今日、札幌弁護士会が開催した
第2回 「弁護士と教師で学ぶ憲法と法律の授業実践セミナー」
に参加してきました(^O^)
中川明さん
(元明治学園大学大学院法務職研究科教授)
の講演で興味深い話があったので、ちょっとご報告です。
ハンナ・アーレントさん(1906-1975)(何をされた方なのかは聞き漏らしました・(笑))の話です
ハンナさんは、ユダヤ人虐殺の中心人物だったアドルフ・アイヒマンの裁判を見たんだそうです
裁判を見るまで、ハンナさんは、アイヒマンのことを巨悪・悪魔のように思っていたそうです
生来の残虐性をもっていたり、人種差別感情に凝り固まった人物なんだろうと
しかし、裁判で見たのは、巨悪でも悪魔でもなかったのです
そこにいたのは、単なる「凡庸な人間」だったそうです
特に思想があるわけでなく、良心があるわけでもない、ただ「命令を実行しただけだ」と述べるだけ。
アイヒマンは、当初思っていたような、冷酷非情な怪物ではなく、ただただ「上官の命令を黙々と遂行するだけの凡庸な人物」だったのです
そこで、ハンナさんは、
アイヒマンは、組織の中で義務や命令に従うだけで、思考停止していたのだ
と考えたのだそうです
つまり、何が問題だった(原因でユダヤ人虐殺が実行された)かというと、
アイヒマンの生来の残虐性や差別感情ではなく、
アイヒマンの思考停止にあったのだと、思い至ったのだそうです
強い信念のあるわけではない「凡庸な悪」だからこそ、どんどん広まっていく可能性がある
彼(アイヒマン)の罪は「考えない」ことにあった
虐殺を知りながら、それが自分の仕事であるからと、それ以上のことを考えようとはしなかった
「考えない」ことこそが罪なのだ
そしてそれは、特殊なことではない。
私たちの社会の中に、彼ら(アイヒマン)の考えに同調する素地がある
中川さんからこのお話を聞いて、
「不断の努力」(2013年12月18日付投稿)を思い出しましたね。
めんどくさいけど、政府を監視してアクションを起こさなきゃ、とそのときは書きました
ここで言っていた「監視」って何かというと、
「知ること」 そして 「考えること」なんですね
「不断の努力」が大切ってのは、やはり歴史の教えなんですねぇ~
なお
この「知ること」を妨げるのが秘密保護法であることは言う間でもありません(^-^)b
そして、この「不断の努力」をする人のことを「テロと同じ」旨言った方がいることも、言う間でもありません(^-^)b