2014年11月1日土曜日

署名の威力

みなさん
憲法16条って知ってます?


知らなくても普通です、弁護士だってすぐには答えられないですから(笑)
「請願権」なんです


請願権って簡単にいうと、署名を集めて提出する権利って感じですかね
なんでこんなのがわざわざ人権の一つになっているかっていうと
民主主義国家である以上、主権が国民にある以上、国民は常にその要求を国会議員に届けることができるべきだ
ってことなんですよね


要するに、私たちって主権者だけど、政治に口を出せるのって、選挙のときくらいじゃないですか。
でも、ほんとに選挙のときしか口を出せなかったら、選挙のときは内緒になっていた問題や新しく発生した問題について、意見言えないですよね。
たとえば、外国を守るための戦争に自衛隊を派遣しますとか、国民に知られたくない情報は秘密にできるようにしますとか。そういうのが政治課題になったときに、主権者としては意見言いたいじゃないですか!?
でも、選挙がないから主権者でも意見を言えないってのは、民主主義国家じゃない、国民主権じゃない、ってことで、選挙のとき以外にも、国政に文句(意見)を言えるようにしよう、ってことで人権になってるんです。
(歴史的には、国民主権じゃない絶対王政化から存在しているので、そのときの請願権の役割は、まさに民意の伝達だったわけですね。いまは選挙があるので、幾分その役割の重要性は低いのでしょうけども)


でも、
署名なんて集めて意味あるの?
国会議員のみなさんは、署名なんか気にしていないんじゃないの?
って思ってらっしゃる方、いらっしゃいませんか?


確かに、国会宛の請願って全然採択されないんですよね
それに、TPP反対の署名がいっぱい集まったけど、結局、TPP参加交渉はガンガン進んでるのが実態ですし


でも、
最近、1000万人の署名を集めようって方々がいらっしゃるんです!
自分たちの声を政府に届けようって方々です
1000万人って言ったら、10人に1人ですよ、すごい目標ですねぇ~
(注:この署名の宣伝をするための記事ではないことをあらかじめお断りしておきます)


反TPPでも脱原発でもない
それは、
「美しい日本の憲法をつくる会」なる団体が始める「憲法改正を実現する1000万人署名」というものなんだそうです


ん?
憲法改正は最終的には国民が行うものだから、国民宛の請願??
どんな改正をするのかわからないけど、とりあえず改正を求めるの??
という疑問はありますが


とにかく
多くの人が署名の意義を考える機会になって
さらに、憲法について学ぶ機会になるのであればいいなぁと思います




それにしても、
ふつー、署名って言ったら、政府と意見が対立する方々がやっているイメージでしたが、
政府と似た方向性の意見について署名を集めることって、あるんですねぇ




なお、この請願権は、
いろいろ変わってしまう自民党改憲草案でも、ちゃんと書かれているんです!
ただ、「公益及び公の秩序に反しない」(草案12条・13条)請願に限られているんで、
こういった憲法がらみの請願は、「憲法はもろに公益や公の秩序に関するものだから、憲法がらみの請願はダメ」って言われるかもしれないですけどね