昨年末に秘密保護法が成立し、これから日本はどうなっていくんだろう…という中ではじまった2014年も今日で終わりですね。みなさんにとってどんな1年でしたか?
年末のテレビでは、この一年を振り返る番組をたくさんやっていますよね。そこで、1年の締めくくりに、2014年を憲法的に&あすわか的にふりかえってみたいと思います。
立憲主義を無視するような言動の多い安倍首相に対し、憲法を勉強していただこう…!ということで、2月14日のバレンタインデーには、法学部生であれば誰もが手に取る教科書、故・芦部信喜教授の「憲法」とチョコレートをプレゼントしました。
ちなみに、ホワイトデーのお返しはいただいていません(笑)
それでも、来年も何かやりましょうかね・・・。
「だめよーだめだめ」「集団的自衛権」が流行語大賞に選ばれたとおり、今年は集団的自衛権が大問題となりました。
あすわかは、2月末にリーフレット「2分でわかる 集団的自衛権ほぼAtoZ」を発売し、これまでに約25万枚を配布しました。
4月頃に、自民党の高村副総裁が突然、集団的自衛権の「限定容認」ということを言い始めました。この流れの中で、5月15日には安保法制懇の報告書が提出され、現在の憲法9条のもとでも、6要件を満たせば集団的自衛権を行使することができるということにすべき、とされました。あすわかは、安保法制懇の報告書が提出されたという報道が出てから約1時間で、報告書の6要件を赤ペンでチェックしたチラシ「あすわか先生がチェック!安保法制懇の報告書」を公表して、みなさんに拡散していただきましたね。
7月1日、政府は、憲法9条の政府解釈を変更し、集団的自衛権を認める閣議決定をしました。結局、閣議決定はされてしまいましたが、官邸前をはじめとして全国で集団的自衛権の容認に反対する声が大きく上げられました。あすわかも、「解釈改憲?ハァ?なにその反則技。私たちは立憲主義も民主主義も手放すつもりはありませんよ声明」という(自分で言うのも何ですが)ぶっとんだ声明を出して、強く抗議しました。
来年の通常国会では、集団的自衛権を実際に使えるようにするための法律の整備が待っていますし(「安保関連法」と言われているヤツです)、日米ガイドラインの改定も予定されています。現在、あすわかは「今さら人に聞けない集団的自衛権」シリーズを連載中ですので、ぜひ引き続きご注目ください。
今年は、秘密保護法の施行へ着々と準備が進められた年でもありました。
あすわかは、6月5日に「これでわかった!超訳 特定秘密保護法」(岩波書店)を出版し、発売後10日で3版がかかるという好評をいただきました。発売日の6月5日には、たくさんの方にご参加いただいて出版記念パーティーを開催し、その模様が6月8日の朝日新聞・天声人語で取り上げられました。
8月には秘密保護法の施行令や運用基準に対するパブリックコメントが募集され、あすわかもパブリックコメントを出しましたね。
10月末には、秘密保護法の施行を前に、「秘密保護法と集団的自衛権 混ぜるともっとキケン」というチラシを公表し、各地で配っていただきました。このチラシは、衆議院法務委員会の質疑でも使っていただき、国会デビューを果たしました。
施行直前には、ブログで「今さら人に聞ケナイ特定秘密保護法」の連載も行いました。
12月10日、特定秘密保護法は施行されてしまいました。あすわかも施行に抗議する声明を出しましたし、引き続きこの法律の廃止を求めていきますが、それとともに、この法律のもとでも私たちは民主主義を手放さないよ、という声を上げていきます。
マスコミに対する報道規制かのような事件も多くありましたね。
3月、あすわか会員も登場した女性誌VERY3月号の憲法特集に対して、内閣広報室が「(秘密保護法の特集をするなら)うちも取材してくれませんか」と事前に働きかけたことがわかり、とっても怖い思いをしました。
朝日新聞に対する政府を挙げた大バッシングも忘れてはいけませんし、12月の衆議院選挙前には自民党がマスコミ各社に対して「公正な報道を求める」文書を配布して問題になりましたよね。
この、政府・与党が中心となったマスコミに対する抑制の動きは、来年以降、ますます強まっていくような気がします。秘密保護法による取材の萎縮も絡んで、とても心配です。
都議会や国会でのセクハラヤジも問題になりました。
セクハラヤジも、両性の平等を定めた憲法24条や、個人の尊重を定めた憲法13条などと深く関連する問題です。「女性の活躍」をかかげる安倍政権が本当の意味で女性を尊重しているのか、来年も注意しないといけませんね。
そして1年の最後、12月14日には衆議院総選挙が行われ、自公が引き続き政権に就くことになりました。あすわかは、政党や小選挙区の候補者に公開質問状を送り、集団的自衛権や秘密保護法などについてどういう意見を持っているのかアンケートをとって公開しました。
選挙前には、菅官房長官が集団的自衛権は争点ではないと言っていましたが、選挙が終わるとすぐに安倍首相は「集団的自衛権も含めた選択だ」と言って、集団的自衛権を使えるようにするための法律の整備に動いています。
……と振り返ると、2014年は憲法的にもあすわか的にも、ひっじょーーーーに激動の1年でした。あすわか会員が全国で行っている憲法カフェも、数えられる範囲で500回を超えました。
1年の最後に、あすわかの活動が「平和・協同ジャーナリスト基金賞 奨励賞」をいただけたことは、こういった活動を評価していただいてのこと、とても嬉しいことでした。
来年は憲法的にどんな1年になるでしょうか?なんだか来年も憲法問題が山盛りのような気がしますが、そんなことにはめげずに、2015年も、あすわかは楽しく、わかりやすく発信していきます。
良いお年を!