2017年1月31日火曜日

2月5日(日) テーマは“24条”☆橋本智子弁護士の憲法カフェ@茨木


 先日宣伝いたしましたとおり、今週号の『週刊金曜日』のテーマは、
国家による“家族”の支配です。

 結婚や出産をじわじわと推奨することを筆頭に、「あるべき家族」像や、
「あるべき親」像の押しつけは、どんどん広がっていっています。
 自民党があたためている家庭教育支援法案の危険性について、
女性週刊誌でも特集が組まれるようになりました。


 不思議なのは、こうした話題は「女性の問題でしょ」と関心を持たない
男性が少なからずいるという現実です。...


 パートナーの女性(奥様や彼女)は、自分(夫・彼氏)よりも劣った
存在でしょうか。 
 女性だから、男性とは対等ではない存在でしょうか。
 娘さんは、結婚したら夫にかしづいて3歩うしろを歩くべきでしょうか。


 「そうです」と答える方は、めったにいないと思います。

 でも、女性が男性と同じくらい自由に自分らしい人生を歩めない
社会を「仕方ないよ」と放置することも、時代に逆行して女性に「ある
べき女性・妻像」を押しつけるような政策に無関心でいることは、
言ってみれば、そういう流れを“消極的に応援している”のと同じです。

 
 それに、男性自身の問題でもあるのです。


 「男たるもの、強くあるべし。」というこの社会の空気が、どれだけ

男性自身を苦しめていることか。
 自由に自分らしく生きていいのに、世間から求められる「男らしさ」が、

つの間にか自分の「こうあらねばならぬ」という物差しにもなって
いる人は、少なくないのではないでしょうか。
 なんでしょう…たとえば、肉体的に力強かったり?マッチョな?「

男は黙ってサッポロビール」的なw?
 いやいや違うか、波平さん的な?
 男性だって、育児・家事が得意な人はたくさんいるでしょうし、バリ

バリ働くよりも主夫の方が性に合っている人もいるでしょう。
 「あるべき夫」像、「あるべき父親」像を押しつけてくる権力の動きは、

男性にとっても大問題です。
 ぜひ、自分と大切な家族の未来のために、学んでみてください☆


*・゜゜・*:.。..。.:*・*:゜・*:.。. .。.:*・゜゜・**・゜゜・*:.。..。.:*・*:゜


憲法24条を考える憲法カフェ



日時: 2月5日(日)午後3時から


場所: 茨木市立男女共生センター.ローズWAM
  〒567-0882  大阪府 茨木市元町4-7


講師: 橋本智子弁護士
  (明日の自由を守る若手弁護士の会)



参加費: 無料



主催: サポートユニオンwithYOU


2月11日(土・祝) 茶道&憲法 初点(はつだて)憲法カフェ☆



 なんと!茶道と憲法カフェの2つが楽しめるイベントです♪

 しかも、武井由起子弁護士と、普段は大阪で大活躍中の
橋本智子弁護士が2人で講師を務める、貴重な機会(^^)/☆

 何重にも「お得」で楽しみなこの機会、お見逃しなく、ぜひぜひ
ご参加ください!


☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆


茶道&憲法 初点(はつだて)憲法カフェ


日時: 2月11日(土・祝)13時30分~
 * 開場13時10分 個人宅につき、開場時間以降にお越し下さい。


講師:武井由起子弁護士 & 橋本智子弁護士
 (明日の自由を守る若手弁護士の会)



場所: 東京の四谷三丁目駅付近
 * 参加者には個別にお知らせします


参加費: 2500円
  (お抹茶、生菓子、会場使用料、資料代など込み)


定員: 申込み先着20名


<お申込み方法>
 ①Facebookイベントページで参加をクリック!
(FBをしていないご友人とのご参加の場合は、コメント欄にその旨をご記入お願いします。)
 ②FAXにてお申込み
 お名前、ご連絡先、他に参加される方がいればその方のお名前を明記の上、(03)3242-9982
 八重洲法律事務所 武井宛にお申込み下さい。



2017年1月27日金曜日

太田啓子弁護士が登場! 対談『狙われ続ける「個人の尊厳」と「男女平等」』



 婚活支援で盛り上がろうとしている地方自治体、たくさんあるよう
ですね。

 多くが少子化対策目的のようですが、生あたたかい「結婚っていい
もんだよ」という声で、どれだけの人が窮屈な思いをしているのだろう
か、と、重い気持ちにならずにはいられません。
 近所のお節介な声だけだったらまだしも、行政の声なのだから、
見過ごせません。
 「お国」から、 “あるべき人生”を「奨励」「指導」されるなんて、それは、
余計なお世話を通り越して、それは「自分らしい人生」歩む国民の
尊厳を傷つける行為です。


 自民党の改憲草案をはじめ、今、憲法24条を変えたいという声が
あちらこちらから聞こえます。
 「家庭内でも男女平等」「家庭内でも全員が尊厳ある存在」、と、
当たり前のことを宣言している24条は、家制度を廃止させ、すべての
女性を男性と対等な人間として救い、すべての国民を「自分らしい
生き方なんて考えずに家やお国の繁栄のために尽くせ」という思想
から解き放ってくれました。
 
 70年経った今、せっかくの24条はなかなか活かされず、いまだに
日本は世界の中でも男女平等に関しては(ありえないレベルで)
後進国です。
 「口答えする理屈っぽい女」とののしって妻を殴る夫、いますよね。
ハッキリものを言う女優さんや女性政治家ばかり、やたらバッシング
されますよね。
 夫の3歩後を静かに歩くような女性ばかり、「奥ゆかしい」と賞賛され
ますよね…

 
 こんな状況なのに、24条を変えたい方たちは口をそろえて言います。
「24条のせいで“行き過ぎた個人主義”がはびこり、日本の“伝統的
家族”が解体してしまった!」

 うーん…ハンコを押したように同じフレーズを聞きますが、行き過ぎた
個人主義なるものの具体例をいまだ聞いたことがなく…伝統的家族って
どういう家族なのか、いつからのものなのか、もよく分からず(*_*)。
 そして24条を「個人より家族が大事」という条文に変えよう、改憲に
時間がかかるなら、「個人より家族が大事」という法律を作ろう、という
運動を広めています。


 「家族は大事」、というフレーズだけなら、「まぁ、そうだよね」と思う方
もいるでしょう。でも、その「家族は大事」の真意がどこにあるのかを
知ると、そうそう平静ではいられなくなるはずです。

 24条が(ある意味9条よりも強く)なぜ狙われるのか。
どんな社会、どんな国に変えられようとしているのか、
ぜひ、今週号の『週刊金曜日』で知ってみて下さい!
 太田啓子弁護士と、中島京子さん(直木賞作家)の、24条にまつわる
クールな対談です(24ページ~)☆




2017年1月25日水曜日

高校での講演☆『まなんでみよう “憲法”キホンのキ』



 黒澤いつき共同代表が、東京純心女子高校(八王子)の
高校2年生約100名を対象に、講演をしてきました。

 『まなんでみよう “憲法”キホンのキ』と題して、来年には
主権者になる生徒さんたちに向けて、憲法の基本知識を、
歴史をひもときながら語りました。

 1時間という短い時間で、どれだけ退屈にさせないよう
面白く語れるか、緊張したとはいうものの、あすわかの
紙芝居「王様をしばる法~憲法のはじまり~」を興味津々に
見つめてくれる生徒さんたちは、じっと聞き入ってくれたとの
こと。

 日本の憲法の歴史(明治憲法や家制度の解説、現行憲法の
制定過程の話)や人権の具体例の話は、くりかえしうなづいたり
笑ったりして、良い反応を見せてくれました。


 「憲法を変えるべきか変えないべきか」という選択を、近い将来
迫られるかもしれない生徒さんたちに、「憲法が変わること≒自分
の未来が変わること」という意識を持ってもらい、決して他人任せ
にはせず、自分の頭で考えて判断できる『主権者』になってほしい
な、というメッセージが伝わりますように!

 
 学校のHPにも紹介されたので、ぜひご覧下さい。
http://www.t-junshin.ac.jp/jhs/about/pickup/35.html


 写真は、この高校の図書館です。
憲法に関する最新の著作物をそろえてくださっていて、「知の砦」と
しての図書館の重要性と使命をしっかり自覚していることに感動
ですね☆



2017年1月22日日曜日

1月29日(日) 憲法カフェ@大阪府八尾市


 安倍晋三首相は、施政方針演説で、国民投票にどのような
改憲案をかけるか議論を深めよう、と与野党に呼びかけました。

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201701/CK2017012102000125.html

 いわく「批判に明け暮れたり、言論の府である国会の中で
プラカードを掲げても何も生まれない。意見の違いはあっても、
真摯(しんし)かつ建設的な議論を戦わせ、結果を出していこう」

 …やはり、ものすごい前のめり感ですね。
 「とにかく改憲することは決まってるんだ」
 「憲法改正はいいことなんだ」
  という前提を勝手に作ってしまっているようです。

  そもそも今の憲法がどのような内容なのかすべて目を通して
学んでいる国会議員がどれだけいるのか怪しい上に、国民にして
みれば全然そんなの「急務」でもなんでもない、なんでそんなに
焦ってるの???という状態です。
 
 憲法は、国民が憲法に突きつけている、国民のものです。
権力は憲法擁護遵守義務を負っています(99条)。
それが立憲主義というものです。
 国民がまったく気乗りしない憲法改正を政府が進めるなんて、
許されません。
 決して「なんかよく分からないから、詳しそうな人に任せておけば
いいや」と思わずに、憲法を知ってみて下さい。
 憲法カフェで、主権者力アップしましょう☆


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 けんぽうCAFE @八尾
        ~こどもの権利条約~


 子どもたち一人ひとりが違うこと、自分の好きなこと・嫌いな
ことを自由に言葉に出せる。
 そんなあたりまえの環境を大人だけでなく憲法も守ってくれて
いることを知っていますか?
 憲法改正の話題が出ている今こそ、こどもの権利、こどもを
守ってくれている憲法について一緒に学びましょう。


日時: 1月29日(日)10:00~12:00


場所: 久宝寺保育園
   (大阪府八尾市南久宝寺3-18-1)


講師: 國本 依伸弁護士
   (明日の自由を守る若手弁護士の会)


資料代: 500円


主催: MAMORU ママパパの会、みな憲@八尾


問い合わせ: yo.ho.kangaeru@gmail.com


保育: あり


1月23日(月) 憲法カフェ@貝塚


 直前のお知らせになってスミマセン!
月曜日に貝塚で、小谷成美弁護士の憲法カフェが開催されます。

 安倍首相は、施政方針演説で憲法改正への意欲を語りました。
国民の内心や個人の尊厳を侵す共謀罪への意欲を思えば、
首相の思い描く「憲法改正」は、民主主義も私たち国民の自由も
根絶やしにしてしまうものなのだろうな、と思わざるをえません。

 それを食い止められるのは、私たち主権者国民だけです。
まずは知っとこ!という気軽な気持ちが大切です。
どんなに無関心でもいやおうなしに影響を受ける政治。
「そんなの知らなかった」では済まされない憲法のこと、ぜひ
出会ってみて下さい。


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憲法カフェ@大阪府貝塚市
「憲法と音楽♪」


 「憲法改正」 ってよく聞くけど、そもそも「憲法」って何??

 難しく聞こえるけれど、本当は私たちの暮らしにダイレクトに
関係する「憲法」 
 そんな憲法を分かりやすく解説してもらいます。  

 まずは知ること、知憲から。

 そして今回は「憲法カフェ」+「音楽ミニライブ」のコラボイベントです!!
 午前中は憲法を学び、午後からは音楽を聴きながらゆったりとした
時間をお過ごし下さい。


日時: 2017年1月23日(月) 


会場: AWAI CAFE (あわいかふぇ)
  貝塚市北町13-12(南海本線貝塚駅から徒歩7分)


参加費: 800円(カフェ付き)


申し込み: AWAI CAFE 帯谷(おびたに)まで
   090-6558-9024


※当日はパン、カレー、お菓子などの食べ物の販売も予定しています!


<スケジュール>
憲法カフェ 10時~12時  
  講師 小谷成美弁護士(あすわか/のぞみ共同法律事務所)
ミニライブ 12時~14時くらいまで


<出演アーティスト> 
 ・ヒトリバンケット と いとうゆきこ
   (ギター弾き語り&トランペット、コーラスなど)
 ・サマンサ (女性ムビラユニット) 
 ・ウクレレトリオ 

       他



2017年1月20日金曜日

やや日めくり憲法 20条(信教の自由)



日本国憲法20条

信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。
いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上
の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に
 参加することを強制されない。 

3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的
活動もしてはならない。


 特定の宗教を信仰する人も、信仰を持たない人も、自分らしくありたい。
 日本国憲法20条1項は、個人が心の中で宗教を信じること、
そして礼拝や宣教や奉仕等その信仰を実践する行動をすること、
さらに同じ信仰の人々が共に集まり、行動することを保障しています。
 もちろん、なんの宗教も信じない自由も保障しています。


 戦国時代、豊臣秀吉の家臣であった高山右近はキリスト教徒でした。
 高山右近は豊臣秀吉から棄教を迫られたとき、こう言いました。

「私は日常、心魂を傾けて太閤様にお仕えしてまいりました。
今といえども、太閤様のおためなら、脳髄をくだき、土まみれに
してもいといません。ただ一つの事以外には太閤様のご命令には
絶対に背くものではないのです。その一つの事、信仰を捨てて、
デウス(神)に背けとの仰せは、たとえ右近の全財産、生命に
かけても従うことはできないのです。それはデウスとの一致こそ
われわれ人間がこの世に生まれた唯一の目的であり、生活の目標
でありますから、デウスに背くことは人間自らの存在意義を抹消
することになります。」


 そして右近は、信仰を守ることと引き換えに、領地と財産をすべて捨てました。
 徳川幕府のキリシタン追放令によって右近は日本を退去し、マニラで地上の生涯
を終えました。


 右近にとって信仰は、何にも代えられないもので、信仰を棄てることは、自分と
いうものがなくなってしまうことだったのですね
信仰が「自分らしく生きる」こと、つまり個人の尊厳と切っても切り離せない関係
にあること、それゆえ20条がどれだけ大切な条文か、分かります。


 また、日本国憲法20条3項は日本の戦前の歴史を繰り返すまいとして、
政治が宗教的行為をすることや特定の宗教を支援することを禁止しています。


 明治政府は、明治憲法で「安寧秩序を妨げない限り」信仰の自由を保障すると
規定しました。それは結局、国家の都合でどうとでも制約できてしまうものでした。

 明治政府は国家神道に国教として扱い、天皇を現御神として礼拝の対象と
しました。そして教育勅語などによって学校教育の場で国家神道を国民に浸透
させ、戦争を推し進める精神的支柱としました。
 さらに神社参拝を臣民の義務として、強制し拒否した者を迫害したり、
キリスト教、神道、仏教、新興宗教等を信仰する者たちを弾圧しました。

 当時植民地であった朝鮮半島では、拷問にかけられ死亡した牧師もいました。
また政府による迫害が迫る中で、各宗教が戦争を支援するようその教義を歪ませ
てしまい、本来の信仰を守りとおすことができませんでした。


 戦後、占領軍は神道と政治を切り離す政策を進め、天皇は人間宣言を行い、
天皇の神格も否定されました。


 政治が宗教と結びつけば、個人が信仰を全うできず信教の自由が侵害される、
そして両者が一体となって戦争の機運を高め、突き進めてしまう。
 その歴史を味わい尽くした日本は、二度とこの歴史を繰り返さないように
政教分離を日本国憲法に定めました。

 
 戦争の歴史を繰り返さないためにも、日本国憲法20条は大事なんですね。

 自民党憲法草案20条3項は、「社会的儀礼又は習俗的行為の範囲で」
ならば、国等は特定の宗教行為をすることを認める規定を置いています。

 社会的儀礼でしかないから、習俗的行為の範囲だから、国家がこれくらい
宗教に関わってもいいでしょ…と、というのは、恰好の「言い訳」になります。
 靖国神社への玉ぐし料の奉納…
 
 参拝…

 今また、国家予算で、天皇の即位の礼や大嘗祭が行われようと
しています。

 国家と神道の強い結びつきを感じずにはいられません…。

 またそうやって、特定の宗教と政治が結びついていくのかな、と
不安になります。

 
2015年9月に国会で強行採決された安保関連法制等について、
宗教者たちも抗議の声をあげています。

 歴史を繰り返しまい、何にも代えがたい信仰を守るための宗教者
の不断の努力なのですね。


2017年1月9日月曜日

やや日めくり憲法 19条 共謀罪とも関係します

日本国憲法 19条(思想良心の自由)
 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。



【意味】「思想及び良心」とは、世界観や人生観、主義・主張など、
人それぞれの考え方や、何を正しいと思うか、など。
 「これを侵してはならない」つまり、心の中でどう考えようが絶対自由だ!


 心の中で、どんな妄想をしようが、何を正しいと思おうが、今の政治を
批判しようが、自由なんです。一人一人の意見のもとになる、とっても大切な
「思想良心の自由」。

 そんなの自由に決まってるやん!と思うかもしれません。
 なので、諸外国の憲法ではあんまり規定されてません。
 でも日本では、戦前の治安維持法のように、時の政治を批判する思想を
持っているというだけで処罰・拷問されたことから、あ・え・て、憲法で
保障しています。
 
 この人権は、「国家は、国民が何を考えているか、どんな思想か、むりやり
言わせてはならない」という意味も含んでいます。なので、卒業式や入学式で
教員に「必ず起立して君が代を歌え」という命令は、この人権を侵害する行為
だといえます。
 「君が代」という歌をどうしても受け入れられない、自分の思想や信条から
かけ離れている歌だとかんがえる教員にとっては、それに抗議したり拒否
したりすることは、「胸に秘めていた君が代への考えを、公表せざるをえない
立場に追い込まれる」ことです。思想良心を胸に秘めておける自由を奪われる
のです。


 最近、政府が「共謀罪」法案を国会へ提出する方針だと報道されています。
 共謀罪とは、団体の活動として一定の犯罪について合意(共謀)するだけで、
実際にその犯罪を行わなくても処罰されるというもの。対象となる犯罪は、
懲役・禁錮4年以上の犯罪で、合計すれば676にもなるそうです。

 政府は、東京オリンピックを目前にテロ対策強化が必要で、国際組織犯罪
防止条約を批准するために共謀罪などの法整備が必要と説明しているようです。
 しかし、この条約は国際的な組織犯罪防止が目的であり、テロ対策は直接
関係しません。また、既に重大犯罪には例外的に共謀罪が認められているので、
必要性も乏しいです。


 それより、心の中のことを話しただけで犯罪とされてしまう共謀罪は、
思想良心の自由を侵害するものといえます。治安維持法と同じだと指摘される
ゆえんです。

 複数人が話し合ったりして共謀することが犯罪ですから、捜査としては話し
合いの場面をコッソリ撮影・録音することが重要となります。
  どこで見られたり聞かれたりしているか分からない、思っていることすら
口にできない嫌な世の中になってしまいますよね。

 そのため、これまでも大反対にあって、3回も廃案とされてきた共謀罪。
 多くの市民団体だけでなく、弁護士会(日本弁護士連合会)も反対しています。
 共謀罪なんて嫌だ、反対だと声をあげて阻止しなければ。どうか、声をあげて
いる人には、応援をお願いします。
 共謀罪が廃案となるように私たちそれぞれが「不断の努力」をしましょう。



※イラストの転載はご遠慮ください※

やや日めくり憲法 18条


日本国憲法18条(奴隷的拘束及び苦役の禁止)
 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。
 又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反
する苦役に服させられない。

憲法18条は、だれも奴隷のようにとらわれたりしません、犯罪をした場合
以外はムリヤリしたくない仕事をさせられません、ということを保障します。


「奴隷」は、物と同じように他人に所有され、自由も名誉もなく、ムリヤリ
働かされます。そもそも人間あつかいされない…人生まっくらになっちゃう感じが
しますね💦

 「奴隷」とまでいかなくても、ムリヤリしたくない仕事をさせられるとしたら、
やっぱり人生、灰色…。



 「奴隷」のように扱われないっていうことや、ムリヤリしたくない仕事を
させられないっていうことは、私たちが自分らしく幸せに生きていための基本中の
基本です。

 日本国憲法の目的は、私たち一人ひとりが個人として尊重され、それぞれが
自由に幸せを求めて生きられる社会を作るということなので、憲法18条の保障は
当たり前、大前提なんですね。


日本国憲法のもとで暮らす私たちは、憲法18条が空気のように当たり前に
なっています。

 でも、歴史をみると、奴隷制度は、昔、多くの国でありましたし、アメリカでも
19世紀後半まであったのです。

 また、日本でも、戦前は、徴兵制で男性がムリヤリ兵士として戦争に行かされ
たり、勤労動員で女性や学生がムリヤリ軍需工場などで働かされたりしていたの
です。朝鮮半島から多くの朝鮮人がむりやり日本に連行され、徴用工として
奴隷同然の境遇で働かされていたわけです。
 こんなこと、二度と繰り返しちゃいけない。
 18条には、その深い反省と強い決意が込められています。

 
 そして、最近…憲法9条や立憲主義に反すると反対の声が上がる中で、安
保法制が変えられ、集団的自衛権の行使が認められるなどしました。

武器輸出も解禁されました。

 自民党の改憲草案では、平和主義が否定され、国防軍が創設されたりしています。
徴兵制については、改憲草案をつくった自民党の内部で意見が割れており、
「意に反する苦役にあたるから徴兵制はとらない」という人もいれば、「意に反する
苦役にあたらない」という人もいるようです。

いずれにしても、戦争の足音が近づいていることは確かなようです。

 
 だから、もう、徴兵制や勤労動員も、過去のものとは言い切れない…
そんなのはイヤだ!と思ったら、
子どもをそんな目にあわせるわけにはいかない!と思ったら、
声をあげるときです。

それが「不断の努力」です。

※イラストの転載はご遠慮ください※


2017年1月7日土曜日

やや日めくり憲法 17条 国の損害賠償責任

日本国憲法17条   
 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けた
ときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、
その賠償を求めることができる。


 もし、国や公共団体(具体的には、都道府県、市町村などのことですが、
いろいろあるので「公共団体」とまとめておきます。)の施策が誤っていて、
そのために傷付けられた人がいたら、その人は誰に責任を追及できるでしょうか。

 たとえば、過去には、国が適切な規制をしなかったために有機水銀が垂れ流さ
れて水俣病が拡大したことがありました。
 あるいは、炭鉱ではじん肺になって苦しみもがきながら死んでいく人々がたくさん

いました。

この人たちは国に対して責任を追及し、損害賠償せよと言えるのでしょうか。

 憲法は、17条で、「公務員の不法行為」により国や公共団体賠償をすべきで

あることを定めています。
 公務員の行為とは、国や公共団体の職員の行為ですから、国や公共団体の活動
のことを指します。
 つまり、国や公共団体の活動によって権利を侵害された人は、国や公共団体に
対して損害賠償請求を求めることができるのです。

 上に書いた、国が適切な規制をしなかったために公害で苦しむ人たちが現れた

問題は、労働者や地域の人たちに危険を強いながらお金を設けた事業主に責任が
あるのは当然ですが、国が、「このまま放っておけば危ない」とわかっていながら
対策を進めず、事業者にさせるがままの政策をとり続けたことに、責任を負うべき
だとされたのです。





今、私たちは、このことを当然だと思っています。

でも、実は、世界的・歴史的にみれば、この制度は新しいものです。

 ドイツやフランスでは20世紀初頭まで、イギリスやアメリカでも第二次大戦
頃まで、国による賠償責任は認められていませんでした。
 大日本帝国憲法もこのような権利を定めていませんでした。
 国の施策の誤りのせいで国民が傷付けられたとしても、国民は国に損害賠償を
求めることはできなかったのです。


 でも、これでは被害者を切り捨てることになり、不当です。
 被害者を広く救済しようとする世界的な流れの中で、現行憲法17条は国家賠償
責任を取り入れました。


 国に対する損害賠償請求権が当然に人権の内容であると言えるか、憲法学者の
では争いがあるようです。
 でも、国に損害賠償請求をすることで、私たち国民は国の誤りを追及し、正し、
自分たちの権利を守ることができます。
 憲法17条は、私たち国民に、自分たちを守る1つの武器を与えてくれたと
言えるでしょう。

 弁護士業務をしていると、国や公共団体がを相手にして国家賠償を請求する
ことがあります
 そのときに「国を相手に裁判をするなんて…」とためらう方と会うことも
あります。
 しかし、国や公共団体が、自分たちのしたことの責任をとって賠償をするのは
義務です。憲法を守って政治をしなくてはならないのですから。

 私たちが国や公共団体のしたことで損害を被ったら、泣き寝入りしないで
賠償を求める。
 このことは、私たちの損害を回復するだけではなく、国や公共団体に責任を
自覚してもらうための、「普段の努力」としての役割もあるのです。




2017年1月6日金曜日

やや日めくり憲法 16条 請願権ってナニ?

日本国憲法16条
 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令
又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、
平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願を
したためにいかなる差別的待遇も受けない。


① 「請願」ってなに?
 「請願」とは、国会や内閣、裁判所、みなさんが住んでいる都道府県や市町村
に対して、その職務権限に属するあらゆる事項について要望を述べることができ
る権利です。
 国民が政治に参加できず、表現の自由も認められていなかった王様の時代は、
請願は国民の声を王様(政治を行う人)に伝えるほとんど唯一の手段でした。
 今は、王様の時代とは違って、国民に選挙権があるので、ある議員さんに自分
の思いを託すことで自分の意思を政策に反映してもらうこともできるし、また
国民に表現の自由が保障されているので国政を批判することもできるけれど、
時には国民の意思を無視した国会運営がされてしまうこともありますね。
 そんなときに、国会に「こんな政策にしてほしい!」「そんな政策は止めて
ほしい!」とお願いすることができるんです。


② だれでも請願できます!
 また、請願は、選挙権が認められていない、18歳未満の未成年者や、外国人
もすることができます。未成年者や外国人にとって、請願権は、自分の声を、
国や地方自治体に伝えるのに重要な権利といえますね。


③ うまく使えば政治も変えられる!?
 三権(国会、内閣、裁判所)のうち、国民が直接選んだり、辞めさせたりでき
ないのが内閣です。(国会議員は国民の選挙で選ばれます。最高裁判所の裁判官は
国民審査を受けます。)
 そんな内閣でも「世論」はとっても気にしているはず。世論調査で内閣支持率
が低くなれば、内閣総辞職もありますし。
 内閣に対する請願で私たちの声を届けることも、憲法12条にいう「不断の努力」
の一つですよね。んー、ハードルが高いですか??
 でも、2006年には、静岡市で、ぜんそくの持病を持つ中学生が約2万4千人
分の「歩きタバコ禁止条例」の制定を求める署名を集めて、請願をしたことが
きっかけで、路上喫煙被害防止条例が制定されたという実績もあります。

 内閣がやっていることをきちんと監視して、ダメなものは「ダメ!」という
ことも大切だし、逆に「こんなことしてよ。」と要望することも大事。
 いろんな方法で私たちの声を伝えていきましょう!




*イラストの転載はお控えください。

2017年1月5日木曜日

やや日めくり憲法 15条 <国民が、「ふつう」に持ってる、選挙権>


第15条
〔公務員の選定罷免権、公務員の本質、
     普通選挙の保障及び投票秘密の保障〕

  公務員を選定し、及びこれを罷免することは、
 国民固有の権利である。
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の
 奉仕者ではない。



 憲法15条1項&2項は、公務員の地位について、
公務員の究極の使用者は国民であることを定めています
(すなわち「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」)


選挙で選ばれた議員さんなどが「一部」の利益を図ることは
許されない!ということですね。当然のことが書かれています。

3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙
 を保障する。
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵して
 はならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的
 にも責任を問はれない。


 また、憲法15条3項&4項は、「選挙」についての規定。
 私たち主権者国民が、ここ一番に主権を行使して権力をコント
ロールする決定的な場面、それが選挙ですから、選挙の規定は
主権者にとって、めちゃくちゃ大事です。


 条文では、普通選挙だよ!とか、投票の秘密は守られますよ!
とか書かれています。それって、当然じゃん!…と思いきや、
そうでもありません。
 なんと歴史的に見れば、みなさんが「フツウ」だと思っている
選挙制度は「たった」70年の歴史しかないのです。



日本の歴史上、「選挙」についての重要なポイントは3つです
(ハイ、ここ試験に出ます~w)。


    1890年の第1回衆議院選挙、


    1925年の男子普通選挙、そして


1946年の初の女性が参政権を得た普通選挙です。





 具体的に見てみましょう。
 1890年には、直接国税15円以上(めっちゃ高額納税者!
全人口の1%程度)の「男子のみ」にしか選挙権は認められて
いませんでした。(なお、1900年までの10年間は「秘密
選挙」ですらありませんでした…ヤバいですね汗)


 この「納税額の制限」がなくなったのは、1925年の男子
普通選挙以後のことになります。
 このときでも、満25歳以上の「男子のみ」に選挙権が認め
られただけで、全人口の20%程度。

 いつまでたっても女性の選挙権は認められず…
 敗戦を迎えて、翌1946年、やっと女性は参政権を獲得した
のでした!
 これによって全人口の50%程度に選挙権が認められたことに
なりました。
なお、2016年には、18歳以上に選挙権が認められました。


  こんな感じで、「ふつう」の選挙制度は実は歴史的に見ると、
決して「ふつう」とは言えない制度だといえます。
 私たちが持っている「1票」は、先人たちが獲得してきた歴史の
上に認められているかけがえのない貴重な「1票」なのです。


2017年1月4日水曜日

やや日めくり憲法 14条



日本国憲法14条
1 すべて国民は、法の下に平等であって、
人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、
政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。


 日本国憲法14条は、「平等」条項。国家が人種や性別などに基づく差別を
してはいけないと定めています。

 当たり前ですよね。

 ただ、人が何もしていないのに国家が勝手に差別するのかっていうと、
違いますよね。
むしろ、社会の中に、人に「上下」「優劣」をつける差別の雰囲気があることが、
根本的な問題です。

 アメリカでは、平等が合衆国憲法に盛り込まれたのは1868年でした。

 しかし、ビリー・ホリデイが黒人へのリンチを告発した歌「奇妙な果実」を
歌ったのは1930年代で、つまり当時は、黒人が、黒人だという理由だけで殺され、
木に吊されていました。

 キング牧師が人種差別の撤廃を求めて「I have a dream」と演説をしたのは
1963年でしたが、その5年後に彼は殺されました。

 こうしたひどい事態を生んだのは、法律というより、人種差別をよしとする
社会の雰囲気でしょう。

 今はもう人種の差別なんてない!

 ……かというと、まだまだそうでもないですよね。

 白人の警官による黒人市民への暴行、教会での銃乱射など、人種差別を背景に
した暴力的な事件は、21世紀に入ってからも起きています。
暴力的な事件でなくても、ハリウッド映画の主役が白人の俳優ばかりなのも不思議。

 日本だって、もちろん他人事ではありません。アイヌや沖縄の人々への
差別的な目は根深く、性差別も構造化して、性暴力やセクハラが後を絶ちません。
さらには国家にとって役に立つかどうかで人の価値が決まるかのような優生思想
を表明する杉田水脈議員のような人まで出てくるありさまで、、、人種や民族や
性別や障害など、いろいろな「違い」がある人間の個性に「優劣」があるかの
ような感覚、これが燻っているように思います。


日本国憲法14条のいう「差別を許さない」というのは、決して「みんな同じ
だから優劣をつけるな」ということではありません。
 むしろ、「みんな違う」が前提です。

 14条は、ひとつ前の条文の13条「個人の尊重」を思想の流れで出てくる
条文です

 いろいろな個性がある、みんな違った状態の個々人をそのまま尊重しようと
いう13条の考え方を受けて、違いを理由に差別してはダメ、という14条が
あるのです。

 そう、みんな違うからこそ、その違いを大切にしたい。
 みんなちがっている、だからみんなかけがえのない価値がある。
 平等というのは「みんな同じ」じゃないんですよ。(これ大事)

 「みんな同じ」は、「多数派のみんなに合わせなさい」という同調圧力の
裏返しだったりします。個性はどこいった!となってしまう。

 人種も性別も「みんな違う」のを前提に、違いを大事にしつつ、いかに
「平等」にしていくか。わりと難しい課題なんですが、でも少しずつ少しずつ、
「不断の努力」で解決していきたいですね!








※イラストの転載はご遠慮ください※

あすわか児童向け図書など、新聞で紹介されました♪



 お正月休みも終わり、今日からお仕事がんばっておられる方、
おつかれさまです~!
 4歳の誕生日を迎えたあすわか、5年目もがんばってまいります。
一人ひとりが大切にされて自分らしく生きられる社会を守りた~い!
育てた~い!残した~い!という思いで、さらにさらにたっっくさんの
方々とつながってパワーアップできたらいいな、と思います(^^)/


 さて、新年早々、あすわかの児童図書
『いまこそ知りたい! みんなでまなぶ 日本国憲法』と、あすわか
メンバー・楾大樹弁護士の『檻の中のライオン』が新聞で紹介され
ました♪ 


 子どもに日本国憲法を解説 弁護士の出版相次ぐ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG03H36_T00C17A1000000/



 『いまこそ知りたい! みんなでまなぶ 日本国憲法』(ポプラ社)は、
小学生が図書館で調べ物をする時に読んでもらえることを想定して
作りました。子ども向け、とはいえ、驚くなかれ、大人もびっくりなほど、
(生活保護、えん罪、LGBTなどなど)自由や人間の尊厳に関わるさま
ざまなテーマを深く掘り下げています。


 『檻の中のライオン』は、今月末に憲法カフェツアーを控える大人気
の楾弁護士の著書。言わずもがなの、面白く深い憲法入門書です。


 「自主憲法制定」を党のテーマとして掲げる自民党は、今年も「とに
かく憲法変えたい。」と、なんだか乱暴に話を進めそうです。
そんな動きを止められるのは、「知識」を持った主権者国民だけです。
「知ってる」って、すごく強みなのです。「知識」って、強力な武器です。
「とりあえず憲法勉強してみよっかな」と思ったら、ぜひ、あすわかの
本を「はじめの一歩」に使ってみたり、元旦から始まった「やや日めく
り憲法」の記事を追ってみたり、トライしてみてくださいね☆

2017年1月3日火曜日

やや日めくり憲法 13条


第13条〔個人の尊重と公共の福祉〕
 すべて国民は、個人として尊重される。
 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利に
ついては、公共の福祉に反しない限り、立法その他
の国政の上で、最大の尊重を必要とする。






①  あなたは「個人」!だれもがかけがえのない存在。
 中世ヨーロッパ時代、「人」の概念には、奴隷、自由人、市民とか、
いろんな身分が含まれていました。
 そこには序列があり、「最高の価値」を持てたのは、ごく一握りの王族だけ。
 そんなのおかしいですね。

 一人ひとり、生まれたときからかけがえのない価値があり、大事にされなけ
ればならない。
 誰もが「自分らしく、自分だけのオンリーワンの人生を歩める。
 歩んで行っていい。そういう「誰もが大事にされ、自分なりの人生を自由に
歩める」社会が構築されなければならない。
 この考えが源になり、国民は憲法を定め、国家権力を縛ることで、彼らの自由
と権利を保障することにしました(近代立憲主義)。

 日本国憲法13条も誰もが「個人」として尊重されるんだ、と規定している
わけです。
 「人」ではなく「個人」。個性(その人らしさ)をもったかけがえのない存在
という意味が込められています。



②あなたの利益は「全体」のためでない!

 あなたの利益はあなた「個人」のもの。
 だから、社会や集団「全体」のために自分の利益を犠牲にする必要はあり
ません。
 社会に奉仕するために生まれてきたわけでもなく、国に人生を捧げるために
生きているわけでもない。一人ひとりの自分らしい人生以上に大切なものは
ありません。



③他人も「個人」。だから「公共の福祉」!

 だれもがかけがえのない価値を持っているのですから、他人の命や人権を
無視してはいけません。
 他人も「個人」として尊重されているのですから。
 そこで憲法は、「公共の福祉」の範囲で、自由や権利を保障しています。
 誰かと誰かの自由や人権が衝突してしまったら、どちらか、あるいは両方の

人権を少し制限してお互い気持ちよく生きられるように調整しなければなりま
せん。それも当たり前。



④みんなそれぞれの幸福追求権がある!

 一人ひとり違う考え方をもっているから、何が幸福かもそれぞれ違います
よね。
 そこで、憲法は、みんなそれぞれの価値観に基づいて自分の幸せを追求する

権利を保障しています。自分だけの人生を自由に歩めます。


⑤憲法の究極の目的は「個人の尊重」!

 憲法は、(a)基本的人権の尊重、(b)国民主権、(c)平和主義を三大原理
としています。
 実は、これらは全て、13条の「個人の尊重」を目的にしています。
 個人を尊重にするには、
(a)1人1人の権利自由が守られなければなりません。
(b)1人1人の政治意思が等しく反映されなければなりません。
(c)国のための数として扱われてしまう軍隊や戦争はあってはなりません。
 13条は、憲法そのものの究極の目的なのです。




☆みんな違ってみんないい!

☆あなたはこの世にあなたしかいない、だから素晴らしい!
☆もともと特別なオンリーワン!