それどころか、野党議員の国会質問の表現にも文句をつけているんですってね。
それで、原典に当たらなければと思い、問題になっている4月1日の参議院予算委員会の議事録を見ようとしたら、ないんですよ。3月30日の議事録までしか載っていません。他の委員会の議事録は、4月28日の時点でもう4月17日の議事録も載っているのに。議事録がないと、国会で何が議論されているのか知ることができなくて困っちゃいますよね。
文句をつけられた福島瑞穂議員によると、こんな話だったようです。
http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-date-20150419.html
4月1日の参議院予算委員会で、社民党の福島瑞穂議員が安倍総理に対して、「安倍内閣は、5月15日、14本から18本以上の戦争法案を出すといわれています。集団的自衛権の行使や、それから後方支援の名のもとに戦場の隣で武器や弾薬を提供する、このことを認めようとしています。」と言った上で、格差拡大、貧困と戦争はつながっているのではないかという点について答弁を求めました。
これに対して、安倍総理は「我々が進めている安保法制について、戦争法案というのは我々もこれは甘受できないですよ。そういう名前を付けて、レッテルを貼って、議論を矮小化していくということは断じて我々も甘受できない」と述べました。
その後、「戦争法案」という表現について、委員長が「不適切と認められるような言辞があったように思われる。理事会で速記録を調査の上、適当な措置をとる」と発言しました。
そして、4月17日、自民党の議員が福島議員に会いに来て、「戦争法案」を「戦争関連法案」あるいは「戦争につながる法」と修正できないかと持ち掛けてきたのだそうです。
★議事録の予定稿が掲載されています。
http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-date-201504-4.html
実態は他国の戦争の後方支援であるのに「国際平和協力法案」と言うのもレッテル貼りだと思うんですがっ!
そのレッテルをはがすために、本質を突いた表現で質問をするというのは重要なことだと思いますね。そして、国会でこうした議論がされているということについて、国民には知る権利があります。この議論を知った上でないと、正しく選挙権を行使することはできないのです。民主主義の大前提ですよね。特定秘密保護法もありますし、どんどん真実が見えない時代になってきていますね。
ところで、この「戦争法案」ですが、自衛権行使の新三要件に該当する集団的自衛権の場合を存立危機事態と、個別的自衛権の場合を武力攻撃事態などと言い換えているようです。
でも、そもそも集団的自衛権自体が違憲ですし、新三要件の内容も曖昧で何とでも評価できてしまいますし、存立危機事態というものの中身も国民には十分に伝えられていませんし(レッテルだけが伝えられている…。)、ある事態がその基準に合致しているかどうかも特定秘密ということで国民には伝わらないんですよね。
いや、ほんと、気付いたら戦争になっていたなんてことがなければいいなと思っています。
★集団的自衛権の行使が基準に合致しているかどうかということも特定秘密になりうることは、平成26年11月12日、衆議院法務委員会で上川法務大臣が認めています。あすわかの「混ぜたらもっと危険」チラシを使っての質疑でした(^^)
昔、中国では、ある権力者(崔抒という方)が自分の奥さんと密通したという君主(荘公という方)を殺してしまったときに、歴史記録官(太史)はその通りに記録しました。そうしたら、その権力者が、歴史記録官に書き換えろと迫ったのですが、歴史記録官は拒んだので殺されてしまいました。その次の歴史記録官も事実を書いたので殺されてしまいました。さらにその次の歴史記録官も事実を書いたのですが、その権力者もあきらめてしまったということがありました(春秋左氏伝)。
歴史記録官の、歴史をきちんと伝えるんだという矜持が伝わってくるエピソードですが、こういう事実が分かっているからこそ、権力者が酷いことをして、恥の上塗りをしたということを、後世の私たちは知って、歴史から学ぶことができるわけです。
国会の議事録もしっかり残してもらって、来年夏の参議院選挙で誰に投票するかを考える参考にしたいですよね。
【27.4.29追記】
今朝の朝日新聞によると、28日、岸予算委員会委員長は、「戦争法案」という表現を修正せずに議事録を公開することを決定したそうです。よかったよかった。
ただ、その理由は、自民党と福島議員の意見が平行線のままで議事録が公開されない状態は望ましくないから、ということだそうで、やや物足りないですね。
あと、自民党の参議院幹部が「『自民1強』のおごりと受け取られるようなことがあってはならない」と述べたそうですが、おごってたから修正要求をしてきたんですよね。分かります。
さらに、別のベテラン議員とやらが、「表現が過激すぎると指摘しただけで、言論封殺ではない」と反発したそうですね。
過激すぎると批判するだけなら別にいいんですけどね。
でも、修正要求しましたよね???
言論には、言論で対抗してもらいたいものです。だって、国会は言論の府なんでしょ?
文句をつけられた福島瑞穂議員によると、こんな話だったようです。
http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-date-20150419.html
4月1日の参議院予算委員会で、社民党の福島瑞穂議員が安倍総理に対して、「安倍内閣は、5月15日、14本から18本以上の戦争法案を出すといわれています。集団的自衛権の行使や、それから後方支援の名のもとに戦場の隣で武器や弾薬を提供する、このことを認めようとしています。」と言った上で、格差拡大、貧困と戦争はつながっているのではないかという点について答弁を求めました。
これに対して、安倍総理は「我々が進めている安保法制について、戦争法案というのは我々もこれは甘受できないですよ。そういう名前を付けて、レッテルを貼って、議論を矮小化していくということは断じて我々も甘受できない」と述べました。
その後、「戦争法案」という表現について、委員長が「不適切と認められるような言辞があったように思われる。理事会で速記録を調査の上、適当な措置をとる」と発言しました。
そして、4月17日、自民党の議員が福島議員に会いに来て、「戦争法案」を「戦争関連法案」あるいは「戦争につながる法」と修正できないかと持ち掛けてきたのだそうです。
★議事録の予定稿が掲載されています。
http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-date-201504-4.html
実態は他国の戦争の後方支援であるのに「国際平和協力法案」と言うのもレッテル貼りだと思うんですがっ!
そのレッテルをはがすために、本質を突いた表現で質問をするというのは重要なことだと思いますね。そして、国会でこうした議論がされているということについて、国民には知る権利があります。この議論を知った上でないと、正しく選挙権を行使することはできないのです。民主主義の大前提ですよね。特定秘密保護法もありますし、どんどん真実が見えない時代になってきていますね。
ところで、この「戦争法案」ですが、自衛権行使の新三要件に該当する集団的自衛権の場合を存立危機事態と、個別的自衛権の場合を武力攻撃事態などと言い換えているようです。
でも、そもそも集団的自衛権自体が違憲ですし、新三要件の内容も曖昧で何とでも評価できてしまいますし、存立危機事態というものの中身も国民には十分に伝えられていませんし(レッテルだけが伝えられている…。)、ある事態がその基準に合致しているかどうかも特定秘密ということで国民には伝わらないんですよね。
いや、ほんと、気付いたら戦争になっていたなんてことがなければいいなと思っています。
★集団的自衛権の行使が基準に合致しているかどうかということも特定秘密になりうることは、平成26年11月12日、衆議院法務委員会で上川法務大臣が認めています。あすわかの「混ぜたらもっと危険」チラシを使っての質疑でした(^^)
昔、中国では、ある権力者(崔抒という方)が自分の奥さんと密通したという君主(荘公という方)を殺してしまったときに、歴史記録官(太史)はその通りに記録しました。そうしたら、その権力者が、歴史記録官に書き換えろと迫ったのですが、歴史記録官は拒んだので殺されてしまいました。その次の歴史記録官も事実を書いたので殺されてしまいました。さらにその次の歴史記録官も事実を書いたのですが、その権力者もあきらめてしまったということがありました(春秋左氏伝)。
歴史記録官の、歴史をきちんと伝えるんだという矜持が伝わってくるエピソードですが、こういう事実が分かっているからこそ、権力者が酷いことをして、恥の上塗りをしたということを、後世の私たちは知って、歴史から学ぶことができるわけです。
国会の議事録もしっかり残してもらって、来年夏の参議院選挙で誰に投票するかを考える参考にしたいですよね。
【27.4.29追記】
今朝の朝日新聞によると、28日、岸予算委員会委員長は、「戦争法案」という表現を修正せずに議事録を公開することを決定したそうです。よかったよかった。
ただ、その理由は、自民党と福島議員の意見が平行線のままで議事録が公開されない状態は望ましくないから、ということだそうで、やや物足りないですね。
あと、自民党の参議院幹部が「『自民1強』のおごりと受け取られるようなことがあってはならない」と述べたそうですが、おごってたから修正要求をしてきたんですよね。分かります。
さらに、別のベテラン議員とやらが、「表現が過激すぎると指摘しただけで、言論封殺ではない」と反発したそうですね。
過激すぎると批判するだけなら別にいいんですけどね。
でも、修正要求しましたよね???
言論には、言論で対抗してもらいたいものです。だって、国会は言論の府なんでしょ?