対談を紹介しまーす。
雑誌『世界』3月号
対談 食と命は流れとなって平和の中に生きる
内橋克人 × 辰巳芳子
石原慎太郎氏が日本国憲法の前文を『下手な翻訳調』と
非難することに関して、内橋氏が発言しています。
(以下、抜粋)
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大江健三郎さんは、憲法九条にある「希求する」という言葉に、
戦禍を生き延びた日本人の悲しみを読みとっておられる。
大江さんは、少年の日、母に「ねがい求める、心から望む、
というこのことば。この悲しいほどのことばを、どうして大人は
使ったのか」と聞く。
お母さんは「きっとご家族の方が、戦場に行ってか、空襲か、
で亡くなったからです」とお答えになる。
「希求」という言葉ひとつ、同じ文学を道とする二人で、かくも
受け止め方が違う…。
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印象的なエピソードに、ハっとさせられました。
言葉に対するかくも繊細な感覚でもって日本国憲法に対峙すると、
どれだけの深い思いが押し寄せてくるのだろうかと思います。