いよいよ明後日、22日(月)18時から、トークイベント
「ビギナーのためのはじめての『憲法改正』」!雪の予報ですが(>_<)、
みなさましっかり防寒しておいでくださいませ☆
(https://www.facebook.com/events/963416003809569/)
イベントで少しだけご紹介予定の
「イマドキの憲法知っとこカルタ(仮)」、今日は「じ」の札をお披露目!
じ “ 自衛隊 明記するだけでも危うい ”
いわゆる「9条加憲」案についての札です。
安倍首相が昨年5月3日に突如提案した「自衛隊を憲法に明記する」と
いう案、これってどうなのでしょうか。
首相はたびたび、この自衛隊加憲案の理由を「自衛隊が全力で任務を
果たす姿に対し国民の信頼は9割を超えている一方、多くの憲法学者は
『違憲』と言っている」と述べます。要は、憲法学者から違憲だと言われ
る自衛隊が気の毒だから、書き込んで合憲にしたい、ということです。
…しかし、これまでの自民党政権も安倍政権も、自衛隊は合憲の存在で
あるという頑強な解釈を土台に安全保障政策を進めてきました。
2015年に強行に作りあげた安保法制も、当然「自衛隊は憲法上j許さ
れた存在」だという前提で作られています。それを今さら、「書き込まない
と危うい存在」かのように言うのは。。。誰が聞いても(自民党のOBOGの
方々も)びっくりだと思います。
そもそも、安倍首相が憲法学者たちの声に「敏感に反応」していることは
驚くべきことです。
2015年、憲法審査会で発言した3人の憲法学者をはじめ、圧倒的多数
の憲法学者たち(ごくごくわずかな「特殊」な一部の学者をのぞく)が安保
法制を憲法違反だと主張して反対しましたが、安倍政権はこれを鮮やかに
無視しました。
今、自衛隊を違憲だと明言する憲法学者は、多数とはいえ9割を超えては
いません。従来の政府解釈に近い考えを支持する学者も一定数います。
そういう状況で、安倍首相は突如「多くの憲法学者が違憲だと言っている
から」と引き合いに出して、自衛隊を憲法に明記することを訴えています。
そんなに憲法学者の声を意識するのであれば、安保法制を廃止するのが
先なのではないでしょうか。
“自衛隊明記”案に「ただ明記するだけです」という、一見おとなしそうな
イメージを抱く方も少なくないかもしれませんが、
そんなものではありません。
多くの国民になじみのある「専守防衛で誰も殺さない、災害救助や途上国
の選挙のサポートなどで活躍する自衛隊」は、もう2015年までの話です。
安保法制によって、同盟国アメリカの戦争にいつでも参加する軍隊へと
、自衛隊は変貌しました。すでに米軍の軍艦への給油活動など、アメリカ軍
と一体となった軍事活動を展開しています。
その、変貌してしまった「いつでも戦争する部隊」としての自衛隊を憲法に
明記するということは、今ある9条2項を死文化させる可能性が非常に高い
ものと言わざるを得ません。
「書き込むだけです」というレベルにとどまらず、実は9条を意味ないもの
にする、という、とてつもない「え、そういう作戦なの!?」とでもいうよう
な、不誠実な9条改憲になりかねません。
「自衛隊を書き込むだけですよ、大したことありません」と、前後でなにも
状況が変わらないと言われれば言われるほど、「じゃあわざわざ書き込む必要
ないのでは」と思えます。あるいは、自衛隊の定義すら書かずに3文字書き
込むことで、しっかり統率できるのか、も疑問です。
自民党の中では「はっきり9条2項を削除する案を提案すべきだ」という
“ 正直な ”意見も強く、まだ1つにはまとまれていないようです。
ぜひ、「大した影響なさそうだから自衛隊を明記するくらいならいいんじゃ
ない?」と考えるのはちょっと危ういんだよー、と、正確な知識が、もっと
もっと社会に広まればいいな、と思います。
*いよいよ明後日、22日(月)あすわか×木村草太先生「ビギナーのための
イマドキの『憲法改正』」
イベントページ https://www.facebook.com/events/963416003809569/