2017年5月19日金曜日

衆議院法務委員会における共謀罪法案の採決強行に抗議する声明 (法律家8団体)あすわか超訳ver.


衆議院法務委員会における共謀罪法案の採決強行に抗議する声明

(あすわか超訳ver.

2017年5月19日



共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会



社会文化法律センター     代表理事 宮 里 邦 雄

自由法曹団            団長 荒 井 新 二

青年法律家協会弁護士学者合同部会 議長 原   和 良

日本国際法律家協会        会長 大 熊 政 一

日本反核法律家協会        会長 佐々木 猛 也

日本民主法律家協会       理事長 森   英 樹

日本労働弁護団          会長 徳 住 堅 治

            明日の自由を守る若手弁護士の会 

          共同代表 神保大地・黒澤いつき

     超訳・文責 明日の自由を守る若手弁護士の会





 今日、衆議院の委員会で、共謀罪をつくる法律案が無理やり通されました。来週にも、衆議院の本会議にかけられる計画だと報じられています。私たちは、心のどん底から怒ってるので抗議のシャウトをします。



 刑法という法律は、どういうことをすれば犯罪になるか、どういう行為は自由にしていいのかを決めています。人の命や身体、財産などを傷つけたり、傷つける危険性があってはじめて、国家権力が動く、というシステムになっています。そうでないと、私たち自由に行動できないからです。


 共謀罪の法案は、約300もの犯罪について、話し合っただけのときから刑罰をあたえることができるとしています。この法案は、命などの危険があってはじめて罰されるというシステムをひっくり返し、私たちが自由に行動できないようにし、国家が市民の行動に簡単に口を出せるようにするものです。


 沖縄では、「威力業務妨害罪」という犯罪がすでに、市民の行動を取り締まるための『名目』に使われてしまっています。今回の法案では、その「威力業務妨害罪」も話し合えば共謀罪になるとされているので、めちゃくちゃ危険です。
 「組織的威力業務妨害罪」という犯罪は、もともと「何をすれば犯罪になるのか」があいまいで、労働組合の活動などをつぶすために使われてきたので、大問題です。これひとつとっても、戦前の治安維持法と同じレベルでキケンな法律なのです。
 自民党は、2007年の党内の議論では「組織的威力業務妨害罪」などは共謀罪に入れていなかったのに、安倍政権は、なにがなんでも話し合っただけで犯罪にしようとしています。
 「物言う市民」を手当たり次第に取り締まるつもりだとしか思えません。


  首相は、イッパンジンは処罰されないと言っています。
 でも、「組織的威力業務妨害罪」は、原発反対や米軍基地反対の活動に使われかねません。楽譜のコピーは著作権法違反になりますし、節税も所得税法違反と疑われかねません。
 こういった行為は、市民が普通にやっていることなのに、話し合っただけで犯罪になりえるのです。だいたい、「イッパンジンは処罰されない」なんて、法案のどこにも書いてありません。「計画」して「準備行為」があったとされれば、誰でも処罰される可能性があるのです。全然納得できません。


 警察は今でも、犯罪をしていない人の個人情報を集めたり、イスラム教徒だというだけで尾行したりして、プライバシーを侵害しています。共謀罪ができれば、今以上に、私たちの行動や会話、目線、メール、LINEなど、コミュニケーションそのものが監視されるおそれがあります。


 政府は、「共謀罪を制定しないとTOC条約を批准できない」と言っていますが、諸外国を見てみても、こんな広範な共謀罪法案を作らずに条約を批准しても、問題ありません。そもそもTOC条約はマフィア対策のもので、テロ対策ではありません。
 日本はすでに国連の13個のテロ対策条約を批准しているし国内にもバッチリ適用できています。共謀罪法案にはとってつけたように「テロリズム集団その他の組織犯罪集団」って言葉は入っていますが、テロリズムの定義もなく、あたかも「テロ対策」っぽく見せるためだけのものです。


 衆議院法務委員会では、政府は野党議員の質問にまっっったくまともに答えず、「一般市民は捜査の対象にならない」と根拠レスな答弁をただただ繰り返したり、野党議員が大臣の答弁を求めているのに政府の職員が勝手に答弁したり、異常としか言いようがなく、民主主義を踏みにじるものでした。5月17日に野党議員が金田法務大臣の解任決議案を提出したのは、当たり前すぎるほど当たり前のことです。


 こんなめちゃくちゃな審議のあげく、まだまだ審議しなければならない問題は山ほどあるのに、今日、強行採決されたことは、「暴挙」以外の何者でもありません。


 5月16日に報じられた朝日新聞の世論調査では、「共謀罪法案を今国会で成立させる必要はない」という声は64%に達し、「必要」という声(18%)を大きく上回りました。共謀罪法案に反対する声は猛烈なスピードで広がっていて、多くの国民が、衆議院での審議を通じて浮かび上がってきたこの法案の「ヤバさ」について、もっと審議してよと願っています。


 私たち共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会は、日本の人権保障と民主主義の未来を大きくゆがめるであろう共謀罪法案の成立を食い止めるため、これからも全力を尽くします。
以上