2020年10月31日土曜日

任命拒否は「旧帝大出身が45%」だから  ( ゚Д゚)???


 菅義偉首相は参院本会議で、日本学術会議の新会員候補6人を任命

拒否した件について、東大や京大など「7つの旧帝国大に所属する会員

が45%を占めている」とのデータを示した、そうです…。


● 旧帝国大会員が45%占めると首相 (共同通信) https://this.kiji.is/694781223168885857?c=39550187727945729


● 首相、学術会議の会員「旧帝大が45%」 大学の偏り、データを説明 (産経) https://news.yahoo.co.jp/articles/89a67d5944f10c7e5a79dc75d564243adec6b06e


 「だからなんだというのだろう」としか。。。🎃

 言えません、よね…?👻


 45%が旧帝大ですか、じゃあ55%は旧帝大以外なんですね、とも

思いますし…。🎃

 6名中、旧帝大は3名ですし…。👻


 そもそも、菅首相は推薦段階の会員候補の名簿を見ていない、と言って

いました。

 加藤官房長官が慌てて「詳しくは見ていなかったことを指しているの

だろう」とフォローしましたが、どちらにせよ、そんな程度しか見ていな

いのに旧帝大云々の「偏り」をどう発見できたのでしょう。


 どう考えても、「前回、自分はどんな言い訳をしたのか」すら覚えて

いません。どんどん、つじつまの合わなさがみじめなほど露呈していっ

ています。

 この調子だと、明日は「血液型が」「右利きの会員が」「夜型の会員

が」と言うかもしれないなー…なんて、不謹慎な期待をしかけてしまい

ます。


 なんにせよ、首相が日本学術会議の人事に介入したら違法であり違憲

であり、アウトなのです。



 こういう、不誠実でしかなく、憲法も民主主義もどうでもいいと思って

いる人に、1億人の命と暮らしと、この国の未来を託していいのでしょう

か。それでも、支持していいのでしょうか。👻



2020年10月30日金曜日

自己責任論の根拠に憲法12条を引っ張り出す伊吹氏


 日本国憲法12条前段

「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、

国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」


 「不断の努力」という言葉、聴き慣れませんね。

 残念ながら、権力っていうものは絶えず「できるだけ国民の人権を抑え

て、自在に支配できるように」と狙ってきます。人と権力の関係とはそう

いうもの。だから、常に政治を見守り、おかしな政策・法律で生活が息苦

しくならないか、監視していなければなりません。自由に生き続けるため

の努力を続けて憲法に命を吹き込もう、というメッセージです。


 「憲法かるた」読み札のウラ、条文ミニ解説にも、同じようなことを

書きました🌸

 「わたしたちの自由や人権は、権力にとってはやっかいなもので、

つねにうばわれるキケンがあります。だからわたしたちは、政治を自分

なりに見はり、正しく進んでいないと思えばきちんと『おかしい!』と

声をあげる努力を続けなければなりません。」


 …ということで、ここまでの解説をご理解頂いたところで、この

記事をお読みください。


● 伊吹氏、自助批判に反論「憲法が課している」 (産経)

 https://www.sankei.com/politics/news/201029/plt2010290034-n1.html

 

 自民党の伊吹文明議員が、政権の「自助・共助・公助」という福祉

切り捨て(自己責任論の押しつけ)の理念を擁護するために、いきなり

憲法12条を引っ張り出した、とのこと。

いわく、「憲法が国民に自助努力を課している。自助ができるのに

『私はできない』と言う自称弱者が次々出てきたら、社会は成り立た

なくなる」。。。


 …12条のどこにそんなこと書かれてるというのか( ゚Д゚)

 ちょっと、的外れすぎてあっけにとられます。


 「改憲に異様に熱心なわりに今の憲法の知識がまるでない」というの

が、自民党議員の傾向と感じます。12条もびっくりですね。

 まずは「憲法かるた」で遊ぶところからでいいから、憲法を学んでくれ、

と真剣に思います。


*あすわか「憲法かるた」、ご注文はこちら↓

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「多様性が大事」だから任命拒否? その場しのぎの弁解、すぐバレる


 日本学術会議への人事介入(任命拒否)について、首相は

「民間出身者や若手が少なく、大学にも偏りがみられることも踏まえ、

多様性が大事であることを念頭に、私が任命権者として判断を行った」

「地方の会員も選任される多様性が大事だ」

と主張しました。

 この主張がいかにめちゃくちゃか、よく分かる記事をご紹介します。


● 学術会議の構成、最多の東大2割未満 首相「偏り」繰り返すも地方が半数超 (東京)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/65133?fbclid=IwAR1encU0_ok88j0cnGR0vXYx8VBN_1xSQ04lXTTWnyTOFGYM-bfEqTX8tPw


<一部抜粋>

 学術会議の大西隆元会長が野党に提出した資料によると、現会員

204人のうち、東大の会員数は16.7%の34人で、2011年

10月の28.1%から低下。地域別の会員の割合も、関東地方は

11年10月に59.5%だったが、現在は49.5%へ10ポイン

ト下落した。

◆女性比率少ないのに1人を拒否

 首相が任命拒否した新会員6人には、会員ゼロの東京慈恵会医科大

の小沢隆一教授や会員1人の立命館大の松宮孝明教授も含まれている。

女性の比率が37.7%と低い問題は改善されていないが、女性の

新会員も任命拒否された。首相は女性や会員ゼロの大学の教授を除外

した理由を問われても答えず、多様性が大事とした選考基準との整合

性が取られているとは言い難い。

<抜粋終わり>


 東大の割合・地域の偏り、いずれも大したことないわけです。

 むしろ首相は女性や会員ゼロの大学の教授を任命拒否していて、

とても「多様性を重視したからこその任命拒否」とはいえない。

 その場しのぎで思いついたテキトーな弁解、ということです。。。


 そもそも日本学術会議法17条は、同会議が会員候補を推薦する

基準を「優れた研究・業績」と定めます。首相が若手だの地方だのと

選考基準に口出しすること自体が違法で、法改正に近いような法解釈

の変更を宣言したも同然であることを、忘れちゃいけませんね。


 首相(政権)は、テキトーにのらりくらりかわしていれば、そのうち

国民は飽きて忘れるだろう、と思っています。バカにされています。

 忘れずに、論点ずらしに乗らずに、追及し続けましょう。

「おかしい」と声をあげつづけましょう。


「差別を許さない」一票がたくさん集まれば


 LGBTQへの無知・無理解な地方議員による差別発言が、またもや

繰り返されています。

 足立区に続いて、埼玉県春日部市の井上英治市議(無所属)が9月

議会で、同性カップルの関係を公的に認める「パートナーシップ制度」

の創設などを求める請願に対し、「春日部市にLGBTに対する差別が

ないことは明らか」「左翼の作戦」などと主張したそうです、、、


● 春日部市議「LGBTへの差別は存在しない」

              「左翼の作戦」発言に波紋 (ハフポスト)

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5f9a15b2c5b6c265d8f044a2



 井上市議の一般質問

「埼玉県や春日部市はLGBTに関するいじめ相談が過去5年間でゼロ」

「春日部で差別は起きていないのに、そんな時に小学生にレズビアン

だとかゲイだとか教える必要あるんですか。学校は分数とか漢字とか

やるべきこといっぱいあるんじゃないですか。LGBTなんかやる必要

は全くない」

 パートナーシップ制度について「公正証書を作って提出すれば問題

は解決する。何もいまさら実害のない春日部でLGBT条例や条例の

めの規則や要綱を作る必要は全くない。」


 井上市議の、請願の採決に際しての反対意見

「この請願は差別を解消してほしいと言いながらも、現在ある例えば

教育委員会のいじめ相談窓口や法務局の人権相談制度を活用もせず、

市内に実際には存在しない差別があると言っています。入院同意を

断られるとか、現行の公正証書で解決できる事柄をあたかも大問題か

のように掲げ、そのための施策、制度制定を求めています」

「春日部市には(LGBTに対する差別は)存在しないことが明らかに

なっています。請願の理由は存在していないのです」

「日本の法律制度は同性カップルよりも男女間の婚姻を優遇するのは

出産、子育てを考えれば当然のことという認識が国民に浸透している

証拠」


 …足立区の白石区議と同じで、井上議員もまた、相談件数がゼロだか

ら春日部には差別は存在しない、と断言する。この浅はかさに、まず、

言葉が出てこない人は少なくないのではないでしょうか💧

 人権侵害や差別への向き合い方や思慮の程度がおのずと分かります…。

 社会に目を向け、耳を傾ければ、LGBTQの人たちの苦しむ姿、必死の

訴えを知ることができるし、学ぶツールや機会も数多くあります。

確実に存在する差別が、なぜ(そこだけ異次元というわけでもない地続き

の)春日部に限って存在しないと言い切れるのか、およそ常識とは相いれ

ない発想です。とても知的とは言えない、浅はかな姿勢です。


 相談件数がゼロなのは、おいそれと相談できないほど抑圧されている

状況なのではないか、とか、現在の対応ではアクセスしづらいのではない

か、とか、くらいの想像さえできない人に、「だれも取り残さない政治」

は託せないなぁ、と思わずにはいられません。 


 「日本の法律制度は同性カップルよりも男女間の婚姻を優遇するのは

出産、子育てを考えれば当然のことという認識」とも発言していますが、

結婚の意義を出産・子育てに第一に見出していることは時代錯誤といえ

ましょう。子どものいないカップル、高齢カップルの結婚も否定する

ことになることに、井上議員はおそらく気づいていません。


 春日部市民でなくても、だれもが、これを他人事と受け止めてはいけ

ませんよね。差別に無関心で無理解な議員が選ばれれば、差別に無関心

で無理解な政治が行われるのですから。

 自分の一票と政治は、細くて見えないかもしれませんが、確実にダイ

レクトにつながっています。

 「差別を許さない」という思いを託した一票が集まれば、「差別を

許さない」大量の表が差別を許さない議員をたくさん当選させ、差別を

許さない政治が、必ず花開きます🌸

こういうこと、忘れずに、自分の思いを地道にアクションに移していき

ましょう👍 

 




百地教授に「首相の任命権 自由裁量ある」と語らせるNHK


 あろうことか、公共放送が。。。

 「憲法が専門の百地章国士舘大学特任教授は、『総理大臣の任命権は、

ある程度の自由裁量はある』などと述べ、政府の対応に理解を示しまし

た。」

 と報じています…


● 【学術会議】憲法専門の百地氏「首相の任命権 自由裁量ある」 (NHK)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201029/k10012687281000.html




 百地特任教授

「私は結論的には任命拒否はあり得ると考えている。菅総理大臣は

いろいろなバランスとか総合的に考えたと言っており、総理大臣の

任命権は、学術会議の推薦に拘束されるものではなく、ある程度の

自由裁量はある。法律の解釈は変わらない。運用で少し変化が出た

と私は理解している」

「学術会議そのものにも問題があるようだと考える人たちも増えて

いる。本来のあり方に持っていこうということで、改革の動きが

出てきているのは当然ではないか」


 数あまたの学術団体・法律家団体から、日本学術会議への政府の人事

介入は違法・違憲だと猛批判が相次いでいます。

無論、数が問題ではありませんが、常識と「論理でものを考える」姿勢と、

基本的な法解釈の腕さえあれば、どう逆立ちしても違法であり違憲だから

こそ、声をそろえて抗議声明が次々に出てくるわけです。

 賛否両論になる問題では、ないのです。


 なのに、

 NHKが選んで語らせたのは、(立憲主義や人権保障を否定する改憲を

目指す日本会議と極めて“懇意”な)、学問の自由の意味すら理解できて

いない「特殊な」学者。。。

 すべて「首相の自由裁量」でOKにする粗雑な理屈。「運用で少し変化

が出た」だけだと問題をきわめて矮小化するセンス…。


 繰り返しになりますが、もう一度確認のために書きます。

 学問の自由(憲法23条)は、単なる「研究者の研究する自由」には

とどまりません。世界の真理を探究する研究者たちが切磋琢磨し合う

コミュニティの活動に政治権力は口出ししてはいけない(自律性を確保

する)、という制度そのものを保障した条文です。難しい言葉でいうと

「大学の自治」といいます🖊

 個々の研究や発表の自由は、思想信条の自由(19条)や表現の自由

(21条)でも保障されています。

 その上で、さらに23条は、研究者たちが批判・検証し合い「知」を

蓄積していくプロセスそのものが、文化や科学の発展あるいは国民の福祉

にとってとても大事だから、そのプロセスの自律性を保障しているのです。

決して、政治が「その研究はムダ/この学者は有能」と介入してはいけ

ません。

 当然、日本学術会議も学問コミュニティの1つで、23条で自律性が

保障される組織です。「日本学術会議の人事がどうなったって個々の学者

は自由に研究できてるじゃん(学問の自由なんて関係ないじゃん)」と

いう浅はかな言説には、流されないようにご注意下さい。


 加えて、日本学術会議が「本来のあり方」とはちがう、みたいな前提で

論点をずらそうとしています。論理を扱う研究者とは思えない言説です。

公共放送が、このような人選で報道すること自体、政権への萎縮と忖度

の結果と感じずにはいられません。とても強い危機を抱きます。



必読✨ イタリア学会「日本学術会議会員任命拒否についてイタリア学会による声明」

 

 イタリア学会( http://studiit.jp/ )が、

「日本学術会議会員任命拒否についてイタリア学会による声明」

発表しました。

とても気高く、明瞭で、頭にも心にもストンと落ちてくるので、

ぜひご一読ください。


<声明文(PDF)>

http://studiit.jp/pdf/%E5%A3%B0%E6%98%8E%E6%96%87%EF%BC%88%E7%90%86%E7%94%B1%E4%BB%98%E3%81%8D%EF%BC%89.pdf


 前半では、菅首相の「(学術会議の会員は)広い視野を持ち、バラ

ンスの取れた行動を行ない、国の予算を投じる機関として国民に理解

されるべき存在であるべき」だという発言について、

「ここには2つの大きな誤謬が隠されている。学問は国家に従属する

《しもべ》でなければならないという誤った学問観であり、国家から

お金をもらっている以上、政権批判をしてはならないという誤った

公民観である」と断じます。

 そもそも学問とはなにか、公務員とはなにか、について、非常に

分かりやすく説いているので、頭が整理されます。


 後半の「私たちが最も問題とするのは、《説明がない》ことである」

からのくだりは圧巻です。

ローマ帝国の民主主義が情報公開制度から始まったこと、

アイスキュロス『縛られたプロメテウス』やカフカ『審判』で描かれる

「説明しないという暴力」、

ソルジェニーツィンの『収容所群島』 で描かれる「説明されないこと

で増幅する市民の恐怖」などを挙げ、こう述べます。

「《説明しない》ことこそが権力の行使であり、国民を無力化させる

手法なのである。こうして国民は恐怖と不安から権力に従うようになる。

なかには権力に忖度し、取り入る者が出て来る。こうした事例からも

民主主義がいかに『説明すること』にかかっているかが判る。説明と

情報公開が民主主義を支える命であり、それを破壊する手段は《説明

しないこと》、《情報を秘匿する》ことなのである。」


 最後に、この人事介入をまだどこか他人事のように、関心を持てない

でいる人たちへ警鐘が鳴らされています。

「…一部の学者の話であり、自分たちには何の関係もないと思っている

かも知れない。しかし、問題の本質は、時の権力が『何が正しく、何が

間違っているかを決めている』点において、ガリレオ裁判と変わりない。

科学分野の基礎研究の予算は削られ続ける一方で、軍事研究には潤沢な

傾斜配分がなされる今の日本にあって、また軍事研究に手を染めない

学術会議の方針を苦々しく思う自民党政権においては、杞憂で終わら

ないことを心得ておく必要がある。

実際、すでに文科省は今月17日に行われる中曽根元首相の内閣・自民党

合同葬義において弔旗を掲揚し、葬儀中に黙禱するよう、国立大学や都道

府県教育委員会、日本私立学校振興・共済事業団、公立学校共済組合など

に通知を送っている。

公金は自民党のためのものではなく、国民のためのものである。

国民全体の奉仕者である公務員を、自民党のための奉仕者に変えようと

する暴挙は許されない。」



(涙)

2020年10月29日木曜日

新潟県弁護士会 「日本学術会議推薦候補者の会員任命拒否に抗議する会長声明」


 新潟県弁護士会

 「日本学術会議推薦候補者の

                  会員任命拒否に抗議する会長声明」

 https://www.niigata-bengo.or.jp/20201027_gakujyutu/



<一部抜粋>

 今般、菅義偉内閣総理大臣は、何ら具体的な説明をすることもなく

日本学術会議の推薦した候補者の任命を拒否したもので、これは、

明らかに同(日本学術会議)法に違反する行為です。このような行為

は、人事を通じて科学者の代表機関である同会議の独立性や自主性・

自律性を損なうものであり、ひいては研究者の学問の自由や思想表現

の自由の抑圧につながりかねず、憲法23条が保障する学問の自由に

対する重大な脅威となるものです。当会は、基本的人権の擁護と社会

の実現を使命とする弁護士の団体として、これを看過することはでき

ません。

<抜粋終わり>


 ぜひ全文お読みくださ~い☆彡


福岡県弁護士会 「日本学術会議の推薦に基づく会員の任命を求める会長声明」


 福岡県弁護士会

 「日本学術会議の推薦に基づく

          会員の任命を求める会長声明」

 https://www.fben.jp/statement/dl_data/2020/1028.pdf


<一部抜粋>

 改正の経緯も踏まえれば、「推薦に基づいて」という条文の文言は、

任命権者の自由裁量による推薦拒否を許すものではないと解釈される。

そして、こうした答弁や附帯決議を踏まえて改正がなされた以上、

このような解釈は立法者意思となっており、国会審議を経ずに内閣総理

大臣がこれに反する運用をすることは許されない。

<抜粋終わり>


 法律の条文に、制定過程や当時の政府答弁などを読み込むのが

「法解釈」。一度、政府が「この条文はこう読む(こう解釈する)」と

決めて運用していれば、それを変えるのは法を変えるのと同じこと。

首相の独断で解釈と違う運用をすることは、まさしく違法なのです。


<一部抜粋>

 政府方針に反する意見表明を行った学術研究者は政府によって不利益

に取扱われかねないという疑念は、自由な学問研究への圧迫にもなりか

ねず、将来的にもこれを萎縮させる効果をもたらす。かつまた、今般の

任命拒否は具体的理由を明らかにせずになされているため、今後は不利益

取扱いの範囲が学術会議会員任命拒否という事態を超えてさらに広がり

かねないという疑念を生み、萎縮効果を強めかねないという問題をも

はらんでいる。

<抜粋終わり>


 ぜひ、全文お読みくださ~い🌟

 


11月13日(金) 楾大樹・倉持麟太郎トークライブin 渋谷🌟


楾大樹・倉持麟太郎トークライブ

〜檻の中のライオンvsリベラルの敵はリベラルにあり〜

https://m.facebook.com/events/833718234062912



日時: 2020年11月13日(金)

  18:30~20:30


会場:TIME SHARING

  東京都渋谷区宇田川町17-2 渋谷伸工ビル4F

  https://peatix.com/event/1689190/venue_view



<出演者>

●楾 大樹

  1975年広島生まれ

  2004年弁護士登録(広島弁護士会) 

  ひろしま市民法律事務所所長

  『檻の中のライオン 憲法がわかる46のおはなし』

  『けんぽう絵本 おりとライオン』に続いて

  『檻を壊すライオン 時事問題で学ぶ憲法』を2020月10月刊行

  (かもがわ出版)。

  檻の中のライオン憲法講座は全国46都道府県で約500回開催。

  日弁連憲法問題対策本部委員


●倉持麟太郎

  1983年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業、中央大学法科大学院

 修了。2012年弁護士登録(第二東京弁護士会)。日本弁護士連合会

 憲法問題対策本部幹事、弁護士法人Next代表弁護士。

 ベンチャー支援、一般企業法務、「働き方」などについて専門的に取り

 扱う一方で、TOKYO MXテレビ「モーニングCROSS」レギュラーコメ

 ンテーター、衆議院平和安全法制特別委員会公聴会で参考人として意見

 陳述、World Forum for Democracyにスピーカー参加、米国務省

 International Visitor Leadership Programに招聘、朝日新聞『論座』

 レギュラー執筆者、慶應義塾大学法科大学院非常勤講師(憲法)など

 多方面で活動。

  共著に『2015年安保 国会の内と外で』(岩波書店)、『時代の正体

  Vol.2』(現代思潮新社)、『ゴー宣〈憲法〉道場』(毎日新聞出版)、

 著書に『リベラルの敵はリベラルにあり』(ちくま新書)がある。


参加費: 1,000円


申込方法:こちらから↓

 https://liberal-lion.peatix.com/view



* 書籍・グッズ販売、サイン会あり


<主催者メッセージ>

 どこよりも優しく憲法がわかると噂の楾大樹弁護士著『檻の中のライ

オン』(通称“オリライ”)が、今回、具体的な現実社会の問題を素材に

『檻を壊すライオン』としてバージョンアップしました。


 憲法をめぐる議論の「表」が『檻の中のライオン』だとすれば、

憲法をめぐる議論の「裏」を描き切っているのが、倉持麟太郎弁護士著

『リベラルの敵はリベラルにあり』(通称“リベリベ”)です。


 リベリベでは、近代立憲民主主義が想定した「個人」概念や「民主主義」

「立憲主義」が、現代社会の「生身の個人」とは乖離しているがゆえに、

ポピュリズムやデータ・グローバリゼーションの時代にアップデートが

必要だとします。


 果して、憲法をめぐる様々な概念や考え方を我々は自分の中でどう持って

いればいいのか。


 「いまさら憲法についてなんか聴けない」「憲法っていうだけで難しそ

うで無理」という方から、「今の憲法とその周辺が抱える最先端の問題を

知りたい」「憲法改正がくるかもしれない未来にどう備えればいいか知り

たい」という人まで、すべての人の満足を満たす内容になること間違いなし!


 渋谷で、憲法の「オモテ」と「ウラ」を堪能しませんか?




【当日の注意事項】

 コロナ対策のため、発熱等体調に心配がある方はご遠慮ください。

 マスクの着用をお願い致します。

 会場ではスタッフの指示に従ってください。

 本申込みフォームからのお申込みをされていない方も、会場のキャパシ

ティの範囲内で当日のお支払いでご入場が可能です。ただし、この場合、

身分証明書等によって確認させていただく場合がございますのでご了承

ください。


問い合わせ先: 弁護士法人Next (tel)0334981616

11月15日(日) 楾大樹弁護士の憲法カフェ『檻の中のライオン』in 浦安🌟


【浦安市主催】憲法のおはなし☆

          檻の中のライオンin浦安


<FBページ>

https://www.facebook.com/events/813484569413890


日時: 2020年11月15日(日)13:30~16:30

会場: 当代島公民館


講師: 楾 大樹弁護士

 ひろしま市民法律事務所

 『檻の中のライオン 憲法がわかる46のおはなし』著者

 「明日の自由を守る若手弁護士の会」会員


対象・定員: 浦安市在住・在勤・在学者限定(中学生以上)40名


お申込方法:11月1日(火)必着

 ・ハガキの場合:郵便ハガキ(63円)にご自分の住所・氏名を記入

 の上、当代島公民館に持参。

 または、往復はがき(126円)に、返信側にご自分の住所・氏名・

 郵便番号を、右側に必要事項(①希望講座名②郵便番号・住所③氏名

(ふりがな)④年齢または学年⑤電話番号⑥中学生以下は保護者氏名

 ⑦在勤在学の場合は名称・所在地⑧保育希望者はこどもの氏名(ふり

 がな)・性別・生年月日)を記入の上、当代島公民館へ郵送。


 ・「まなびねっとURAYASU」から電子申請の方はこちら↓

https://www.shinsei.elg-front.jp/chiba2/uketsuke/form.do?id=1600067668755&fbclid=IwAR3A9oSb14yIM0d0825HddSgI3Z2Qz2tBQRfX9OyYjBMCRDsQchmiieW92o



問い合わせ先: 当代島公民館 Tel:047-382-1700 


<主催者メッセージ>

 憲法って難しい~と思っていませんか? ”檻”と”ライオン”で

とっても楽しく憲法がわかります!

 是非”なぁんだ、そうだったのか”を体験してくださいね。

保育あります。


2020年10月27日火曜日

日本学術会議の予算大幅削減… 恫喝でしかない


 政府が日本学術会議の事務局体制を見直す、とのこと。

 配置する官僚を大幅に削減すると同時に、民間委託で学術会議への

年間予算10億円のうち4億円超に上る人件費の縮減を図るそうです…。


● 政府、学術会議の事務局見直しへ

                           人件費4億円縮減、野党は批判  (共同)

 https://this.kiji.is/692343287156720737

 

 絵に描いたような恫喝。。。

 諫言が仕事の機関に向けて、「政府にたてつくとどうなるか覚えとけ」

とばかりに予算をごっそり削る…ザ・見せしめでしかありません。

人事への介入が違憲・違法であるという問題の核心を忘れさせようと、

政府は日本学術会議に問題がたくさんあるんだと論点をずらすことに必死

です。それに、乗っかってはいけませんね。

 「異論を許さない」政治が、確実にこの国を「民主主義国家ではない国」

に変えていきます。

楾大樹弁護士 新著『檻を壊すライオン』で時事を斬る🎊


 あすわか楾大樹弁護士の新著『檻を壊すライオン−時事問題で学ぶ憲法』

(かもがわ出版)が、書店に並ぶ前からすでに話題です📣

 いわく「前政権で、意見を戦わす以前にその土俵を壊す憲法・ルール

違反が相次いだことを忘れない『総復習』に役立てて。憲法の基本原理

を知って、使いこなしてほしい」。


● 牙むく権力「檻」の危機 

     憲法講演続ける弁護士が新著 来月記念講演 (東京)

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/63906


<一部抜粋>

 今回の本では、憲法が禁じる集団的自衛権の行使容認に踏み切った

安全保障法制や、公文書の改ざん問題など約六十項目の事例を取り上げ、

解説している。

 安倍前首相の地元後援会員が多数招かれ、公金の私的流用が疑われた

首相主催の「桜を見る会」をめぐり、内閣府は昨年五月、野党が資料

請求した直後に招待客名簿を廃棄した。これは国民の「知る権利」の

侵害にあたるという。

 「民主政治とは、政治に関する情報を知り、考えて権力をコントロール

すること。権力が勝手に情報を隠すと、選挙で誰に投票するかの情報を

得られず民主主義が壊れる」と強調する。

<抜粋終わり>


 かもがわ出版で買う ↓

http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/a/1118.html


 e-honで買う ↓

https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034128760&Action_id=121&Sza_id=A0



 分かりやすいこと間違いなしです✨

 ぜひご家族で回し読みしてください! 

人事権をむやみに使うな、と菅氏に言われても


 菅首相の著書『政治家の覚悟』の改訂版が出版され、初版に書かれ

ていた公文書の重要性についての章がごっそり削除されていたという件、

もっぱらの話題ですね。

 出版元の文藝春秋は「編集部の判断で削除した」とおよそ出版の常識

からは考えられないコメントを出していますが、万が一にもこれが真実

だとしたら、首相は自著を出版元にテキトーに操作されても問題視しな

い、自分の政治生命に関わる言葉がどう変えられようが構わないという、

おそるべき無責任な世界観の人だということです。

● (社説)学術会議問題 自身の戒め忘れた首相 (朝日)https://www.asahi.com/articles/ASNBV7KX7NBVULFA02Y.html


<一部抜粋>

 「人事権はむやみに行使するものではありません」

「更迭された当人は別にしても、まわりから支持が得られ、納得される

ものでなくては、反発を招き、官僚の信頼を失うことになります」

「まちがっても恣意(しい)的に利用してはなりません」

 この間(かん)の首相の振る舞いは、この戒めの明らかな逆をゆく。

しかも今回は、省庁の役人とは違い、学問の自由を保障する憲法のもと、

政治からの独立・中立が求められる組織の人事だ。慎重さや丁寧さがより

求められるケースではないか。

 首相の本意は人事権をめぐる別の記述にあるようだ。組織を統率し、

己の意のままに動かすために、手にしている大きな権限を行使するという

考えだ。

<抜粋終わり>


 7年8ヶ月の安倍政権の中枢で、人事権を振り回して官僚を恫喝し続け

た菅氏から、「人事権はむやみに使うな」と言われても、一体なんの冗談

なのだろう、と笑うこともできずにたたずんでしまいます。

 自民党の総裁選の時から、自分の方針を批判する者は排除すると公言

していた菅氏とその政権。あまりにも民主主義とかけ離れた強硬な政権

です。

 それでも、「他にいない」と支持しますか?

 


祝・核兵器禁止条約🎉 んで、日本は…?

 

 核兵器禁止条約が、ついに来年1月に発効されます。

批准した50ヶ国と、批准・発効に向けて奔走された方々に心から

敬意を表します✨

 ただ、その50ヶ国の中に日本がいないこと、残念でなりません…

本来ならどこの国よりも早く批准して核廃絶に向けてリードすべき

なのに(T_T)。


● 核兵器禁止条約 岸防衛相「核保有国が加わらず 有効性に疑問」 (NHK)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201025/k10012680051000.html



「核の保有国が加われないような条約で、有効性に疑問を感じざるを

えない」

「日本は唯一の被爆国であり、核兵器の廃絶に向け、リーダーシップ

を取らなければならない。核の保有国を含む国々が廃絶に向けた具体的

な動きを示すことが大切で、国際社会が合意できるような環境を作って

いかなくてはいけない」


 この、むせかえるほどの“他人事”感といったら。。。(-_-;)

 真剣にリーダーシップ取りたいのであれば、まず批准すればいい。

 具体的な動きを示すことが大切、といいながら、何一つ具体的な動き

など示せていない現実をどう説明するのでしょう?

 「核の傘」の中で、核抑止力なんて幻想を信じ、アメリカにひたすら

従属する道しか見えていない政府に、核なき世界へのリードを期待する

ことは不可能な気がします。

2020年10月23日金曜日

「杉田水脈氏はなぜ「重用」され続けるのか」 小川たまか氏の寄稿


 「女性はいくらでも嘘をつきますから」と差別感情溢れる暴言を吐く

杉田水脈議員。

 杉田議員を処分せずに守りつづける自民党。

 杉田議員と自民党の関係や思惑について、小川たまか氏が分析して

います。ぜひお読みください。


● 杉田水脈氏はなぜ「重用」され続けるのか

 弱者に攻撃繰り返し、自民党は黙認 <寄稿・小川たまかさん> (東京) https://www.tokyo-np.co.jp/article/63254

 


<一部抜粋>

  杉田議員はこれまでも「LGBTには生産性がない」「シングル

マザーは自己責任」など、社会的に弱い立場の人を責め立てる言葉

を重ねてきた。問題の多い議員を重用する意図は、このような発言

を喜ぶ層へのアピールとしか思えない。発言の数々から、彼女が

どちらを向いて発言しているのかは明らかではないか。杉田議員は

差別をしたい人たちが喜ぶ発信を行い、自民党はそれを黙認している。

 辞職を求めるオンライン署名は13万6000筆以上集まっている

が、野田聖子幹事長代行は受け取りを拒否した。このまま幕引きを

狙っているのだとすればさらに強く抗議する。自民党が説明責任を

果たすことを強く望む。

<抜粋終わり>


 女性、障害者、外国人…あらゆる弱者を差別し排除しようとする

杉田議員は、そういう「あらゆる弱者を差別したい人」から支持され、

かなりな部分共感し、その票をアテにしている自民党は、彼女の

「支持者向けアピール」としての差別発言を自由にやらせている、

という関係が成り立っているということのようです。

 それだけで自民党という組織に人権意識のかけらもないことが分かり

ますが、この社会を「差別を許さない社会」に近づけるためには、

やはり「そういう差別と親和性のある政党には投票しない」ことが

大事ですね。

 差別を容認すると票が離れていく、

 差別を許さない候補者が当選する、

 そうなるように、私たち一人ひとりが、国会議員一人ひとりの言動と、

それに対する政党の態度を忘れずに、監視し続けることが大事です。

2020年10月22日木曜日

日弁連「日本学術会議会員候補者6名の速やかな任命を求める会長声明」


 日本学術会議の人事に政府が介入した事件。

 日弁連から声明が出ました!


<日弁連サイト>

【日本学術会議会員候補者6名の速やかな任命を求める会長声明】 https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2020/201022.html


 ぜひ全文お読みいただきたいところですが、ここではポイント解説🌟


 まず、政府が従来からの法解釈(83年の政府答弁)をひっくり返した

ような人事介入(任命拒否)をしたことについて。

ここは明らかに法解釈をひっくり返した運用で、独断でこんなことをする

のは国会の無視であり、国会を骨抜きにするようなものだ、と言っています。


<引用>

 政府は、今回の任命拒否について、会議の推薦に内閣総理大臣が従わ

ないことは可能とした上で、任命制になったときからこの考え方が前提

であって、解釈変更を行ったものではないとしている。この説明が、

前述した法改正の審議経過に反していることは明らかである。

 内閣が解釈の範囲を逸脱して恣意的な法適用を行うとすれば、それは

内閣による新たな法律の制定にほかならず、国権の最高機関たる国会の

地位や権能を形骸化するものである。

<引用終わり>


 そして、人事介入そのものだけでなく、政府が頑なに任命拒否の理由

を説明しないことも、学問の自由にとって危険である、と批判しています。


<引用>

 今回任命を拒否された候補者の中には、安保法制や共謀罪創設などに

反対を表明してきた者も含まれており、政府の政策を批判したことを理由

に任命を拒否されたのではないかとの懸念が示されている。このような

懸念が示される状況自体が、まさしく政府に批判的な研究活動に対する

萎縮をもたらすものである。そして、任命を拒否された科学者のみならず、

多くの科学者や科学者団体が今回の任命拒否に抗議の意を表明している。

当の科学者らが自ら萎縮効果に強い懸念を示していることからすると、

そのおそれは現実的と言えるのであって、今回の任命拒否及びこれに

関する政府の一連の姿勢は、学問の自由に対する脅威とさえなりかねない。

<引用終わり>


自民党の改憲推進マンガ「教えて!もやウィン」 衝撃の結末


 改憲に並々ならない熱意を抱く安倍政権、そしてそれを忠実に引き

継いだ(っぽい)菅政権。

 主権者国民としては、一体どの規定がどんな致命的な欠陥を持って

いるのか、具体的に示して説明してほしい。そう求め続けています。

 なのに、その“熱意”とは裏腹に、首相(=自民党総裁)も自民党も、

決して具体的な説明はしてくれませんでした。

 例えば、自衛隊員の子どもがいじめられている、とか。

 例えば、自衛隊員が誇りをもって職務にあたるため、とか。

 出てくるのは、フィーリングでしかない、根拠不明なものばかり。

 

 さらに、今年6月に発表された改憲推進マンガ【教えて!もやウィン】

は、その第1回からして、デマというか間違った歴史理解や事実認識を

おしげもなく披露し、市民を愕然とさせたのでした。

(参考→http://younglawyersfreedom.blogspot.com/2020/06/blog-post_22.html )


 この「教えて!もやウィン」が、ついに最終回をむかえたようです。

ぜひお読みください。

 第10話 さぁ、みんなで考えよう ①「これからの時代」

 https://twitter.com/jimin_koho/status/1318770007233368065?s=20


 …( ゚Д゚) 

 「人工知能や5Gに対応するため」に、改憲。。。?

 …国民をバカにしてますか?

 ぜひ、マンガを読んでみてください。

 どれだけの人が、3コマ目から4コマ目にかけて、「滑らかに」読み

進めることができるでしょうか。

 これを作成した自民党の方々が、何の疑問もなく滑らかに読めるのだ

としたら、それは、論理ではない今の憲法への憎悪と、「なにがなんで

も改憲したい」という執念しかない、ということです。

そこに、論理はない。

 論理なんてないんだよ、というメッセージで、3コマ目と4コマ目は

つながっています。

 つまり、3コマ目までは何でも良くて(実際、何でも入りますよね、

少子高齢化、コロナ、元号変わったetc)「時代が変わると憲法も変えた

方がいいらしい」って印象が広まればいい、という狙いなわけです…。

 

 理屈なんてどうでもいいじゃないか、という姿勢は、とても1億人の命

と暮らしを背負う国会議員としてあってはならないものだと思うし、

やはり、国民をバカにしていると感じます。

 ましてや、こういう理性や理屈を放り投げた政党に改憲を託すことなど、

とてもじゃないけどできない…と、むしろ思います。

皆さんは、どう感じますか。

11月7日(土) 楾大樹弁護士の憲法カフェ『檻の中のライオン』in 新潟🌟


 コロナ禍でしばらくお休みだった楾弁護士の『檻の中のライオン』、

ようやく再開のきざし~~✨

新刊ひっさげて、楾先生とパペットが、しゃべる、しゃべる、しゃべる!


檻の中のライオンin新潟

https://www.facebook.com/events/384696059213266


日時: 2020年11月7日(土)

  18:00~21:00


会場: 新潟市東区プラザ 多目的ルーム2

  https://www.city.niigata.lg.jp/higashi/kuyakusho/plaza/

  新潟市東区下木戸1丁目4番1号(東区役所2階)

  (保育室あり・無料駐車場あり)


講師:楾 大樹 弁護士

           (ひろしま市民法律事務所)

 『檻の中のライオン 憲法がわかる46のおはなし』

 『けんぽう絵本 おりとライオン』

 『檻を壊すライオン 時事問題で学ぶ憲法』著者

 檻の中のライオン講演は全国46都道府県で約500回開催。

 「明日の自由を守る若手弁護士の会」会員

 

参加費: 一般1,500円

             高校生以下800円

  (憲法条文クリアファイルつき 檻ライのキャラクターイラスト

付きのファイルです)

 

* 新型コロナウィルス感染拡大防止のため、新しい生活様式に基づく

ガイドラインに沿って開催されます。

* 定員が40名に大幅に制限されておりますので、ご了承ください。

 

お申込み・お問い合わせ:ohanashi.utakai@gmail.com

  080-1980-6281(もうぎ)

 

主催: 檻の中のライオン講演会 in 新潟 実行委員会

2020年10月21日水曜日

菅首相の会見inインドネシア これがまた


 菅首相が、訪問先のインドネシアで記者会見し、

 「任命された会員は公務員になる。国民に理解される存在で

あるべきだ」

 「会員の人選は出身にとらわれずに、広い視野に立ってバランス

の取れた活動を行っていただきたい。そういう意味で総合的・俯瞰的

(に判断した)と申し上げている」

と述べました…。


● 菅首相、学術会議会員は「国民に理解される存在であるべきだ」

                                                具体的な判断理由語らず (毎日) https://mainichi.jp/articles/20201021/k00/00m/010/084000c


 結局、何も語らないのですね。

 けむに巻くような、謎の言葉の羅列を繰り返しただけ。


「任命された会員は公務員になる。国民に理解される存在であるべきだ」

 今まで日本学術会議が国民の理解を得ていなかったかのような前提で、

憲法違反の介入や自身の説明責任の問題といったこの事件の核心から論点

をずらそうとするわけです。こういう不誠実な論点ずらしに、乗っかって

はいけませんし、主権者国民には理解されません。

  

「会員の人選は出身にとらわれずに、広い視野に立ってバランスの

取れた活動を行っていただきたい。そういう意味で総合的・俯瞰的

(に判断した)と申し上げている」


 憲法上も法律上も政府が人選に口出しすることが許されない、という

点についての説明はまったくない。

 というか、学問共同体の自立に「総合的・俯瞰的」という謎の政治的

な介入をした、という宣言です。

 民主政治を土台から崩し、憲法を実質的に骨抜きにする政治。

7年8ヶ月の安倍政権から何も変わっていませんね。

マスメディアは、しつこく、追及し続けてください。

首相も政権も、私たち国民が飽きて忘れることを待っているのですから。

 

2020年10月20日火曜日

菅首相が自著を“改訂”←「公文書管理の重要性」を削除( ̄ロ ̄lll)


 菅首相が、2012年に刊行した『政治家の覚悟』(文芸春秋)を

“改訂”して新書として新たに新書として出版しました。

 なんと、「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は

最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」

と公文書管理の重要性を訴えた章を削除して出版されたそうです。。。


● 菅首相の著書、改訂版が発売 公文書管理の記述消える (朝日)https://www.asahi.com/articles/ASNBM5RD7NBJUTFK00Q.html


● 「政府が記録残すのは当然」新書版で削除

                                   菅首相の著書「政治家の覚悟」 (毎日) https://mainichi.jp/articles/20201019/k00/00m/040/269000c


 まさか、自分自身の歴史も修正するとは、、、

 わざわざ削除する、というのは、タテマエとして「公文書管理は当然」

と言うつもりもない、という積極的な意思があるということです。

 安倍政権下の7年8ヶ月間で繰り返された公文書改ざんや破棄・隠ぺい

の数々が、いかに(ミスなどではなく)明確に意図されたものかが分かり

ます。

 権力の中で、何が議論され、誰がなにをいい、どのように結論が導かれ

たか、それを記録することは、それこそ太古の昔から重要なこととされて

きました(奈良時代の政治や社会について知ることができるのも、大宝律

令や養老律令で厳しく公文書管理のルールが定められて保管されきたから

です。)公文書がきちんと事実を記録して保管されることで、この国が

たどった道を、いつでも、何十年先、何百年先の未来でも振り返って参考

にする、検証することが可能になります。


 いまや、会議の議事録をとらないことすら起きています。

 すべてをブラックボックスにして検証不可能にする、現在と未来の国民

への愚弄です。。。国民に見せる必要などない、説明する必要などない、

という傲慢すぎる発想です。


 確実に、民主主義は、土台から切り崩されています。

 この国の主権者として、この国に生きる一人のものを考える“個人”として

「おかしい」と声をあげませんか。

ベアテ・シロタ・ゴードンの生涯をたどる名作漫画『冬の蕾』


 岩波書店から、ベアテ・シロタ・ゴードンさんの生涯をたどる漫画が

出版されました✨

 『冬の蕾 ベアテ・シロタと女性の権利』 岩波現代文庫

 樹村 みのり 著

 本体1,100円+税 

 


<岩波書店のサイト>

 無権利状態にあった日本の女性に、男女平等条項という「蕾」を

もたらしたベアテ・シロタの生涯。

 https://www.iwanami.co.jp/book/b530012.html


 たった75年前まで、女性は「男性の支配の対象」でしかありません

でした。

 表現の自由、学問の自由、職業選択の自由、そして選挙権など、多く

の人権が保障されず、自由な人生も、男性と対等な関係も、夢のまた夢

でした。

 ベアテ・シロタ・ゴードンさんは、親の仕事の関係で一時期日本に住ん

でいた折に、そんな日本の女性の苦境を目の当たりにしました。

終戦後、GHQの職員として来日した彼女は、女性差別の解消(女性の

自由な人生)を願い、憲法24条の草案を手がけたのです。

彼女が戦前、何を目撃して何を思ったか、草案を担当するに至った経緯、

どんな願いを草案に書き込んだか… 24条の深さを理解する一助として

ぜひお読みください☆

もうお読みになった方がいらっしゃいましたら、ぜひ感想(コメント欄で)

お聞かせください♪

 

<あすわかtwitter> https://twitter.com/asuno_jiyuu/status/1318354801147539456?s=20



 

日本学術会議への人事介入 問題の整理2


 日本学術会議への人事介入の件、長谷部恭男教授のインタビュー記事

をご紹介しています。

「総合的・俯瞰的観点から判断した」という謎の説明は、学問の自由の

侵害を自白したようなものだ、というくだり、とても分かりやすい解説です✨


● もの言わぬ学者は「政府のイヌ」とみなされる

                   早大・長谷部恭男教授 (毎日) https://mainichi.jp/articles/20201013/k00/00m/010/159000c


◆ 人事介入(任命拒否)と、学問の自由(憲法23条)との関係について


長谷部教授 「学問研究の成果は、しばしば社会や政治部門の側からの

敵対的反応を招きがちです。だから外部の政治的・経済的・社会的圧力に

抗して各学問分野の自律性を保護しなくてはいけない。日本国憲法23条

で『学問の自由』を保障する条項を特別に設けているのもそのためです。」


◆ 任命拒否について「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動を確保する観点

から判断した」と弁明していることについて

長谷部教授 「学問の自由の侵害そのものです。菅首相が学術会議は

『総合的俯瞰(ふかん)的な観点から活動を』と述べていたが、これは

つまり純粋に学問的な論理ではない理由に基づいて活動してもらいたい

と言っているに等しい。学術会議を学術会議でないものに変質させよう

としている。学術会議が、学問以外の余計なことを考えながら活動すべき

だというのは、学問の自由を完全にゆがめるものです。

 俯瞰的な観点から人事をしたというのも、学問的な理由ではないほかの

事情に基づいて人事権を行使したと言っているわけで、『学問の自由を

侵害している』と自白したようなものです。」


◆「公務員に任命するとなると、それぞれ社会性だとか、国際的な発信力

だとか、総合的にみる必要がある」?


長谷部教授 「それは全然理由になっていませんよ。国際的な発信力で

言えば、(今回除外された東大教授の)加藤陽子先生ほど国際的な発信力

のある人はそうはいないでしょう。いろいろ言い訳はするが、全く説明に

なっていない。要するに「私たちの気にくわない人を任命しなかった」と

言っているだけではないでしょうか。

 これでは、学問に基づいていろいろと意見を言うのはやめてくれ、政府

の気持ちをそんたくして意見を言ってくれということになる。今回のこと

があった上で、政府にきちんとものを言わない学者は、世間からは『政府

のイヌ』と見なされかねません。」

日本学術会議への人事介入 問題の整理1


 少し前の記事ですが、憲法学者の長谷部恭男教授が、日本学術会議への

人事介入の件について語ったインタビュー記事をご紹介します。


● もの言わぬ学者は「政府のイヌ」とみなされる 早大・長谷部恭男教授 (毎日)https://mainichi.jp/articles/20201013/k00/00m/010/159000c


◆首相の任命は日本学術会議の「推薦に基づいて」行われる、という

日本学術会議法7条2項について


長谷部教授 「この『基づいて』という文言は、行政機関の権限行使を

強く拘束する場合に使われるものです。つまりよほどの理由がなければ、

その通りに任命するものです。しかも同法3条は会議が『独立して』

その職務を行うとしており、政府からの独立性を尊重すべき旨を明確に

しています。」


◆政府が憲法第15条1項「公務員を選定し、及びこれを罷免すること

は、国民固有の権利である」という規定を引き合いに出して、「首相が

推薦どおりに任命しなければならないというわけではない」と任命拒否

を正当化しようとしている点について


長谷部教授 「憲法15条1項は極めて一般的、抽象的な理念を述べて

いる。それを引き合いに出して、ここまで具体的に法律レベルで出来上

がっている仕組みをひっくり返すのは、憲法論でも何でもない。

詭弁(きべん)です。

 学術会議には、日本学術会議法という具体的な仕組みがある。まずは

その仕組みにのっとって任命権限は行使しなくてはいけない。憲法15条

の方が上位だというかもしれないが、同じレベルの憲法23条は「学問の

自由」をちゃんと保障しています。

 その学問の自由が及ぶ学術会議の会員と、その他の一般公務員を同じ

土俵にのせて、公務員である以上、首相に選定・罷免権があるというわけ

にはいかないわけです。任命しなかった理由をきちんと説明すべきです。

 その理屈で言えば、政府がこうだと言えば何でもできることになって

しまいます。これまでも国家公務員法や検察庁法で随分とおかしな法解釈

をしてきたわけですが、今後もあらゆる場面で同様のことをするでしょう。」


* * * * *


 憲法15条のくだり、ご理解いただけたでしょうか。

 15条は、あらゆる公務員は、もはや天皇に奉仕する職員ではなく、

国民主権国家においては究極的には国民が任命・罷免するような立場ですよ、

という宣言です。

天皇に尽くすのではなく国民主権原理の中で「全体の奉仕者」として働く

んですよ、という宣言は、天皇主権の国に生きてきた国民には新鮮だった

ことでしょう。そういう大きな枠組みについての条文を、なんにでも

「公務員なんだから国民の代表である首相が煮るのも焼くのも自由」と

いう言い訳のために持ち出してくるのは論外なわけです。

(2へ続く)

2020年10月17日土曜日

日本学術会議への人事介入 「終わったこと」にさせない


● 日本学術会議、梶田会長が首相と初会談で・・・ (TBS) https://news.yahoo.co.jp/articles/a5a99aea41c2ad0f6b87dcff861bb29fb12a0add


日本学術会議会長の梶田氏と首相の会談は、

・梶田氏が政府への要望書を手渡したものの、それに対して首相から

任命拒否の理由などの説明は一切なかった。

・その後は首相が「学術会議が国家予算を投ずる機関として国民に

理解される存在であるべき」という、全く異なる土俵を設定し、

それに梶田氏が乗っかり、「未来志向で今後の在り方を考えていきたい」

と応じた。

 …ということのようです。


 「学術会議が国家予算を投ずる機関として国民に理解される存在で

あるべき」だなんて…これぞ、the「おまいう」な発言です。

言葉がすべての政治の世界で言葉を尽くして説明せず(そもそも記者

会見を開きもせず)、不可解な言葉遣いで混乱させ、国民の政治不信を

高めている責任の方がよほど重大問題です💧


 きちんとその場で説明を要求しなかったり、論点ずらしに乗っかって

しまう梶田氏に忸怩たる思いがある方も少なくないと思います。

とはいえ要望書は手渡されているので、政府の誠実な回答を求めましょう。

首相には、そもそも強く求められるまでも無く国民への説明責任がある

のですから、説明しない首相が、圧倒的に悪いのです。


 梶田氏が論点ずらしに乗っかったことで首相も政府も「この件は一件

落着。もう済んだ話」にしてくるでしょう。

 終わったことにはさせません。

 この人事介入の事件の被害者は、6名の研究者たちではなく、私たち

国民です。

 「異論を許さない政治」の刃を学者・研究者にまで向ける、およそ近代

国家ではありえない事態が起きています。

 首相に問い詰めない記者さんたちは、政府広報になりたくて記者を目指

したわけではないでしょうに、残念です。国民の知る権利に奉仕し、権力

を監視する使命を思い出してください。

 決して終わらせない。しつこく声をあげましょう。

 自分なりの形で発信し続けましょう。 

新潟県弁護士会で柳澤協二さんのオンライン講演会


 10月22日(木)、

 国防のエキスパートを講師に迎えたオンライン講演会@新潟県弁護士会

 (裏方であすわかメンバー、奮闘中です👍)


<新潟県弁護士会のサイト>

 https://bit.ly/37di303


  現在、政府は「敵基地攻撃能力」の保有について“前向きな”議論を

進めています。

 それって…先制攻撃とは何がちがうの💦?

そんなの可能なの?

憲法との関係は?

 いろいろ頭を整理したいところです。 

 講師は、元防衛官僚にして4代にわたる政権の元官房副長官、柳澤協二さん!

あすわかの「憲法カフェへようこそ」パート2でコラボしたご縁があります♪

 ぜひぜひこの機会に、「敵基地攻撃能力」をめぐる議論のイロハを整理

してみませんか。


「敵基地攻撃で日本の安全は守られるのか」


日時:2020年10月22日(木)17:00~


ZOOMウェビナーの参加方法: https://us02web.zoom.us/j/84824700346



参加費: 入場無料・申込不要

主催: 新潟県弁護士会 電話025-222-5533

共催予定: 日本弁護士連合会,関東弁護士会連合会

権力による「心の指図」


「国民なら、当然この人の死を悼むものです。」

「国民なら、当然この国を愛するものです。」


 愛情、尊敬、哀悼、など権力が心を指図することに、慣れないように。

そこは警戒しましょう。

 こういう指図は、多かれ少なかれ「国民なら国のために尽くせるよね」

という“教育的な指導”につながってます。


 かならず「国の“偉人”を敬うのは当然でしょ」とか、「国民が自分の

国を誇りに思うのは当然でしょ」とか、「国民として当然」風を吹かせる

声が出ます。というか、すでに出ています。

 自由や人権に関する普遍的な価値観ではないところの、「誰を敬うか」

「なにを愛するか」というような自分の喜怒哀楽や感覚を、さも社会の

常識のように押しつけてくる人は、残念ながら、たくさんいます。

それに、流される必要はまったくないし、流されちゃいけない、と、

今一度確認し合いませんか。


 権力からの「心の指図」に流されないためには、

 例えば「そもそも“偉人”って、なに?国が“偉人認定”した人だけが偉人

なの?それ以外の人は偉人じゃないの?」と素朴な疑問や違和感を大切

にすることは、とても大事です。

 また、何を愛し/愛さないか、だれを悼み/悼まないか、は完全に自由

憲法19条)という人権の知識も、とても大事です。

2020年10月15日木曜日

弔意の強制 「お願いだから強制ではない」?

 

 故中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬の際、文部科学省が全国の

国立大学などに弔意表明を求める通知を出していた件。。。

 弔意の強制は許されない、ちう批判に対して、加藤官房長官は

「要望したもので、弔意表明を行うかどうかは関係機関で自主的に判断

されることになる」

と述べ、強制ではないとの認識を示した、とのこと。


● 弔意表明は自主判断 故中曽根元首相の合同葬 加藤官房長官 (時事)https://news.yahoo.co.jp/articles/73c721086b236c78de916d35c5fa8bffdff8ac2c


 「お願いしてるだけだから強制じゃない」という言い分は間違っています。

 権力が「してほしいなーしてほしいなーしてほしいなーーーー」と

言ってまわるだけで、萎縮や忖度は十分に誘発されます。

してほしいなーーーと言ってるということは、従わなかったら、なにか

印象悪くなるのかな、と、当然思うに決まってるからです。

予算や人事、処分…いくらでも力を持っている権力の言葉は、すぐに刃に

なります。

 権力にはその力をよくよく理解してふるまう思慮が必要なのに、

「お願いベースならなんでも許される」と思う、この浅はかさに、愕然と

します。


 繰り返しますが、誰を悼むか、悼まないか、は思想良心の自由(19条)

でも表現の自由(21条)でも保障されます。

 先だっての記事でも書きましたが、やはり「勲章までもらった功労者に

哀悼の意を表するのは国民として当然」という擁護の声があがってきました。

だれに親しみを覚え、だれを尊敬し、だれを哀悼したいか、自分の頭と心で

考え、自由に決めるのは、人として当然です。




上代文学会の抗議声明 権力に壊されたものの大きさを改めて…


 日本学術会議への政府の人事介入の事件、さまざまな学術機関や学会、

専門家団体から抗議の声が上がっています。

 「日本野鳥の会」「WWFジャパン」などが自然環境保護の立場から

抗議の声をあげたことも、注目すべきです。どのアングルから見ても

アウトです。


● 任命拒否、野鳥の会も抗議 「会議は自然保護の根拠示す」(共同)

 https://this.kiji.is/688689490750899297


 もう1つご紹介したいのは、上代文学会の抗議声明です。

 (上代文学会は、日本書紀や古事記など上代日本文学を対象とする

研究者たち約500名の学会です。)


<上代文学会の抗議声明>

http://jodaibungakukai.org/?fbclid=IwAR0imtqT_ZPwSLI7ckPrEL-gouVaOx0ZQ14Q7MmmKxI0bqQQG-WR-Z0dXfY


 上代文学の研究も、戦前は弾圧の対象でした。

 そうした歴史をふまえ、「今般の措置は、私たちの研究者としての

信条を踏みにじるものであり、自由闊達であるべき学問討究を萎縮へ

導く暴挙であって、この点からもとうてい容認できません。」という

真摯に怒りの表明に、心より敬意を表します。


 その上で、特にご一読いただきたいのは、最後の段落です。

安倍政権の7年8ヶ月、そしてそれを忠実に引き継いだ菅政権が、

「言葉がすべて」の政治の世界でどれだけ言葉を壊し、言葉による

コミュニケーションを拒否し、社会の「誠実さ」のレベルを下げたか。

計り知れない罪深さがあります。。。読んで、おそらく、心から、溜息

が出るとかと思います。。。


<一部抜粋>

 言語表現を取り扱うわが学会としては、任命拒否の理由を菅総理が

まともに説明しようとせず、無効で無内容な言い逃れを重ねていること

をも看過できません。総理の態度は事実上の回答拒否であり、コミュニ

ケーションの一方的遮断です。あたかも何事かを答えたかのように見せ

かけている分だけ、ただの黙殺より悪質だとも言わなくてはなりません。


 前政権以来、この国の指導者たちの日本語破壊が目に余ります。

日本語には豊かなコミュニケーションを担う力が十分備わっているのに、

見せかけの形式に空疎な内容を盛り込んだ言説が今後も横行するなら、

日本語そのものの力が低下してしまいます。日本語の無力化・形骸化を

深く憂慮します。頼むから日本語をこれ以上痛めつけないでいただきたい。


<抜粋終わり>

田中淳哉弁護士「つれづれ語り」 知の危機


 あすわか田中淳哉弁護士の連載「つれづれ語り」@『上越よみうり』


 今回のタイトルは「知の危機」。

 https://j-c-law.com/turedure201014/


 学問の自由(憲法23条)は何を保障したものなのか、とても分かり

やすく説明してあるので、ぜひぜひご一読ください。

 日本学術会議の件で、それまで「学問の自由」なんてまるで関心が

なかった人も少なくないと思います。ぜひこの機会に、「学問共同体」の

自律性がなぜそんなに大事なのか、知って頂ければ幸いです。


 その上で、一部抜粋してご紹介します~。

 政権が、日本学術会議のあり方を根本からひっくり消そうという動きが

に出てきている今、ぜったいに知っておいて頂きたい前提知識です。

  ↓ 

 <一部抜粋>

 独立性・自律性を確保する必要

 学問研究の成果は、これまで社会の維持・発展に役立てられてきた。

ただ学問は、ときに既存の秩序や価値観の変革を促したり、従来の政策

の転換を迫ったりすることもあるため、社会や政治権力からの批判や

反発を招きやすい側面も有している。


 学問の目的は、真理を探究することにあり、これは多数決原理とは

本質的に相容れない。また、研究成果は知的営みの積み重ねの結果として

得られるものであるから、「経済的合理性」があるかどうかといった

近視眼的な発想から論評すること自体ナンセンスである。


 学問が多数決原理や経済的合理性の視点でゆがめられてしまえば、

結果的に社会の発展を遅らせることにもなりかねない。このため、外部

からの様々な圧力で真理が歪められたり、探究が阻害されたりすることの

ないように、学問共同体の独立性や自律性をしっかり確保する必要がある。


 学術会議が「優れた研究又は業績のある科学者」(日本学術会議法17条)

として推薦した会員候補について理由も示さずに任命を拒否することは

明らかに違法であり、論外の暴挙であるが、学問の自由の重要性や特質に

照らせば、安易に行政改革の対象とするようなことも慎むべきである。

<抜粋終わり>

国民への「弔意」の強制に震えます

 

 中曽根康弘元首相の合同葬、ありますね。

 国民がコロナ禍で苦しんでいるときに。税金1億円かけて。

 だれがそれ望んでるの、という意味でも、今やるべきなのか、という

意味でも、間違った決断だと思います。

 それを前提として、さらなるおぞましいことが起きています。

 政府が全国の国立大など教育現場に弔旗の掲揚や黙とうで弔意の表明を

求めているのだそうです。。。都道府県教育委員会にも、加藤勝信官房

長官の名前で同様の通知が参考として送付されました。


● 「思想統制」「国民目線とずれ」

        中曽根元首相の合同葬巡り教育現場から批判 (毎日)

https://mainichi.jp/articles/20201014/k00/00m/040/351000c


 だれの死を悼む or 悼まない、は内心の自由です。

思想良心の自由(憲法19条)としても、表現の自由(憲法21条)

としても、保障されています。

 愛国心と同じで、国家から「悼め」と強制される道理はありません。

 教育現場への強制としてこういう策に出た政府の含意としては、

 日本学術会議の支配をスムーズにできなかった逆ギレで、なりふり

構わず学問研究の世界への権力の統制を進めようという意図もあるで

しょうし、

 弔意を強制される大人の様子を学生・生徒に見せて、「権力から命

じられればおとなしく従うしかないんだ」「権力は心も支配していい

んだ」と学ばせる意図もあるのでしょう。 


 民主主義と180度違う方向への歪んだ、おぞましい発想です。

 おそらく「一国の首相に哀悼の心をもつのは国民として当然じゃね?」

という言説が出てくるでしょう。けれど決して、流されないで下さい。


 繰り返しますが、誰がだれを哀悼するか、しないかは、自由です。


世耕氏が杉田水脈議員を「次はない」といって擁護するの巻

 

 杉田水脈議員の暴言について、自民党の世耕参院幹事長が「非難」と

いう記事がありました。

 

● 問題発言杉田氏に「次はない」 自民世耕参院幹事長が改めて非難 (共同通信)https://news.yahoo.co.jp/articles/c2aa17dd7eafbd88ad5f4e161dd116e29f51e3b5


 記事のタイトルには「非難」と書かれていますが、ほんとうに非難して

いるのかな?と考えながら読んでみましょう。だって、自民党は、謝罪や

議員辞職などを求める署名の受け取りを拒否しているのですから。


「次はない。同じような発言を繰り返せば、党として真剣にけじめを

つけなければいけない」

 →結局「一発アウト」レベルの差別発言を許したわけです(許す理由

も語らず)。これって、“非難”と呼ぶにふさわしいでしょうか?

党として真剣にけじめをつけなければならない、と言ったところで、

次のタイミングで世耕氏の一存で処分できるわけでもないでしょうし、

こういう言いっぱなしで済む発言は気楽でいいなぁと思ってしまいます。

 重要なのは、「今回は許した」という点です。


「抗議活動については杉田氏がしっかり対応することに尽きる」

 →こういって、署名の受け取りすら拒否する政党の対応に賛成して

いるわけです。「受け取るべきだ」と自民党内部で説得に奔走したわけ

でもなく、性差別への怒りを門前払いしているわけです。


 というわけで、このようないわゆる「ガス抜き」には、警戒が

必要です。



署名受け取りを拒否する野田聖子氏 詭弁って感じかなー?


 自民党の杉田水脈衆議院議員が、性暴力被害者への支援をめぐって

「女性はいくらでもウソをつける」と発言した問題。

 杉田議員の謝罪や議員辞職などを求めるオンライン署名を始めた

「フラワーデモ」主催団体が、集まった13万6,000筆(!)の

署名を自民党本部に持参しましたが、自民党は署名の受け取りを拒否

しました。

 野田聖子自民党幹事長代行のインタビュー記事をご紹介します。

 

● 野田聖子氏「“辞職”と書かれている以上、受け取れない」

  フラワーデモが呼びかけた杉田水脈議員への抗議署名 (ハフポスト)https://news.yahoo.co.jp/articles/24717e8d5098572077939eac37814fea63c8ea13


<一部抜粋>

 だって受け取れないでしょう?議員辞職と言われても、私にはその

権限はどこにもない。私のように、時の総理が決めたこと、党の手続

きを経て党の意思として決めた郵政民営化に反対した人間ですら議員

辞職は求められなかった。そういう経験をしているので。

 実現できることが書かれているなら署名を受け取るが、私が実現

できないことを求めた署名を軽々に受け取ることはできない。

<抜粋終わり>


 言うまでも無く、デモ主催者側に「署名の受け取り=辞職の指示」、

なんていう安易な発想はありません。署名した13万6千人も、「この

署名を自民党が受け取ったからには、自民党は杉田議員を辞職させな

ければならない」などと考えて署名した人はいないでしょう。

そんなルールはどこにもないと知った上での、辞職を求めるほどの怒り

の表明なわけです。

 性差別への怒りを、自民党という政党がどう受け止めるかどうか、を

見てるわけです。

 そこへ「受け取ったからには辞職させないといけませんから、そんな

無責任なことは」なんて独自の論理を持ち込んで、「受け取れない」

もっともらしい理由にするのは、詭弁です。自民党が選んだ道は「杉田

議員の擁護」であり「性差別温存」、でしかありません。

 よーく読むと、「党が決めた郵政民営化に反対した私ですら議員辞職

を求められなかったのだから、いわんや性差別した程度の議員に辞職を

求められないのは当然」という、ものすごい理屈ですしね。。。


 性暴力・性犯罪に“寛容”でセカンドレイプを繰り返す杉田水脈議員が、

いかに性差別と親和性が高く、国民の人権保障や女性の自由で自分らしい

人生を妨害している存在か、自民党はまったく意に介しません。

その政党が政権を握っている限り、この国の性差別は温存されるでしょう。

それでも支持しますか?


2020年10月12日月曜日

海外紙は“異常”認定 会見しない首相と抗議しない記者


 菅首相が記者会見を開きません…。

 選ばれた数人の記者だけを対象にした「インタビュー」を開催するのみ

で、まともに国民に言葉を尽くしません。


● 菅首相の"えせ会見"に仏特派員も激怒「あり得ない閉鎖性」(日刊ゲンダイ) https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/279817


 上記記事では、仏紙「リベラシオン」と「ラジオ・フランス」の特派員が

こう述べて失望しています。

「質問者をわずか3社の記者だけに限定し、他は傍聴部屋で映像すら見せ

ない。国のトップがこのような閉鎖的な“会見”をするのは、あり得ない。

私は20年以上、記者をしていますが、見たことも聞いたこともありませ

ん。政府側から、オープンな会見ではなく、こういう対応になっている

理由の説明もない。しかも、今日の3人の記者はそのことを質問しません

でした。代表して質問しているのですから、まず1問目で、これから始ま

る異常な“会見”についてただすべきでしょう」


 なぜ記者会見をしないのですか、と、インタビューを許された記者たち

はなぜ抗議しないのでしょうか。マスメディアの懐柔策がまんまと“成功”

していることを、示していますね、、、

 「親しくしないと特ダネがもらえない」という不安を捨てて、権力と

を保って対峙してくれないと、結局マスメディアへの信頼が失墜してしま

います。志高い記者さんを心から応援します。

反日、という言葉


 政権を批判するとしばしば返ってくる「反日」という揶揄があります。
 概念がそもそも曖昧なので定義も分かりませんが、政権批判する人を
「国家の敵」と見なして議論をさせまいと、嘲笑し、排斥するために
使われる言葉であることは分かります。その言葉自体もさることながら、
「反日」という言葉で人を非難する姿勢は、まったく知的ではありません。

(政権批判する人が国を愛するがゆえに悪政に対して声をあげているのは、
言うまでもありません…。)


 憎悪をあおるだけで中身のない言葉には、注意しましょう。
 こういう言葉が飛び交う社会は、冷静な議論ができる土壌とはいえず、
民主主義も遠のきます。

菅首相は105人の名簿を「見ていない」!? どのアングルからも違法…

 

 日本学術会議の人事への政治介入。

 「会員は日本学術会議の推薦に基づいて首相が任命する」という日本

学術会議法の規定が、学問の自由の観点からも、制定当時の政府答弁

からも、形式的な任命にすぎない(首相が任命を拒否することは許され

ない)ことが明らかになっていますが…

 菅首相が、6人を除外する前の推薦者名簿を「見ていない」と発言

しました。

 首相が名簿を確認した段階で、既に6人は除外されていた、と。。。


● 6人除外前の名簿「見ていない」 菅首相インタビュー (朝日)https://news.yahoo.co.jp/articles/ac44d459c48835e078540e4bbc9f51e39e22768f



 いきなりここへきて何を言い出すと思いきや、めちゃくちゃです…(*_*;)

 では一体だれが何の権限で除外したのか説明を求めます(そもそも、

ほんとうに見てないの?という真偽も含めて)。

 「名簿を見ていない」って、もう、ご飯論法どころの話ではない問題を

生み出しました。

  ↓

● 学術会議側から「文書の改ざん」指摘相次ぐ (TBS) 

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4099708.html


 ・首相に伝わる前に誰かがリストから6人を削ったのであれば、文書

改ざんです。安倍政権下で行われていた公文書のめちゃくちゃな書き換え

が、菅政権にも忠実に継承されているということです。


 ・菅首相が105人の名簿を見ていないなら、学術会議の推薦に基づか

ず任命したことになり、日本学術会議法の規定に反しています。違法です。


 人事介入が憲法上許されないような違法である、という問題が、この

事件の本質です。

 その本質が、「日本学術会議を行政改革の対象にする」とか「そもそも

名簿見てないし」とか、わけのわからない展開でかすんでしまうことだけ

は避けたいですね。

 私たち国民とマスメディアが、その問題の本質を見誤らずに、忘れずに、

諦めずに、質問し続けていくこと。おかしいよ、と声を上げ続けることが、

大事です。


 ドヤ顔で「その批判はあたらない」「適切に処理している」と言い切って

メディアをおじけづかせて忖度させて“異論を許さない政治”を作る手法は、

もう、終わらせましょう。

性暴力の傍観者にならないためにできること


 性暴力は、暴力です。

 それは人権侵害で、根底には性差別があります。

 加害はもちろんですが、目の当たりにしながら知らんぷりすること、

他人事と割りきることも、結局、傍観であり性暴力の容認です。

 あすわか太田啓子弁護士が『これからの男の子たちへ』で、自分の

子どもを性暴力・性差別を容認しない人に育てるための課題や悩みを

書き、その反響の大きさからは、多くの人が同じ切実な思いを抱いて

いることが分かります。


 傍観者でいたくない/傍観したことを後悔している人へ、すばらしい

啓発動画が作られました。ぜひご覧下さい。

 https://www.youtube.com/watch?feature=youtu.be&v=sp1e9hKZ97w&app=desktop




2020年10月9日金曜日

日本学術会議を行政改革の対象に!? 逆ギレの土俵設定

 

 河野行政改革担当大臣が日本学術会議を行政改革の対象として見直し

に着手する考えを示した、とのこと。


 「年度末に向けて、予算あるいは機構定員については聖域なく例外

なく見ることとしておりますので、その中でしっかり見ていきたい」

 「予算と機構定員についてしっかり見ていく」


● 「聖域なく見る」河野行革相、日本学術会議 見直しに着手へ (TBS)

 https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4098035.html





 …国民のだれがいつそれを望んだというのでしょう( ゚Д゚)⚡

 自分たちがいきなり憲法にすら反する違法な人事介入をして猛批判

を食らっているのに、逆ギレでしかありません💦

 要は、

 憲法上許されない人事介入についてまったく言い訳が立たず簡単には

支配できないことを悟り、錯乱気味に「めんどくさいからもうつぶし

ちゃえ」と異次元の論点すり替えをしてきた、ということです。


 追及されるべきは人事介入の違法性・違憲性です。

 こういう逆ギレの土俵設定を受け入れることはできません。

 惑わされずに、任命拒否の理由の説明を求め続けましょう。

「ノーベル文学賞にアメリカの女性詩人」という報道


 「ノーベル文学賞にアメリカの女性詩人」という報道のタイトルを、

いくつか見ました。

 「女流文学」という言葉が今は死語と化しているように、性別が

重要なファクターではないのに女医、女性弁護士、というようにわざ

わざ「女性〇〇」と表記されるのはなぜでしょうか。まだ「女流」を

使っている分野もあり、なぜ必要なのか立ち止まって考えてくれる

機会があるといいなと思います。


 そんな細かいことどうでもいいじゃん、という声が聞こえてきそうです。

 そうです、細かいことです。

 でも、どんな差別も、細かいことの積み重ねです。

 ちょっとした表現、ちょっとしたニュアンス、ちょっとした態度。

 それが積み重なって、いつのまにか強固なものとなる。

深く深く、社会に染み込んでいく。

 だから、細かいことを、地道に指摘して、ちょこちょこ修正かけて

いかなければならないことだと、考えます。

LGBT差別の暴言 無知は罪深いことです


 「L(レズビアン)だってG(ゲイ)だって法律で守られているという

話になれば足立区は滅んでしまう」

という足立区議の暴言について、毎日新聞のインタビュー記事がありました。


● LGBT巡り“足立区が滅ぶ”発言 炎上の自民長老議員の主張と事実誤認 (毎日)

https://news.yahoo.co.jp/articles/554c9edc8c16a2e569006fd9b73bae5749fef6fc


◆同性パートナーシップ条例のような法的な保護は不要だと主張する

理由について

 「基本的には個人の生き方だから、民法の中に(想定されて)ない

生き方だからね。一般的でない生き方を特別に擁護する必要ないでしょう。」


◆自身のLGBTへの理解について

「私のまわりにはまったくいないし、ニュースの報道の範囲しか知りません。

会ったことがない。」


◆LGBTは生まれながらの指向であることについて

 「LとGは、楽しいからと選んでいると思いますよ。それはそれで、

身近にはいないけど、そうだとしても否定も拒否もする気はないよ。」


 …あまりの言いように、正直、言葉を失います。

 同時に、多くの足立区の有権者がこの議員を支持し、当選させたという

まぎれもない事実を、他人事としてはいけませんよね。たとえ自分が

足立区民でなくても、国政では杉田水脈議員を当選させてしまっている

のですから。


 LGBTないし性的マイノリティの方々が、自分の自由意思で選んでいる

(すなわち指向ではなく嗜好だ)という理解からして、どうしようもない

無知・無学。前提がこうなると、議論の使用がありません。

 こうならないよう、せめてこれからの子どもたちには正しい知識と学び

の機会をしっかり教育課程に盛り込んでいく必要があることを再確認した

い点です。当事者の子たちが傷つかずに自己肯定できるように、また

マジョリティの子を、加害者にも、傍観者にもしたくありません。


 自分の周りにLGBTがいないことは、自分に学ぶ機会のない言い訳には

なりません。「周りにいない」と感じたら、「周りにカミングアウトして

いる人がいない」と考えるべきでしょう。正直、ここまで何のためらいも

なく差別してくる人には、そりゃあカミングアウトしたくないだろうな、

と思ってしまいます。

 それに、そばに当事者いなくても、本やメディアなどいくらでも学べる

ツールはあります。この区議さんの姿勢は、とても消極的で、知的とは

いえません。

 有権者から託されて議会に立つ議員さんの無知・無学は、ほんとうに

罪深いもので、責任放棄といっても過言ではありません。基本的な人権

の知識なら、なおさらです。

2020年10月7日水曜日

「国家予算を投じてる」は、人事に介入していい理由にはなりません

 

 日本学術会議への人事介入の件、「国家予算を投じている内閣府直轄

の機関なのだから、人事に介入するのは当たりまえ」という言説が、

ありますね。

 「国民の血税が注がれているのだから、民主的コントロールを及ぼす

必要がある」なーんて聞くと、思わず、なるほどね~なんて思ってしまう

人、少なくないと思います。


 そのポイントに対して、毎日新聞の社説の中にあるこの一節をご紹介

します。


「首相は、政府が年間約10億円の予算を支出していることや、会員が

特別職の国家公務員になることを人事権行使の理由にしている。

しかし、学術会議は一般の省庁とは異なる。予算や身分の問題と、

任命権の話は別だ。」

 

● 学術会議巡る首相発言 これでは説明にならない (毎日)

https://mainichi.jp/articles/20201007/ddm/005/070/075000c


 信濃毎日新聞の社説もまた、雄弁です。

「学術会議は政府の機関であり、年間およそ10億円の予算を投じて

いることにも菅首相は言及した。けれども、それは介入を正当化する

根拠にならない。

 公の機関として国の予算で運営を支えるのは、学問の自由を保障

するためであって、政府に従わせるためではない。政治権力からの

独立が確保されなければ、学問の自由の土台が揺らぐ。」


● 学術会議人事 首相は何も答えていない (信毎Web) https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20201007/KT201006ETI090011000.php


 「国家予算を投じているのだから介入して当たり前」という言い分は、

それを言い出したらキリがないわけです。

 福山和人弁護士の「学術会議に国が10億出してるから人事に口出し

してよいなら、政党交付金をもらった政党の党首は総理が決められる

のか?  アホすぎる理屈だ。」というツイートは、なによりも明快で

しょう。

https://twitter.com/kaz_fukuyama/status/1313297811224489985?s=20


 というわけで、国家予算を投じているから介入して当然、という

「一見もっともらしい言説」には、警戒が必要です。

 もし周囲に、こうした「もっともらしい言説」に流されている方が

いらしたら、ぜひ上記記事やツイートをさりげなく教えてあげてください。