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2015年8月4日火曜日
え!? 自民党草案が教科書になったって? イクホウシャ教科書へのツッコミ③
自民党改憲草案には,こんな条文があります。
第102条 全て国民は,この憲法を尊重しなければならない。
…絶句。
はずかしい(>_<)。
こんな改憲草案を作る党が,政権をとっているなんて。
そもそも,わざわざ憲法なんてものを作るのはなぜでしょう?
それは,国家権力にしばりをかけないと,国家権力が好き
勝手なことをして,国民の自由を奪ったりするから。
これは「人類普遍の原理」。
日本でも、伊藤博文の昔から分かっていた話です。
国民に義務を守らせるなら法律で足り,憲法なんていらないのです。
だから当然,現憲法の条文はこうです↓
第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官
その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
憲法は、国民が権力をしばるためのもの。
憲法にしばられるメンバーに、「国民」が入るわけがないのです。
でも,怪しい書き方の教科書があります。
それは育鵬社の教科書。
こんな記述があります。
「憲法の理念に沿って国民生活を営むためには,この三つの
義務に加え,すべての国民が憲法を尊重し,等しく憲法に保障
された権利と自由を享受するように心がけなければなりません。」
これ自体は,ふむふむ、いいことかもしれない。
しかし,教科書で大切なことは,「いいこと」を書くことではありません。
大切なのは、「本質」を伝えることです。
さっきのような記述があると、憲法は権力をしばるもの、という
本質が伝わらなくなります。
だから当然,この入試問題の「イ」で引っかかりやすくなります。
<2014年筑波大学附属駒場高等学校4の2>
立憲主義の考え方に関連して述べた文として正しいものを,
次のア~オまでの中から二つ選び,その記号を書きなさい。
ア 「和を以(もっ)て貴しと為(な)」すことを説いた十七条の憲法は,
この考え方を体系的に説いたものである。
イ 日本国憲法第99条は,日本国民が「この憲法を尊重し擁護する
義務を負ふ」と定めている。
ウ 日本国憲法の改正は,衆参各議院の総議員の3分の2以上の
賛成があっても,国民投 票で過半数の賛成が得られなければ
成立しない。
エ 政治権力を分割し,たがいに抑制と均衡をはかることは,
この考え方を実現するための手段である。
オ 国会が作った法律が日本国憲法に違反するかどうかは,
最終的には国民投票によって判断される。
※「2015年全国高校入試問題」(旺文社刊)より引用。
最後に,日本文教出版の教科書に載っている学習課題を一つご紹介
いたします。
「立憲主義の憲法と十七条の憲法の,ちがうところは何だろうか。」
国会議員全員に解答させ,政党別得点を,文科省の全国学力テスト
同様に公表してみてはいかが?