本日、札幌市内において
「長沼判決 40周年記念集会」
というイベントが開催されました
当会が主体的に関わっていたわけではないんですが、
40年前の裁判の様子を聞くことができるって話でしたし
(若手弁護士としてはとっても興味があります)
(特に、北海道の事件を東京の弁護士さんたちも一緒にやっていた、というのがすごい!)
憲法改定問題についての話も出てくると聞いていたので
(当たり前っちゃ当たり前ですが)
ちょっと参加してきました!
ごく簡単にその報告です!(かなり長いのでご容赦ください)
まず、最初は、内藤功弁護士(長沼事件弁護団)から、「改憲策動と長沼のたたかい」と題して50分ほど講演
・いまは、明文改憲、解釈改憲、立法改憲、既成事実作りが、同時並行で進んでいる
・いま、改憲戦略として、国防軍創設・自主憲法、国家安全保障基本法案、国家安全保障会議設置法案、秘密保護法案、国防基本方針改定(専守防衛ではなくする)、防衛省改革の6つが柱とされている
・軍事裁判所のようなものが必要だという石破さんの発言、ナチスに学んではどうかという麻生さんの発言、内閣法制局長官の交代などの言動からは、憲法を無視した考え方が見て取れる
・日本では、最高裁判所が行うべき憲法解釈を内閣法制局という行政機関に委ねてしまった点が問題である
というお話でした
次に、
内藤弁護士のほか、川口創弁護士(当会のアピールにもご協力いただきました!)や長沼事件に関わった方々を交えてのパネルディスカッション
・「イラク派兵違憲訴訟」の名古屋高裁では、憲法9条は加害者になることも防いでいる、との主張をしたこと
・政治家の中には、専守防衛でなければ自衛隊員に責任をもてない(自衛隊員には集団的自衛権を行使しない=戦争に行かないことを前提に自衛隊員になっている人もいる)と考えている人がいた
・判決の結論は負けでも、1行でもいいことを書いてあったらそれは価値があるということ
など、次々と意見・報告がなされました(結局時間を大幅に超過・(笑))
私が一番心に残ったのは、
「三論一体」という言葉でした
これは
世論(国民が作るもの)・理論(研究者が作るもの)・弁論(弁護士が作るもの)のすべてが一体となったときには勝利が得られる、という考え方のようです
なるほどなぁ~、確かにこの3つがそろったら強いなぁ、と思いました
いま、自民党草案について、弁論をする場面(要するに裁判になっていないので)はないですが、
世論と理論は相当充実している気がします!
だから、「明文改憲」の話よりは、解釈改憲・立法改憲の話が出てきているんだなぁと、またも納得でした。
そして、
「憲法を武器にして(権力と)闘う」という言葉を、元当事者の方々が大勢言われていたのも、印象的でした。
まさに立憲主義の話だなぁと思ったわけです
さらにいえば、
恵庭事件の当事者(自衛隊法違反として起訴されて、結局無罪になった方)が、
「不断の努力」が書かれた憲法12条が大切だ、と言われていたのは、
かなり説得的でした
当事者の発言は、やはり切実さが違いますね
あと、ちょこちょこ出ていた、平賀書簡事件などの圧力について聞いて知って、
司法ってのも、やっぱり権力機構(人権を侵害する主体)なんだなぁと思ったわけです
(能力的になりたくても不可能ですが)裁判官にはなれないなぁと思ったのでした
ずっと座っていたので、お尻が痛かったですが、とっても勉強になりました