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2016年12月21日水曜日
「上司の婚活指導」orz その発想ほんっっとうにノーサンキューです
企業による結婚支援のあり方について、内閣府が提言をまとめた
とのこと。
社内の既婚者が未婚者に助言する「婚活メンター(良き指導者)」の
配置などが素案に盛り込まれていて、大騒ぎになりましたね。
「余計なお世話」の一言に尽きますね。
それが上下関係厳しい雰囲気の会社でだったら、
上からの「助言」がなんとなく断れない社風だったら、
高圧的なキャラの上司がメンターになったら、
まちがいなく、セクハラですね。
●内閣府が企業へ婚活支援奨励 反対議員ら「セクハラを加速させる」(東京)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201612/CK2016122002000172.html?ref=rank
多くの批判を受けて、婚活メンターの設置や表彰は素案から削除されたそうです。
●会社の上司が婚活指導? 国の検討会、反発受け提言修正(朝日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161221-00000025-asahi-soci
かつての、「女性手帳」を思い出しました。
内閣府の婚活支援は、政府が掲げた「希望出生率1.8」の実現に
向けたものです。
出生率を上げるために、国民をもっと結婚させよう!という発想です。
女性の子宮は、国家のものではありません。
女性の子宮は、女性のものです。
いつ使おうが使わまいが、女性の自由です。
放っておいてください、としか言い様がありません。
男性にとっても余計なお世話ですよね。
いつ結婚しようがしまいが、上司や国家から言われる筋合いはありません。
なぜあの社員は独身なんだろう、なんて、詮索されるのはまっぴらです。
触れられたくないセクシャリティの方にとっては、なおさらのことです。
人口を増やすために国家が仲人役になって国民をもっと結婚させよう
(結婚すりゃ子ども作るだろうから)という安易で貧困な発想は、結婚した
くても経済的な理由で結婚できないカップルや、不妊で悩む男女をどこ
までも置き去りにします。
(結婚率は低いのに人口が増えたフランスに学ぼうとか、そもそもなぜ
若者は結婚しないのか探ろうとか、なぜ自らの社会を省みる姿勢がない
のでしょうか。不思議でたまりません。)
憲法は、「個人の尊重」を根本テーマにしているので、国民一人ひとり
の尊厳ある生き方を、どこまでも大切にします。
13条や24条は、どんな家庭の形でも、どんな夫婦の形でも、どんな
恋愛の形でも、「あなたらしい幸せの形を見つければいいんだよ」と
背中を押してくれます。
えっ、なに、結婚してないの?結婚ていいもんだよ、子どもっていいもん
だよ、なんて、み・じ・んも言いません。
婚活メンターは削除されましたが、国民が猛批判したから引っ込めた
ものの、そもそも放っておけばそういう発想が生まれる政権である事実
は消せません。
政府が憲法の精神を謙虚に学んでいれば(政府に憲法の精神が行き
届いていれば)、出るはずもない素案だった、ということです。
安倍政権は、かつての女性手帳のときと何も変わっていません。
「国民の人生設計はこうあるべきだ」という妄執で、まだまだふいに
国民をしばろうとします。
自分の生き方を、自分の自由を守るために、まだまだしっかりと
主権者アンテナを立てて、憲法を盾に、「不断の努力」を続けなければ
なりませんね。