国民投票法 問題点を報じないマスメディア

 

● 国民投票法改正案が審議入り 今国会の成立は断念 (テレ朝NEWS)https://news.yahoo.co.jp/articles/087b4b6584b8ac789feb352498866564ace240dc


 このニュースでは、改正案の中身については「国民投票法の改正案は、

投票の利便性を国政選挙と同じようにするものです。」とだけ。。。


● 国民投票法改正案 審議入り 立憲など慎重姿勢 (FNN)https://news.yahoo.co.jp/articles/f719d672ebfff66e561bd09ea006bb962e8c203f


 このニュースでも、改正案の中身については「憲法改正に必要な国民

投票の利便性を高めるためのもので」とだけ。。。


 なぜ、国民の意思を正確に反映できない数々の重大な欠陥があること、

そして改正案はそれを一切修正しないことの説明をしないのでしょう。

この報道だけでは、なぜ野党が慎重なのか、国民は知ることができず、

「知る権利」に応える報道とは到底言えません。国民の関心が高まら

ない原因は、マスメディアのこういういい加減な報道にもあるのでは

と思わずにはいられません。


 とにもかくにも、致命的な欠陥を一切直す気のない“改正案”をわざわ

ざ急いで採決しよう、という発想に、主権者として最大級の警戒を抱き

ます。

 「真に民意を反映した公正な投票結果が出る。そういう仕組みを整え

ることこそ、憲法改正議論の私は前提だと思う」(奥野議員)に、論理

で反論できる議員・政党はいるのでしょうか。 

本日、衆院憲法審査会(採決なし)


 国民投票法の改正案、衆議院憲法審査会での本日の採決は見送られる

見込み、とのこと。


● 国民投票法、今国会も成立見送りへ 26日衆院実質審議入り (TBS)https://news.yahoo.co.jp/articles/c685da8390aa650a86e881378ceef1d60d296eef


「なぜわざわざ今このタイミングで?」という違和感、

「なぜ欠陥を何一つ修繕しないまま採決なの?」という率直な疑問に対し、

反論も正当化もできないのでしょう。

 この改正案おかしい、と感じて発信したすべての人に敬意を表します。


 審議をするのであれば、ずっと前から言われていた(にもかかわらず修繕

すべきと扱われてこなかった)数々の欠陥について、真摯に向き合ってほし

いと思います。

国民投票法 え、今、このタイミングで採決!?しかも、そのポンコツ改正案!?



 憲法改正の国民投票法には、さまざまな問題・欠陥があることを、
先だっての記事で書きました。


 今、採決されようとしている国民投票法の改正案は、
・ 駅や商業施設などへ共通投票所を設置する
・ 期日前投票の理由に「天災又は悪天候により投票所に到達することが
 困難であること」を追加する
・ 投票所に同伴できる子供の範囲を「幼児」から「児童、生徒その他の
 18歳未満の者」に拡大する
・ 洋上投票(外洋を航行中の船員がFAXで投票できる制度)の対象の拡大


 など、公職選挙法の内容を、憲法改正の手続きに関する国民投票にも適用
しようという、7項目。
 …たしかに、「無いよりあった方がマシ」です、どれも。
 でも広告規制や最低投票総数など致命的な欠陥については、一切触れて
いません。

 ずーーっと前からこれらの問題点を指摘し続けたのに、あえてこの改正案で
何一つ取り上げないということは、それらの欠陥を直す意思がない、という
ことです。ひ、ひどい。。。orz💦

 採決されて、「これで国民投票法の修繕も済んだ」ことにされてしまえば、
最高法規である憲法が、国民の意思を反映できるとは到底言えないめちゃ
くちゃな手続きで改正されてしまいかねません。
 ただでさえ憲法改正を急げなどという世論が盛り上がったことはないのに、
今はコロナ禍で多くの市民が命と健康の危機におびえ、明日の見通しも立た
ない生活に苦しんでいます。
 国民は、迅速なコロナ対応はじめ、少しでも社会を憲法の理想に近づける
努力こそ国会議員に求めているのに、その今、まさかの、国民投票法ですか?
なんか…ちがいませんか?いろいろ!



野田聖子議員の“女性手帳”的な発想


 自民党の野田聖子幹事長代行が、菅政権が「不妊治療への保険適用」

を打ち出したことについて喜びを語るインタビューがありました。

確かにそれ自体は不妊に悩む方々にとって大きな後押しです。


● 不妊治療の保険適用が「少子化対策」を加速する (毎日)https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20201119/pol/00m/010/009000c


 しかし、野田氏の発言の中に、引っかかるものも少なくありません。。。


<一部抜粋>

 保育園の充実や待機児童の解消も大事ですが、子供が生まれなければ

どうしようもありません。待機児童を減らすことだけが「少子化対策」

ではありません。

 重要なのは、20代、30代の女性が子供を産める環境にすること

です。出産する女性の9割は20代、30代だからです。小さな企業は

育休制度がないところも多いですが、義務化して国が援助する▽フル

タイムで働けなくても正社員の身分を保証する▽夫も休む―――など、

できることはたくさんあります。

 今は特に働きながら出産するとなると、なんだか「申し訳ありません」

というような雰囲気があります。もっと堂々と胸をはって「出産します

!」と言えるような国にしたいです。

 教育の場で、避妊の前に「妊娠」を教えることも必要だと思います。

女性は30代後半になれば妊娠しにくくなります。「女性は20代から

30代前半で子供を産む」と、教えなければと思います。

<抜粋終わり>


 「女性は20代から30代前半で子供を産む」と教えなければ…って、、、

 不妊に苦しんだ自身の経験からの言葉だとは思いますが、これは、

2013年に猛批判の嵐で撤回された「女性手帳」と同じ発想では

ないでしょうか…??

 すべての人の「子どもを産むか産まないか、産むならいつ産むか、

何人産むかを自分自身で決めることができる」権利の保障との関係を、

どう考えているのか、とても気になります。


 また、野田氏は不妊回避のために「避妊の前に『妊娠』を教える」

と述べていますが、長年にわたり自民党が安倍晋三氏を中心として科学

的な性教育をつぶしてきた(「寝た子を起こすな」と性交には触れず

避妊だけ教えるという無理すぎる授業しか許さない)歴史への反省は、

まったく語りません。先ほど述べた、すべての人に「子どもを産むか

産まないか、産むならいつ産むか、何人産むかを自分自身で決めること

ができる」権利を保障しようと思えば、まずは、科学的な性教育を阻み

続けた歴史の反省が、大前提なのではないでしょうか。


 


軍事研究と「学問の自由」の緊張関係


 前回の記事でご紹介した信濃毎日新聞の社説、

 軍事研究へ研究者を取り込む動きについても大切なことが書かれ

ています。


● 学術会議への介入 自由の圧迫に抗さねば (信濃毎日)

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2020112300065


<一部抜粋>

 運営費交付金は総額の削減が続き、法人化後の10年でおよそ1割

減額された。研究者は資金不足にあえいでいる。軍事応用できる基礎

研究に助成する公募制度を防衛省が始めた15年度には、大学からの

応募が相次いだ。軍事研究に科学者を取り込む動きは安倍政権下で

目に見えて強まった。

 歯止めをかけたのが学術会議の17年の声明だ。学問の自由、大学

の自治の観点から、防衛省の制度は「政府による介入が著しく、問題が

多い」として大学や研究機関に慎重な対応を求めた。同時に、戦争を

目的とする研究を絶対に行わない決意を掲げた50年と67年の声明を

継承すると明記した。

 学術会議は、戦争に科学者が動員され、また自らすすんで協力した

ことへの深い反省に立って創設された。軍事と一線を画す決意は、ゆる

がせにできない戦後日本の科学界の出発点である。

<抜粋終わり>


 つまり、予算を削って事実上「研究者が自由に研究できる」環境を

奪い、防衛省が札束で引っぱたくように軍事研究に誘い、科学者コミュ

ニティを切り崩しているわけです。

 

 日本学術会議の「軍事的安全保障研究に関する声明(2017年)」

は、札束(予算)に誘われるがままに軍事研究を始めれば、防衛省(国

家権力)の大学・研究への介入(コントロール)は不可避で、研究の自主

・自立も、学術の健全な発展も、消えてなくなることを懸念したものです。

短いので、ぜひ全文お読みください。


<日本学術会議>

軍事的安全保障研究に関する声明(2017年3月24日)

 http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/gunjianzen/index.html


 少なからぬ方々が、軍事研究を禁じる日本学術会議こそ、「学問の

自由」を侵害している!と怒っておられますが、

 声明をお読み頂ければ分かるように、そもそも日本学術会議は軍事

研究を「禁じ」てはいませんし、

 予算を枯渇させて研究者が自由に研究できない環境にした上で、

「防衛省の予算で研究いかがですか♪」とばかりに甘く厚い札束で

軍事研究へと誘う。その誘いの先には研究の自律性も、成果の公開も、

科学者の倫理もない。

 この状況を前に、一体、「学問の自由」を侵害しているのは誰かと、

問いたいところです。

信濃毎日「学術会議への介入 自由の圧迫に抗さねば」


 信濃毎日新聞の社説をご紹介します。

 まだまだ、日本学術会議への人事介入(新会員候補6名の任命拒否)を

「学問の自由とは関係ない(個々の研究者は自由に研究できてるじゃないか

)」と大誤解している方が少なくないようです。


● 学術会議への介入 自由の圧迫に抗さねば (信濃毎日)

https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2020112300065


<一部抜粋>

 《突き崩される防波堤≫

 国会で政府は「個人として有している学問の自由への侵害になるとは考え

ていない」と答弁している。そこにもごまかしがある。個々の研究は妨げ

られなくても、任命拒否が学問の自由を侵害しないことにはならない。

 学問研究の自由を確保するには、外部からの圧力や介入に対抗できる制度

的な枠組みが欠かせない。大学の自治や、学術機関の政治権力からの独立と

自律を保障することはその柱だ。

 誰を会員に選ぶかは、学術会議の運営や活動の根幹に関わる。何より自律性

が重んじられるべき事柄だ。任命拒否はそれをないがしろにした。学問の自由

の防波堤が突き崩されようとしていることを見落としてはならない。

 <抜粋終わり>


 何度でも確認したいところです。

 学問コミュニティの自律性を侵す、これはまぎれもなく「学問の自由」への

侵害です。

 「異論を許さない政治」が、憲法を蹴破る。憲法を蹴破る政治が、次に狙う

のはだれでしょうか。

 出版でしょうか。映画でしょうか。集会でしょうか。


 この問題は、だれにとっても他人事ではない、という意識を、もっともっと

広めなければなりませんね。


停滞する学術会議問題 終わったことにさせない


● 停滞する学術会議問題 発覚から1カ月半、

                                         政府の回答先送り続く (東京)

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/69985


「政府は今回の人事について、既に手続きは完了していると説明。

欠員を埋めるには学術会議がもう一度、会員候補を推薦する必要が

あるという立場で、自ら問題解決に動く気配はない。」


 完了…!?

 前提がそもそもおかしい。

 任命拒否は違法なのです。完了なんて認められるわけがありません。

 この問題は、違法を認めて6人を任命することでしか治癒できません。


 政権は、違法な任命拒否を正当化できず、ひたすらはぐらかし続ける

ことで国民が飽き、忘れるのを待っています。その上で「そもそも日本

学術会議っておかしい組織なんですよ、これ変えなきゃいけないでしょう」

と論点をズラし、二度と政権を批判しないような(忖度するイエスマン

な)組織に変えようとしているわけです。

 

 任命拒否をこのまま認めたり、ズラされた論点にそのまま乗っかったり

すると、恣意的な法解釈の変更や運用で国会がどんどん無意味な存在に

なっていくことを認めることになります。そこで言われる「官邸主導」

とか「強いリーダーシップ」って、独裁と何がちがうのでしょうか。

 ぜったいに忘れません。

 


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