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2016年6月11日土曜日
『あたらしい憲法草案のはなし』 痛烈なアイロニーに満ちた一冊☆
6月下旬、『あたらしい憲法草案のはなし』(太郎次郎社エディタス)
という本が出版されます。
http://www.tarojiro.co.jp/constitution_draft/
著者は「自民党の憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合」、
略称自爆連(!)。
あれ、なんか聞いたことあるようなタイトル
…っていうか「あたらしい憲法のはなし」に酷似??
なになにどういうわけ?
「あたらしい憲法のはなし」といえば、1947年に文部省が発行した
中学1年生の社会科の教科書です。
* * (一部抜粋) * *
こんどのあたらしい憲法は、日本國民がじぶんでつくったもので、
日本國民ぜんたいの意見で、自由につくられたものであります。
この國民ぜんたいの意見を知るために、昭和二十一年四月十日に
総選挙が行われ、あたらしい國民の代表がえらばれて、その人々が
この憲法をつくったのです。それで、あたらしい憲法は、國民ぜんたい
でつくったということになるのです。
みなさんも日本國民のひとりです。そうすれば、この憲法は、
みなさんのつくったものです。みなさんは、じぶんでつくったものを、
大事になさるでしょう。こんどの憲法は、みなさんをふくめた國民
ぜんたいのつくったものであり、國でいちばん大事な規則であると
するならば、みなさんは、國民のひとりとして、しっかりとこの憲法を
守ってゆかなければなりません。そのためには、まずこの憲法に、
どういうことが書いてあるかを、はっきりと知らなければなりません。
* * (抜粋終わり) * *
有名なのでご存じの方も多いでしょう。
今回出版される「あたらしい憲法草案のはなし」は、このパロディ本です。
「はじめに」には、こう書かれています。
* * (一部抜粋) * *
みなさんは、この憲法草案がどんなものかごぞんじでしょうか。
よく知らないという人が多いのではないでしょうか。そんなことでは、
いまのままの憲法がよいか、あたらしい憲法がよいのか、判断する
ことができません。
そこで、わたしたちも、70年近くまえの『あたらしい憲法のはなし』
をみならって、『あたらしい憲法草案のはなし』をつくることにしたの
です。
わたしたちはこの草案をつくった人(起草者)ではありません。
ですが、できるだけ草案をつくった人びとの気持ちによりそい、
そこにこめられた理念や内容をつたえたいと考えました。改正の
意図がわからない点は自民党が出している資料などを参考にし、
それでもわからないときは、起草者の身になって考え、ことばを
おぎないました。
* * (抜粋終わり) * *
ななな、なんという皮肉。
パロディという形で笑いを起こしつつ、痛烈に批判するスタイル、
なかなかの高等技術です。
長谷部恭男さん、南野森さん、内田樹さん、山崎雅弘さん、
上野千鶴子さん…という豪華メンバーに並び、当会会員の太田
啓子弁護士が、この本の推薦文を寄せています(末尾に貼り付け
ます)。
ネタにもなりますので、ぜひお読みになってみて下さい!
もう予約できるようです↓
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-8118-0793-5&Sza_id=MM
(太田啓子弁護士の推薦文)
【本当に知って賛成/反対してますか?】
わたしは最近、折りあるごとに、「憲法改正に賛成ですか?
反対ですか?」という質問は愚問だと言っています。
だって、どの条文を具体的にどう変えようというアイディアへ
賛否を問うているのかを明らかにしなければ、答えようがない
質問ではないですか。
大事なのは、まず知ることです。どんな改憲が企図されて
いるのか、知らないと、賛成も反対も決められないはずです。
この本は、自民党改憲草案を知るためのとてもわかりやすい
副読本です。賛成か反対か決める前に、是非これをガイドに、
巻末付録にある改憲草案の条文を読んでみましょう。
なお、あまりのんびりしている時間はありません。安倍総理は
在任期間中(2018年9月まで)の間に、憲法を改正する意欲
をお示しだからです。
もっといえば、参議院選挙(2016年7月)で改憲賛成派が
議席の3分の2をとったら、「憲法改正」の発議がされる現実味
は非常に高い。
ですから参議院選挙の前に読んで、投票行動を決めることを
まずお勧めしたい。選挙後でも、2018年9月までに、憲法改正
国民投票があり得るので、その前には必ず読んで頂きたい。