2013年10月6日日曜日

日弁連シンポのご報告

先日、日弁連の人権大会(弁護士の全国大会)で
いまなぜ「国防軍」か
というタイトルで、シンポジウムが開かれましたので、そのご報告です!

まず、青木未帆教授からの講演
私が一番印象的だったのは、戦時中、都市の市民は、空襲から逃げることが許されていなかった、ということです。
市民(正確には臣民かな)は、空襲によって焼かれている街の消火の義務を負っており、空襲が来るからといって事前に逃げることが許されず、防空壕で待機(退避ではない)しなきゃいけなかった、ということなのです。
バケツの水や砂袋で叩く程度じゃ、とても町中の炎を消すなんて出来ないと思いますし、当時の政府はそのことを知っていたと思うんですけどね。
戦争になったら、軍隊だけじゃなく、市民も逃げることが許されず、命を賭してまで国を守らされる、ということですかね。

後半は、半田さん(記者さん)、孫崎さん(元外務省)などによるパネルディスカッション
面白かったのは、イラクでの自衛隊の服装ですね。米軍は殺されないように砂漠と一体化するための服装をするのに、自衛隊は殺されないように砂漠と一体化しないための服装をする、ということでした。
「戦争をしない(≒人を殺さない)日本の部隊である」ということが、殺されないために重要なんだそうです。なるほど、憲法9条が自衛隊を守っていると聴いたことがあったけど、それはこういうことか、と思いました。

ただ、悲しい情報もありました
イラク戦争に行った米兵のPTSDがひどいそうです、帰還兵の自殺が後を絶たないと。そして、それと同じことが自衛隊でも起こっていて、イラクへ行った隊員の自殺率は、そうでない隊員の何倍もあるんだそうです。
「戦争に勝者はいない」とビデオレターで語られていました・・・


自民党草案では、国防軍が存在し、日本が攻撃を受けたわけでもないのに攻撃ができる集団的自衛権が明記されていますし、国民に国防の義務があるように読めます
戦争をする上で必須の軍事審判所もあれば、国防機密を守るための措置も必要とされています

国防軍が必要だと思う方も、要らないと思う方も、もっともっとかみ合った議論が出来たらいいなと思いました。


なお、このシンポは、いろんな分野の方の意見をいっぺんに聞けるとても楽しい会で、5時間半があっという間でした
画されたみなさま、お疲れ様でした。