2017年3月31日金曜日

「核なき世界」を目指す。リアリストとして目指す。



 最新のニュースというわけではありませんが、目をそらしては
いけないので…


●核兵器禁止条約交渉 日本は不参加を表明(NHK)...
http://www3.nhk.or.jp/ne…/html/20170328/k10010927011000.html
 
 

核兵器を法的に禁止しよう、という初めての条約の制定に向けた
交渉がニューヨークの国連本部で始まりました。
 アメリカなど、核保有国が参加しないばかりか、
 日本も、参加しませんでした。



 日本は、参加しない理由について、こう述べました。
 核軍縮は核兵器の保有国と非保有国が協力して行うことが不可欠で、

「建設的で誠実な形で交渉に参加することは困難だと言わざるをえない」。
 核保有国が参加しないまま、核兵器禁止条約を作ることは、世界の

分断につながるというのです。


 は…(-_-;)?


 私個人は、この理由を聞いた時に、まさに「は…?」と二の句が
継げない状態に陥ったのですが、皆さまはどう思われましたか。
 「これ、(唯一の被爆国である)日本の出番じゃなくてなんなの」、
という怒りの声に対し、冷笑なさいますか? 


 「そりゃそうっしょ。結局核保有国が参加しないんなら意味ないん
だから。」
 「大人になんなさいよ、それが現実っしょ。」

 こういった「リアリスト」な声、ちまたに溢れかえっています。
 
 そういう、戦争放棄と「核なき世界」をユートピアで頭の中お花畑だ、
と冷笑する声に押され続けた、瀕死の憲法9条があります。
 瀕死ですが、まだ死んではいません。
 まだ死んではいないのです。


 ほんとうに死なせるかどうかは、私たち主権者国民次第です。
 

 抑止力だと言って核兵器を持ち続け、しかも増産し続けて、それを
お互いチラつかせながら薄氷踏む感じでパワーバランスをとって
作り笑いの「平和」を仕立てあげる。


 それのどこが、平和なんでしょうか。



 未来永劫、人類には、この作り笑いの「平和」しかないというのでしょうか。



 なぜそれを受け入れるのが、「現実主義の大人」なのでしょう?



 ともすれば全世界が吹っ飛んで自分も家族も恋人も友達も放射能で
身体がぼろぼろになって苦しみながら死にかねない、そんな未来を
望む人がいるとは思えません。
 自称「リアリスト」の方々は、自分の家族や大切な人のそんな無惨な
未来の可能性を想像できてもなお、「そんときはそんときっしょ」と諦めて
いるのでしょうか?


 やったらやり返されるのですから、「自分の国だけは安全」なんてわけ
もなく、放射能汚染は国境を軽く飛び越えるので、一度どこかでボタンが
押されたら、最後です。
 日本の現政権は大好きな集団的自衛権を行使したくてたまらないので、
アメリカの戦争には喜んで参戦するでしょう。

 核と人との共存は、不可能です。

 それこそが現実です。


 だから核兵器は廃絶しなければならないし、廃絶できます。


 核保有国が参加しないんだから意味が無い?世界の分断につながる?
 そんなわけありません。


 核不拡散条約の再検討会議(2010年)では、「核のない世界」達成
への枠組みを見据えた確認が、全会一致でなされました。
核保有国からも、コンセンサスを取っていたのです。
 トランプ大統領が核兵器増強などを言い出し、この確認をいきなり踏み
にじったりしている現実に、黙っているわけにはいかない他国が、前向き
に粛々と「核なき世界」を目指そうと一歩進もうとしている今、日本が持ち
出した「不参加の理由」は、なんの言い訳にもなっていません。


 アメリカの反感を買うのがこわい、というのが本音かしらと勘ぐりたくも
なりますが、もし本当にそうであれば、その属国根性はなんなんだと、
ちょっと締め上げたくもなります。
 誰よりも核の恐ろしさを知っているはずの日本が、「とにかく前に進もう
じゃないか!核保有国も説得しようじゃないか!」と率先して奮起して
会議をまとめ上げるくらいの気概が、なぜ見せられないのか。


 ふがいなさ過ぎて…世界からの冷たい視線にも、返す言葉がありません。


 日本国憲法の前文を、改めて読み返しましょう。

<日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する
崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正
と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
 われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠
に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占め
たいと思う。
 われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和
のうちに生存する権利を有することを確認する。>



 この前文と9条を見た時、核兵器禁止条約の交渉に参加しないことを
決めた現政権が、「憲法を無視している」「憲法を踏みにじっている」
ことは、誰にでも分かります。


 憲法は私たち国民のもの。交渉不参加は、私たち国民への侮辱をも
意味します。


 「どう考えてもおかしい」と、ぜひ、その思いを、その怒りを、国会と
メディアに届けましょう。
 思っているだけ(怒っているだけ)では、世界は変えられません。
 新聞への投書、国会議員へのFAX、TV局へのご意見メール、
一人でも家にいてもできる「不断の努力」はたくさんあります。


 核なき世界しかないんだ、という真のリアリストとして、声を上げてみて下さい☆

2017年3月30日木曜日

やや日めくり憲法 40条(刑事補償)



今日は3月31日です。
4月1日の前日ということで、今日は憲法40条を取り上げます。
 まずは条文をチェックしましょう。


日本国憲法40条〔刑事補償〕
  何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受け
 たときは、法律の定めるところにより、国にその補償
 を求めることができる。


 正当な理由がなければ逮捕されたり、勾留されたりすることは
ないという権利は、憲法34条に定められていましたね。
これは逆に言えば、一定の正当な理由があれば、国は私たち市民を
逮捕することができる、ということでもあります。


 でも、「逮捕された=有罪」ではありません。
 逮捕された人は、裁判で無罪を主張することができます。
検察官は有罪を立証できない限り、無罪判決が言い渡されます。


 でも、無罪判決が出るまではとっても時間がかかります。
 ただでさえ、それまで逮捕・勾留されていた人は、いろいろな
自由を奪われています。
 自由に出歩くことができません。仕事をすることもできません、
捕まったままで働けなければ、職を失う可能性も低くありません、
家族や友人と自由に過ごすこともできません。
残念ながら日本はいまだに「逮捕されたんだから有罪なんだろう」
というイメージが根強く、「あの人、逮捕されたんだってー」という
噂が広まるだけで世間の信用も失ってしまいがちです。

なので、たとえ無罪判決を言い渡されたとしても、逮捕・勾留
されている間に失われた時間や生活は、もう戻ってきません。

  そこで、憲法40条は、逮捕・勾留されていた人が無罪判決を
受けた場合は、国に対して経済的な補償を求めることができること
を定めています。自由を奪われていた日数に応じて、1日あたり
一定のお金が支払われることになっています。


 この仕組みが憲法で定められていることは、とても重要です!
 
 もし、憲法で定められていなければ、法律でこの制度を廃止でき
ちゃいます。そんなことになったら大変です。
 時の政府が、政府にとって邪魔な人物を、裁判で無罪になるだろう
と思いながらも、とにかく逮捕して自由を奪う、なんていうことを
したとしても(ヒドイですね)、国はなんにも補償をしなくてよい
です、ということになりかねないからです。

  このような規定は世界的にも珍しく、他にはイタリアの憲法に
あるくらいです。さすが日本国憲法!

 政府の横暴を許さないための立憲主義に基づく規定ですから、不断
の努力で守らなければいけませんね。


2017年3月24日金曜日

『テロ等準備罪』!? 無害なフリしちゃってポイント解説 ④


 気心しれた仲間だけで、食事をしたりお茶やお酒を飲んだりする時間。
 仲間内しかいないLINEのグループチャットで盛り上がる時間。
 楽しいですよね。
 目上の人に気兼ねする必要のない、本当に信頼しあえる人たちだけで
会話ができることは、日々緊張を強いられる現代社会のオアシスのような
ものです。

 そんな仲間内に、実はスパイがいるかもしれない。
自分たちの発言を録音して、警察に密告する輩が潜んでいるかも
しれない、としたら…
 別に犯罪をたくらんでいるわけではないとしても、なーんかムズムズ
しませんか?
 「やりにくいなぁ」「居心地悪いなぁ」って思いませんか?

 今日、車を運転した人。
 絶対に一度も、スピード違反も一時停止違反もしなかった!と、言い
きれますか?
 パトカーが堂々と走って監視しているのも、それはそれでなーんか
嫌だなぁ…と思いますが、
 コッソリ隠れて監視する覆面パトカーや、「ネズミ捕り」に捕まって、
 「ちぇっ、ずるいぞこいつら」て思ったことはありませんか?

 ほら。
「私は後ろめたいことなんて何もないから、監視されても構わない」
なんて、嘘でしょう?

 共謀罪ができると、警察の捜査は「監視」がメインになるんです。


 だって、「共謀」と「準備行為」があれば犯罪が成立したことに
なっちゃうんですよ。
 そこに、死体も、金庫がこじ開けられた跡も、足跡も、指紋も、ない
ですよね?
 そうすると、警察が共謀罪の「犯人」を捕まえようとすれば、
 共謀(つまり、会話とかLINEとか目配せとか)と、その後その人が
何をするか(「準備行為」らしき何かをしないかどうか)を監視しなくては
ならないはずです。


 そのためには、盗聴とかもそうなんですが、
グループの会話の中にスパイを送り込むのが、確実です。
「あの集まりは、本当は「組織的犯罪集団」かもしれないから、警察の
息のかかった人間を送り込んで監視させよう」
そんなことが、好き放題にできるようになったら、どうですか?
勝手に疑われて、勝手にスパイを潜り込まされて、気心知れた仲間
だけの時間を奪われる。
これでは、愚痴も言えなくなってしまいます。
あなた自身に心当たりがないからといって、監視対象にならない保証
なんてありませんよ。
友だちが、デモや集会に参加したことがあるかもしれないし、その親や
配偶者がそうかもしれません。
そんなことを、いちいち心配しながら暮らさないといけないなんて、
やってられますか?

 共謀罪の条文案には
「実行前に自首した者はその刑を減軽し、または免除する」という
「自首減免規定」が盛り込まれています。
 つまり、密告スパイが警察に「自首」してしまえば、
 スパイ本人は助かる一方で、その他大勢が一網打尽!なんてことも
あるのです。

 それに、さっきまで仲間だった人が、急に捕まるのが怖くなって、
自分だけ助かろうと密告者に変身してしまうこともあるかもしれません。
あるいは、別の目的を持って…(密告が、本当だなんて保証はどこにも
ありませんからね)


 前回とまったく同じ話をします。
 警察官が、知人を通じて一般人に拳銃を密輸入させて、要するに
自作自演で犯罪をでっちあげた上に、みんなして裁判でウソを言って
ごまかそうとした(だまされて拳銃を持ってきちゃった人が懲役2年に
なった)って事件が過去にありまして、その再審無罪判決が、今年の
3月7日に出されたばっかりなのです。

 警察って、犯罪のでっちあげをすることがあるんです。現実に。
 共謀罪ができたら、こういうことが今以上に簡単に、できるようになりますよ。


 権力にとって都合の悪い人がいる集団を、陥れるために「共謀罪」を
でっちあげる。
 そんなことができる権限を、警察に与えたら大変なことになりかねません。
「私は、権力にとって不都合な言動なんてしないから大丈夫…」と今は
思っていても、人生って、いつなんどき何があるか分からないものです。
 3.11をきっかけに、それまで考えもしなかったのに、デモや集会に行く
ようになった人がたくさんいるんです。

 あとで無罪になったって、留置場で勾留されていた時間は戻って来ません。
 この時間で、人が失うものって、ものすごく大きいです。
 (通勤しながらこれを読んでいるあなた、「痴漢冤罪で捕まったって、
10日で出られるなら問題ないよ」って言われたら納得できますか?)


 後ろ暗いところなんて無いつもりでも、監視の心配をしながら過ごさなきゃ
いけない社会なんて、居心地が悪すぎるじゃありませんか。


2017年3月23日木曜日

『テロ等準備罪』!? 無害なフリしちゃってポイント解説 ③


「テロ等準備罪」って言われたら、
「準備行為までするなんて悪質だから捕まって当然じゃん」
って思っている方、いませんか??
 
確かに、
殺人罪の準備行為であるナイフの準備は「殺人予備罪」という犯罪です

強盗罪の準備行為である脅し用の拳銃の準備も「強盗予備罪」という犯罪です

 

でも、共謀罪でいう「準備行為」って、そういう危険な行為じゃないんです




共謀罪の条文案には

『資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為』
って書いてあります

 

「資金の手配」って、例えばATMでお金降ろす行為は、なにも危険じゃないですよね?

「物品の手配」って、たとえばホームセンターで「ロープ」を買う行為そのものは、何も危険じゃないですよね?

「下見」だって、外から見れば散歩しているのと変わらないわけで、何も危険じゃないですよね?

ほかにも

「宿泊や交通機関の予約」だって「SNSでのやりとり」だって、何も危険じゃないですよね?

 

でもでも

ATMでお金を降ろしたり、

ホームセンターに行って本当は自宅の庭で使うロープを買い物したり

散歩をしたり

宿泊予約をしたり、飛行機や新幹線の予約をしたり

SNSで「いいね」押したりしたら

『計画をした犯罪を実行するための準備行為』
って言われちゃう(危険がある)んですよ~


 

結局、なんでもかんでも準備行為なんですよね。

 


そこまでやる? んなわけないでしょ?

って思いますよね!?

 

でもでも、
冤罪っていまだに無くならないですよね?


最近も、人違いで犯人だと言われた人(当然事件とは全くの無関係な人)が無罪になった事件がありました。


警察官が、知人を通じて一般人に拳銃を密輸入させて、要するに自作自演で犯罪をでっちあげた上に、みんなして裁判でウソを言ってごまかそうとした(だまされて拳銃を持ってきちゃった人が懲役2年になった)って事件が過去にありまして、
その再審無罪判決が、今年の3月7日に出されたばっかりなんです。

 

残念ですけど、権力者は「そこまでやる?」みたいなことをやっちゃうのです

人間は弱いですからね

 

だから憲法があるのです(立憲主義!)

 

権力は、暴走するんです。

共謀罪は、その暴走を加速しちゃうかもしれません。

そうなったら、次の被害者は、

いまこの瞬間、SNSを見ているあなたかもしれません。

2017年3月22日水曜日

『テロ等準備罪』!?無害なフリしちゃってポイント解説 ②


 政府は、テロ対策のためには「国際組織犯罪防止条約」を
締結する必要がある、「テロ等準備罪」を成立させないと、
条約を締結できないし、2020年の東京オリンピック・パラリン
ピックも開催できないと言っています。

 「たしかに、テロ対策は必要だよね」とか「東京オリンピック・
パラリンピックが開催されなきゃ困る!」と思ってしまうかも
しれませんね。でも、「本当にそうなのかな?」と立ち止まって
考える必要があります。


 そもそも、「国際組織犯罪防止条約」(別名「パレルモ条約」)は、
マフィアのマネーロンダリング(資金洗浄)などの経済犯罪を国際
的に協力して防止することを目的としたもので、テロ対策の条約
ではありません。

 それとは別にハイジャック防止条約とか爆弾テロ防止条約など
テロ防止のための条約は13個もありますが、日本はその13個
ぜーんぶ締結しているのです。


 テロ対策の法律も既に整備されています。
 内乱罪や殺人罪など70以上の重大な犯罪については、今でも
共謀や予備の段階で処罰できます。ハイジャック犯がハイジャック
の目的で航空券を予約する行為はハイジャック防止法の航空機
強取等予備罪で処罰できますし、サリン等の毒物を作るために
薬品を購入する行為は殺人予備罪やサリン等人身被害防止法
予備罪で処罰できます。
 ね、もうテロ対策の法律は、できているのです。


 実は、この「テロ等準備罪」の法案、原案では「テロ」という文言
自体どこにも書かれていませんでした。
共謀罪とはまったく別物の「テロ等準備罪」だよと言ってるわりには
「テロ」の言葉がどこにもないとかいって、おかしすぎるだろ、やっぱり
「テロ対策」なんてウソじゃないか!と猛批判が巻き起こり…
急遽、政府は法案の「組織的犯罪集団」という言葉の前に「テロリズム
集団その他の」という文言を付け足しました。
 なにこの「怒られたから書きました」感…(-_-;)

 ただ書き加えただけなので、「テロリズム集団」の定義はありませんし、
「その他の」ってあるから、本当にテロ対策なのかどうか結局あいまい
なまま…


 実際、テロ等準備罪(共謀罪)の対象となる犯罪は277もあるの
ですが、テロとはまっったく関係ない犯罪も半数以上含まれている
のもドン引きポイントです。
 例えば、原発に反対している市民団体が、原発再稼働を進める
電力会社に抗議の意志を示そうと思って、電力会社前での抗議
行動を計画し、メンバーの一人が訴えをするためのハンドマイクを
購入すれば、「組織的威力業務妨害罪」の準備行為をしたという
ことで計画に加わった人全員が処罰される可能性があります。
なにそれどこがテロ…みたいな。


 「テロ対策」のために本当に必要なことは何?、「テロ等準備罪」が
導入されると逆にどんなデメリットがあるの?、こういったことをこれ
からの国会の議論で見ていかなければいけませんね。

 考えていくとっかかりとして、あすわかのチラシはオススメです☆



 大好評のチラシ「『テロ等準備罪』とか言っちゃって!」、全国各地で
ご利用いただいております(^^)/♪


2017年3月21日火曜日

『テロ等準備罪』!?無害なフリしちゃってポイント解説 ①


 今日、共謀罪から名前を変えた「テロ等準備罪」の法案が、
閣議決定されました。


● 「テロ等準備罪」新設法案を閣議決定(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170321/k10010918751000.html?utm_int=news_contents_news-main_001&nnw_opt=news-main_a


 金田法務大臣は、「法案は処罰の対象となる団体を明文で
『組織的犯罪集団』に限定することで、一般の会社や市民団体
といった正当な活動を行っている団体が適用対象とならないことを、
一層、明確にしている」と述べたそうです。

 菅官房長官も言ってました。
 「一般の方々が対象になることはあり得ない」

 
 よく、こう報道されていますね。
 あくまでも、一定の犯罪の実行を目的とする「テロリズム集団その他
の組織的犯罪集団」が団体の活動として、重大な犯罪の実行を計画
した時にしか、テロ等準備罪(共謀罪)は成立しません、って。


 「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」…
 いかにも、それっぽい人しか関係ないように見えます。
 善良な一般市民である私にもあなたにも縁遠いもののように感じます。
 でも、ここに大きな大きな落とし穴があります。
  

 テロリズム集団その他の「組織的犯罪集団」というのは、なにも、
犯罪を行うためにあえて結成された集団だけを言っているのでは
ありません。
 市民団体、住民団体、NPO、NGO、労働組合、漫才コンビ、夫婦、
ママさんバレーチーム、アイドルグループ…平穏な社会にいくらでも
存在する、ごくごく普通の「複数人の集まり」は、なんでも当てはまり
ます。
 その普通の団体の、内部の会話やコミュニケーションに注目して、
捜査機関(警察)が、「このやりとりは、犯罪を計画するやりとりだ!」
と認定してしまえば、その瞬間に、その市民団体も、ダンスボーカル
ユニットも、兄弟も、「組織的犯罪集団」と見なされてしまうからです。
 

 「この団地の裏の大きな森が、国道を通すために伐採されちゃうん
だって!」「さっそく工事始まるらしいよ」「おかしいよね、なんの説明
もないし!明日は現場に担当者来るっぽいよ」「それ、ちょっとひどいよ、
直談判してみようよ」
 団地の住民が集まる管理組合で、こんなやりとりがあれば、
「組織的な威力業務妨害罪」の共謀だ、と見なされかねません。
 この瞬間に、管理組合は、「組織的犯罪集団」と言われてしまうのです。


 企業や役所に「おかしい!」と声を届けよう、というアクションを起こ
そうとすれば,とたんに「組織的な威力業務妨害罪の共謀」なんて
おどろおどろしい認定をされるなんて、あまりにも理不尽だな、って
思いませんか。

 だって、そんなの昨日まで普通にやってたことだし!

 業務妨害してやろうとか、そんなこと思ってないのに!

 ただ、おかしいことをおかしいって訴えたかっただけなのに!

 アポをとりたくてもとってくれないから、直談判するしかないのに!


 …一般人が、この「テロ等準備罪」によって、かんたんに「組織的犯罪
集団」として犯罪者扱いされていくことが、容易に想像できます。
 
 「そんな悪いこと、政府は考えてないよ。」
 「考えすぎでしょう。」
 政府を信頼して、楽観視する人も少なくないかもしれません。
 
しかし、戦後民主主義の70年間、警察(捜査機関による)法律の濫用、
犯罪のでっちあげ(えん罪)、市民運動の弾圧は、まっったく無くなりま
せん。袴田事件など、証拠をねつ造して無実の人が殺人の罪で何十年
も牢獄に閉じ込められたり、沖縄の米軍ヘリパッドの建設に反対する人が、
悪性リンパ腫を患っていて逃げも隠れもしないことが明らかなのに、
不当に逮捕されたあげく5ヶ月も勾留されたり。

 残念ながら、捜査機関や権力の「善意」「正義感」をただただ信頼して
いれば平穏に暮らせる社会とは、ほど遠いのが、現実です。
 ですから、濫用の危険がある、人権が侵される危険のある法律は、
絶対に作らせてはならないのです。


 「テロ対策」とか言っちゃって… 対象は、「全国民」です。
 すべての一般人が対象になり、コミュニケーションと心の中が監視
される。それが「テロ等準備罪」です。


2017年3月17日金曜日

3月22日(水) 「共謀罪って何?」@富山県高岡市☆



  21日にも閣議決定されてしまいそうな共謀罪(テロ等共謀罪)。
テロ対策には役に立たず、「条約締結に必要」「オリンピック開催
に不可欠」という理由もハッキリ言ってウソ。
 それどころか、捜査機関の胸先三寸で犯罪がでっち上げられ
かねない、治安維持法のような怖い法律です。
 人の心に踏み込み、内心の自由やプライバシーをズタズタに侵す、
憲法違反の共謀罪。
 ぜったいにこんな法律を作らせるわけにはいきません。

 富山県の高岡市で、この共謀罪(テロ等準備罪)の危険性を学ぶ
学習会が開催されます。ぜひ御参加下さい!


*・゜゜・*:.。..。.:*・*:゜・*:.。. .。.:*・゜゜・**・゜゜・*:.。..。.:*・*:゜・*:.。


 学習会「共謀罪って何?」


日時: 3月22日(水)19:00~


場所: 佐野公民館2階(高岡市佐野276-5)


講師: 坂本義夫 弁護士
    (明日の自由守る若手弁護士の会)



主催: 南条・9条の会


資料代: 300円お持ちください。


連絡先: 近藤0766-63-4420 金平0766-21-8228
* どなたでも自由に参加できます。


2017年3月16日木曜日

3月18&19日 小谷弁護士の憲法カフェ@島根県益田市☆



 稲田防衛大臣が、ずっと「破棄した」と答弁し続けていた自衛隊
(PKO部隊)の日報について、こんな報道が出ました。

●「日報」 陸自が電子データを一貫して保管 “消去”指示か(NHK)
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170315/k10010912591000.html


 自衛隊は、「破棄したんだけど別の部署で見つかった」と説明して
きましたが、実際には陸上自衛隊が日報のデータをずっとちゃんと
保管していたのだそうです。
 しかも、「今さら出せないし」と隠し続け、先月になってデータ消去
の指示が出されたのだそうです。

 これを…隠蔽っていうのですね。

 情報を得て、議論を繰り返すことが、民主主義を正常にまわす
大前提なのに、その情報を、政府の胸先三寸で隠されたり破棄
されたり…民主主義の破壊が、現実的に始まってしまっています。

 この国の主権者は、私たち国民です。
 国民の命や生活は、政権を握っている人たちの私物ではありません。
 今こそ、憲法を知ってみる、絶好の機会です。
 今週末、島根県の益田市で憲法カフェが連日開かれます☆
講師は、大人気の小谷成美弁護士!


*・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.:*・☆


①3月18日 憲法カフェ益田 in 二条桂正寺


☆テーマ/ 憲法ってなあに? から、
                  いまどきの改憲のはなしまで~


日時: 2017年3月18日(土)
  14:30~ 受付開始
  15:00~17:00くらいまで憲法カフェ


講師: 小谷成美弁護士
  (明日の自由を守る若手弁護士の会)


場所:  二条の桂正寺(益田市上黒谷町364-2)
  電話番号0856-29-0088


参加費: 500円


参加申込: お電話にて 080-6303-0790(岡崎)
            0856-29-0088(桂正寺)


* 益田市の市街地から18キロ離れた二条という里にあります。
 山のうえにありますが、お車で上の駐車場まで上がることは
 出来ますので、遠慮なく上がってきてくださいm(__)m。
 (ただし、道幅は細いですからお気をつけください。)



②3月19日 憲法カフェ益田 in 草花舎

☆テーマ/憲法ってなあに? から、
                            いまどきの改憲のはなしまで


日時: 2017年3月19日(日)
  9:30~受付開始
  10:00~12:00くらいまで憲法カフェ


講師: 小谷成美弁護士
  (明日の自由を守る若手弁護士の会)


場所: 草花舎(島根県益田市西平原町862-4)
  http://www.soukasha.jp
  (Tel 0856-27-0592)


☆ 参加費は無料ですが、お飲物等はご自身で
  随時注文してください。


参加申込: お電話にて 090-1685-9334(田原)
          080-6303-0790(岡崎)


* 益田市の鎌手という町にあります「ギャラリー&カフェ草花舎」
 にて行います。どなたでも参加できますが、座席に限りがあります
 ので、事前に上記の担当者まで申し込んでいただけると助かり
 ますm(__)m。


2017年3月15日水曜日

教育勅語「いいことも書いてあるよ」的な話を聞きますが(-_-;)omg



 園児に教育勅語を暗唱させている学校法人「森友学園」。
 ついこないだまで首相夫人が名誉校長になっていたり、首相自身が
教育内容を高く評価していたり、あげく、稲田朋美防衛大臣夫妻も
弁護士として深く関わっていたようですね。

 稲田防衛大臣は先日、教育勅語を高く評価して「日本が道義国家を
目指すというその精神は今も取り戻すべきだと考えている」と答弁して
いました。

 これは昨日もブログ等に書いたことですが、 
 教育勅語が、まるで、「夫婦仲むつまじく」「友達を信じ合おう」等々、
人間としての徳が書かれた「だけ」のものかのように語られることが、
ままあります。
 森友学園の理事長も、「教育勅語がどうして悪い。何かことがあった
ときは自分の身を捨ててでも人のためにがんばりなさい。そういう教育
勅語のどこが悪い」と発言していましたし、稲田大臣の答弁も、同様です。

 でも、それは大きな大きな誤解です。

 教育勅語は、人間としての徳をただ列挙したもの、ではありません。

 それらの『徳目』は、すべて「いざとなったら天皇のために命を捨てて、
永遠に続く天皇の栄光を支える」ために、身につけよ、という書かれて
いるのです。
 徳を身につける目的はすべて、天皇のために命を捨てる人間になるため。
 教育勅語は、いざとなったら天皇のために命を差し出す「忠実なる臣民」

とは、どういう人間か、を、明治天皇が臣民に「教えてくださった」もの。
 これを徹底的に国民に教え込んだ日本は、文字通り軍国主義まっしぐら
の歴史を歩むことが「できました」。
 
 どっからどう見ても、教育勅語は個人の尊厳や、自由、民主主義と
いった発想とは真逆の世界観の文書なのです。
 「いいことも書いてある」などと評価する人は、さきほど解説した教育
勅語の「本質」を知らないか、知らないふりをしているか、どちらかです。


 そんなところへ、こんな報道がありました。
    ↓
●教育勅語巡り、松野文科相「教材、配慮あれば問題ない」(朝日)
http://www.asahi.com/articles/ASK3G3DYFK3GUTIL00L.html


 松野博一文部科学相が、教育勅語について、憲法や教育基本法に
反しないような配慮があれば「教材として用いることは問題としない」と
の見解を示したとのこと。
 どういう「配慮」ある使用方法があるというのだろう(-_-;)、と、途方に
暮れる気持ちになります。
 もしかしたら、松野大臣は「教育勅語には夫婦仲むつまじくとか、
いいことも書いてある」と考えている一人なのかもしれません。
そういう夫婦や家族・兄弟・友達との愛情・友情についての「徳」を
生徒に伝えたいのであれば、教育勅語を使わなくても十分教えられます。
わざわざ教育勅語を使う必要など、あるとは思えません。

 個人の尊厳、自由、平等、民主主義、国民主権など、近代の人権
思想をベースにした学校教育の現場で、教育勅語を登場させる場面
があるとすれば、ただ1つ。70年前、敗戦まで、国民がどのような思想
に洗脳されていたか、どのような思想をベースに日本がファシズムの
道をひた走ったか、という負の歴史的証拠としてです。


 「美しい日本」「日本を取り戻す」とさかんに叫ぶ方が、教育勅語を
高く評価している傾向がある気がします。
 どんな国家を、どんな社会を思い描いて「取り戻そう」としているのか、
不安な気持ちにならざるを得ません。

2017年3月14日火曜日

3月21日(火)町田で! 『檻の中のライオン』de憲法カフェ☆



 こないだまで首相夫人が名誉校長になっていたり、
首相自身が教育内容を高く評価していた学校法人「森友学園」。
幼稚園では教育勅語を園児に暗唱させているのだそうです。


 加えて、稲田朋美防衛大臣は、森友学園の理事長の顧問
弁護士を務めていたようでもあります。
 稲田防衛大臣も、先日、教育勅語を高く評価して「日本が道義
国家を目指すというその精神は今も取り戻すべきだと考えている」
と答弁していました。



 教育勅語が、夫婦仲良く、とか、友達を信じ合おうとか、
人間としての徳が書かれた「だけ」のものかのように「評価」する方
たちがいるので、とても良くないことだなあと思います。


 それらの『徳目』は、すべて「いざとなったら天皇のために命を
捨てて、永遠に続く天皇の栄光を支える」という目的のために
身につけよ、という書かれ方をされているのです。


 いざとなったら天皇のために命を差し出す「忠実なる臣民」とは、
どういう人間か、を書いたのが、教育勅語です。


 これを徹底的に国民に教え込んだ日本は、文字通り軍国主義
まっしぐらの歴史を歩むことが「できました」。


 人は生まれながらにして自由で平等、なんて発想も、かけがえの
ない存在として自分らしく生きていける、なんていう発想も、どこにも
ない「教え」です。
 この教育勅語を高く評価する首相夫妻や防衛大臣って… 
民主主義とか自由を、むしろ毛嫌いしているのかな、と勘ぐって
しまいたくなりますね。

 そんな方たちが政権を握っている今だからこそ、憲法をしっかり
学んでおきませんか。
 自分と、大切な子どもたちの未来を守るために、憲法がどんなものか、
なにが書かれているのか、私たちにはなにができるのか、なにを
しなければならないのか…自分なりに考えてみてください。


 21日には、楾大樹弁護士がパペット両手に町田に登場!(^^)/


*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆


 ライオン=権力、檻=憲法 で語る 憲法の入門編
 「檻の中のライオン」著者の楾大樹弁護士が町田にやってくる!
 パペットを使った全く新感覚の憲法のおはなし。
 おともだちを誘って、お越しください。
 マイカップをご持参ください!


日時: 2017年3月21日10:00~12:00


場所: まちだ中央公民館
  〒194-0013 東京都 町田市原町田6丁目8-1


講師: 楾大樹弁護士
  (明日の自由を守る若手弁護士の会)


託児あり(1週間前にお申し込みください)


参加費:300円


申込先: 042-729-2296  machidakyogikai@gmail.com


主催:生活クラブ運動グループ町田市地域協議会
  多摩南生活クラブ生協「まち町田」
  まちだ憲法ワクワク学校


2017年3月13日月曜日

3月20日文京区で!『檻の中のライオン』de憲法カフェ☆


 政府は10日、南スーダンにPKO部隊として派遣した自衛隊を
撤収させることにしました。
 内戦真っ只中へのPKO派遣は、PKO派遣五原則にも憲法9条
にも反した、異常なものでした。
 南スーダンの状況は国連でも「民族浄化の危機」と報告される
ほど血みどろな状態で、政府は市民からの「こんな派遣許され
ない!」という怒りの声からも逃れなれず、撤収を決めたのでしょう
(もちろん、政府はそんなこと白状するわけがありませんが!)。


 とにもかくにも、自衛隊の命が無駄に失われることなく終わりそうで、
よかった。
 でも、こんな憲法違反の安保法制がある限り、また駆けつけ警護
のPKI派遣が繰り返されるかもしれませんから、廃止にするしか
ありません。私たち主権者が、自分なりに声を上げ続けることでしか、
民主主義は取り戻せません。
 メディアや国会議員に、安保法制への問題意識を、伝え続けましょう。
国民はずーっと、メデイアがしっかり報じるか、国会議員がきちんと
政府を追及しているか、監視していることを、知らせましょう。


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檻の中のライオンin文京区


 「わかりやすい!」と評判の話題の名著「檻の中のライオン」の著者、
広島の弁護士・楾 大樹(はんどう たいき)さんを お招きして、憲法に
ついてのお話会を開催いたします。


日時: 3月20日(月曜日・祝日)15:30~17:30
   (開場15:00)



会場:童心社ホール
   文京区千石4-6-6 童心社本社ビル内


会費: 500円(学生は無料)


講師:楾 大樹 (はんどうたいき)弁護士
   ひろしま市民法律事務所、明日の自由を守る若手弁護士の会


主催:つなぐ会


お申し込み: 下記のフォームよりお願いします。 
 https://goo.gl/forms/taHmlIC341F60J8m1


 

『テロ等準備罪』とか言っちゃって! チラシ大好評御礼♪


 「テロ等準備罪」なーんて名前を変えて、共謀罪が新設されそうに
なっています。

 きょ、きょうぼうっ。。。
 怖いじゃーん。
 テロとか凶悪犯なら、共謀しちゃってる段階で捕まえた方がいいじゃーん。
 だから新設した方がいいじゃーん。


 …って思います?

 たしかにテロはこわいですよね。
 でも、この「共謀罪」は、そんな凶悪犯罪を防ぐためにはまったく訳に
立たなないから、問題なのです。
 どっちかというと、犯罪の「でっちあげ」に使われる可能性があるから、
怖いのです。 
 実際、共謀罪とそっっっっっくりな治安維持法という法律が、戦前、
日本国民と社会をがんじがらめにして、何の罪もない人を「おまえ、
凶悪犯だな」と捕まえては拷問し、ひどい時は死刑にしたりして、
民主主義も自由もズタズタにした歴史があります。


 「なにそんな古い話してんの。もう21世紀だよ。」と冷笑する方、
きっといらっしゃるでしょう。


 でも、権力の「欲」に、古いも新しいもありません。


 共謀罪がなくたって、警察や権力は、犯罪をでっち上げます。
 松川事件、布川事件、足利事件、袴田事件、名張毒ぶどう酒事件… 
 戦後の日本でも、やってもいないのにリンチで自白を強要させたり、
証拠をでっち上げたりして、無実の人が犯罪者扱いされ、そのまま
死刑判決を下されたりしています。


 「テロ等準備罪」は、ATMからお金を引き出したら、「それは犯罪の
資金集めだな」と見なされたり、SNSでのたわいもない会話が「これは
共謀だ」と認定されたり、捜査機関が「そう思い込んだら」オシマイで、
一般市民が「一般市民のふりをした犯罪者集団」に仕立て上げられて
しまう可能性が高いのです。


 そんなひどい法律ができたら、こわくて、政治の話も社会の話も、
できなくなります。 もし捕まったら怖いから、と、誰もなにも話さなくなり、
誰もなにも行動しなくなる…それって、もう、自由も民主主義も、終わり
です。

 みんなが怖がる、北朝鮮の人々の姿と、何が違うのでしょう?


 普通におしゃべりし、普通に政治や社会に意見できる、この自由な
社会を守るために、「テロ等準備罪」はぜーったいに要りません!


 あっ、最後になりましたが、チラシが大好評すぎて、「PDFデータ希望」
のメールが殺到しています☆
 うれしい悲鳴とはまさにこのこと、ありがとうございます。
 街頭で配ります、学習会で使います、という方や、議会で使いますと
いう自治体の議員さんからのメールもありました。
 万能なチラシですねw
 

 PDFデータご希望の方は、いつでも事務局にメールをください。
 (事務局: peaceloving.lawyer@gmail.com )


2017年3月10日金曜日

3月20日(月)藤沢で! 『檻の中のライオン』de憲法カフェ☆


 重大な憲法違反を犯したとして韓国の大統領は罷免されました。
そう、いかなる権力もぜったいに憲法に従わなければならない、
それが立憲主義。

 だから憲法に真っ向から反する法律を次々に作ってしまった
日本の政権は、政権として失格と言わざるを得ません。
 そういう政権を支持しつづけて憲法を死文化させてしまうか、
活かすかは、私たち主権者次第ですね…。
 
 さて、『檻の中のライオン』の楾弁護士による憲法カフェツアー、
春分の日は藤沢の教会で!


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檻の中のライオンin藤沢


 憲法や立憲主義が話題になることが増えましたが、憲法って、
立憲主義って何でしょう??
 なんだか難しくて、分厚い本がでてきそうですね。
 「檻の中のライオン」は、檻=憲法、ライオン=国家権力、に例えて
憲法を解説した憲法の入門書です。
 この本を書かれた弁護士楾大樹さんが、マペット(人形)を手に
藤沢でお話をしてくださいます。
 「学校で憲法を暗記したな・・」という方もいらっしゃるかもしれません。
それをもう一歩踏み込んで、「なぜそうなっているのか」を考えて
みませんか。
 なぜ、私たちには基本的人権があるの?
 なぜ、三権分立にするの?
 まぜ、民主主義なの?
 「なぜ」と考えていくと、「なぜ、憲法があるの?」という根っこのところ
が見えてきます。
 小学校高学年から高校生にもお話している楾大樹弁護士のお話を
聞いて、楽しく憲法を考えてみませんか。


日時: 3月20日(月・祝)10時~12時半


場所: 藤沢カトリック教会 
   藤沢市鵠沼石上1-1-17 (藤沢駅南口下車徒歩5分)


講師: 楾 大樹(はんどう たいき)弁護士 
   ひろしま市民法律事務所所長
        /「明日の自由を守る若手弁護士の会」所属


資料代: 500円


対象: 小学校6年生以上


お申込み: FBページの「参加する」ボタンを
      押してください。
       もしくは、tanpopo@style-o.com まで。



FBページ: https://www.facebook.com/events/249574268815647/


お問合せ: コメント欄もしくは tanpopo@style-o.com まで。


*できるだけ事前申し込みをお願いいたします。


主催: 檻の中のライオン@湘南実行委員会



3月19日福山で! 『檻の中のライオン』de憲法カフェ☆


 タダ同然で国有地をゲットした謎の経緯が騒動となっている
森友学園。運営する幼稚園では、教育勅語を暗唱させたり、
運動会の選手宣誓で首相を賞賛させたり、虐待まがいの“指導”で
園児をおびえさせたり…「うわナニコレ!?」とどん引きした方は
少なくないと思います。

 (こないだまで)この学校の名誉校長が安倍首相夫人で、
安倍首相も学校の教育方針についてすばらしいと述べたりした
ことについても、ぜひ注目してみてください。

 まるで自民党の改憲草案のような幼稚園(開校しかけた小学校)
だからです。


 個人から自由や尊厳をうばった社会がどのようなものか、
あるいは、逆に自由や尊厳がどれくらい大切なものか、あの
異常な学校の風景を切り口にして学んでみるのもいいきっかけ
かもしれません。


 さてさて『檻の中のライオン』が絶賛売れまくっている(!)
楾大樹弁護士の、憲法カフェツアーが再び始まります!
スタートは福山☆お気軽にご参加下さい(^^)/


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憲法カフェ『檻の中のライオン』@福山


FBページ
  https://www.facebook.com/events/130113764178128/

日時: 2017年3月19日(日)
     午前10時~12時くらい


会場: 本通り umbrella
  (福山市北区今町3-23 本通り商店街)※駐車場ありません
  https://www.facebook.com/umbrellafukuyama/
   

講師: 楾 大樹(はんどう たいき)さん
    ひろしま市民法律事務所所長


参加費: 1,000円(ワンドリンク付)


申し込み先: 090-4698-7040 たにもと(福山)
         090-9411-3047 わかつき(笠岡)



<スケジュール>
 9:45 開場  
 10時~ 楾さんのお話
 12時~ 本の販売とサイン会 
 終了後 1階カフェで交流を兼ねたお食事会(希望者のみ)
  
    
主催: 「檻の中のライオン」のお話し会をすすめる会



2017年3月9日木曜日

やや日めくり憲法39条(二度づけ禁止)

今日は3月9日です。まずは日本国憲法39条を見てみましょう。


 日本国憲法 39条〔遡及処罰、二重処罰等の禁止〕

  何人も、実行の時に適法であった行為又は既に
無罪とされた行為については、刑事上の責任を問は
れない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の
責任を問はれない。


 わかりにくい条文ですね…(-_-;)。
 まず、実行時に適法であった行為については刑事上の責任を問えない、というのは
「事後法の禁止」というルールです。

 3月8日 あなたは●●をした。
 3月9日 「●●は禁止。●●をした人は懲役刑。」という●●禁止法が成立。
 3月10日 あなたが●●禁止法に基づいて逮捕。

 マジか💦 って思いますよね。
 
 やっているときには犯罪じゃなかったのに、後から法律を変えて、犯罪になり
ましたので処罰します、…なんてことになったらずるいですよね。
 仮に、こういうことができたら、権力や警察が「ジャマなあいつを捕まえたい」
と思った時、便利ですね。

 そう、39条は、時の権力が法律を変えて、恣意的にだれかを捕まえたりでき
ないように、立憲主義に基づいて、国民にこのような人権を保障しているのです。

 次に、後半の
 「既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の
犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない」というのは、

 「二重の危険の禁止」と言われています。
 ある行為についていったん裁判を受けた以上、改めて刑事裁判にかけられる
ことはないというルールです。

 刑事裁判の被告人に立場に置かれると、裁判が終わるまで身体拘束を受ける
場合もあります。とても辛いことです。
 それなのに、有罪判決を受けて処罰を受けた場合はもちろん、無罪判決が確定
したのに、同じことについて何度でも被告人として裁判にかけられることが許さ
れるとしたらどうでしょう。

 国はやりたい放題ですね。
 国家にとって邪魔になると判断した人を同じ事件で何度でも起訴できちゃいます。
 そんな世の中では安心して暮らせませんよね。
 そのようなことができないよう憲法でこのルールが定められています。
 私たちの不断の努力で守らなければいけない大事な規定です。

 ところで、アメリカでは、無罪判決に対して検察官は上訴できません。
 しかし、日本では許されています。
 なので、いろいろな悲劇を引き起こします。

 名張毒ぶどう酒事件という事件で被告人だった奥西勝さんは、一審で無罪
判決を受けて釈放されましたが、検察官が控訴した結果、控訴審で逆転死刑
判決を受けてしまいました。
 以来46年にわたって収監され、社会に戻ることなく、2015年に病死
されました。

 無罪判決が出たということは、検察官が有罪の立証に失敗したということです。
それなのに、有罪にするチャンスがもう一度検察官に与えられる仕組みが正義に
かなっているのか、議論が必要かもしれません。

2017年3月8日水曜日

やや日めくり憲法 第38条(黙秘権など)

 本日は3月8日。ということで日本国憲法38条についてお話しします。


 第38条
 1項 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
 2項 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く
   抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠と
   することができない。
 3項 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白で
   ある場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられ
   ない。

 
  憲法は、私達の祖先の様々な経験・失敗・苦しみの中から生み出された歴史
の産物と いわれます。
 この38条は、どのような歴史から生まれたのか。
 今日はそこを見てみたいと思います。

  今も昔も、時には過ちを犯す人間が形成する社会においては犯罪・刑事事件が
発生します。
 ドラマのように、犯人が誰か100%わかるのであればえん罪が発生しないの
ですが、実際の捜査は、自分が見ても聞いてもいない他人の犯罪について一から
調べるので時にえん罪が発生します。

 事件の全てについて証拠が揃うということもありません。

 そのため「犯人を捕まえて治安を維持し たい。」という権力者(警察)が
「疑わしい」と思った人を捕まえて自白を迫るという捜査方法が横行しました。

 迫る、といっても、たんに説得するだけではありません。
殴る蹴る、
 寝かせない、
 脅す、
 身体的・精神的な暴力を用いての「自白の強要」です。

 やってないのに「やった」なんて言うわけない、と冷笑する人は、今でも
少なくありません。

 密室での権力からの暴力が、どれだけ人の正常な判断を狂わせるか、
すでに多くの研究結果も出ているほどです。一刻も早くこの暴力から
逃れたい、この場所から出たい。その痛み・恐怖・不安・焦りが、やっても
いないことの「自白」を生み出してしまうのです。

 その結果、嘘の自白が生まれ、無実の人が死刑になったり無期懲役となったり
する悲劇が起きました。

 このような悲劇を繰り返さないため、第38条が生まれたのです。
 権力者を縛る憲法(※立憲主義)でこのルールを定めることにより、権力機関
としての警察が市民に自白を強要できないこととしたのです。

 拷問等によってなされた自白は証拠にしない。
 強要なしに被疑者から自白があったとしても、その自白だけで有罪にはしない。
あくまでも自白以外の証拠がなければ、有罪とはされない。

 このことが保障されることで、冤罪で捕まったり、冤罪で処罰されない自由を
守っているのです。
 さらには、拷問や不当に長い抑留を防ぐことにもなり、第38条が市民の自由
を守ってくれているのです。



  2017年、共謀罪(テロ等準備罪)法案が成立してしまいました。
 
 共謀罪は、警察が「この人達の話してることは共謀罪じゃないか?」と疑った
ら逮捕できるというもので、冤罪の温床になりかねないものです。

 あまりにも批判が強いので、まだ共謀罪が実際に適用された事例はありません
が、市民の会話を監視して摘発することが警察の職務となります。
 そして過去に何を話したのかが共謀罪の重要な証拠となるので、自白が重要に
なり、自白を強要する時代に逆行する危険があります。

 憲法38条の精神に反することになりかねない共謀罪
 憲法が保障する自由は、市民自身の「不断の努力」で守るものです。
「共謀罪おかしいよね」という市民の怒りが、行政(警察)を「ヤバい」と
思わせ、むやみに使えない現実を獲得できているわけです。

 共謀罪ができてしまったから「市民の敗け」ではありません。できた
としても、絶対に使わせない。共謀罪がいかに危険で憲法や人権を踏みにじる
ものか、決して忘れずに、発信しつづけましょう。
http://www.asuno-jiyuu.com/2017/03/blog-post_4.html


2017年3月7日火曜日

やや日めくり憲法 37条(刑事被告人の権利)



日本国憲法 37条〔刑事被告人の権利〕
 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な
裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。


 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する
機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために
強制的手続により証人を求める権利を有する。


 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する
弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを
依頼することができないときは、国でこれを附する。



これは、刑事裁判での被告人(裁かれている人)の権利保障の条文です。


「被告人!?犯罪者の人権なんて守らなくていいでしょ!?」

と思われる人…以外と少なくないのでは。


 でも、ちょっと待ってください。


 まず、裁判所の判決で「有罪」とされて,それが確定するまでは,

あくまでも「無罪」の推定がはたらきます。

 今このブログを読んでいるあなたが、何かの間違いで捕まってしまったときも、
そうです。あくまでも有罪判決が確定するまで、その人は「犯罪者」と決まった
わけではありません。


 裁判では、検察官がなぜ被告人を「有罪だ!」と確信するのか、証拠に基づいて
証明していきます。その捜査の過程や理由、証拠は、市民が自由に傍聴できる
裁判所の法廷で明らかにされます。


 証人がいるときは、裁判所の費用で裁判所まで呼び出して,

 傍聴人が入ることができる裁判所の法廷で、

 被告人の目の前で証人尋問をすることができます。


 そして,被告人はそういった手続きについて、

 お金がなくてもどんな人でも、国が弁護士を付けてくれるのです(国選弁護人
という制度です)。



 どうしてこんな手厚い手続きが必要なのでしょうか。その答えも、立憲主義に
あります。




 刑罰とは、国家権力による、非力な個人に対する、圧倒的な社会的ペナルティ。

 時には死刑で命まで奪うこともできる、強大な権力です。


 その力に酔った権力が、もしかしたら、政府を批判する人、自分たちに都合の
悪い人を、恣意的に処罰することが、歴史上何度も何度も繰り返されてきました。


 自分の利益のために刑罰を利用することがあるかもしれません。


 あるいは、警察も検察も人間です。間違って無実の人を犯罪者だと誤解して
逮捕・起訴してしまうかもしれません。
 そう、どんなにあなたが犯罪とは無関係の潔白な人間だったとしても、
そういう不幸は、ありうるのです。


 もし憲法37条の権利があなたに保障されていなくて、

不公平な裁判官が、秘密の裁判で、証人を呼び出すこともできず、

さらに誰も味方がない形で、「有罪」という判決がされたとして、

その判決を受け容れることができますか?


 人は、もともと自由で平等です。
 だから、権力者が、自由を奪うという強い権力を行使するためには、
 特に厳しい手続きが求められるのです。

  37条は、決して「犯罪者を甘い」のではありません。
 人が人を裁くことの難しさ。権力が道を誤って不当な逮捕・起訴をしてしまう
危うさを、よくよくかみしめた結果、「どんな被告人に対しても、これだけは
保障しなければならない」と考え出された人権なのです。

 最初に書きましたが、
 刑事被告人の人権、などというと、ついつい人は
「犯罪者の人権なんて」と軽視してしまいがちです。
 逮捕=ほぼ犯罪者、として扱われてしまう日本社会でなら、なおのこと。
 「すべての人がかけがえのない価値がある」というタテマエがあっても、
被疑者や被告人は、この日本社会で最も「人権を踏みつぶされがち」な人
ですね。

 刑事裁判に携わる弁護士として思うのは、
 そういう最も人権が軽視されがちな被疑者・被告人の人権を「これが
どんなに大事なものか」を発信しつづけ、理解を広げることが、日本国民の
人権そのものの底上げになるのではないか… ということです。