2014年8月14日木曜日

あすわかのパブコメをご紹介します☆~その3-②「運用基準案-秘密の解除」編


 特定秘密保護法の施行に向けて、3つのパブコメ(意見公募)が
始まっています。
 詳しくはこちらっ↓
http://www.asuno-jiyuu.com/2014/07/blog-post_25.html?m=1

 今日ご紹介するあすわかのパブコメは,運用基準案のうちの
「特定秘密の解除」についてです。
 もとの法律が民主主義を破壊する危険なものだから,その運用
基準を定めても危険なことに変わりはないっ!
 しかも,今回の運用基準案によれば,内閣の判断一つで,いつ
までも、いつまでーーーも秘密のままにしておいたり,解除した
ものを廃棄したりできちゃう。
 以下のパブコメ案を読んで「ん~~、やっぱりおかしいな」って
思っていただけたら,是非その思いを政府に直接ぶつけちゃって
下さい!
 それでは、タイトル外せば2000字以内にきちんとおさまって
いるパブコメ、どうぞお読み下さい!


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 「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し
統一的な運用を図るための基準(仮称)(案)」に対する意見
( 有効期間の満了,延長,解除等)

【意見】
「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し
統一的な運用を図るための基準(仮称)(案)」に反対します。

【理由】
1 はじめに
(1)特定秘密保護法(以下「法」と言います。)は,さまざまな問題を
含んでいます。広範な情報が特定秘密に指定されて国民の知る権利
が侵害されますし,適性評価制度でプライバシーの権利も侵害され
ます。また,秘密の漏えいに関して,重い刑罰を科して国民を徹底的
に取り締まります。
 このように,法は,民主主義を破壊するとても危険な法律ですから,
明日の自由を守る若手弁護士の会(以下「あすわか」と言います。)
は,法そのものに反対してきました。
(2)「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し
統一的な運用を図るための基準(仮称)(案)」(以下「素案」と言いま
す。)は,法18条1項に基づくものですが,法の危険性は全く解消さ
れていません。
 例えば,素案によれば,内閣の判断一つで,多くの情報が永遠に
秘密とされて国民の目に一切触れないおそれがあります。
 したがって,あすわかは,素案に反対します。

2 満了及び延長について(素案の1)
(1)特定秘密の指定の有効期間は,国民の知る権利の観点から
必要最小限でなければならず,指定の有効期間を安易に延長する
ことはあってはなりません。ところが,素案は,「指定の理由を点検
する。」と定めているのみであり(素案の1(1)),安易な延長に
歯止めをかけるものになっていません。
 また,指定の有効期間を延長するときは,その判断の理由を
明らかにしておくものとするとありますが(素案の1(1)),この
判断の理由が国民に知らされなければ,有効期間の延長が妥当
かどうか検証しようがありません。
 さらに,素案は,1(1)アからオまでに掲げる事項に関する
特定秘密についての延長について定めていますが,これらはいず
れも本来延長が許されないものばかりです。しかも,延長するとき
には「慎重に」判断すると定めていますが(素案の1(1)),あまり
に抽象的で基準たり得ません。
(2)素案は,通じて30年を超えて延長する場合について,内閣が
承認するか否かの判断は,当該特定秘密が法4条4項各号に掲げ
る事項に関する情報であることを基本とすると定めています(素案
の1(4))。
 しかし,承認するか否かの判断を内閣が行うことは,行政内部の
内輪の判断に過ぎず,何の歯止めにもなりません。
 また,法4条4項に掲げられている事項には,「外国の政府又は
国際機関との交渉に不利益を及ぼすおそれのある情報」(2号)の
ように曖昧なものが含まれているほか,「前各号に掲げる事項に関
する情報に準ずるもので政令で定める重要な情報」(7号)と内閣の
判断一つで外延を広げることが可能なものまで含まれています。
これを基本に判断すると,広範な情報が30年を超えて指定の有効
期間が延長されることになります。
 さらに,この場合には「特に慎重に行うものとする」とありますが
(素案の1(4)),あまりに抽象的で基準たり得ません。
(3)素案は,通じて60年を超えて延長する場合について,一切触れ
ていません。これは,法4条4項各号に掲げる事項に関する情報に
ついて,通じて30年を超えて延長することに内閣の承認が得られ
れば,当該情報は60年を超えていつまででも特定秘密にされてし
まうことを意味します。本来国民のものである国の情報を,その存在
すら知らせないまま永遠に特定秘密に指定できるような取扱いは,
国民の知る権利を著しく侵害するものです。

3 解除又は満了後の行政文書の取扱い(素案の3)
(1)素案は,指定の有効期間が通じて30年以下の特定秘密に
係る情報について,指定が解除され又は指定の有効期間が満了
した場合,当該行政文書が歴史公文書等に該当しなければ,内閣
総理大臣の同意を得て廃棄すると定めています(素案の3(2)ア)。
 しかし,当該行政文書は,国民にはその存在すら知り得ることの
なかったものですから,いったん全面開示した上で,当該文書を特定
秘密に指定したことが妥当だったかどうか検証の対象に置かれなけ
ればなりません。したがって,通常の行政文書のように公文書管理法
の規定に従うのではなく,特定秘密の特殊性に鑑み,歴史的公文書
等に該当するか否かに関わらず,解除又は満了後の行政文書は全て
開示されなければなりません。
(2)素案は,指定の有効期間が通じて30年以下の特定秘密に係る
情報については,当該行政文書が歴史資料として重要なものでない
か否か「特に慎重に判断するものとする。」と定めています(素案
の3(2)イ)。
 しかし,繰り返し述べてきたとおり,「特に慎重に判断」なるものは,
あまりに抽象的で基準たり得ません。