昨日の国会審議で、海上自衛隊の内部資料が明らかになりました。
【動画】安保関連法案、“他国軍の支援”海自内部資料明らかに(7月29日、TBS)...
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn…
すでに海上自衛隊の中では、戦争真っ最中の他国軍の支援
について検討している、ということです。
まだ、安保関連法案は審議の真っ最中で、憲法違反であることも
明らかでこんなに国民が怒っているのに…もう「成立した」前提で
検討を始めちゃってるんですね…(-_-)
この安保関連法案の、「集団的自衛権行使」と並ぶ重大ポイント
が「もっともっと後方支援」です。
安倍内閣はもっともっと自衛隊が他国軍を後方支援できるよう
にしたい!、ということで、戦闘地域でも後方支援できるように
法改正しようとしています。
それで海上自衛隊がそういう後方支援を検討しはじめている、
というわけなのですが。
何が問題かというと、
「後方支援」という言葉は、日本独特の(日本の政府が勝手に
作った)言葉で、「兵站(へいたん)」=ロジスティクス、のことです。
そして「兵站」とは何のことかというと、
陸上自衛隊幕僚監部監修の教科書によれば、
「作戦上必要とする物資資源などを確保し、適時適所に必要と
する部隊などに提供するとともに、、これを適切に管理して作戦
・戦闘の基盤と可能性を付与する」こと、だそうです
(『陸自教範』 2011年1月)。
さらに、陣地攻撃での兵站については、
「戦闘の終始を通じて衝撃力を維持・増進することを主眼とする」
「攻撃の構想に基づき、主攻撃正面に支援努力を集中できるよう
に計画・準備する」
「攻撃開始以降は、主攻撃を重視して継続的な補給支援、整備
支援を行い、間断なく部隊の戦闘力を維持・増進する」
「兵站部隊はできるかぎり前方で、主攻撃の支援に便利なように
配置するとともに、攻撃の進展に応じて、更に前方に推進し、
あるいはその一部を第一線部隊に配属する」
…うわぉっΣ( ̄□ ̄;)!!
「後方」どころか、できるかぎり最前線でしなければならないもの、
なわけですね。
後方支援という言葉にごまかされてはいけない、ということです。
部隊と部隊が最前線で一騎打ちしている、そのすごーく後ろの方で
オニギリ握ったりして支援するような風景を想像してはいけないのです。
最前線で、弾込めや給油でどんどん武器を提供するのが兵站です。
その兵站(後方支援)が、武力行使そのものであることは、軍事の
常識です。
アメリカ海兵隊の教科書には、兵站は「武力行使と一体不可分」と
はっきり記述されています。
兵站(後方支援)があるからこそ、戦争ができるのです。
兵站(後方支援)がなければ、戦争できません。
だから、戦争に勝つためには、兵站(後方支援)を攻撃する
のが手っ取り早いのです。
日本が武器を渡して、他国がその武器で撃つ。
武力行使しているのは誰?
日本と他国、2人で1つの武力行使、ですよね。
「武力行使と一体化していない」後方支援など、ありえないのです。
ありえないのに、まるで「武力行使と一体化していない後方支援」
があるかのように、政府はずーーっと、「武力行使と一体化していない
後方支援だから憲法上許される」と答弁し続けています。
どうして、そんなウソを言い続けるのしょう、、、
さて、報道に出ていた内部資料には、自衛隊の護衛艦上で給油
したアメリカ軍のヘリが敵の潜水艦を攻撃している図が示されて
います。
その図を国会で首相に見せた共産党の小池晃議員は、
「米軍のヘリが敵潜水艦を攻撃して、海上自衛隊のヘリ空母に着艦、
給油してまた戻って攻撃を繰り返す。世界がどう見るか。
誰が見たって(武力行使との)一体としての行動」でしょと首相に
質問しました。
でも首相は、「(自衛隊がするのは)武力行使と一体化しない後方
支援に限る」、としか答弁しません…
orz
ツッコミ疲れ、みたいな。
後方支援(兵站)は、「武力行使」の中に、組み込まれているものです。
弾を提供する人がいなければ、銃を撃つことはできない。
そういうことです。
戦闘地域での後方支援を可能にする法整備が整えば、自衛隊
は戦闘地域で弾を込め、給油するでしょう。陸自の教科書に書いて
あるとおり、できるかぎり最前線に行くことになるのでしょう。
戦争の真っ最中に、アメリカから「もっと前線で支援しろ」と言われて、
それを断れるわけがありません。
自衛隊員の戦死、という最悪の事態を招きます。
憲法違反の法律を民意を無視して作り、他国の戦争に首を突っ込
んで自衛隊員の命を差し出す。
こんなめちゃくちゃなこと、どう考えても許されません。