2014年7月29日火曜日

国際的な機関も秘密保護法にNO!

国連の自由権規約委員会をご存じでしょうか?

国連人権条約の自由権規約(とっても簡単に言うと「世界の人々の人権と自由を守ろう!」と定めています)に基づいて作られている機関で、世界の国々で人権や自由がきちんと守られているか定期的に審査しています。

そして、人権や自由がきちんと守られていない国に対しては、「ちゃんとしなさい!」と勧告を出します。

条約に基づいて作られている機関としては一番歴史が古く、各国の最高裁の裁判官や著名な法律家が委員になっていることもあって、最も権威が高いとされています。

日本でも過去に、この委員会の勧告を受け、人権の保障状況の改善が行われたことがありました(例:刑務所制度)。

さて、この自由権規約委員会が、去る7月24日に勧告を出しました。
その中に、特定秘密保護法に関する勧告がありました。
以下がその内容です。



委員会は、最近採択された特定秘密保護法が、
・秘密に特定できる事項に関する定義が広くて曖昧である点
・秘密指定に関して一般的な条件を含んでいる点
・ジャーナリストや人権擁護者の活動に深刻な影響を及ぼしうる重罪を課す点
に懸念を表する。

日本は、特定秘密保護法とその適用が、自由権規約19条(表現の自由)の厳しい要求を確実に満たすよう、必要なすべての措置を取るべきである。

・秘密に指定される情報のカテゴリーは狭く定義され、「情報を求め、受け、伝授する権利」へのいかなる制約も、適法性・均衡性の原則を満たし、国の安全保障に対する特定・識別されうる脅威を防ぐために必要であるべき
・国家の安全保障を害しない正当な公益に資する情報を流布したことで、個人が刑罰を受けないこと。

 
 
・・・そうなんです。
超訳本には、同じようなことを書いています。

秘密にできる事項は「外交」「防衛」「スパイっぽい活動防止」「テロ防止」に関係する情報で、別表にズラーっと例が並んでいますよね。
でも、いちいち例を挙げるのは面倒ってことで、その別表には、「その他」という万能収納器がたくさん使われています。

特定秘密を知ろうとすれば、最大で1000万円の罰金+最大で10年の刑務所入り。
でも、何が秘密か、それも秘密ですから、今自分が知りたいと思っている情報は特定秘密かもしれません。その情報を得ようとしたら、特定秘密を知ろうとしたということで刑務所入りかもしれません。
そうなると、ジャーナリストも一般市民も、怖くて情報収集できませんよね。

自由権規約19条は、全ての人に「意見を持つ権利」「表現の自由」があり、その自由の中には、あらゆる種類の情報を求め、受取り、伝える自由が含まれていると定めてます。
あらゆる種類の情報を国の側が「特定秘密」に指定して、国民には見えない・聞こえないようにする。そして、「特定秘密」に近づく者に対して重たい刑罰を科し、国民が情報に近づくことをできなくする。
秘密保護法は、その運用の仕方次第で、まさに自由権規約19条に違反することになるということなのでしょう。

主権者である国民の目・耳・口をふさぐ法を作り、自由権規約委員会に勧告までされちゃった「民主主義の国」日本。ほんとに恥ずかしいです。

秘密保護法はさっさと廃止にして、名誉挽回しなくちゃですね!
さて、パブコメ考えよっと!

<「知る権利の保障を」国連の委員会が日本に勧告>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140725/k10013275761000.html

<NGO「国連の人権改善勧告 速やかに実行を」>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140725/k10013301181000.html