2016年4月8日金曜日

緊急事態条項 やっぱ必要ないんじゃない!?広田一議員の質問答弁リポート⑥(終)


 
 「災害が起きたあと、緊急に政令で対策しなければならないこと
・できることってあるのでしょうか?」

 広田議員は
 「国家緊急権が必要だと主張される方の中に、早急に政令で対策を
しなければならないという主張がありますが、震災後一ヶ月以内に
各法や議員立法や、東日本大震災対応のための法改正はなかった
わけであります。その当時の対応について、大臣はどのように認識
されていますか。」
 とも質問しました。
 

 河野大臣の答弁は、以下のとおりです。
 「東日本大震災については、発災直後から各省庁において法改正も
含め必要な対応が行われてきた。」
 「2011年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体の議会の議員

及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律、復旧復興に資するため
の歳費の減額に関する法律」

 …それだけ なんですよね!! 
 東日本大震災は、未曽有の、まさに「想定外」の災害だったはず。 
「想定外」だったからこそ、福島第一原子力発電所でもあんな事故が
起きたわけです。
「想定外の災害が起きたから、対応するために大慌てで法律をつくった
けれど、法律では遅すぎるから、さっさと内閣だけで作れる政令に、
法律と同じ効力を持たせなきゃ!」
 というようなことは、1000年に一度の想定外の災害でもなかった
んですね。
 じゃあなぜ、自民党改憲草案ではそんな、災害時等に内閣が緊急事態
を宣言して、法律と同じ効力をもつ政令をつくれるようにしようなどという
ことが書かれているのでしょうか?
 「『憲法改正』による緊急事態条項の創設ってほんとに必要あるの??」
と、疑問は募るばかりです。


 ということで最後、広田議員は、根本的な質問を聞いちゃってました。
広田議員
 「現状においては新たな緊急事態条項の必要性はない、ということでした。
追加すべき法律上の緊急事態条項が何もないのに、現時点で憲法を改正
してまで国家緊急権を規定することが国政上の喫緊の課題なのか、
一般論で構いませんので、大臣の所見をお伺いしたい。」

河野大臣
 「国民の安全をどう守るかは憲法でも大事なところだと思います。
憲法改正は政府と言うより国会が発議し国民がきめるものですから、
国民の議論が、国会の議論がどうなるかは注目して適切に現在の
法律の運用に努め対応にあたりたい。」


 ちょっとはぐらかしたか~のような感じもありましたが、
 しかし、「大臣として、国民の命を守るためには、災害対策のため
の憲法改正による緊急事態条項創設は絶対に必要だ、喫緊の
課題だ」と、この流れで言ったらあまりに不自然というかそれまで
の話とかみあわなすぎですよね。

 要するに、今まで政府の実務レベル担当者がこつこつと311など
過去の自然災害の教訓を踏まえてまっとうに健全にやってきた
災害対策を丁寧に確認んしていくと、「憲法改正をして緊急事態条項
をつくって災害対策だ!」というのはあまりに突拍子もなく、
意味がわからない、やる必要自体わからない、ということが、
おのずと明らかになってくるということなのです。
 まともな「憲法改正」論議ではない、ということをおわかりいただけ
ましたでしょうか。

(終)