2013年12月25日水曜日

自民党の反論文書


 報道によると、自民党は特定秘密保護法をめぐる
メディアの批判に対する反論文書を作成し、党所属
の全国会議員に配布したとのことです。
 地元の有権者に説明する際の資料として使われる
ものと思われます。
http://mainichi.jp/select/news/20131218k0000m010159000c.html

  民主主義を根底から覆すような法案を強硬に作って
おいて、なぜ「一部新聞は誤情報を流して国民を不安
に陥れている」などとメディア批判…?と言いたくなり
ますが、今回はその文書の内容を見てみましょう。

 この文書の特徴は、ひたすら
「(その報道は)事実に反します」
「○○○が処罰されることはありません」
「●●●が特定秘密に指定されることはありません」
 を繰り返している点です。


例えば、こんな感じです↓ 
Q 米軍や自衛官の艦船の写真撮影は罪に問われるのか。
(11月24日、朝日新聞・朝刊)


反論)特定秘密保護法違反で処罰されることはありません。
 民間人が、通常の範囲で行った米軍や自衛隊の艦船の

写真撮影は、特定秘密保護法により処罰されることはありません。
 特定秘密の取得罪は、外国の利益を図るなどの目的の下、

特定秘密を違法行為等により取得する行為であり、通常の方法
で行った写真撮影はこれに該当しません。ご安心ください。


Q 「何が問題かわからないまま、処罰されることになりかね
ない。」、「共謀や未遂のケースでは、どんな秘密に関わって
罰せられるのか、被告自身が分からないという事態さえ考えられる。」
(12月2日、朝日新聞・朝刊)


反論)事実に反します。
 特定秘密の漏えい等の共謀、教唆、煽動の罪が成立するには、

その対象が特定秘密であることを知っている必要であり、特定
秘密であることを知らずに共謀や未遂が成立することはありません。


 いかがですか?国会審議でも、森大臣がこのような答弁を
繰り返していました。
 しかし、政府や与党、つまり法案を作成した人達が「こういう
ケースは処罰されない」「こういうものは秘密指定されない」と
述べることは、何にも意味がないのです。

 法案が成立してしまえば、その法律は行政や警察・検察に
よって解釈・運用されます。政治家の手からは完全に離れて
運用がなされるのですから、作った段階で作った人達がどう
解釈しようが、省庁や捜査機関が「これは秘密指定できる」
「この行為はこの条文で処罰できる」と条文を解釈してしまえば、
それで終わりです。解釈によって処罰できる余地が残るような
穴だらけの法文を作ること自体が問題なのであり、そんな意味
のない答弁を繰り返すくらいなら、そもそも不当な処罰や秘密
指定の余地が全く無い厳格な法文を作成すればよかったのです。

 それを知りながらあえてあのような短時間の審議で終わら
せて強行可決したことからは、行政や警察によってどう解釈
されてもよい、という姿勢が見え隠れしている気がしてなりません。


 このような反論文書を携えて、地元の有権者に説明して納得
してもらおう、というのであれば、私たち国民はあまりにもバカ
にされていますね。

2013年12月23日月曜日

年末年始のリーフレット発送について


 
 相変わらず皆さまにご好評頂いている
当会の4つ折りリーフレット
「憲法が変わっちゃったらどうなるの?~自民党案シミュレーション~」。
 年末年始の発送作業についてお知らせ致します。


①年内の発送作業は、12月26日(木)午後1時までとさせて頂きます。


②年始の発送は、1月8日(水)から開始いたします。


 つまり、12月26日13時以降のご注文は、1月8日以降に
発送されますので、ご注意下さい☆

2013年12月21日土曜日

学習会に行ってきました!

久しぶりに学習会の報告です☆

いや、学習会をやっていなかったわけじゃなく、全国各地で多数の学習会を行っていたのですが、逐一報告できなくて、すみません。


今回は、労働組合さんの主催の学習会(千葉の佐倉)に行ってまいりました

自民党の改憲草案がメインテーマでしたが、特定秘密保護法にも触れてほしいとのことでしたので、両方をテーマにしました!

今回は、時間をけっこういただいたので、表現の自由について、「公益または公の秩序」の問題だけじゃなく、事前規制についてもお話をさせていただきました
あまり知られてはいない(と思います)事前規制(抑制)「
わりと丁寧にお話したところ、「うわーー」っという、そんなに怖いものなのという反応(だと思う)をいただきました。
2時間ぶっとおしで熱弁をふるったせいか、人生初のスタンディングオベーションをいただきました(笑)

これからも、学習会の講師要請に応えたいと思っております

ここ最近、関東や関西以外からも続々と講師依頼をいただいております
ありがとうございます☆

もし、学習会に参加された方がおられましたら、FBやツイッターにレスをいただけると嬉しいです(^O^)


なお、今回は、のどを痛めていたので、声がかすれかすれでした
(会場では、マイクの調子がよくない、と数回会場がざわつきました。すみませんでした、マイクは良好だったのです)
みなさまも、ご自愛ください

2013年12月20日金曜日

「不断の努力」を続けるには?

明日の自由を守るために必要な「不断の努力」。

仕事や生活に追われながら?どうやって続けていくの?
既に当会の活動に注目していただいている方でさえ、それは大変なことなのに、皆にそれを求めたって…。

当会会員はよく学習会の講師に呼んでいただきますが、
「関心のない人にどう話していいのか分からない。」
という質問は、とてもよく頂きます。

関心がない人に、いきなり「不断の努力!」って言ったって、
「うっせぇなぁ…」
で、終わってしまうのがオチです。

そう、人は元々面倒くさがりな生き物なのです。
では、どうするのか?

人が行動するのは、「自分の問題」が起こったときです。
三年寝太郎だって、寝ながら手の届くところに食べ物がなくなって、
起き上がって食べなきゃ死ぬ!となれば、
さすがに起き上がるでしょう。

人は、自分に関係のある問題が起これば動くのです。

だから、憲法の問題だって、
「これは私の問題なんだ!私の今の生活が、明日も続くかどうかの問題なんだ!」
って、気付くことが第一歩だと思うのです。

子育てに一生懸命なお父さん・お母さんなら、
子どもに安全な食品を食べさせ、安全な空気を吸わせて生活したいでしょう。
だから、原発事故の情報が隠されるのは困る!
→知る権利は大事だ!
→権力が勝手に情報を隠せないのは、憲法があるからだ!
→憲法が変わって、情報を隠せるようになったら大変だ!
と、気付くことができるのです。

「仕事仕事で毎日しんどい。ツイッターで愚痴をこぼしたり、写真を投稿したりするのが楽しみ。」という若者なら、
憲法がなかった頃は、自由に物が言えなかったんだなぁ…
→じゃあ、憲法が権力を縛ってくれなくなったらヤバいんじゃね?
→そうか、立憲主義が大事なんだ!
→憲法の縛りをなくそうとする奴が現れたら大変だ!
と、知ることができるのです。

そして、今生きている一人ひとりの中に、
憲法が「自分の問題」じゃない人はいないのです。
子どもがいなくても、ツイッターやFBをしなくても、
憲法のおかげで、安心して生きていられる部分があるはず。

当たり前だとおもっていた明日の自由を守るために、
憲法の中にある「自分の問題」を見つけることから始めましょう。

2013年12月18日水曜日

自由を守りきるための「不断の努力」ができますか?


 想田和宏監督のブログをご紹介します。

「秘密保護法案:9回裏に慌てても遅い 」
http://documentary-campaign.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html?spref=fb&m=1


 これは特定秘密保護法案が衆院で可決される間際に
書かれたものですが、これからの私たちの行く末について
大変示唆に富むメッセージです。


 私たち国民の声がどんなに政府与党の意思と乖離していても、
結局は「多数の議席」でねじ伏せて強行採決してしまう、この強硬
な政府があと3年続くこの国において、私たちはどうやって民主主
義を『蘇生』できるでしょうか。
 (もちろん、選挙まで3年待つ必要など無く、解散に追い込めば
いい、という案もありますよね)
 政府の強硬な姿勢が改まる可能性が無い…となれば、私たちは
主権者の怒りを発信し続けるそのアクションは、政権交代を目指さ
なければなりません。想田監督も政権交代について「民主主義の
継続を望む陣営は、そのことを今から考え活動していかなくては
ならない。」と語ります。

 しかし監督は続けます。
 「それはとても根気のいる作業であることを覚悟しなければならない。」
 「それこそ一人ひとりによる『不断の努力』が必要だ。」


 民主主義って、実はとってもめんどくさいことなのです。

 毎日仕事や育児に追われる多くの国民にとって、政府を
常に監視して、メディアもチェックして、怒るべき時にしっかり
怒りの声をあげるだなんて、はっきり言ってめんどくさい、と
思う方、実は少なくないのではないでしょうか。
 だから、「政治は誰かやってくれればいい」「私がアクション
起こす必要ない」と思ってしまうのでは…?


 でも、誰か心優しい君主が、国民の自由と人権と平和を
保障する統治を(自らは法に縛られた不自由な状態で)して
くれることは、無いのです。人類の歴史が,何度も何度も、
それを証明しています。

 だからどんなにめんどくさくとも、政治は国民自らが動かさ
なければならない、そうでなければ人に自由も人権も平和も
ないのだ、という1つの真理にたどり着いたんです。
 だから私たちは民主主義を選んだ。


 仕事や生活に追われながら,政治を監視してアクションを
起こすことは、根気のいることです。対立する意見に苦しく
なったり、しんどい思いもすることもあると思います。議論が
苦手で、「出る杭は打たれる」日本では、特にそうだと思います。


 でも、だから諦めてしまっては、本当に、取り返しの付かなく
なるところまで来てしまいました。NYタイムズは16日、安倍
政権が戦前に回帰しようとしていることに激しく警鐘を鳴らし
ました。戦前の日本とはつまり、北朝鮮のような軍部独裁政
権が国民の人権を踏みにじる社会です。

 この国が崖っぷちにいることを、皆さんは知っています。
 知ってしまった以上、声をあげ続けましょう。
 大丈夫、みんなでやれば必ず大きな力になります。


 最後に。
 想田監督がいう「不断の努力」という言葉は、実は日本国
憲法に書かれている言葉です。第12条を紹介しますね。


 日本国憲法第12条  
 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、

国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。
 

2013年12月17日火曜日

あすわか弁護士を講師に憲法の学習会しませんか?



 「この国の民主主義、もしかしたらもうヤバい状態かも。」
 「今の政府、どういう社会を目指しているんだろう?」
 「うちの子に、ちゃんと自由な普通の民主主義の国を引き継げるの…(汗)?」

 特定秘密保護法をめぐって、この法自体の中身の「ヤバさ」、
あるいはその法案を押し通した政府のやり方の「ヤバさ」に、
不安を覚えた皆さんへ。
 今のその不安は、皆さんの『主権者アンテナ』が正常に機能
している証拠です。
 ぜひその不安を忘れずに、「これからこの国で何がなされよう
としているのか」注視してください。私たちのために、子ども達の
ために、(大げさでなく)世界のために。


  さて、そうはいっても、法律や政治の話は専門家から聞いた方
が早い!のです。
 「特定秘密保護法は、たぶんこの国の安全保障とか軍事のこと
に絡んでくることなんだろうけれど、それと憲法と、どうつながって
影響出てくるのか、そもそも憲法ってあんまよく分かんない…でも
本読んでるヒマないなぁ、いっそのこと法律家に聞けたらいいのに」
 そう思いませんか?


  そんな時は、ぜひ、学習会を開いて下さいっ!


 今なら、まだ職場や女子会トークで「秘密保護法なんかヤバい
よね」と話ができます。(普段は、あんまり政治の話なんかできない、
というのが正直なところなのでは。)
 お友達同士、同級生同士、ママ友同士、なんでもいいです。
数名集まって、特定秘密保護法の問題点を改めて学んだり、
来年かならず仕掛けられるであろう改憲のことを事前に学んで下さい。


  そして、講師がお近くにいなければ、あすわかの弁護士を呼んで下さい。



 
 学習会にあすわかの弁護士を呼ぼう!と計画を立てる際には…


① お名前
 


 ② 日程についていくつか候補日を設定して教えて下さい
 弁護士という職業柄、およそ2ヶ月先の予定まで埋まっている
 (つまり12月の予定は10月に決まる)ので、2ヶ月先あたりで
 ご計画下さい。


 ③ おおよその場所(最寄り駅)を教えて下さい


 ④ テーマを教えて下さい


  以上の4点をお書きになった上で、peaceloving.lawyer@gmail.com までお申し込み下さい。


 ご要望に添えるかどうか、講師として誰が行けるか、当会で
検討致します。
 残念なことに、当会の会員が極めて少ない、あるいはゼロの
地域・県もございますので、その場合には他県から派遣する
ことになり、安くない交通費を頂くことになってしまいます。
その点、ご了承下さい。
 学習会の詳細や謝礼の金額につきましては、その講師との
直接やりとりすることになります。

 その他、お問い合わせはpeaceloving.lawyer@gmail.com まで
お願いします。


* 最近、FBメッセージやFB記事のコメント欄にご質問を書き込まれる
方が急増しておられるのですが、申し訳ございません、当会への
ご質問は、peaceloving.lawyer@gmail.com にてお受け致しており
ますので、こちらにお寄せ下さい。コメント欄では回答しかねます。

  お待ちしてます☆


2013年12月14日土曜日

私たちは無力ではない! 太田弁護士の手記



 特定秘密保護法の可決成立から1週間経ちました。
早くも同法は公布され、政府は内閣に準備室を設置して
施行の準備を進めているようですが、決して「可決したら
こっちもん」と思わせてはなりません。
 1週間前の怒りの火を灯しつづけましょう。私たちが
『自由な個人』であり続けるために。
 さて、今日は当会会員の太田啓子弁護士の手記をご紹介します。


*:・゜*:・゜*:・゜*:・゜*:・゜*:・゜*:・゜*:・゜*:・゜*:・゜*:・゜


 特定秘密保護法が成立して1週間。
 怒りと落胆と不安に駆られている全国の皆様へ、
 「私たちは無力ではありません」
 という当然のことを改めてお伝えしたく、この文章を書くこととしました。


 唐突ですが、「学習性無力感」という言葉を聞いたことはありますか。
 50年ほど前に、マーティン・セリグマンという心理学者が次のような
実験をしたそうです。


1 電気ショックの流れる部屋の中に犬を入れ、一方の犬(A犬)は
 ボタンを押すと電気ショックが止められる装置のついた場所、
 他方の犬(B犬)は何をやっても電気ショックを止めることのできない
 場所に入れる。

2  A犬は、ボタンを押すと電気ショックを回避できることを学習し、
 自発的にボタンを押すようになった。

3 B犬は何をやっても回避できないため、ついには何も行動しなくなり、
 甘んじて電気ショックを受け続けるようになった。

4 そしてその後、電気ショックを回避できる部屋にA犬とB犬を移動
 させて実験を続けたところ、A犬は回避行動を自発的に行った。

5 ところがB犬は、回避すれば電気ショックを避けられる状態になって
 いたにも関わらず、もはや回避行動をしようとはしなかった。


 少数野党が反対していることについて「野党は野党であることを
思い知らせなくてはならない」という趣旨の発言が自民党から出た
と報じられたとき、
 国民の大きな反対にもかかわらず自民党政府が法案を強行採決
したとき、
 私は急に、B犬のことを思い出しました。


 ああ、政府は、
「どれだけ反対しても無駄だ、我々は、どんなに国民の反対の声が
大きくても、やりたいことをやるのだ」と、私達に思わせ、無力感を
学習させようとしているのだな、と感じたのです。私達を、B犬のよう
にしたいのではないかと。
 このときの強い憤りを、私は生涯、忘れることはないでしょう。


 今回の特定秘密保護法案反対で、生まれてはじめてデモという
ものに行った、生まれてはじめて国会議員にファクス・メールした、
という方も少なくないのではありませんか。

 はじめて政治にコミットしてみたが、一生懸命やったが、実を
結ばなかった、そんな思いでがっかりしている方もいらっしゃる
でしょうか。
 やっぱりデモをやったって、国会議員にメールしてみたって
ダメなんだ、もしかしたらそんな風に思っている方もいるでしょうか?


 そんなことはありません。私達は決して、無力ではありません。
 今後なにがあろうとも、B犬になってはいけません、無力感を
学習してはいけません。
 おかしいと思ったら何かアクションをするというのを、どうか
やめないで下さい。

 そもそも私達は全く、無力ではないのですから。
 国会議員への働きかけがどれだけ国会を揺らしたか、また、
今後具体的にどんなことができるのかは、「明日の自由を守る
若手弁護士の会」が法律成立日に発表した声明↓にも書いて
あります。是非ご一読下さい。
http://www.asuno-jiyuu.com/2013/12/blog-post_2956.html


 今後更に具体的なアクションの提案をしたいと考えています。
 今日からでもできる簡単な行動の1つとして、
たとえば、Twitterをやっている方は、アカウント名のどこかに
「★★★~特定秘密保護法廃案!」と付けてみるというのは
どうですか。「特定秘密保護法廃案」という言葉が、世の中に
少しでも多く流通させるだけでも、意味があると思います。
忘れっぽい世の中に、忘れるな忘れるな自分は忘れていない
とアピールし続けましょう。


 また、どこかの街頭で、国会議員が街頭演説をしているのを
見かけたら、「あなたは特定秘密保護法案に賛成されたのです
か反対されたのですか」と聞いてみる、というのもあり得るかも
しれません。たとえ、知っていても。ただ聞くだけで、ご自分の
意見を言わないのなら、少しやりやすくありませんか。
 ちなみにこれを、仲の良い弁護士が、法案成立後すぐ、都内
でやったところ、「賛成しました」と答えた議員の顔が、こわばって
いたそうです。
 「特定秘密保護法案にどういう態度をとった議員であるかは
有権者にとって大きな関心事である」、そういうことを、選挙時
以外にもアピールし続けましょう。


 また、あなたがいる場で、誰も特定秘密保護法の話をして
いなかったら、どうか勇気を出して「あの強行採決は、驚いた
よねー」「怖い法律みたいじゃない?」と、ぽろっと口にして
みませんか。
 誰かが最初に言ったら、それを待っていたというように
「あれはひどかった」「これから不安だ」と言い出す方が、
きっといます。他の人の前では言わなくても、あなたと二人
きりになったとき「さっきの話、私も同感」と言ってくる方が
きっといます。
 その場で特定秘密保護法のことを話題にする「最初のひ
とり」になって下さい。
 


 特定秘密保護法が成立した前日にネルソン・マンデラ氏の
訃報がありました。
 マンデラ氏の遺した名言がいくつか報じられ、それに鼓舞
された方も多いのではありませんか。私もその一人です。

 「何もせず、何も言わず、不正に立ち向かわず、抑圧に
抗議せず、それで自分たちにとっての良い社会、良い暮らし
を求めることは不可能です」(ネルソン・マンデラ)


 この言葉をかみしめ、これからも自由、民主主義、平和を
諦めることなく、歩んでいきたいと私は思いました。

2013年12月11日水曜日

あすわか(神保代表)、ラジオ出演決定☆


 特定秘密保護法は可決してしまいましたが、
皆さん、「もう何もできない」なんて落ち込んで
いてはいけません。

 まだ施行まで時間はありますし(政府は施行
を急ぎたいようですが)、廃止に向けてさまざま
なアクションを展開していけることは、声明で
お伝えしたとおりです。

 さて、今日はラジオのお知らせです。
 あすわかの共同代表、神保大地弁護士が、
ラジオに出演しま~す☆


番組: MBSラジオ「報道するラジオ」
   (金・午後9時~10時)
   
http://www.mbs1179.com/hou/

日時: 12月13日(金)午後9時5分 ~ 午後9時30分の間の約15分間


 特定秘密保護法が可決成立してしまった今、
どんな取り組みができるのか、について語ることになりそうです。


 大阪のラジオに札幌在住の神保が出演とは不思議な
ご縁ですが(笑)、神保がしっかり笑いをとりつつ要領よく
語れるか(?)、皆さま、ご期待あれ♪

2013年12月10日火曜日

自由を諦めない  会員の手記を紹介します

 

 2013年12月6日を、私達は決して忘れることはないでしょう。
戦後民主主義最悪の日を、思いを一つにして全身の怒りを込め
行動した皆さんは、今、どう振り返り、どう分析し、これからの行動
を見据えていますか。
   「明日の自由を守る若手弁護士の会」の会員270名も、
それぞれが、自分のたたかいを見つめ、得たもの、学んだものを
これからの長いたたかいにつなげる作業へとシフトしています。
 
 
 今日は、会の中でも特に海外への発信に奔走した内山弁護士の
記を紹介します。
 
 

 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


 秘密保護法は通ってしまったが、不思議とがっかりしていない。
 それは、日本国憲法の価値、表現の自由の価値を、みんなが
共有してつながることができた実感があったから。
 それは、日本の中だけではなくて、世界中の人たちとつながる
ことができたから。
   世界中に応援してくれる人がいるって分かったから。
 

  正直、1か月前は、ツワネ原則って何それ、美味しいの?
というレベルだった。
 「それは、ツクネや」、という突込みをしていた。

  11月26日、特定秘密保護法案が衆議院で強行採決され、
みんなががっくりしてしまった。
 そこで、いやまだ参議院があるよと、「明日の自由を守る若手
弁護士の会」がfacebookで説明したら、2200以上のシェア
された。
 「いいね」じゃなく、シェア。
 2200人が、自分の友達に伝えようと思った。
 それで19万人に伝わったらしい。

  他に何かできないのかという話になって、煮詰まっていたときに
ある美人弁護士が、軽やかに、
 「ホワイトハウスにメールしたいよね」、とポロッと言った。
 マジデスカ、と思った。
 でも、それくらいの発想の転換が必要だった。

  その美人弁護士は、憲法を明るく爽やかに語る。
 地元のカフェで子育て世代のお母さんを集めて憲法トークを
している、クリエイティブな方である。眉間にしわを寄せて「はん
たーい」と叫ぶタイプではない。地道にビラを配り歩いて、たま
たま雑誌の記者の目に留まり、女性誌に出て、憲法を語って
いたりしている。情熱大陸に取り上げてもらいたい人だ。

  彼女の一声から、「明日の自由を守る若手弁護士の会」の
みんなで声明案を作成し、英訳し、ネイティブチェックをかけ、
送付先を探しだすまで4日くらいか。

  送付先として予定していたのは、最初はホワイトハウスと
在日アメリカ大使館くらいだった。ただ、せっかくツワネ原則と
いうものがあるんだから、その起草に関わった22団体にも
送ってしまおうと、私が言った。
 「22団体もあるんだから、送付先を探すだけで大変じゃな
いか」とも言われたけど、大変だと言われるほど、何とかしよう
と思う性質。サイトが期限切れになっていた1か所を除いて、
全て探し出して、メールを送った。
 オバマ大統領、キャロライン・ケネディ大使に送ったあたりから、
もうできることは何でもやろうという気になった。
 ローマ法王にも伝えようと、バチカンにまでメールを送った
のは、ちょっと悪乗りしたかもしれない。

  しかし、そうしたら、半日くらいで、リアクションが返ってきて
「何ができるか教えてもらいたい」と言われた。
 Center for Law and Democracy(CLD) のトビー・メンデル理事長
である。長年、表現の自由や知る権利の分野で国際的に活躍
してきた人物だ。
 自分たちの声が、世界に届いた。
 国内では暖簾に腕押しで、なかなか手応えを感じられなかった
のが、世界には届いた。インターナショナル・スタンダードからしたら、
むしろ、自分たちがスタンダードだったんだと自信を持つことができた。

  トビーは、時間がないし、国連やアメリカを動かすのは無理だと
言っていたけど、翌日くらいには、CLDのプレスリリースを作っ
くれた。好きに使ってくれていいと言って。それで、急いで30
くらいで訳してネットに流した。トビーは、トビーで、自分のネット
ワークに流してくれると言っていた。

  そして、参議院の委員会で強行採決されたり、国連人権高等
弁務官が懸念を表明してくれ、それに対し自民党がけしからんと
言ったりした。
  戦前、国際連盟を脱退した日本の姿が重なった。
  参議院本会議が始まり、もう止められないのかとやるせない
気持ちになっていたところに、今度はツワネ原則を取りまとめた
Open Society Foundation (osf)が、懸念を表明したというニュース
が飛び込んできた。
 参議院で採決される直前にだ。
 ここもメールを送った先だ。あるいは、トビーが動いてくれたのかもしれない。
 NHKも、さすがにこれは報道した。
 OSFが懸念を表明したということは、世界中の表現の自由に
いての専門家が秘密保護法に異議を申し立てたに等しい。
 
 思いつきで始まった世界へのアクションだったけれど、確実に、
世界はつながった。

  日本は、国際連盟を脱退し、治安維持法を作って、勝っていると
国民に対して嘘を言って戦争をし、日本は焦土と化し、全国民が
炭の苦しみを味わった反省から、二度と戦争をしない、国際社会
中で協力を得ることで平和を維持しようと考えて、日本国憲法を作った。

  それを押し付けだと言う人もいる。
 しかし、戦後66年、この日本国憲法を受け入れて、平和を信条
として世界で取り組んできたのだ。そうして取り組んできたことを
評価してくれている人は、世界中にたくさんいる。

  9条を変えて軍隊を持ちたい人、秘密保護法が必要だという人は
中国が攻めてきたときに戦争放棄でどうやって国を守るのだという。
 しかし、国民に真実を伝えない政府は、必ず間違い、腐敗する。
民党の幹事長が、声を張り上げるデモをテロだと言ったが、もう
敗の芽がそこにある。戦前は、そうして腐敗して戦争に突き進んで
いった。政府や自民党が、自衛隊をどこかに派兵するという時に、
国会で「なぜ派兵が必要なのか」と説明を求めても、秘密保護法に
よって、それは特定秘密だと言われるのだ。
 国会は、政府が戦争しようとするのを止めることができないのだ。
 素晴らしい民主国家じゃないか。アメリカでさえ、大統領がシリアに
派兵しようとしたら、議会に止められたというのに。

  アメリカのロースクールを見学した際、入学直後に行われる導入
講義を聞いたことがある。憲法の三権分立の説明の中で、戦争の
行は政府の役割、宣戦布告は議会の役割と聞いて、軽い衝撃を
受けたことがある。アメリカでは民主的なコントロールが戦争に及んで
いること、戦争をしないと誓った日本にはそもそも三権分立の中で
戦争のコントロールというものを想定していないことに、である。
 
 
 もし日本国憲法を改正して戦争ができる国にするのであれば、
会のコントロールも規定されなければならないところ、自民党の
法改正草案にはそのような考え方はない。本当に、自民党に
任せて大丈夫か、国民主権が切り崩されて行かないか、戦争を
したら、勝っても負けてもおそらく国民は大きな苦しみを味わう
けれど、そんなことを国民は受け入れていくのか、受け入れて
いない国民が間違っているとおそらく自民党は言うけれど、
本当にそれでいいのか。秘密の保護といって、戦争をコントロール
できなくなったら、国民の苦痛は計り知れないものになるだろう。


 しかし、今回、国際的にネットワークがつながってみて、実感した。
 日本がおかしな方向に行こうとしたときに、自分たち一人一人が
ながっていったら、世界の人たちが手を差し伸べてくれ、応援して
くれたことを。
 日本の常識は、世界の非常識であって、世界の常識を主張して
る人には、世界中から応援がもらえることを。
 日本がおかしな方向に行こうとしたときに、止めようとしてくれた人が
いてくれたことを。

  日本の中だけで活動していたときは手詰まり感を感じていたけど
ここ1週間で世界とつながってからは、動けば変わることを実感できた。
こうして自分たち一人一人がつながっていくことで、本当にヤバいもの
を止める可能性があるんじゃないかと実感できた。
 今回は間に合わなかったけど、施行までにはあと1年くらいある。
の間に、もっと国際世論を高めるんだ。
 一人一人が世界とつながっていくんだ。
 そして、世界が手を差し伸べてくれた期待に、今度は私たちが応
なければならない。
 政治や大人に失望しているためか若者の投票率は低いようだけれ
(平成24年の衆議院総選挙では、20代37%、30代50%、他の世代
は60%以上)、自民党の絶対得票率は実は20%を切っている。
 小選挙区制や野党の分裂のせいで自分たちの意見が正しく国政に
反映されていないだけなのだ。
 自民党は浮動票を取り入れることはできていないと思われることから
すると、実は自民党なんて少数派なのかもしれないんだ。そんな少数派
の声だけで、自由を奪われていいはずがない。
 

  本当は、こんな国じゃあ嫌だという声は、もっと多いはずだ。
 日本国内でも、一人一人がつながっていくことが大事。

  高校生たちも、特定秘密保護法に反対して声を上げたことが報道
されていた。正直言って、勇気づけられた。自分たちには選挙権が
ないけど、言いたいことがあるんだ、表現したいことがあるんだと
大人たちが何も言わないでいるからこうなっちゃったじゃないかと。
ああ、この若者たちが自分の国に自信が持てるように、大人が頑張ら
なきゃいけないなと思った。
 そして、次の総選挙の時には、彼らは有権者だ。
 彼らともつながっていかなければならない。

  自由っていうのは、空気みたいなもの。普段は当たり前のように
思っているけど、なくなったらとても息苦しい。
 そして、自由は当たり前のように存在しているのではない。
 歴史の中で、苦しんで、勝ち取ってきた物だ。
 この夏、アメリカ連邦最高裁のアンソニー・ケネディ判事は、
American Bar Associationの年次総会での講演で、自由は自動的に
えられるものではなく、維持して、後世に伝えて行かなければなら
ないものだと語っていた。
 気付かない内に自由が奪われようとしているけれど、今ある自由を
決して手放してはいけない。そして、声を上げた高校生のように、
次の世代に伝えて行かなければならない。


  私たちは、自由を諦めない。日本を諦めない。

2013年12月7日土曜日

なぜ国民の意思と違う結果になるの?

秘密保護法の成立、非常に残念です

なぜ政治家は、私たち国民の声を聴いてくれないのか
なぜ政治には、私たち国民の声が反映されないのか
なぜ政治は、私たち国民の意思と違う結果になるのか

今回の秘密保護法をめぐる議論の中で、こんな意見をよく耳にしました
私たちのfacebookにも、かなりの数、こういった意見が投稿されています


端的に言いますと、その理由の一つとして、選挙制度、を指摘することができます。

現在の日本の選挙制度では、民意が忠実には反映されません
なので、国民の思いや願いと、国会の意思にずれが出来てしまうのは、むしろ必然なんです

例えば、
いまの衆議院議員選挙は、小選挙区選挙で300人、全国11ブロックの比例代表で180人を選ぶものです
この小選挙区選挙は、各選挙区から1人しか当選しないため、ある選挙区で3割の得票しかなくても(≒7割の反対があっても)相対的に1位であれば当選し、7割の意見は無視されます

その結果、国民全体の実際の投票行動(民意)(≒比例得票割合)と国会内での議席割合に大きな乖離が生じてしまうのです

実際にも、2012年12月の衆議院選挙では、
自民党さんは、比例得票が全体の26.7%(ちなみに小選挙区の得票は43%)ですが、議席は全体の61.25%(294議席)を獲得しています

2013年7月の参議院選挙(改選総数121議席)でも同様に、
自民党さんは、比例得票が全体の34.68%ですが、議席は全体の53.72%(65議席)を獲得しています

いずれも、4割未満の得票で過半数の議席を得ていることになります。
これをみれば(6割強の方には)、どうりで自分たちの意見が国会でとおらないわけだ、と納得いただけるかもしれません
(ただ、一定数(4割未満)の方にとっては、政治家が声を聴いてくれていると感じることになります)

中学校の教科書を見れば、小選挙区制のデメリットは「死票が増える」と書いてありますが、これからは「多くの国民が慎重審理を求める法案でも強行採決されてしまう」と書かなければなりませんね。


なお、自民党憲法改正草案では、選挙制度について、1人1票じゃなくてもいい(各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない)と書いてあります(草案47条後段)
これは、投票価値の平等の問題ですが、この投票価値の平等が問題になるのは、例えば鳥取(あのテロ発言者石破さんの出身地?)なんですよね
まっ、それはまた別な機会にしたいと思います

選挙についても、改憲草案には書いてあるってことは、知っておいてくださいね!

2013年12月6日金曜日

「特定秘密保護法の強行採決に強く抗議し、さっそく廃止へアクション起こそうよ!」声明(ゆる~いバージョン)

「特定秘密保護法の強行採決に強く抗議し、
        さっそく廃止へアクション起こそうよ!」声明
~諦めないことと希望を持つことが何よりも大事!~
               (ゆる~いバージョン)


  今日、参議院本会議にて特定秘密保護法が強行採決され、
可決成立してしまいました。
  私たち「明日の自由を守る若手弁護士の会」は、民主主義と
立憲主義を擁護する法律家団体として、これからも、特定秘密
保護法の廃止を強く求めます。


● 作ってくれとか誰も言ってないし(怒)勝手に作んなよ(怒)
  この法律が民主主義とか国民主権の原理とかから言って
完全にNGで、成立しちゃうことがつまり憲法改正と同じってこと
は、もう皆さんも知ってますよね。
  世論調査、パブリックコメント、公聴会、そのすべてが、国民が
こんな強行採決なんか求めていないことを示しました。ものすご
い数の学者やアーティスト、さらには国連とか海外からも異例な
ほどこの法案への批判が相次ぎました。それにもかかわらず、
理不尽すぎる議事運営を繰り返したあげく強行に成立させた政
府与党の姿勢は、治安維持法の再来とも言われるこの法律と
共に、戦後の民主主義の歴史上最大の汚点となったことは
間違いありません。


● 皆さんの声は、確実に政府与党をビビらせました。
  けれども、政府与党のありえない強硬な姿勢は、誠実に
審議したら負けるって彼らも分かってることの裏返し。
  制定過程を秘密にして、パブコメ募集もちゃっちゃと終わら
せて、通常国会じゃなくてめちゃ短い臨時国会に提出して、
会期を一日も延ばさなかったのは、反対世論の高まりが怖かった
からでしょ、明らかに。全国で「ヤバい」って世論が猛スピードで
広まって、皆さんが今まで見たことないような勢いで集まって起こ
したアクションは、確実にあの法律LOVEな議員達をビビらせま
した。これは、この国で生きるみんなに宿る「主権者としての力」
がやっぱりすごいものなんだってことを証明しました。


● まだ全然終わってないし、まだまだ起こせるアクションたくさんあるよ!
  皆さんには、まだできることがたくさんあります。
  例えば、この法律を廃止する法律とか、スタートを延期する
法律を制定してくれ、って国会に請願したり、国会議員にお願い
することができます。
  同法を死文化(意味のないものに)しちゃえってことで、情報
公開をパワーアップする法律や、国会や裁判所とかが権力を
見張る権限を強化する法律の制定ってのもアリ。
  もしくは、ツワネ原則とか国際スタンダードに合わせるよう法
改正を求めることもできます。いっそのこと国会の解散を求めて
もいいかも。
  直接国会議員に言うのがめんどかったら、自分の住む市町
村議会や都道府県議会に頼んで、今話したよな国会へのアク
ションを起こしてもらうこともOK。
  裁判で争うこともできます。どんどん情報公開請求をして、
「え、それって特定秘密だからってこと!?」みたいな感じで拒否
られたら、公開を求める裁判を起こして、この法律が憲法に違反
して無効なんだ、と主張することができます。
  万が一にも特定秘密とのからみで逮捕されちゃったら、その
ときは刑事手続のあらゆる段階でこの法律の違憲無効と無罪を
主張して、たたかっていきましょうね☆


● がっかりしないで。上を向いて。
  ガッカリしないで!ガッカリしている余裕はないんです。
  むしろここからがこの歴史上まれにみる悪法とのたたかいの
スタートです。
  ガッカリで終わっていたら、そこからは何も生まれません。
  それは民主主義や立憲主義を、もういいやって自分で斬り捨
てることになるし、政府が今実現しようとしている「戦争できる専制
国家へのシナリオ」を黙認することにもなりかねません。
  「この法案ヤバくない?」と感じたその感覚と、私たちをバカに
した政府与党への怒り、そしてその結集が、確実に政府与党を
ビビらせたことを決して忘れないで、自信と希望を持って、一人
ひとりがアクションを起こし続けること。権力にとって、いつまでも
「めんどくさいヤツ」であり続けること。それがこの国で誇りを持った
人間として生き続ける上で何よりも大切なことです。そしてそれは、
この国と社会を引き継ぐ子ども達に対する責任でもあります。
子どもの未来を案じる思いを、今回の強行採決に対する怒りや
悔しさを、行動する力や共同する力へ変えて下さい。


  「明日の自由を守る若手弁護士の会」は、立憲主義・民主主義
と相容れない特定秘密保護法に強く反対し、民主主義国家にある
まじき強行採決に強く抗議するとともに、法律家団体として同法の
速やかな廃止を求め、民主主義と立憲主義の擁護に全力を尽くし
ます。



2013年12月6日 「明日の自由を守る若手弁護士の会」

 共同代表 神保 大地  共同代表 黒澤 いつき

「特定秘密保護法の強行採決に強く抗議して、さっそく廃止へアクション起こそうよ!」声明

「特定秘密保護法の強行採決に強く抗議して、
              さっそく廃止へアクション起こそうよ!」声明
~諦めないことと希望を持つことが何よりも大事!~



  本日、参議院本会議にて特定秘密保護法が強行採決され、
可決成立してしまいました。
  私たち「明日の自由を守る若手弁護士の会」は、民主主義と
立憲主義を擁護する法律家団体として、これからも、特定秘密
保護法の廃止を強く求めます。


● 作って欲しいなど誰も言ってないのに勝手に作られたのです
  この法律が民主主義や立憲主義の原理と本質的に相容れない
もので、その成立が実質的な改憲に等しいことは、すでに皆さんも
ご存知の通りです。世論調査・パブリックコメント・公聴会、そのすべ
てが、国民がこんな強行採決など求めていないことを示しました。
あらゆる学者・芸術家、さらには国際社会からも異例なほど同法案
への批判が相次ぎました。それにもかかわらず、理不尽な議事運営
を繰り返したあげく同法を強行に成立させた政府与党の姿勢が、
治安維持法に例えられる同法案と共に、戦後憲政史上最大の汚点
となったことは間違いありません。 


● 皆さんの声は、確実に政府与党を動揺させました。
  しかし、政府与党の前代未聞の強硬な姿勢は同時に、誠実な
審議では負けるという自覚の裏返しでした。制定過程を秘密にし、
パブコメ募集を短期間で終わらせ、通常国会ではなく時間の限ら
れた臨時国会に提出し、会期を一日も延長しなかったのは、反対
世論の高まりを恐れたからに他なりません。
    全国で批判の世論は急速に広がり、国民の皆さんがいまだ
かつてない規模で結集して起こしたアクションは、確実に賛成議員
達に動揺を与えました。このことは、この国で生きる人々に宿る
「主権者としての力」がなおも確かなものであることを強く感じさせ
るものです。


● まだ終わってはいないのです。まだまだ起こせるアクションが
あるのです。
  皆さんには、まだできることがたくさんあります。
  例えば、皆さんは、同法の廃止法や施行を延期する法律を
制定するよう国会に請願したり、議員に要請することができます。
  同法を死文化させるために、情報公開を強化する法律や、
国会や裁判所などの監視監督権限を強化する法律の制定を
求めることもできます。
  あるいはツワネ原則などの国際標準に合わせるよう法改正
を求めることもできるのです。国会の解散を求めてもいいでしょう。
  自分の住む市町村議会や都道府県議会にこのような国会へ
のアクションを起こすように要請をすることもできます。
  裁判で争うこともできます。積極的な情報公開請求を行い、
特定秘密を理由とした非開示がなされたならば、公開を求める
裁判の中で、同法の違憲性を主張することができます。
  万が一にも同法違反を理由として逮捕されてしまったならば、
刑事手続のあらゆる段階で同法の違憲無効と無罪を主張して、
裁判所に判断を求めていけるのです。


● 諦めずに、希望を持つこと。
  落胆する必要はありません。落胆している余裕はないのです。
むしろここからがこの希代の悪法とのたたかいなのです。落胆や
失望からは何も生まれません。それは民主主義や立憲主義の
否定につながり、政府の描く「戦争できる専制国家へのシナリオ」
を黙認することにもなりかねません。
  この法をおかしいと感じたその感覚と、主権者を愚弄した政府
与党への怒り、そしてその怒りの結集が確実に政府与党を動揺
させたことを決して忘れずに、自信と希望を持って、一人ひとりが
アクションを起こし続けること。それがこの国で誇りを持った人間
として生き続ける上で何よりも大切なことです。そしてそれは、
この国と社会を引き継ぐ子ども達に対する責任でもあります。
子どもの未来を案じる思いを、今回の強行採決に対する怒りや
悔しさを、どうぞ行動する力や共同する力へ変えて下さい。


  「明日の自由を守る若手弁護士の会」は、民主主義・立憲主義
と相容れない特定秘密保護法に強く反対し、民主主義国家にある
まじき強行採決に強く抗議するとともに、法律家団体として同法の
速やかな廃止を求め、民主主義と立憲主義の擁護に全力を尽くし
ます。


2013年12月6日 「明日の自由を守る若手弁護士の会」
 共同代表 神保 大地  共同代表 黒澤 いつき

ツワネ原則発表のオープン・ソサエティ財団が“今世紀最悪”と声明発表


 ツワネ原則作成に関わってきたアメリカのオープン・ソサエティ財団が、
特定秘密保護法案について声明を出し、「知る権利を厳しく規制する
もので、日本にとって後退となる」「この法は、21世紀に民主政府に
よって検討された秘密保護法の中で最悪なものである。」と、厳しく批判
しています。


 NHKでも報道されています。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131206/k10013643701000.html


  このオープン・ソサエティ財団は、アメリカの元政府高官のモートン・
ハルペリン氏(←かねてから同法案を批判)が上級顧問を務めています。


 国際的な批判が、止まりません。
このように、転落していくかのように国際的な信用を失っていく安倍
政権は、どこへ向かうのでしょうか。


  http://www.opensocietyfoundations.org/press-releases/japans-new-state-secrecy-law-threatens-public-accountability


 以下、声明の和訳を貼り付けます。



*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・



日本の特定秘密保護法によって説明責任が脅かされている

 ニューヨーク-オープン・ソサエティ財団は、金曜日に日本の
国会において採択されようとしている特定秘密保護法について、
強い懸念を表明します。

 上級法務顧問であるSandra Coliver氏は、この新法は、国家
安全保障に関する公の知る権利を制限する点において、厳し
い制限を設けている国際基準から大きく後退することを指摘しました。
 Justice Initiativeにおいて知る権利に関する業務を率いている
 Coliver氏は、「日本にとって後退を意味している。」と指摘しました。
「これは、政府の説明責任を脅かすほどの秘密主義を提案するものです。」


 オープン・ソサエティ財団の上級顧問であり、アメリカ政府に
おいて安全保障に関する3つの要職を務めるモートン・ハルペ
リン氏は、「この法は、21世紀に民主政府によって検討された
秘密保護法の中で最悪なものです。同じく懸念すべきは、公共
の関心に関する事柄は、市民社会や国際的な専門家からの
広いヒアリングと相談を行っていないことです。」と述べます。


 国連の表現の自由に関する特別審査官であるフランク・ラ・
ルー氏は、「きわめて広範かつ抽象的な事柄が秘匿されると
いうだけでなく、公益通報者や秘密を報道したジャーナリストに
対して深刻な脅威を与えるものである。」と表明しました。


 新法は、下記の内容を含んでいます。
 ・2001年の法律によって防衛省が保持することになった
「特別防衛秘密」権限を劇的に拡大するものであること。
新法は、複数の抽象的で過度に広範な種類の情報-防衛、
外交、「特定有害活動」、テロ防止を含む-に関する上記
権限を拡大すること。

 ・政府が秘密を指定することができる権限を与える者は、
すべての閣僚と主な官僚にまで拡大されること。

 ・機密を暴露したことに対する刑罰は、2001年の法律では
最大で5年の懲役であったものが10年の懲役に拡大されること。

 完全に独立した第三者機関や裁判所から、秘密の指定を
見直す方策はとられていません。
加えて、

 ・ある情報に対する公共の関心が、情報の公開による害悪に
勝る場合に、その情報を公開することを許容する、「公共の
関心の超越」という考え方を含んでいません。

 ・公共の関心の擁護が含まれていません。公共の関心が
高い事項を漏らした人についても、公共の関心が公開に
よる現実の害悪よりも上回る場合には、刑罰に問われる
べきではありません。

 これらのいずれの点についても、この法律は、ツワネ原則
-国家の安全や情報に関する権利に関する国際的な原理で
あり、Justice Initiativeが起草に関わった-に反映された国際
的な水準と良き慣例から大きく後退しています。

 ツワネ原則は、近代民主主義国家の法律や裁判所の判断
に反映された、国際的及び国内的な法律、標準や慣例に基づ
いています。これは、世界中から集まった22の団体と学術
センターが起草し、国家安全保障や外交の知識や経験のある
者を含む500人以上の専門家に相談して作られたものです。
ツワネ原則は、ヨーロッパから選出された委員会、関連する
国連の特別報告官、情報を求める権利や表現の自由にかか
わるアメリカやアフリカの人権団体の報告者の支持を受けて
います。

 ツワネ原則は、政府が機密情報を秘匿することは、正当な
国家安全保障上の利益を保護するために必要な限りにおいて
のみ許されると指摘しています。日本の法案は、この基準に
合致していません。

 安倍晋三首相は、米国をモデルにしたNSCを創設するために、
強力な秘密保護法が必要だと繰り返し主張しています。
  しかし、米国の親密な同盟国のいくつかは、機密情報に
指定するに際しては公共の利益を考慮し、国家機密情報の暴露
に対する刑罰を最大で5年かそれ未満とし、機密指定できる省庁
を限定し、裁判所及び(又は)独立した第三者機関によって機密
指定を変更できる手続きを定めています。

 「アメリカ型の機密種別は、他の国に強制されるべきでないもの
です。米国政府が膨大な数の情報を機密としたことは、本物の
秘密を守ることを事実上不可能にしています。」とSandra Coliver氏
は付け加えました。
 「安全保障を含む、国の活動に関する情報が公によく周知さ
れたときに、国家機密は最もよく守られるのです。」

自民党城内実議員 国連人権高等弁務官に「罷免・謝罪要求せよ」


 毎日新聞の報道によると、
12月5日、自民党の城内実議員(外交部会長)は、
ビレイ国連人権高等弁務官が特定秘密保護法案を
批判したことに対し激しく憤り、

「なぜこのような事実誤認の発言をしたのか、調べて
回答させるべきだ。場合によっては謝罪や罷免(要求)、
分担金の凍結ぐらいやってもいい」

と発言したとのことです。

(* ネット上では配信されていない記事のようです。)


 先日も書きましたが、国連人権高等弁務官という高官が、
ある国の審議中の法案について言及することは極めて
異例のことです。そこをあえて踏み込んで言及したことの
意味の重みを、城内議員はなぜ謙虚に振り返らないので
しょうか。自分達の政策に反対する者を敵視し議論の余地
がないかのように謝罪要求までする、その態度、とてもでは
ありませんが人権外交を標榜する国の与党議員(しかも
外交部会長!)の態度とは思えません。

 むしろ、国際社会に背を向けて国民への非人道的政治を
続ける国の高官の姿勢かのようです。思わず、日本がかつて
満州国建国をめぐって国際連盟で孤立し、脱退した歴史を
思い出してしまいます。


 
 国連だけではなく、フランス・ルモンド紙でも同法案を
批判する記事が掲載されました。米有力紙が相次いで
批判したことは皆さんもご存知の通りです。特定秘密
保護法案が、国際的に見て、民主主義・立憲主義・人権
保障への重大な悪影響があることは疑いようがないのです。
城内議員を外交部会長に擁する与党自民党は、国際
社会をすべて敵に回して、一体どのような社会を作り
上げようとしているのでしょうか。

2013年12月5日木曜日

特定秘密保護法案 ツワネ原則起草団体のプレスリリース



 「明日の自由を守る若手弁護士の会」は先日、
ホワイトハウス、
在日アメリカ大使館、
IBA、
バチカン、
ツワネ原則起草に関わった22団体
等々の国際機関宛てに、
「特定秘密保護法案への批判の声をあげていただきたい」旨の
書簡を送付いたしました。

 そうしたところ、
ツワネの22団体の一つ"Center for Law and Democracy"
理事長トビー・メンデル氏から、特定秘密保護法案を批判する
同団体のプレスリリースが送られてきました!!


 このような短期間で、且つ突然のお願いにもかかわらず迅速に
対応してくださった同氏と同団体に心から感謝と敬意の念を表します。

 この誠意を最大限に活用すべく、当会は拡散に最大限の努力を
致しますので、どうぞ皆さまも、国際社会からさらなる同法案への
批判が上がったことを広めていただきたく存じます。
 ぜひ、拡散にご協力ください。


 下記、和訳を貼り付けます。


************************************

日本:ずさんな特定秘密保護法は、
       国際標準を尊重していない。



 センター・フォー・ロー・アンド・デモクラシー(CLD)は、日本の
国会がまさに可決しようとしている特定秘密保護法が国際標準、
とりわけ、CLDが起草に参加した国家安全保障と情報への権利
に関する国際的な基準(ツワネ原則)を著しく尊重していないこと
を憂慮する。


 「私達は、日本のみならず全ての国の、本当に機密に属する
国家の安全にかかわる情報を保護する権利を尊重している」と
CLDのエグゼクティブ・ディレクターのトビー・メンデルは語った。
「しかし、この法律は国防を、十分に明確で正確な方法で定義
づけできていない。そしてまた、公務員に、情報を秘密だと指定
するあまりにも過剰な権力を与えている。」と語った。


 政府機関の保有する情報にアクセスする権利についての制限が、
明確に限定的に定められなければならないということは、国際法の
基本原則である。


 ツワネ原則3(a)は
「(a)「法に基づく」とは。   法は、アクセス可能であり、明解であり、
綿密且つ正確でなければならない。そうすることで、どの情報が
非公開となり得るか、どの情報が開示されるべきか、そして情報に
関するどのような行為が制裁の対象であるかを、各人が理解できる。」
としている。

 原則3(c)は、
「「正当な国家安全保障上の利益の保護」とは。   国家安全保障
上の理由により非開示になりうる情報の厳密な分類は、法により
明確に定められるべきである。」
と詳述している。


 この日本の国会で審議されている特定秘密保護法案は、この原則
から著しく外れており、その代りに、国家安全保障という理由に基づく
23の曖昧に表現された分類の情報のリストが定められている。


 同法案はまた、行政機関の長に対して、情報を特定秘密に指定
する過度の自由裁量の手段を与えている。

 ツワネ原則4(d)は、
「公開が国家安全保障に損害を生じるという旨の大臣又はその他
の官僚による文書の発行などの、単なる主張は、いかなる場合も
決定的なものとはみなされない。」と明確に手段を規定している。


 CLDは、日本の国会議員に対して、この現在の形の特定秘密
保護法案を否決すべきことと、国際標準に適合しない法律は採用
しえないということを強く主張する。


ツワネ原則は、以下のサイトから見ることができる。
http://www.law-?‐democracy.org/live/national‐security‐principles‐launched/

秘密保護法・参院特別委でも強行採決!

当会も成立に反対してきた秘密保護法案について、
与党はついに参院特別委員会でも強行採決に踏み切ったとのことです。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2013120500661

この法案をめぐっては、与党の乱暴な国会運営が目立ちます。
なぜ、そんなに急ぐのか。

国会前には、成立に反対する市民数千人が集っているとのこと。
今まで、こんなにも多くの市民がある法案に関心を持ち、
こんなに大きな反対の声を上げたことがあったでしょうか。
国民は怒っているのです。
与党も、この国民の怒りが怖いのです。
怖いから、「テロと変わらない」などと本音も出てくるのです。
与党も無視できないほどの力を、私たちが持っている証拠ではありませんか。

当会では、今後いくつかの声明を発表いたします。
皆さん、どうかあきらめないでください。



★☆★


このままでは怒りが爆発して明日の仕事や学業にも差し障りそうな皆様のために…

「一夜限りかもしれない(?)24条の会」スピーカーの谷口真由美さんが代表代行を務める
「全日本おばちゃん党」が、こんな動画を発表しました。
https://www.youtube.com/watch?v=kxPHW8TcEDE

妻役として谷口先生自ら出演、
夫役(&ピアノ演奏)は、同じ「24条の会」スピーカーを務めた南和行弁護士(当会会員)です!

24条の会スピンオフ?いやいや嬉しい限り!なんて言いたいところだったのですが、
本当に秘密保護法の下で私たちが生活する羽目になったら…笑えません。

しかし、私たちが黙ってしまったら終わりなのです。
弁護士を呼んでの学習会、デモ、風刺、何でも使って反対の声を上げ続けることは、
決して無駄になるものではありません。

あきらめずに、秘密保護法を廃案に持ち込みましょう!



国民の声は届くのか?


 本日、特定秘密保護法案が参議院特別委員会と
本会議にて強行採決される可能性が高まってきました。


  最後の最後まで、同法案を支持する国会議員の、
政治家としての良心、人としての良心に懸けましょう。


  ねじれ国会が解消されたとは言いますが、実は新たな
ねじれ国会の誕生だった、とは思いませんか?
国会の中と、国会の外で、多数派が違う、という「ねじれ」です。


  夏の参院選の時、自民党は何を訴えていたか、思い出して
みましょう。

 https://www.jimin.jp/policy/manifest/ (自民党の選挙公約)


  ねじれ解消とデフレ脱却、経済活性化、復興支援、ですよね。
 実際、争点などそれしか無かった気がします。
 選挙で自民党を支持した方々は、景気回復を願って票を
投じたのではないでしょうか。


  だって、この公約には特定秘密保護法案なんて書かれていない
のですから。


 景気回復と震災復興を国民から託されて強大な与党となった
自民党が今、民意を何一つ聞かずに、ブレーキの壊れた車のように
暴走して復興そっちのけで作り上げようとしているのが、特定秘密
保護法なのです。


  昨日の地方公聴会(さいたま市)の会場は、このような光景でした。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=550297708379282&set=a.550297178379335.1073741879.100001971724835&type=1&theater


  詰めかける市民を警察権力で威圧して排除しようとするその
姿勢からは、やはり政策に反対する勢力の表現活動=テロ、と
いう発想を感じざるを得ません。



  
 憲法の条文を2つ、ご紹介します。
第12条
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の

努力によって、これを保持しなければならない。」

第97条
「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年

にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、
過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すこ
とのできない永久の権利として信託されたものである。」
 


 おそらく、今日この日も、大きな「試練」の1つでしょう。
私たちは、私たち自身と子ども達のために、自由を勝ち取って
いかなければなりませんね。そしてそれは、私たちが希望を
持ち続けることができるか、こころざし次第で、簡単にも困難に
もなりえるのです。

2013年12月3日火曜日

明日、突然の地方公聴会(さいたま市)開催!?



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131203-00000119-jij-pol

 さきほど、特定秘密保護法案を審議している参議院国家
安全保障特別委員会において、与党が突然「明日、さいた
ま市において地方公聴会を開催する」という提案をし、野党
の猛烈な反発のなか、与党の賛成多数で議決されました。

  衆議院において、ただ一度だけ開催された公聴会が、
すべての公述人が慎重ないし反対の意見を述べたという
結果を出し、そしてその成果は一切審議に反映されずに
強行採決されたことは記憶に新しいことです。
    要は、公聴会は「みんなの意見を聞きました」というアリ
バイ作りでしかなかったのです。

  その公聴会を突然明日開く、とは。
 
 
 しっかりと国民から意見を聞きたいならしっかり念入りに
公聴会の準備(どなたに来てもらうか、そもそも...どなたが
来られるのか)をするのが筋ですが、その姿勢が全く無い
ことは明らかです。
 
 
 アリバイ作りにもほどがあります。
 
 
 
 民意を軽視していては、「国民の代表者」の資質が問われ
ます。民主主義国家の政権与党として、世界に恥じることなく、
「国民の代表者」のつとめを果たそうという志があれば、この
ようなずさんな審議はできないはずです。
 

  皆さん1人ひとりが、主権者としての誇りにかけて怒って
いい時なのではないでしょうか。

特定秘密保護法案の衆院強行採決に強く抗議し、同法案の廃案を求める声明


 2013年11月26日、特定秘密保護法案が衆議院において
強行採決されました。「明日の自由を守る若手弁護士の会」は
この採決に強く抗議し、参議院での廃案を求めます。


 言うまでもなく、民主政治とは主権者国民の厳粛な信託に
よるものであり、政府が保有する情報が国民に開示されること
は、民主政治の前提です。情報を得て議論と思索を重ね、
そして新たな情報(表現)を他者へ発信する、このサイクルが
機能して初めて、民主政治のシステムは有効になるのです。
  特定秘密保護法案は、情報を国民に与えないことでこの
サイクルを機能不全に陥らせ、日本国憲法の支柱たる民主
主義と国民主権原理を侵害するのみならず、国民の基本的
人権を侵害し、国際社会からの信頼を喪失させるものに他な
りません。


 同法案の危険性は、衆議院での審議において浮き彫りに
なりました。広範な特定秘密の指定によって「知る権利」を
制約するのみならず、国会議員の国政調査権すら及ばなく
することで国会の権限を大幅に制限すること。広範かつ不
明確な犯罪類型と処罰を規定し(罪刑法定主義に真っ向から
反し)ていること。行政機関の長の恣意的な特定秘密の指定
に歯止めをかける方策にほとんど実効性がないこと。特定
秘密に触れる極めて多くの公務員と民間人並びにその家族・
関係者の身辺調査がなされてプライバシーが侵害されること。
等々、そのどれ一つとっても、それだけで十分に民主主義と
人権保障の原則に重大な影響を及ぼすものです。
 これらの重大事項につき、政府与党から誠実な答弁は

ついに一度もなされることはありませんでした。また、一度
しか開催されなかった公聴会においては与党推薦の公述
を含むすべての公述人が同法案に反対ないし慎重な意見を
述べたにもかかわらず、政府与党はその成果を一切法案に
反映させることなく、衆議院での採決を強行したのです。
  私たちは、同法案自体がはらむ非民主的性格を先取りする
かのような、主権者をないがしろにする政府与党の姿勢を許す
ことはできません。


 刑罰を振りかざして主権者・メディア・ジャーナリストを情報から
遠ざけることはすなわちこれらを政治から遠ざけることです。
真実を知った上で政治を語ることをタブーとする社会がどんな
顛末を迎えるか、私たちは68年前にそれを自ら経験したはずです。
それは決して我が国内部における民主主義の劣化の問題にとど
まらず、諸外国との信頼関係にも重大な悪影響を及ぼすでしょう。
国連人権理事会特別報告者や国連人権高等弁務官が相次いで
同法案に対する懸念を表明し、米有力紙が相次いで社説や記事
で同法案を批判したことは、まさに同法案が国際社会全体へ重大
な悪影響を及ぼすことの証左です。


 当会は、立憲主義と民主主義を擁護して自民党の改憲草案の
危険性を訴える立場から、かような重大な危険をはらむ同法案の
拙速な強行採決に強く抗議するとともに、民主主義と本質的に
相容れない同法案の廃案を求めます。



            2013年12月3日 明日の自由を守る若手弁護士の会
                                                             共同代表 神保 大地
                          同   黒澤 いつき

特定秘密保護法案 国連人権高等弁務官までもが懸念表明!



 報道によると、2日、国連のピレイ人権高等弁務官が、
特定秘密保護法案を

「『秘密』の定義が十分明確ではなく、政府が不都合な
情報を秘密扱いする可能性がある」


「日本の憲法や国際人権法が定める情報へのアクセス権
や表現の自由に対する適切な保護規定を設けずに、法
整備を急ぐべきではない」


と批判した上で、「政府と立法府に対し、国内外の懸念に
耳を傾けるよう促す」と述べたとのことです。


  国連人権理事会特別報告者に続いての国連からの
警告です。
 この意味の重さを、政府与党はかみしめなければなりません。


 私たちの声は確実に世界へ届いています!
 皆さん、これを追い風にして、会期末まで決して諦めることなく声を上げ続けましょう。
 以下は、関連記事一覧です。




 <朝日>

http://www.asahi.com/articles/TKY201312020479.html

<日経>

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0203J_S3A201C1FF2000/

<時事>

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013120300024

<毎日(共同)>

http://mainichi.jp/select/news/20131203k0000m030163000c.html

<Global Post>

http://www.globalpost.com/dispatch/news/kyodo-news-international/131202/un-rights-chief-urges-japan-hear-public-concerns-secre

2013年12月2日月曜日

12月3日緊急記者会見のお知らせ


緊急記者会見のお知らせです。
 メディア各社におかれましては、ぜひ取材にお越し下さい
ますよう、よろしくお願い申し上げます。
 以下、プレスリリースを貼り付けます。


 *~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~

プレスリリース

緊急記者会見のお知らせ
 


 「特定秘密保護法案衆院強行採決への抗議声明発表 
ならびに 
 米大統領・国際主要機関等への書簡送付のご報告」
 



 拝啓 
 貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
 このたび、「明日の自由を守る若手弁護士の会」は
急遽明日(12月3日)、表題のとおり記者会見を開催
いたします(詳細は下記のとおり)。貴社におかれまし
ては、ぜひ取材にお越し下さいますよう、よろしくお願
い申し上げます。
  まずは、略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます。          
                                敬具                                                      


日時: 12月3日 14時10分~

場所: 東京弁護士会502会議室
        (東京都千代田区霞が関1丁目1番3号 弁護士会館5F)



 <会見趣旨>
  特定秘密保護法案の成立を急ぐ政府与党は、参院でも
成立への強硬姿勢を変えません。
     国会審議の過程で、同法案の欠陥・問題は相次いで指摘
され、もはや同法案が民主主義と本質的に相容れないもので
あることは明白になりました。
  メディア各社の世論調査においても、「今国会での成立に
こだわらず、慎重な議論を求める」意見が圧倒的多数という
結果が出ています(パブリックコメントや公聴会の結果もまた同じ)。
これら民意をすべて無視し、「議席数の暴力」ともいえる強引な
採決で成立を急ぐ政権与党は、民主主義への無理解甚だしく、
到底許されるものではありません。
 

  同法案への国際的な批判も日々高まるばかりで、国連や
米有力紙が相次いで同法案へを批判しました。他国の審議中
の法案について批判するという異例な行動は、それだけ同法案
が国際的に見ても危険であることの証左です。日本の国際社会
における孤立化を招くのみならず、東アジアとの緊張関係を必ず
や悪化させ極東軍事バランスを壊しかねない等、世界(なかんず
く東アジア)情勢への重大な影響が懸念されます。


   当会は、自民党の改憲草案を危惧し、立憲主義と民主主義
を擁護する立場から、①同法案成立に反対し、衆院強行採決へ
抗議する声明を3日発表いたします。
  ②また、上記懸念から、諸外国にも同法案が単に他国の
非民主化の問題にとどまらず、自国含む世界情勢に少なから
ぬ影響を与えるという問題意識を持ってもらうべく、米国オバマ
大統領、IBA(International Bar Associaton)、ツワネ原則起草に
関わった国際機関等へ向けて、同法案の紹介と、それへの反対
の意思表明にご協力いただく書簡の送付についてご報告致します。



 明日の自由を守る若手弁護士の会
  共同代表 神保大地(弁護士、さっぽろ法律事務所)
  共同代表 黒澤いつき(元弁護士)
   

HP http://www.asuno-jiyuu.com/  
FB http://www.facebook.com/asunojiyuu  
TW http://twitter.com/asuno_jiyuu


 【連絡先】
  太田啓子(弁護士、横浜合同法律事務所)
  TEL: 080(2050)7490  email: kkotokr@gmail.com

特定秘密保護法案 どこまでも拡大解釈できる『テロリズム』


 報道によれば、石破茂自民党幹事長は、ご自身のブログで
国会周辺デモを「テロ行為とその本質であまり変わらない」と
表現したことにつき、「(デモを)『テロ』と同じとみたという風に
受け取られる部分があったとすれば、そこは撤回する」「表現
が足りなかったところがあればおわびしないといけない」と
述べたとのことです。

 表現が足りない、というのはどういうことなのか、よく分かりま
せん。石破氏は上記発言と共に、なおも国会周辺デモについて、
「人が恐怖を感じるような音で『絶対にこれを許さない』という形
で訴えることが、民主主義にとって正しいことか」と述べました。
 その上で、ブログも訂正されました。
http://ishiba-shigeru.cocolog-nifty.com/


 言うまでもなく、デモは、権力に対して圧倒的に弱い存在である
国民一人ひとりが持つ、数少ない有効な表現手段です。国民の
正当な政治的意思表明をなおも敵視する同氏に、果たして「正し
い民主主義」を語る資質があるのか疑わしいと言わざるを得ません。


 脱原発デモが、TPP反対デモが、
  テロ行為と本質において変わらない?
 民主主義にとって正しいことではない?


 (その一方で、朝鮮人殺せ、などと聞くに耐えないヘイトスピーチ
について何も言及しないのです。)


 どの世論調査でも「今国会での成立にこだわらず慎重な
審議を求める」が圧倒的多数との結果が出ています。
   9万件寄せられたパブリックコメントの8割が同法案への
反対意見でした。
   そして公聴会は自民党推薦含むすべての公述人が、同
法案への慎重ないし反対の意見でした。
   それらすべてを無視して、単なる「議席数の暴力」で強硬に
採決を進めることは、それこそ「民主主義にとって正しいことか」
と自ら振り返るべきではないでしょうか。


 訂正されたブログでは、「整然と行われるデモは民主主義
にとって望ましい」けれども、「一般市民に畏怖の念を与える
 ような手法でのデモは、民主主義とは相容れないテロとの
共通性を感じる」と述べています。


 デモが「整然と行われている」か「一般市民に畏怖の念を
与える」か、石破氏自身は明確に区別できる才能をお持ち
のようですが、少なくとも同氏にとって、今の国会周辺デモは、
やはり民主主義とは相容れないテロとの共通性を感じるのだ
そうです。


 自民党の改憲草案では公の秩序を害する表現行為は認め
られないことになっています。同氏のブログはそのことと全く
同じ事を述べているわけです(特定秘密保護法案の成立が実
質的な改憲であることが分かりますね)。

 同氏の進める政策への反対を訴えるデモがテロと同視で
きるなら、選挙時に同氏と反対の政策を訴える街頭演説も、
「その演説は一般市民に畏怖の念を与える」と行政(警察)が
認定してテロ行為と同視されてもおかしくありません。それを
テロ対策として特定秘密にして「どんな政策を演説したら捕
まるか分からない」社会にするつもりでしょうか。


 同氏が「せっかく」テロについて言及してくれたので、特定秘
密保護法案の「テロリズム」の定義(同法12条2項1号)を
ご紹介します。


 <テロリズム>
 政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人に

これを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で
人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動


 分かりやすく分割すると、
① 政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要するための活動
② 社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷するための活動
③ 重要な施設その他の物を破壊するための活動
 この①~③どれかに当てはまれば、「テロリズム」なのです。



 「テロリズム」と見なされれば、それを取り締まるための行政・
警察の内部情報は特定秘密に指定されます。
 石破氏の発言は、同法案の成立によって、政府の政策に反対
するデモが①と見なされてしまうことを表しています。


 特定秘密保護法案を是が非でも成立させたい政府与党は、
同法案で国民に情報を渡さないことで国民を政治から遠ざける
のみならず、政権党にとって都合の悪い国民の活動を手当たり
次第に取り締まって制圧することを目的にしている、と言って
過言ではありません。これが本音なのでしょう。

 同法案が成立すれば、日本の国際社会における孤立化は
避けがたく、国民の人権保障が不十分な中国や北朝鮮を
非難する資格を失います。
 成立させるわけにはいかないのです。