憲法学者の南野森教授(九州大)が、旧統一教会と政治家の関係に
ついて整理なさっています。いわく、「新興宗教でも伝統宗教でも、
政治家が宗教団体と付き合うこと自体は問題がない。ところが、旧
統一教会については、一般的な宗教団体と政治家の関わりと同じよう
にくくってはいけない。」
以前、あすわかも指摘したとおり、この問題は政教分離の問題とい
うよりは「反社と政治家」の問題ととらえるべき、と語っています。
● 不法行為多く 他宗教と相違 九州大・南野森教授(憲法学) (毎日)
https://mainichi.jp/articles/20220809/ddm/003/010/159000c
<一部引用>
旧統一教会は、宗教であることを隠して近づく手法や、家族や知人との
接触を断ちきっての洗脳・教化、霊感商法や法外な金額の献金強要など
多くの違法行為・不法行為が裁判で認定されており、他の宗教団体と
決定的に異なる。
旧統一教会の問題は政治と宗教の問題というよりは、政治と不法行為を
繰り返す団体の問題であると理解すべきだ。「信教の自由」や「政教分離」
といった憲法上の一般的な問題と捉えるべきではない。
<引用終わり>
一般社会で、反社との関わりが発覚すれば謝罪しただけで許されること
はまずありませんが、この感覚は社会が数十年にわたって「反社を許さ
ない」という倫理感を地道に広げてきた努力の結果です。この感覚が、
政治の世界で通用しなくていいわけがありません。むしろもっとも敏感で
なければならないはずの立場にあります。最低限の倫理を持ち合わせない
危うい政治家に、この国の政治を任せていいのでしょうか。私たち市民
一人ひとりの倫理観もまた、問われています。