日本国憲法 53条〔臨時会〕
内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の
要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければ
ならない。
通常国会とは別に国会を開いて議論する必要があるときに、
です。
なぜ国会ではなく内閣が臨時国会の召集を決定できるのかというと、
内閣が政治をしていく上で、「こういう法律が必要だ」とか「新たに予算が必要になった」とかいう事態になった際、国会に法律の制定や予算をお願いするため
です。
ちなみに、「召集することができる」ではなく「召集を決定することができる」
という表現になっているのは、(52条の回でもちらっと触れましたが)
7条(10月7日に解説予定です)で「国会を召集すること」は「天皇」の権限とという表現になっているのは、(52条の回でもちらっと触れましたが)
なっているからです。
内閣が決めて、天皇が召集する、ということ。
さて、当たり前のようですが、
さて、当たり前のようですが、
この臨時会は、国会自身が開催を決めることもできます。
これは、実際に政治を行っている内閣が国会の望む方向ではない政治をしよう
としているときに、内閣から説明を求めたり(63条の答弁義務が根拠です)
としているときに、内閣から説明を求めたり(63条の答弁義務が根拠です)
新しい法律を定めたりして、内閣をしっかり監督しようという目的があります。
ここでのポイントは、4分の1(つまり野党の一部)の議員さえ賛成すれば
召集を決定できる、ということです。
なぜか?
だって、さっき言った「内閣をしっかり監督しよう」という役目は、正直、
与党(内閣を担う党)では担えませんよね。
自分の仲間が内閣になって政治やっているんですもん。
権力を分けてお互いを監視させ(権力分立)、基本的人権を擁護しようとする。
まさに立憲主義を体現する条文です。
ところが、この臨時国会の召集をしなかった内閣があるのです。
戦争法といわれる安保関連法が強行採決された2015年10月に、
衆議院で4分の1以上の賛成があったにもかかわらず、安倍内閣は、国会の召集を
決定しませんでした。
正面切っての、憲法違反。決定しませんでした。
なお、自民党改憲草案では、
「要求があったときから20日以内」に召集が決定されなければならない、
というルールにしていて、自民党自身が「少数者(野党)の権利」であると
認めています。
というルールにしていて、自民党自身が「少数者(野党)の権利」であると
認めています。
自ら定めている憲法草案をも堂々と無視するなんて…(◎_◎;)
こういう憲法違反をしたときに、それはだめだよ、おかしいよ、と
声を上げることが重要です(不断の努力)。