* 東京高検の黒川弘務検事長の定年が延長された問題について、あすわか
含む9つの法律家団体が共同で出した抗議声明を、小難しくない言葉で
「超訳」したバージョンです。
検察官・黒川弘務さんの定年延長は、
どこから見ても違法で、
めっちゃ法治主義にも民主主義にも反しますよ 声明
【あすわか超訳版】
2020年3月5日
法律家9団体
超訳・文責 明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)
超訳・文責 明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)
1 はじめに
2020年1月31日、安倍政権は、数多いる検察官のうち黒川弘務さんだけ、
2020年1月31日、安倍政権は、数多いる検察官のうち黒川弘務さんだけ、
定年を半年伸ばすことを、閣議決定だけで決めちゃいました。
検察官の定年(63歳)を延長するということは、これまでに一度も無かった
ことです。黒川さんは、安倍政権の中心の一人である菅官房長官と仲がいいと
言われていて、安倍政権は、仲の良い黒川さんを検察庁のトップである検事総長
にしたくて、定年を伸ばしたと言われています。
2 検察官には国家公務員法で定年延長はできない
森雅子法務大臣は、検察官にも国家公務員法の定年延長の規定(81条の3)
を使えると説明していました。しかし検察官の場合は、検察庁法で定年が63歳
と決まっています。なので、森法務大臣の説明は間違いです。
検察官は、刑事裁判などで強大な権限を持っている、特殊な仕事です。
そんな検察官の人事を、権力の意のままにしないように、定年制があるんです。
3 安倍首相のいうとおりに解釈変更!?
政府はずっと、検察官に定年延長はないと言ってきました。
ところが安倍首相が、国家公務員法で検察官も定年延長できるように解釈を変え
る、と言ったあと、人事院はつじつまあわせに必死です。
法務省も、法律の解釈を変えるという重大なことなのに、「口頭で決裁した」と
言う始末…。
政府は憲法と法律に従わなきゃいけないのに、また勝手に法律の解釈を変えま
した。これで何度目でしょう?
4 検事総長の人格は、権力に対する検察の防波堤
法務大臣は、具体的な事件について、検事総長以外の検察官の指揮はできません。
法務大臣は、具体的な事件について、検事総長以外の検察官の指揮はできません。
検察の(政治権力からの)独立を守るのは、法務大臣から指揮命令されるかも
しれない検事総長の人格次第なんですよね。だから検察としても、検事総長は
クリーンで、権力の顔色をうかがわない、忖度しないような人に任せることで、
政治権力が組織に介入できないようにしてきました。その思慮深い歴史を今、突然、
現政権がひっくり返そうとしているのです。
中谷元・元防衛大臣も、静岡地検の神村昌通検事正も、公の場で異論を唱えて
います。与党や検察庁内部からも「ヤバくね?」と言われているのです。
5 黒川さんの定年延長は撤回すべきです
今回の黒川さんに対する定年延長は、法治主義にも民主主義にも反します。
私たちは、国民による不断の努力の一環として、安倍内閣が黒川さんの定年延長
今回の黒川さんに対する定年延長は、法治主義にも民主主義にも反します。
私たちは、国民による不断の努力の一環として、安倍内閣が黒川さんの定年延長
をやめるように求めます。
以上