都立高などで「ツーブロック禁止」「地毛でも髪を一律に黒く染め
させる」「下着の色の指定」などのいわゆる“ブラック校則”の全廃が
決まりました。
● 都立高のブラック校則全廃 22年度で ツーブロックや下着の色など (毎日)
https://mainichi.jp/articles/20220310/k00/00m/040/347000c
<一部引用>
山口香委員は「すばらしい取り組みだが、ここまで時間がかかった
のは残念」とした上で、「日本人はルールをただ守ることが美徳だと
いう教育をされてきた。みんなで納得してルールを守る社会をつくる
にはどうすればいいか、議論するきっかけになれば」と話した。
<引用終わり>
髪型や服装の自由を奪われる生徒たちにとって、校則はリアルな人権
制約の体験です。それについて当然沸き上がるであろう「なぜ?」に
対して、教師のゼロ回答や非論理的な回答は、暗黙のうちに、しかし
強力な「長いものには巻かれていればいいんだ」「権力に立てつくな」
というメッセージになります。
教師が問答無用に校則で生徒の自由を奪い続け、疑問に対して誠実な
回答もしなければ、生徒は当然「長いものには巻かれるしかない。権力
には従うしかない」と感じます。そして考えることをやめ、力のある
ものにただ黙って従う大人になるでしょう。自由を奪うことの重みを、
学校側も改めて省みる機会を意識的に作っていくべきでしょう。
「なぜこんな校則に従わなきゃいけないのか」
「なぜこんな生活指導で生徒をしばるのか」
生徒からの質問に対し、理論的・合理的な説明をしない、誠実に対応
しない、そればかりか力の差を利用して生徒を黙って従わせる。
こうした「指導」は「支配」に近く、人権の観点からとても問題が
あります。