切った上に核兵器で国際社会を脅かしているのは、“抑止”の失敗の表れ
ではないでしょうか。
「力には力で対抗するしかない」路線に転換して防衛体制の強化つまり
軍拡に乗り出せば、際限はありません。日本が周辺国の軍拡に“挑発”され
て軍拡に乗り出したのと同様、周辺国も日本の軍拡に刺激されて更に
軍拡を進める“競争”になるからです。ひたすら不信感と敵意が煽られ、
軍事的緊張が高まります。
軍拡にはお金がかかります。つまり軍拡を進めると、予算調達のために
増税や福祉の切り捨てが進みます。増税はもちろん、医療、教育、保育、
介護、年金etc、国民の人間らしい生活の大切な土台が切り捨てられれば、
どうにかやりくりしている市民生活には大打撃です。軍拡は自国の貧困
の拡大を招きます。
さらに、「力には力で対抗するしかない」路線を歩めば、必然的に
核兵器保有を目指すことになります。ロシアや中国など核兵器を持つ
大国に見せつける報復力を持ちたい、という執心にとらわれれば、
核兵器保有に行き着きます。それが人類社会においてどれだけ「ありえ
ない発想」かは、論じるまでもありません。
そもそも日本に、いざとなれば戦争できる/続けられる体力・筋力
はあるのでしょうか。石油・天然ガスなどの資源を輸入に依存する上に、
食糧自給率も低く小麦・大豆・とうもろこし・菜種油・家畜の飼料など
の大部分を輸入に頼る国が、諸外国との関係悪化で輸入の航路を塞がれ
たら?戦争以前の問題です。
他国と関係が良好でないと到底生活を維持できない脆弱な国家に、
他国との「戦争」は非現実的です。憲法尊重擁護義務を負い、完全な
人権保障を目指すべき国会議員が、憲法9条にのっとり全力で戦争を
回避することは、手間はかかっても、最も合理的でコスパ良い選択可能
な唯一の道ではないでしょうか。
出口の見えない不況と貧困の拡大が広がり、現実に人権が脅かされて
いる人が多数いて、しかも少子化対策や児童手当には「財源が…」云々
言って渋るのに、際限のない軍拡には無条件に税金を注ぐって、お金の
使い道が違いませんか?本当に国民の命・健康・人権を守る気があるのか、
国の姿勢が問われます。
諸外国との関係悪化は、日本での国籍/民族差別やヘイトスピーチに
つながります。結局「抑止力」での脅し合い(際限ない軍拡)がもたらす
のは貧困や差別など「戦争の芽」ばかり。経済的にも、人権保障の観点
からも、平和外交の努力を積み重ねて全力で戦争を回避することが、一番
現実的で合理的です。