2017年5月10日水曜日

「どこでもいいから憲法を変えたい」おかしすぎるアンビション


 安倍首相が改憲への「熱意」を国会でやっと語りました。


● 96条発議要件緩和→緊急事態条項新設 
                 首相、今度は「9条に自衛隊」 (東京)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017051002000117.html


 「私の考えは読売新聞に書いてあるから熟読してください」と言って
のけた答弁拒否は、よほどマズいと反省したのでしょうか…
 それにしても、安倍首相が挙げた改憲事項は、9条に自衛隊を明記
すること、なのだそうです。

 96条(憲法改正手続)を緩くしようとか、緊急事態条項を創設しよう
とか、いろいろ提案してきたけれど、あれはどこへ行ったのでしょう。
憲法審査会での議論は、まるで無視なのでしょうか。

 それは結局、どこでもいいから憲法を変えたい、と言っているのに
等しいのではないでしょうか。
 「とにかく今の憲法がキライで仕方がない」という思いもにじみ出て
いますし、ちょっとナナメから考えると、「改憲を初めて成し遂げた首相」
あるいは「天国のおじいさまに褒められたい」のか…( -_-)、、、


 その執念、その野望の、どこにも「主権者国民への思い」はありません。


 憲法に縛られている立場の首相自身が、憲法を「とにかく!どこでも
いいから!憲法を変えたいんだ!」と訴えているかのような、この光景を、
うすら寒く感じます。

 そう、憲法は私たち主権者国民のものなのです。

 国民が権力をしばるための法なのです。 

 なのに、しばられている側の首相が、それを変えよう変えようと息巻く
ことの「おかしさ」に、一人でも多くの方に気づいてもらいたいと思います。


 ちなみに、首相は自民党の改憲草案の撤回を、改めて拒否しました。
草案は「歴史的文書だ」とのこと。
 歴史的文書なら、なんだというのか、意味がちょっと分かりませんが、
自分が所属する自民党の描く「理想の国家像」を否定しないわけです。
自衛隊を国防軍にし、国民を「国家のために生きる国民」に堕とし、
自分らしさよりも家族の繁栄が優先され、緊急事態宣言でいつでも
独裁ができる、そんな国家を理想として掲げ続けるということは、「いつか
はこういう憲法に変えたい」と考えていることに他なりません。

 そんな首相が、「自衛隊を明記するだけだから戦争する国にはならない」
と言ったところで、なんの安心もできません。
実際、9条を無視して安保法制を作ってしまいましたしね…


 自民党改憲草案をいまだに最終目標として掲げる首相が息巻く改憲。

 「社会正義の実現と基本的人権の擁護」という弁護士法1条が定める
使命からは、声を上げないわけにはいきません。


* 自民党の改憲草案の詳細は、当会のリーフレットで簡単に学べます☆
 https://mailform.mface.jp/frms/asunojiyuu/eym0hlerovxw


* リーフレットは動画にもなっています☆
 https://www.youtube.com/watch?v=V7EcIEdNZ4A