2022年7月8日金曜日

自民党の目指す改憲4項目のおさらい ④合区の解消


 参議院議員選挙の結果は、改憲の行方を確実に左右します。

ぜひ念頭に置いた上で、投票して下さい。


● 参議院選挙に向け 与野党9党 憲法改正めぐり議論 NHK日曜討論 (NHK)

https://www3.nhk.or.jp/.../20220626/k10013689021000.html



 自民党がここ数年特に積極的に提示してきた改憲案は、

下記の①~④です。

①自衛隊を憲法に明記する案

②-1 緊急事態条項の創設

②ー2 緊急事態における国会議員の任期延長

③ 教育環境の整備

④ 合区の解消

 それぞれどのような案なのか、どのような問題があるのか、

投票前にぜひ知って下さい。



④ 合区の解消

 これは、参議院選挙の選挙区の合区(鳥取+島根という合区と、

高知+徳島という合区)を解消して、都道府県単位の声を反映させよう、

という改憲案です。




 …pardon?って人、たくさんいますよねw

 参議院選挙では、全国区の比例選挙から50人、都道府県単位の選挙区

から74人の議員が選ばれます。

 国民の一票の価値は平等ですから(憲法14条)、各都道府県から選ば

れる議員の数は、人口に比例します。

 人口に合わせた議員数、そりゃそうだという話です。

 しかし、74議席を人口に合わせて配分していくと、人口の少ない高知

・徳島・鳥取・島根では1議席すら割り当てられない計算になってきて

しまうのです。そのため、この4県については、2県で1つの選挙区

(合区)として、「鳥取+島根から1議席」「高知+徳島から1議席」

にしているわけです。

 自民党は、これでは地方の声を反映できないといって、人口が少ない県

からも少なくとも1人ずつ議員を選べるようにしよう、という改憲を提案

しています。長い説明ですみません。


 いやしかし…選挙制度の細かい話ですよね。憲法改正なんかせずに、

例えば比例代表制を一本化する策とか、(日本は人口に対して国会議員の

数が少ないので)参議院議員の定員を増やす案もありえます。




 しかも、これは「都道府県単位の声を反映させる選挙制度」にするため

に「1票の価値の平等」を捨てる改憲になります。国民一人ひとりの1票

の力に差をつける改憲を、望むような世論は、ありませんよね。


 さらにこの改憲案は、二院制の意味を変えるものです。

参議院が「都道府県代表の院」になるので、国家の設計に関わる提案です。

となると国会議員は「全国民の代表(43条)」であり決して「地元の

代表」ではない、という位置づけともズレてくることになるので、

ほんとうに国家の設計にかかわる大議論が必要ですし、まずもって

主権者国民がそれを望まなければ、国会議員だけで勝手に進めていい話

でもありません。そんな改憲、国民がいつ望んだのでしょうか…。

まぁ、なにか思惑が透けて見えますね…。それについてはぜひこのコラム

を読んでみてください🐤

      ↓

 <憲法カフェ ぷち⑥ 法律で対応できちゃう合区問題>

 https://www.min-iren.gr.jp/?p=45683