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2015年7月9日木曜日
自民党さんのチラシがすごい!なになに、『平和安全法制』だって!?ホントかな? シリーズ⑤
自民党さん作の「平和安全法制の整備」なるチラシについて
今回のツッコミ対象は
「平和安全法制のポイント 国際貢献を拡大します」
について!
自民党さんによりますと、
「自衛隊がこれまでも参加してきた国連PKOに加え、有志国が
実施する類似の活動にも、PKOと同様の条件を満たせば、
参加できるようにします」
「付近で活動中の日本人ボランティア等に危険が及ぶような時は、
自衛隊が駆け付けて警護できるようにし、そのようなケースに限り、
武器の使用制限を緩和します」
とのこと。
1)これまで参加してきた国連PKOって?
PKOとは、国連による停戦監視です。
事態の沈静化をはかり、紛争の再発を防ぎます。
伝統的には軍事的対応が主でしたが、冷戦後は、兵士の
社会復帰や政治機能の回復、経済開発の援助など、その
活動も多様化しました。
日本はこれまで、紛争で壊された施設や道路、上下水道の
修復・整備、人材育成の訓練センターへの講師派遣、難民に
対する物資援助などをしてきました。憲法9条があるので、
あくまでも非軍事的な協力しかできなかったのです。
2)有志国が実施する類似の活動→類似どころの騒ぎちゃうで!
(ツッコミ1)
今回のPKO法改定で、新たに「紛争による混乱に伴う切迫した
暴力の脅威からの住民保護」の活動に参加できるようになります。
これによれば、停戦国内で自衛隊が駐留・巡回し、武装勢力等
を排除する「治安維持活動」に参加できるようになるのです。
しかも、有志の連合軍が行う同種の活動ということは、国連
決議がなく、国連が統括しないということです。
国連決議がないのに、「大量破壊兵器があるはず」と叫んで
イラクに攻め込み、やっぱり大量破壊兵器はなかったとして、
国際社会から厳しい非難を受けた国がありましたよね。
国際的に正当性のない軍事介入に、日本が加担することに
なるかもしれません。
3)PKOと同様の条件を満たせば→全然ちゃうやん!(ツッコミ2)
PKOへの参加は、
① 停戦合意がなされ、
② 紛争当事者の受入同意がある場合のみであり、
③ 中立的な立場を厳守し、
④ この前提条件が満たされない状況が生じた場合には撤収
できなければならず、
⑤ 武器使用も要員の生命等の防護のために必要最小限の
ものに限られる
とされてきました(PKO5原則)。
しかし、停戦合意がない紛争後の地域で活動したり、紛争発生
前に紛争防止に必要な活動をすることができるようになります。
さらに、治安維持活動という任務を遂行するために武器を使用
することができるようになる点でも、これまでとは全く異なります。
4)付近で活動中の日本人ボランティア等→他国軍も含むで!
(ツッコミ3)
今回のPKO法の改定によれば、PKOに参加する他国軍が武装
勢力等と戦闘を始めれば、自衛隊が他国軍の元へ駆け付けて
これを助ける「駆け付け警護」もできるようになります。
5)駆付警護のようなケースに限り武器の使用制限を緩和
→もっともっと武器使用の制限は緩和されるで!(ツッコミ4)
そして、治安維持活動や駆け付け警護との関係で、
自衛隊員は自己防衛のためだけでなく、現地住民や他国軍の
防護のためにも武器を使用することができるようになります。
更には、治安維持活動や駆け付け警護という任務を遂行する
ために必要な武器の使用までも認めるとしています。
不安定な状態にある紛争国内で、武器を持った自衛隊員が
駐留すれば、武装勢力から攻撃されることも有り得るでしょう。
また、武装勢力の排除等、治安維持の任務を遂行するため
として、専制的に武器を使用すれば、武装勢力から抵抗を受けます。
そうなれば、自衛隊員に犠牲者が出ることは避けられませんし、
このような事態に対応するため、自衛隊が組織的に武器を使用
すれば、それはまさしく戦闘行為であって、憲法9条が禁じている
「武力行使」に他なりません。
アフガニスタンでの治安維持活動で、NATO軍の死者は3500人、
民間人の死者は2万1400人にのぼります。
イラク戦争での民間人犠牲者について、WHOは開戦後3年間で
15万1000人と発表しています。
殺し殺されることが「国際貢献」ですか?
そんな国際貢献なら、要りません。