2014年5月20日火曜日

特定秘密保護法のもとでの集団的自衛権って?

特定秘密保護法が施行されたら、機密情報に属するようなことは
政府の発表を丸呑みに信じるしかなく、
独自に追及することができなくなることは、あすわかとしても繰り返しお伝えしてきたところです。

では、特定秘密保護法が施行された状態で集団的自衛権が行使されるとすればどうなるでしょうか。
という頭で、安保法制懇の6条件をもう一度見てみましょう。

①我が国と密接な関係にある国が武力攻撃を受ける...
②攻撃を受けた国から要請がある
③放置すれば日本に重要な影響を及ぼす
④第三国の領域を通過する際はその国の許可を得る
⑤原則として国会の承認を受ける
⑥首相が行使の有効性を総合的に判断する

たとえば、
①我が国と密接な関係にある国が武力攻撃を受ける
この条件との関係をみてみましょう。

密接な関係にある国が武力攻撃を受けたかどうかなんてすぐわかるでしょ、と思うかもしれませんね。
でも、ベトナム戦争では自衛権行使の口実とされた「アメリカ艦船への攻撃」が、実はアメリカによる自作自演だったことがわかっています。
イラク戦争開戦の理由となった「大量破壊兵器の保持」も、実際はなかったというのが今や通説ですよね。
日本自身、満州事変の発端となった鉄道爆破事件を自作自演した、という歴史を経験しています。
このように、開戦の口実というものは「つくられた」ものであることが決して珍しくないんです。

日本政府が、その「攻撃」とやらについて詳細な情報を得ていたとして、
外務省とか防衛省とかの人がその情報を漏らすことは、もちろん「特定秘密の漏えい」の罪で、最大懲役10年です。
「それがほんとうにあったのか!?」と調べることも、「取得」の罪になったり、「漏えいの教唆」になったりする可能性が出てきます。
ですから、日本国民は、その「攻撃」がほんとうにあったのかどうか、検証することができません。

また、
③放置すれば日本に重要な影響を及ぼす
という要件について。
何が「重要な影響」なのか、なにがなんだかわからないような抽象的な説明をしようと思えばいくらでもできるわけです。
どんな事態が想定されて、それが起こる確率は実際のところどんなものなのか、
私たちがそういったことを知って、政府のやろうとしていることを検証したいと思っても、それを追及することが、特定秘密保護法の壁に阻まれます。

⑤国会の承認
についても、
特定秘密保護法によって、国会議員が「特定秘密」を知ることを厳しく制限されてしまっています。
ですから、国会議員は、政府がやろうとしていることを承認していいかどうか、判断する情報を得ることができないんです。

この6条件が何の限定にもなっていないことは、あすわか先生の赤ペンチェックでお伝えしたとおりですが、
特定秘密保護法のもとではさらに輪をかけて何の限定にもならない
政府が国民をだまくらかそうと思ったらいくらでも簡単にごまかせる、ということがよくわかりますね。

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