2020年6月30日火曜日

選挙に行っても、何も変わらない、、、?まだそう思う?



 作家の北原みのりさんのツイートをご紹介します。


北原みのり @minorikitahara
https://twitter.com/minorikitahara/status/1277447234158616576


 カフェにて
 隣の30代男性数人が
 「選挙いったって、どうせ変わらないからさ〜」
 と言ってる

 政治が違えば救える命あること目の当たりにした
コロナ禍で、まだそれ言うかと、食べる手止まる。
 政治への諦めというより、変化を恐れる極度な
思考の萎縮。そんな状況なのかか。
結構深刻。
 変えようよ!



* * *


 ほんとうに、「変えようよ!」に尽きます、、、!

 自分の一票の重みにいまだに気づいておられない方、自分の投票と政治の

行方が線で結べない方、少なくありません。
 でも、「微力」と「無力」は、ぜんぜん違います。
 一票という微力が積み重なるから強大な力が生まれて政治を動かせるのに。

 投票しないから、何も変わらないのです。

 必ず、投票に行きましょう!

自民党のダーウィンの誤用 日本人間行動進化学会の反対声明



 自民党がダーウィンの進化論を誤用して憲法改正を主張したことに
対して、日本人間行動進化学会が反対声明を発表しました。
 「生物進化がどのように進むのかの事実から『人間社会も同様の
進み方をするべきである』とする議論は間違いだ」


 偽科学を利用する与党、大変恥ずかしく、危険です。
 声明は下記のとおりです。ぜひご一読ください。


● 自民党広報の進化論誤用やめて 学会が反対の声明 (共同通信)
https://this.kiji.is/649893088533595233?c=39546741839462401



● 日本人間行動進化学会「『ダーウィンの進化論」に関して流布する言説についての声明」(PDF)
https://www.hbesj.org/wp/wp-content/uploads/2020/06/HBES-J_announcement_20200627.pdf




* * * 声明全文 * * * *


 インターネット上の⾃由⺠主党広報ページに、ダーウィンの進化論が
誤った形で引⽤されて議論になっています。この件に関連して日本人間
行動進化学会理事会からの⾒解を述べます。
 

 本学会は、現代⽣物学の成果を踏まえて、進化という観点から人間の
行動や社会を理論的・実証的に理解することを⽬指して設立された
集まりです。

 歴史を振り返るとダーウィンの進化論には、思想家や時の為政者に
よって誤用されてきた苦い 歴史があります。生物進化がどのように進む
のかという事実の記述を踏まえて、「人間社会も 同様の進み方をする
べきである」もしくは「そのように進むのが望ましい」とする議論は
「自然主義」と呼ばれてきました。これは「自然の状態」を、「あるべき
状態だ」もしくは「望ましい状態だ」とする自然主義的誤謬と呼ばれる
「間違い」です。
 論理的には成立しないはずの 議論であるにもかかわらず、進化論と
自然主義が結びつくことによって、肌の色、民族、性別、能力の有無
などによる差別や抑圧が正当化されてきた歴史が厳然と存在します。
 そして現代においても、自然主義の立場から差別や暴力を正当化する
言論は失われていないのです。科学という権威を利用して政治的な主張
を展開しようとする中で、そもそもダーウィンが主張したことのない
言説が編み出され流布されるような事態まで起きています。

 ダーウィン的進化とはランダムに生じた変異の中から、環境に適さない

ものが淘汰されていく プロセスです。現代の生物学では、この進化という
プロセスから、いかに生命の多様性が生み出されてきたのか研究され明ら
かになってきました。私たちの先人たる科学者たちは、ダーウィンの進化
論が誤用され、政治的に利用されることに警鐘を鳴らし、その問題を解決
しようと努力してきました。
 しかし現代においてもなお、特定の政治的主張に権威を与えるために、
進化を含む科学的知識が誤用される事例がしばしばみられます。
 このような誤用がいまだに流布し続けていることは、私たち科学に携わ
る者の努力不足だと言わざるを得ません。進化の視点から人間行動と社会
を理解しようとする専門家の集団として、非力を痛感し、深く反省して
います。そして私たちには、進化のありようを、安直に社会の望ましい
あり方として提示することの危険性について、社会に警鐘を鳴らす責任が
あると信じています。

 インターネット上の自由民主党の広報ページ「憲法改正ってなあに身近
に感じる憲法のおは なし」内における4コママンガ「教えて!もやウィン」
第1話「進化論」(引用1)は、こう した誤用の一例です。


ダーウィンの進化論ではこういわれておる
  最も強い者が生き残るのではなく最も賢い者が生き延びるのでもない 。
  唯一 生き残ることが出来るのは 変化できる者である 。
 

 このようにダーウィンの進化論を「引用」した上で、特定の政治的主張
が支持されています。
 しかしダーウィンの著した文献にこのような記述はなく、メギンソン
 (Leon C. Megginson) が自身の解釈として述べた文章が、あたかも
ダーウィンが主張したか のように誤って流布したものだと指摘されて
います(引用2、3)。
 また、進化論は変化できる者のみが生存できるとは主張していないの
です。進化は「集団中の遺伝子頻度の変化」のことであり、個体の変容
に関する言及ではありません。さらに、すでに述べたように、生物の
進化のありようから、人間の行動や社会がいかにあるべきかを主張する
ことは、論理的な誤りで す。

 私たちはここで、特定の政治的意見を主張するものではありません。

いかなる方向性・内容で あっても、ダーウィンの進化論という科学的
知識が、社会的影響力を持つ団体や個人によって (それが意図された
ものであるかどうかにかかわらず)誤用されることについて、反対を
表明するものです。「変化できる者だけが生き残れる」と信ずるので
あれば、誤った科学を根拠にするのではなく、個人や団体の信念として
表明するべきだと考えます。

以上

基準を超えそうだから「指標」見直し。 もはや何の数値も信用できない



 東京都で、日々50人以上の新型コロナウイルスの感染が確認されて
います。最後まで謎だった「東京アラート」が解除されて以降、感染者
数がずっと増え続けています(PCR検査を絞りに絞っている上で)。
 しかしあくまでも休業要請などの措置は取らず、「自衛」に徹しろと
いうポリシーは変えない都知事。あげく、これまで休業要請などの目安
としてきたモニタリング指標の見直しをしました。


● 東京都「指標」見直し、30日に新たな方向性 (TBS)
 https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20200629-00000009-jnn-soci






 …「休業再要請の基準に達したから基準を変えます」by都知事


 基準の意味がない。
 知事にとって基準は科学的でもなければ人命最優先のためのものでも
ないわけです。言ってみれば、自分が権力をふるうために都合いいよう
に使うための道具。都民の命や生活を守る気がないことだけは伝わって
きます。

 感染者数が増えれば「積極的に検査したから感染者が増えただけ」と
言い、今までの検査は穴だらけだったことを暗に認めて開きなおり、
基準を超えれば基準に従うどころか「基準を変える」という。


 自分で作ったルールを、非科学的に操作する人がリーダーでは、自分や
家族の命・健康・くらしは、到底守れません。

 不幸中の幸いで、今週末は都知事選挙です。科学的にものを考え、検査
の徹底や自営業者への休業補償、困窮者への生活保障を徹底すると公約し
ている候補者へ投票することが、「憲法に忠実な政治」の実現への近道です。

2020年6月27日土曜日

再稼働を問う住民投票を願う声、県議会で一蹴 



 日本原子力発電東海第二原発(←首都圏にある唯一の原発)再稼働
の賛否を問う県民投票条例案が、茨城県議会で否決されました。
 条例制定を求めて9万人近くの住民が賛同署名したのに、実質審議
たった1日で、門前払いです。
 県民投票条例案は茨城県議会本会議で、過半数を占める「いばらき
自民」などの反対で否決となりました。


● 住民投票案否決 これが民主主義なのか (東京新聞)
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/37496?rct=editorial



 審議で相次いだ反対意見は、下記のとおりです。
 「民間企業の行く末を議会が決定することの矛盾や、賠償等の懸念
もある」
 「安全性の検証、避難計画の策定の双方とも終了しておらず、県民
に対して公平で必要な情報を提供できる状況にはない」
 「投票結果は法的拘束力を持たないが、議会や首長の議論に制限を
かけることになる」
 「条例案に投票時期が明示されていないから」


 上記記事に書かれているとおり「いずれも不可解で、条例制定を求め
て署名した九万近い人の願いを門前払いするに足る理由にはなってい」
ません。なぜこんな意味不明な理由で9万人近い住民の願いが一蹴され
なければならないのでしょう?


<一部抜粋> 

 条例制定は、福島同様、東日本大震災で被災した東海第二原発の安全
性に疑問を持ち、避難計画策定の難航に不安を覚えた多くの県民が、
再稼働の可否について、事実上、再稼働に関する同意権を持つ県の判断
に意見を反映させてほしいと、請求したものだ。
 署名を集めた「いばらき原発県民投票の会」は、初めから再稼働に
「賛成せよ」とも「反対せよ」とも言ってはいない。賛否の垣根を
外して広く県民の声を聴き、その声を議論の“鍋”に入れてほしいと、
望んでいるだけなのだ。なぜ、それすら拒むのか。さらに丁寧な説明が
必要だ。


<抜粋終わり>


 「地方自治は民主主義の学校」と、よく言われます。地元の政治は、
そこに生きる住民の住民による住民のための政治であるべきで、国政に
比べてずっと身近な民主主義の場になります(日本国憲法92条、93
条)。
 住民は有権者であり主権者。原発が自分たちの息の根を一瞬で止める
ことはもちろん世界規模で取り返しのつかない事故を起こす危険に満ち
た施設であることは誰の目にも明らかです。その稼働について十分すぎ
る程十分に、地元住民の声を聞いて熟慮を重ねるのは、憲法の要請する
ところです。
 説明にもなっていないようなゴタクを並べて一蹴する県議会は、民主
主義も憲法も、まったく理解できていません。
 

2020年6月24日水曜日

二階氏「ダーウィンも喜んでいるだろう」



 自民党の改憲推進のための特設サイト「教えて!もやウィン」が
ひどいという件は、先だって複数回にわたって書いたとおりです。

 ダーウィンの進化論をむりやり日本社会の発展に当てはめて(進化
論の典型的な誤用)、優生思想にもつながる社会進化論と同じ論理で
日本には憲法改正が必要だ、と訴えています。国会で圧倒的多数の
議席を占める巨大与党が無知すぎる、という事実の露呈。


 しかも、この誤用について自民党の二階幹事長がこう発言しました。

「何を言っても、そういうご意見が出るところが民主主義の世の中で
あって、この国の良さだ。おおらかに受け止めていったらいいんじゃ
ないか」

「ダーウィンも喜んでいるだろう」

● 二階氏「ダーウィンも喜んでいる」 進化論の誤用問われ (朝日)
https://www.asahi.com/articles/ASN6R4F5JN6RUTFK006.html





 …ダーウィンはむしろ祟ってくるのでは。
 堂々と学問や科学に背を向ける反知性的な態度はトンデモなレベルです。
 学問研究への冒涜、自然科学・社会科学への冒涜、ものを科学的に考え
ようとするすべての人への冒涜です。
 
 現政権が専門家を都合のいいように利用してきたのも、さもありなん、
といったところでしょう。
 なにを質問してもまともに取り合わずに「おおらかに受け止める」とか
体のいい無視を決め込み、マスメディアと国民をバカにする。こういう
不誠実な人が「全国民の代表」であっていいわけがありません。


 声をあげるのにも体力や余裕が必要です。正直、肩で息をしている方も
多いはず。でも諦めたらそこで民主主義は終わってしまうし、もしかしたら「
相手」は諦めることを望んでいるのかもしれません。

 考えること、疑問を持つこと、おかしいと思ったらおかしいと言うこと。

 止めちゃいけません。人間として、主権者として。

2020年6月23日火曜日

「自衛隊=災害救助隊」? 自民党の漫画『国に届け』は要注意すぎる




 自民党の漫画『国に届け ~日本には若い力が必要です~』
ご覧になりましたか?


PDFはこちら↓
 https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/18voice/vol06/kuninitodoke_all.pdf



 高校生向けの漫画のようですが、その内容がひどいのです。
 女子高校生が、台風で被災したおばあちゃんの家に行った際、救護
支援の活動に奔走する女性自衛隊員を見て、感動します。
 その被災者のレスキューの描写の後、
「災害が起きたらすぐに活動してくれて 自衛隊ってあるのが当たり前
だと思ってた…」
「昨日の女性隊員の活動が憲法に違反してるかもしれないなんて…悲し

くなるわ」
 と女子高校生が落ち込む、という展開になります。。。


 言うまでもない話ですが、自衛隊が憲法との関係で議論になるのは、
「自衛隊は戦力なのでは?」という点です。
 2014年の解釈改憲(突然の閣議決定)をベースに、自衛隊が同盟国
(≒アメリカ)の戦争に参加することも可能にした安保法制は、憲法9条
と真っ向から矛盾します。
 それが大問題だと学者も国民も怒っているのであって、災害救助活動を
やり玉にあげて「自衛隊は違憲だ」などと言っているのではありません。
 災害救助活動をクローズアップして「自衛隊が違憲だなんて(涙)💦」
と嘆くのは、欺瞞です。


 こういう風に、わざと誤解させようと仕向けるところが、とても不誠実
だと思います。
 「自衛隊を違憲だと言っている人は、災害救助活動を否定するんだよ」
と、誰も言っていないことをさも真実かのように吹聴するのは、とても
じゃないけど誠実な議論のやり方ではありません。
 そもそもこの漫画、自衛隊の本質的な活動が防衛活動だということを、
隠し気味ではありませんか?
 それは防衛に力を尽くしている自衛隊員の方々に対しても失礼なのでは。


 なんにせよ、憲法(改憲)について議論したいとあれだけ主張する政党
が、こういう不誠実で欺瞞に満ちた配布物をばらまくことは、主権者への
愚弄です。

(相変わらず、無知な女性が物知り男性に教えてもらう、という設定も
ジェンダーに満ちていてげんなりします。)


<あすわかtwitter>
 https://twitter.com/asuno_jiyuu/status/1275236612792659968?s=20

自民党の憲法改正特設サイト「教えて!もやウィン」がひどい 4



 大・大・大問題すぎる、自民党が「#憲法改正 についてわかりやすく
まとめた特設サイト」。長期政権を担う強大な与党が、憲法のキホン
どころか、「公民」のキホンが分かっていない事実を露呈しています。。。


● 教えて!もやウィン 憲法改正ってなあに?
https://www.jimin.jp/kenpou/manga/second/



<第2話 憲法とは  憲法の役割>
「憲法を定めることで、その時のリーダーの
ルールに従うのではなく リーダーも国民も
みんなが憲法に従う義務があるんだ」
「その時代や暮らしにあわないときは 意見を
だしあい、改正が必要か国民投票で判断をする
まさに新陳代謝じゃな」


* * * * * *


 日本国憲法のルーツを聖徳太子の十七条憲法に見出しているあたり
からして不安しかありませんでしたが、やはり、根本的な知識を持ち
合わせていないようです。

 憲法は、国民が自らの自由・人権を守るために国家権力をしばる
ツールです。ベストセラー『檻の中のライオン』の表現を借りれば、
ライオン(権力)を憲法という名の檻に入れ、その中で権限を行使
させ政治を行ってもらう。憲法学者・志田陽子先生の言葉を借りれば、
権力というパワーをあるべき方向に流す護岸が憲法。


 日本国憲法は99条で、権力(と象徴たる天皇)に対し、憲法尊重
擁護義務を負わせています。権力はあくまでも「檻の中でのみ権力を
使い政治を行う」「護岸にうながされた方向にのみパワー(強大な強
制力)を流す」義務を負います。


 ちなみに「国民の三大義務だって書いてあるじゃないか」という声
が時々聞こえますが、「国民の義務」は憲法のエッセンスではなく、
国民の義務の定めがなければ憲法ではない、なんてことはありません。
 
*「国民の三大義務」についてはぜひこちらをお読みください。
 教育の義務
  → http://younglawyersfreedom.blogspot.com/2017/02/blog-post_6.html
 勤労の義務
 納税の義務
  → http://younglawyersfreedom.blogspot.com/2017/03/blog-post.html


 さて、「憲法とは何か」という話に戻りますが、
 自民党はそもそもこれが分かっていないわけです。「リーダーも国民も
みんなが憲法に従う義務がある」なーんて、雑にひとまとめにしている
ところ、決定的です。

 国家権力と国民、という本質的に対立構造にあるものを「みんな」
という言葉でわざとごまかしてひとまとめにして、憲法を「大事な法律」
レベルのものだと誤解させようとしてるのかな、と、勘繰りたくなります。
 (民法や道路交通法や所得税法など、いわゆる「法律」は国民が守ら
なければならないルールですが、憲法は権力が守らなければならない
ルール。ここが憲法と法律の決定的な違いです。)

 
 しばられたくない、好き勝手やりたい、あわよくば国民をコントロール
したい。
 残念ながら、権力を持つとどうしても支配欲・権力欲が生まれてしまう。
それは人類の歴史が証明しています。だからこそ、憲法と民主主義を理解
し、理性と知性を兼ね備えた人に「だけ」権力を託そう、という知恵が
はたらくわけです。
 自民党は、首相自ら改憲を強引に引っ張りたい執念をむきだしにしている
事実からも、「憲法に忠実に、主権者に対して謙虚に誠実に政治をしよう」
という意思が無い政党であることが見てとれてしまっています。
 第2次安倍政権が発足してすでに7年半以上経っているのに、いまだに
憲法の知識がゼロに近いことは、民主主義にとって脅威です。近代国家の
枠組みを壊そうという挑戦に等しい。

 こういう政党に、憲法の改正など、託せるはずがありません。

2020年6月22日月曜日

自民党の憲法改正特設サイト「教えて!もやウィン」がひどい 3



 大・大・大問題すぎる、自民党が「#憲法改正 についてわかりやすく
まとめた特設サイト」。憲法のなりたち、と題して、いきなり聖徳太子
の十七条憲法を挙げている点については一つ前に書きましたが、まだまだ
…まだまだ続きます。


● 教えて!もやウィン 憲法改正ってなあに?
https://www.jimin.jp/kenpou/manga/second/




<第2話 憲法とは>
 「その後はそれぞれの時代で為政者や
  幕府や藩が各国の法律やルールで国を治めた」

 「明治時代になると大日本帝国憲法ができ
 国民の国政への参加の道が開かれるなど、立憲
 国家としての第一歩を踏み出した」


 「終戦後に日本国憲法ができて 国民主権、基本
 的人権の尊重、平和主義をかかげた憲法ができた
 んだ」


* * * * * *


 敗戦で大日本国帝国憲法がなくなり、日本国憲法が作られた過程が、
単なるバージョンアップのような描かれ方ですね。。。

 「立憲国家としての第一歩」といっても、どんだけ不十分なものだった
か、それを見ないふりすることは、立憲主義の国家の与党として許されな
いことだと思うのですが。

 帝国議会は立法機関ではなく「協賛」する機会でしかありませんでしたね。
 しかも、衆議院とペアになっていたのは、「貴族院」でしたね。
 参政権といっても、最初は「たくさん納税している男子」にしか許されず、
最終的にすべての男子がゲットしても、女子には与えられなかった。
 表現の自由ふくむ基本的人権なんて、ありませんでしたね。私たちは国民
ではなく「臣民」でしかなく、権利は天皇からの「ありがたい頂き物」
でした(しかも限定的)。

 そして最大の問題、「主権」。
 そもそも大日本帝国憲法は、神聖不可侵な「天皇」を国の主権者として
定めました。
 
 この大日本帝国憲法を、「ちょこっとバージョンアップしたのが日本国
憲法」と説明するのは、不可能です。
 憲法の研究者も、これを通常の憲法改正のレベルで説明するのは不可能
だと結論づけています。
 大日本帝国憲法から日本国憲法へ、の過程は、単なる憲法改正ではなく、
バージョンアップどころの話ではない、「法的な革命」が起きた、と理解
する他ない大転換なのです。
 だって、日本国憲法は、天皇ではなく国民主権で、人が「生まれながら
にして自由・平等」なのですから。

 要は、自民党は、神聖視された主権者・天皇が臣民を支配する大日本国
帝国憲法があくまでも今の日本国憲法の土台になっていて、立憲主義・
民主主義・国民主権など近代以降の国家観を共有している「価値あるもの」
として見ていて、国民にもそう思ってほしい、というわけです。
 大日本帝国憲法への郷愁、憧憬。


 真に民主主義・立憲主義を重んじているなら、どうしたって大日本国
憲法の欠陥(負の側面)を見つめるはずですが、そうは思わない、大変
危険な世界観です。

自民党の憲法改正特設サイト「教えて!もやウィン」がひどい 2



 すでにご覧になった方も多いかと思いますが、
 自民党が「#憲法改正 についてわかりやすくまとめた特設サイトを
オープンしました。」とツイートしたので、その特設サイトをのぞいて
みたら、大変なものが。。。


● 教えて!もやウィン 憲法改正ってなあに?
https://www.jimin.jp/kenpou/manga/second/




<第2話 憲法とは>
「実は大昔にも憲法と似たようなものがあった」

「それは、日本で最初にできたともいわれる
               十七条の憲法」
「1400年以上前に作られたとされる」
「これによって官僚や貴族の規範ができて
          秩序が生まれたとされる」
「誰がつくったかというと…」
「聖徳太子!」


* * * * * 


 多少なりとも憲法に関心を持って学び始めておられる方であれば、
もうこの時点でYAVAI、と鳥肌が立っているはずです。
 聖徳太子の十七条憲法を、日本国憲法含む近代以降の憲法と同質の
ものとしてとらえているのです、この国の政権与党が!
 まだ一度も憲法に興味を持ったことがない人であれば、仕方ない
ことです。
 でも、憲法改正は党是だと言い続け、憲法改正を数十年間言い続けて
いる「国会議員の集団」であり、政権を担っている政党が、この程度の
理解というのは、どう考えても許されない、恐ろしいことです。


 近代以降の「憲法」とは、
 国民が自らの自由・人権を守るために、国家権力を縛るものです。
 権力はすべからく、憲法に従い、憲法にのっとった政治を執る義務を
負います(日本国憲法99条)。
 聖徳太子の「十七条憲法」が同じ「憲法」という名前だからといって、
憲法の源泉じゃーんと飛びつくのは、あまりにも素人すぎる。「全国民
の代表」として政治の舵取りをする集団をしてこの理解は、ひどすぎて
言葉も出ません。


 こんなにも知識のない(学ぼうという意欲すらない)政党に憲法改正
など、任せられるわけがないのです。

自民党の憲法改正特設サイト「教えて!もやウィン」がひどい 1



 すでにご覧になった方も多いかと思いますが、
 自民党が「#憲法改正 についてわかりやすくまとめた特設サイトを
オープンしました。」とツイートしたので、その特設サイトをのぞいて
みたら、大変なものが。。。


● 教えて!もやウィン 憲法改正ってなあに?
https://www.jimin.jp/kenpou/




<第1話 進化論>
「ダーウィンの進化論では こういわれておる」

「最も強い者が生き残るのではなく
   最も賢い者が 生き延びるのでもない。」
「唯一生き残ることが出来るのは 
          変化できる者である。」
「これからの日本をより発展させるために
       いま憲法改正が必要と考える」


* * * * * 

  信じがたいことに、ダーウィンの進化論を持ち出して、「日本社会
の発展」に無理やり当てはめようとしているのです。

 生き残り?変化?憲法改正??

 生物の進化しにしか言及していないダーウィンを引っ張って人間社会の
進歩に当てはめるのは、「あるある」で「決定的な」誤りであること、
少し考えれば皆さまもお分かりでしょう。この、進化論の雑な当てはめは
「社会進化論」とも呼ばれ、優生思想につながる大変危険な思想です。   

 ダーウィンがひと言も語っていないことを、こんな風に描くということ
自体がそもそも大変な罪ではないでしょうか(デマですから)。
 
 具体的に何をどう変えたいのかもはっきり書かずに、ただただ「なにか
改正しないと生き延びられない」という非科学的・非論理的な焦り・不安
をたきつけるという、恥ずかしすぎる反知性的な姿勢に、ドン引きします。

 憲法の基本を理解せず、またナチスと同じ発想を手放さない政党が、憲法
改正を語る資格はないのでは。
 自由や民主主義にとって、あまりにも危険です。

2020年6月17日水曜日

6月18日(木)22:00〜 前川相澤vs安倍官邸 vol.2 ☆


相澤冬樹記者と前川喜平氏による          配信トークライブ第二弾!
前川相澤vs安倍官邸 vol.2
今回もお酒片手に時事問題を熱く語ります!!
視聴チケット¥2,000
* * * * * * * * * *


◆配信時間 20:00〜22:00(予定)
◆視聴チケット ¥2,000  (応援投げ銭あり!よろしければ無理のない範囲でお願い致します。)
 ご購入はこちらから→https://twitcasting.tv/plusonewest/shopcart/9200
・購入受付期間:6月21日(日)21:00まで
・アーカイブは、配信終了後、6月21日(日)23:59まで視聴可能
・配信サービスの仕様上、放送の遅延などが発生する場合がございます。  アーカイブは遅延なくご覧いただけますので予めご了承ください。
・配信内容を録画するなどして再配信する行為は禁止させて頂いております。


【出演】
前川喜平(元文部科学省官僚)
相澤冬樹((元NHK記者、大阪日日新聞論説委員)
 モリ・カケを代表する2人がついに相対する、配信トークライブ 第二弾!
森友文書改ざんを強要され自殺に追い込まれた赤木俊夫さんの遺書を スクープ、『週刊文春』を完売させた男・相澤冬樹と、加計問題を 告発した元文科次官・前川喜平の二人が、今回もお酒片手に時事問題 を熱く語ります!!
 生配信中にツイキャスチャットでお二人への質問、聞きたいテーマ なども募集しています。
 アーカイブ期間中もチケット購入できますので、生で見れなくても 大丈夫です!
 是非皆さんご視聴ください!

2020年6月9日火曜日

差別による分断は「考え方の違う両者同士の ののしり合い」byNHK



 NHKの「これでわかった!世界のいま」(毎週日曜午後6時5分~)
という番組のキャラクター「Mr.シップ(ミスターシップ)」が、
ツイッターで人種差別に無理解なつぶやきを発信しています。

 
●世界のいま Mr.シップ @nhk_sekaima

「アメリカ社会は、考え方の違う両者が互いにののしり合って、どんどん
分断が深まっていってしまったんだ。
#アメリカ #抗議デモ #世界のいま #せかいま #国際ニュース」

https://twitter.com/nhk_sekaima/status/1269561000316960770?s=20





●もう1つ、「黒人と白人の間の格差」についての解説動画(抗議デモの発端

となった殺人事件についてはまったく描かれず、むしろ黒人への差別を助長
するようなものでした)も発信されていましたが、こちらはすでに削除され
ています→https://www.nhk.or.jp/program/sekaima/sekainoima_doganitsuite.pdf


 1つ目のツイートは、まだ削除も謝罪もありません。
 「#抗議デモ」と書かれているように、差別という「分断」についての
ツイートであることは明らかです。
 まさか人種差別を「考え方の違う両者」による「ののしり合い」と理解
しているとは、公共放送として致命的です。
 人類普遍の価値観である人権保障や平等を「1つの考え方」として相対
化してしまえば、白人至上主義もナチズムも「1つの考え方」として許容
されてしまいます。
 差別への抗議は、「差別主義者へののしり」ですか?
 殺すな、差別するな、という怒りへ「相手にも言い分があるかもしれない
よ」とでもいうのでしょうか?
 
 NHKには、速やかな謝罪と検証を求めます。

あすわか「憲法かるた」 労働組合向け機関紙でも!


 あすわか「憲法かるた」🌸

 労働組合向けの機関紙で、ご紹介いただきました!


● 「憲法かるた」で遊ぼう 
                   明日の自由を守る若手弁護士の会事務局長 早田由布子さん
https://www.rengo-news-agency.com/%e7%94%9f%e6%b4%bb%e6%96%87%e5%8c%96%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b9%EF%BC%91/



<一部抜粋>

 小学校で憲法について教えるとき、「3大原則は云々」とどうしても言葉が
先行しがちで、内容について実感が伴わないきらいがあります。理屈で覚える
よりも、実感として身に着けてほしいというのが私たちの思いです。
 例えば、普段の生活で着たい服を着ていいんだよ、というのも表現の自由で
すよね。日頃、気づかずに謳歌している自由が実は憲法のおかげだと気づいて
もらえばいい。テレビのニュースを見て「ああ、かるたに出てた話だ」と思え
ば、社会のことに興味もわくでしょう。


<抜粋終わり>


 「憲法かるた」には、27条(勤労権)や28条(だんけつけん)の札も
あります☆

・ブラックきぎょう、ゆるさない はたらくけんり守らなきゃ!(27条)



・「きゅうりょうあげて!」 みんなでだんけつ どうどうと(28条)




 働く人にとって、「どう働くか」は、「どう生きるか」とほぼ同義です。
多かれ少なかれ、賃金をもらうため「だけ」の場ではないはずです。
人との出会い、キャリア、技能、新たな興味…人生にさまざまなものを
もたらす場であるからこそ、しっかり人権が守られていなければなりま
せん。「人間らしく働くこと」「団結してよりよい条件を求めること」
ぜんぶ当然の権利なんだよ、と、子どもにも伝わればいいなと願っています。


☆ 憲法かるたのご注文は→ https://mailform.mface.jp/frms/asunojiyuu/7zmamuigg76d?fbclid=IwAR029uQmZt1YukouvBSII26O89UGBRnBzJP_DSuo3Kov_hMurytebDEUIbE


2020年6月5日金曜日

10兆円の白紙委任 議会政治の否定です。



 立憲民主党の安住国会対策委員長
「10兆円の予備費を好きに使うことを認めてしまうのは、議会の自殺
行為だ。総理大臣が決めたら何でもいいとなったら民主主義国家ではない」


● 2次補正予算案 野党 “予備費10兆円は減額を”  (NHK)
 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200603/k10012456221000.html



 予備費10兆円…民主主義なんかどうでもいい、むしろウザい、とでも
思っていなければ出てこない案です。
 ただでさえありえない案なのに、“アベノマスク”や持続化給付金の委託
の件など、何の策を見てもクリーンでシンプルなお金のやりとりが無い
この政権から「10兆円こっちでうまくやるから任せて」と言われて、
不安にならないわけがありません。

 
 残念ながら、国会の中では野党の議席はあまりにも少ない。
 このまま国民が国会の外で黙っていれば、そのまま補正予算は通って
しまいます。
 私たち国民が、それぞれ自分なりの形で「おかしい」「そんなの許せない」
「こんなんじゃもう支持できない」と発信・表現して、怒りの輪で政府と
与党を囲んで迫らなければ、民主主義は死んでしまいます。


 自分なりの形でいいのです。

 投書でもいい、TVやラジオ番組にメールやFAXでもいい。

 いいこと書いた記者さんと新聞社には「すごくよかった、こういう追及を
もっと続けてほしい」と応援の声を。
 中途半端な記事や報道には「ちゃんと国民の知る権利に応えてくれ」と。
 家族・友人・職場の人にさりげなく話題を振ってみる。(むずかしいとこ
ありますが、意外とその人も同感だったりするものです。)


 それが、民主主義を守るための地道で堅実な、唯一の策です。

麻生氏「民度が違う」発言 溢れるレイシズム


<一部抜粋>

 死者数の割合が高い米英仏を例に挙げ、「こういうのは死亡率が一番
問題。人口比で100万人当たり日本は7人」と強調。他国の人から「お前
らだけ薬を持ってるのか、ってよく電話がかかってきた」と明かし、
「そういった人たちの質問には『お宅とうちの国とは国民の民度のレベ
ルが違うんだ』と言って、みんな絶句して黙るんですけれども」と語った。
「このところ、その種の電話もなくなりましたから、何となく、これ定着
しつつあるんだと思います」との見方も付け加えた。

<抜粋終わり> 



● コロナ死者少ないのは「民度が違うから」 麻生太郎氏 (朝日)
 
https://www.asahi.com/articles/ASN6455CGN64UTFK008.html



  多くの方々が思うように、「そりゃ絶句するだろうな」。

 論破してやったし社会に定着してる考えだろ?とドヤ顔で語ってしまう
麻生氏。折しも世界中がアメリカで起きている抗議デモとトランプ大統領
の動向に注目し、レイシズムの根深さに怒り、解消に向けて一人ひとりが
語りだしているときに、これ。

 人権感覚、モラル、一般常識の欠落が致命的で、「日本がまだまだ文明
国ではない」と国際的にもより一層印象づけることとなるでしょう。


 「民度」とは、定義は不明確ですが、特定の民族(そこに住む人々)の
何かしらのレベルを指すもののようで、つまり民族・人種・種族ごとで
レベルの差異ないし優劣があると多かれ少なかれ考える人が用いる言葉
だといえましょう。


 他国民へのレイシズムが溢れる発言、主権者として許せますか?
 これでも容認しますか?

 もういいかげん、「やれやれ、また麻生節か~」とたやすく許す謎の風潮、
やめませんか。

 我々が永年彼のレイシズムを許してきたという事実を、一人ひとりがどう
受け止め、どう行動するか、問われます。

2020年6月2日火曜日

終わらない差別を終わらせる



 アメリカでは抗議デモが全米で広がっています。
 「アメリカって大変だね~~、日本は平和だね。」と傍観する日本人が一人も いないことを願います。
 マジョリティが無関心なら、差別は終わりません。
 根深い民族差別・人種差別が解消されない(むしろ最も差別意識を手放さない 政党が政権を握っているという有り様の)国に生きる一人の人間として、自分に 何ができるのか、考え続けませんか。
 ぜひ、このツイッターの動画をご覧ください。


留学生への外国人差別、在日学生への朝鮮人差別。いずれも政権・与党の愚策



  コロナ禍で困窮する学生への現金給付策、留学生のみ成績要件が設け
られ、その上朝鮮大学校が給付の対象外とされているという大問題。


● 困窮学生への国支援策 留学生らが成績要件撤回など求める (カナロコ)
 https://www.kanaloco.jp/article/entry-368073.html





<一部抜粋>

 ネパール出身で上智大大学院生のダリマ・タマンさん(23)は「留学
生だけ成績優秀でないといけないのは差別で、おかしい。生活に余裕が
ない学生ほど働かなければならず、いい成績が取れない状況を分かって
ほしい」。バイト先のレストランは営業を自粛し、別の働き口を探して
学費をやりくりする日々に心身の疲弊は増しているという。

<抜粋終わり>


 生き延びるための、命に直結するお金の給付を、成績上位者に限ると
いう仕打ち。
 文科省は「いずれ母国に帰る留学生が多い中、日本に将来貢献するような
有為な人材に限る要件を定めた」と理由を語ります。

 露骨な外国人差別な上に、優生思想です。政府が率先して外国人差別と
優生思想を助長する政策をとるおぞましさに、言葉もありません。

 しかも、朝鮮大学校については現金給付の対象外、という論外な仕打ち。
記事中にある
「学びの否定、存在の否定が繰り返された。共通の敵は民族や文化ではなく、
ウイルスであるはずだ」
という男子学生の言葉に、返す言葉はありません。
 人種差別撤廃条約や国連人権規約にも明確に違反する現政権・与党の朝鮮
人差別への固執は、三原じゅん子議員の「恥を知りなさい」という言葉が
合います。


 恥ずべき差別を終わらせるためには、マジョリティが変わらなければ
なりません。「差別される側」は、もうずっと前から必死に声をあげて
います。マジョリティがそれを他人事かのように無関心でいるから、
権力は好き勝手に差別を拡大させていく。「差別される側」からの声を、
マジョリティの「善良な市民」の一人ひとりが、自分に向けられている
んだと自覚して、「差別を許さない!」と声をあげて政府に迫るしか
ないのです。

 無関心は、容認です。

 「差別する側」に与したくないと思ったら、メディアに声を届けたり、
発信したり、一人ひとりができることをしましょう。


<あすわかtwitter>
 https://twitter.com/asuno_jiyuu/status/1267642161115181056?s=20