自民党草案の前文は、「日本国民はこうあるべき」という理想像を
そのうちの一つが、
「日本国民は、基本的人権を尊重する」、というものです(前文第
あれ?
ちょっと不思議に思いませんか?
このページで何度かご紹介してきたように、
憲法は、国家権力が国民の権利と自由を侵害しないように、権力を
すなわち、憲法において、国民の権利と自由を保障する義務を負う
にもかかわらず、自民党草案の前文には、
国が基本的人権を尊重するということは記載されておらず、
国民が基本的人権を尊重する、と書かれているのです。
2.日本国民とはこうあるべき?
そのほかにも、「日本国民はこうあるべき」という理想像が、数多
「国と郷土を誇りと気概をもって自ら守る」
「和を尊ぶ」
「家族や社会全体が互いに助け合う」
「自由と規律を重んじる」
「美しい国土と自然環境を守る」
などなど…
自民党改憲草案の前文では、全体として、「歴史」と「伝統」、「
私は、国が、歴史や伝統を重んじることが悪いことだとは思いませ
しかし、それと、国が国民の「あるべき理想像」を示すこととは、
たとえば戦争のような事態になったときに、「国と郷土を誇りと気
3.何のために憲法を制定するの?
繰り返しになりますが、立憲主義の考え方からすすると、憲法を制
これに対し、自民党草案では、
「良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため」
とされています。
憲法を制定する目的も、国民のためではなく、国家のため、とされ
4.憲法の「主人公」は?
では最後に、前文のいちばん最初の文章を見てください。
日本国憲法は、「日本国民は」で書き始めています。
これに対し、自民党改憲草案は、どうなっているでしょうか。
書き出しは、「日本国は」です。
このことからも、自民党改憲草案における、「改憲の主役」はだれ
◆自民党憲法改正草案はこちら
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf
「前文」は、目次の次、第1条の前(上記のページでは2ページ目)に書かれている文章です。憲法の目的や精神、憲法制定の由来や憲法制定者の決意などが書かれるものです。