2014年2月28日金曜日

リーフレット「2分で分かる!集団的自衛権 ほぼ AtoZ」完成&販売開始のお知らせ


 
 お待たせしました!
 当会作成リーフレット第2弾が完成いたしました!


 タイトルにもありますが、その名も

「2分で分かる!集団的自衛権 ほぼ AtoZ」です。


 集団的自衛権。
 すでに何度もこのFB等でも取りあげています。

 政権発足以来、安倍首相は「集団的自衛権の行使容認」への
執念を隠さず、日に日に実現への歩みを加速させています。
これを、この通常国会中に成し遂げるのが、政権の描く理想図の
ようです。


 つまり、こういうことです。
 「憲法の読み方を変えます。戦後ずっと、日本は憲法9条がある
以上、集団的自衛権を行使することは許されない、と考えてきまし
たが、それは間違いということにします。今日からは、憲法9条の
もとでも、日本は集団的自衛権を行使して、戦争できるということにします。」


 
 集団的自衛権って…よく分からないけど、
 仲間を助けるってこと?
 憲法の読み方を変える…それって憲法改正とは違うの?
 っていうか、そういう「読み方変える」ってアリなの?
 私たち国民の意見は聞かずにやれるものなの?


 いろいろな「?」が思い浮かびませんか?


 
 そこで、何度も聞くわりにはイマイチ理解が進まない「集団的
自衛権」と「解釈改憲」の正確な知識と内容を、分かりやすく解説
したリーフレットを作成しました!
 


 今回も、カラフルでかわいいイラストを大島史子さんが描いて
くれました。(内容は決してかわいくありませんが 汗)
 政治にあ~んまり興味が無くても、タイトルどおり2分で読めて
しまうスグレモノです!A4の4つ折りサイズで、とてもコンパクトです。
 


 集団的自衛権について憲法の解釈を変えたい、国家安全
保障基本法を制定したい、と政府が具体的に行動にでたときに、
私たち国民が、「え?なんのこと?」という状態では、何もアクシ
ョンは起こせません。
 この国のあり方が変わってしまう瀬戸際で、国民みんながそれぞれ
「私はこう思う」としっかり議論し、しっかりアクションを起こせるように、
今から正しい知識を身につけなければなりませんよね☆


 「その時」まで、もう時間はありません。ぜひぜひ当リーフレットをご活用下さい。



●1部15円(税込み ご注文は10部単位で受け付けます
 送料別途(10部~300部:360円  310部~:着払い)
 
※消費税増税に伴う送料値上げのため、3月28日(金)午後5時以降にご注文いただいた方につきましては、値上げ後の送料のご負担をお願いいたします。


●注文方法
 ①注文専用メールフォームでの申し込み
  ( https://mailform.mface.jp/frms/asunojiyuu/eym0hlerovxw )


 ②FAXでの申し込み
  ・ FAX番号:03-3357-5742
  ・ 宛先 「明日の自由を守る若手弁護士の会」事務局 青龍美和子
  ・ 「2分で分かる!集団的自衛権ほぼAtoZ」 購入申し込み」と書く。
  ・ 注文部数  (*ご注文は10部単位で受け付けます。)
  ・ ご氏名
  ・ 送付先住所
  ・ 送付希望日(間に合わない場合もございます。時間的に余裕を持ってお申し込み下さい)
  ・ 電話番号
  ・ FAX番号


 
   できるだけこのFAX注文用紙をご利用下さい↓




●お問い合わせ先(東京法律事務所・小池)
 TEL 03-3355-0611

*頂いた個人情報は、リーフレット発送事務に必要な範囲でのみ使用致します。

2014年2月27日木曜日

特定秘密保護法 萎縮効果を狙ってますが、それが何か?


 昨年12月6日、特定秘密保護法が成立してしまいました。
 12月13日に公布され、1年以内の施行が予定されています。
 * ワンポイント法律知識 *
 公布:「こういう法律作ったよー」と発表すること
 施行:実際にその法律が力を持って動き出すこと。



 何もなければあと10か月も経たないうちに、「現代の治安
維持法」ともいうべき希代の悪法が動き出してしまいます。
法律の廃止に向けて、各方面が活発な活動を展開している
ので、ぜひ、皆さまも関心をお寄せ下さい。


 さて、2月25日付の「しんぶん赤旗」の報道記事は、この
特定秘密保護法がどのような意図で作られたか、の一端を
知る大変貴重な報道です↓
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-25/2014022501_01_1.html
 


 情報公開請求でゲットした文書によると、
 秘密保護法制の考え方をまとめた政府の有識者会議報告
書が、『秘密を取り扱う者に緊張感を与える』ことを罰則の
目的の1つとして記しています。刑罰で人を威嚇させる文言が、
有識者会議の最終盤で突如、法務省の反対を押しきって書き
込まれていたことが判明しました。


 法務省は事前に反対していたのです。
「緊張感を与えることを目的に刑罰を規定するなんて!」と。
 その理由は、
「(刑罰は)一般的に違反行為に対して刑罰をもって臨むことが
行政の円滑な実現及び秩序維持に必要不可欠と認められる
場合に設けられる」
「必要性の有無を離れて罰則が特別秘密を取り扱う者の意識
向上のために設けられるものであるとの誤解を与える」
 


 要するに、
 「秘密を取り扱う者に緊張感を与える」って、別に機密漏えい
なんて全く懸念されるような場面じゃなくても、およそ「秘密を取り
扱う者」に、何かあったら刑罰を科されてしまうと常にビクビクさせ
ること自体が法制の目的であると報告書は公言しているわけです。
つまり「萎縮効果を生じさせる目的だよ、それが何か?」と言って
いるのです。


 いやいや、刑罰ってそういうものじゃないでしょ、萎縮効果を
生じさせることが目的なんておかしいでしょ、と法務省は反対した
のです。近代刑法がある国の役人として、当然の反応です。


 でも報告書は法務省の反対を無視して、そのまま最終報告書に
盛り込みました。

 つまり(というほどでもないのですが)、
特定秘密保護法の刑罰規定は、ほんっとうに、

① 特定秘密を漏洩したり近づいたり近づきたいなーと思ったり
する人を厳罰に処すためのものでもあるし、

② 実際に特定秘密を取り扱う人が常にビクビクして「この行為も
罰せられるのかな」「処罰されたくないし、よく分かんないけど
念のため動かないようにしよう」「念のため」「念のため」…と萎縮
することを狙ったものでもある、ということです。


 このような、近代・現代の法治国家として当然の観点からの
懸念を無視して強行突破されることが、安倍政権の運営では
あちこちにみられるなあと思います。
 
 あきらめず、おかしいと思うことはおかしいと、声をあげ続けて
いきましょうね!

2014年2月25日火曜日

武器の輸出によって世界が平和になる?

*HappyBirthDay*
2月23日は、皇太子さんの誕生日でした。皇太子さんは会見で、「今日の日本は戦後、日本国憲法を基礎として築き上げられ、平和と繁栄を享受している」と述べ、「今後も憲法を遵守する立場に立ち、事に当たっていく」との考えを示しました。
また、昨年末には天皇さんも、「戦後連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を守るべき大切なものとして日本国憲法をつくり、今日の日本を築いた」と話しています。

日本国憲法は、前文において、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有すること」を確認し、9条で戦争放棄を謳っています。

日本国憲法は、今日の日本を支える基礎、土台です。

私たちが、朝起きて家族と朝食をとり、学校や仕事に行って社会生活を営み、家に帰って家族と夕食をとりながら他愛ない話をして、あたたかいお風呂で1日の疲れを癒やし、安心して眠る。そして、また朝を迎える。そういった、当たり前のことを当たり前に出来るのは、憲法が国家権力に対して「平和を守ろう。戦争はしない。」と約束させているからです。

誰よりも早く武器を捨てた日本へ向ける、国際社会の視線は(自国民ながら言うのもなんですが)尊敬と賞賛のまなざしでした。日本が「敗れた軍事国家」からたった30年で大国へと成長したのは経済力そのものだけではなく、戦争放棄という崇高な理念をいち早く掲げた日本への信頼があったからこそです。
しかし、国家権力が勝手な憲法解釈で集団的自衛権を容認し、他の国と一緒になって戦争ができる国にしてしまった途端、私たちはその戦後積み重ねた信頼を自ら捨てることになります。「日本は結局は武器をとるのか」その信頼を手放した代償は私たちの想像を超えるでしょう。いざとなれば国家のために人を殺し、殺される社会で生きる覚悟や意思など、国民にあるわけがありません。それなのに、私たちの生き方と国のあり方を大転換させようとしているのが、今の政府なのです。

そんな政府は先週末、「武器輸出管理三原則」なるものを3月にも閣議決定する方針を明らかにしました。これまで事実上禁止されていた紛争当事国に対する防衛装備品等の輸出を可能にするものです。日本の作った防衛装備品が、他国の人々の生活を破壊し、命を奪う戦争に利用されるかもしれません。
武器を製造して海外に売ることが、「活力ある経済活動を通じて国を発展させ」「世界の平和と繁栄に貢献する」(自民党改憲草案前文)ことになるのでしょうか。

今の政府が押し進めようとしていることは、国民の平和、世界の平和にとって大きな脅威です。

http://mainichi.jp/select/news/20140222k0000m010134000c.html

憲法がくしゅうかい@藤沢のカフェ



 先日、神奈川県藤沢市内のカフェで、当会メンバー弁護士が
講師をお務めした憲法学習会がありました。
 カフェでの憲法学習会ってどんな感じか、一例ですが、ご紹介
しますね。
 面白そう、と思ったら、ぜひ当会まで、「うちのカフェでもやりたい」
「私が知ってるあのカフェでやりたい」とご連絡下さいね。
→peaceloving.lawyer@gmail.com まで。
 





 この学習会には、20人もの参加者がありました!
 カフェの常連というおじさまやそのご友人が5人、

主催者のお友達とそのご家族が4人、
その他、奥様が前に講師の別の憲法学習会に参加したという旦那様、
ご近所の方(カフェの前に学習会の告知があったのでそれを見たそうです)、
ご近所の教会に置かれたチラシを見て来た方、
ご友人に誘われた方、
あすわかFBを見て来た方…。
年代も性別も職業もバラバラな方々が、たまたま同じ地域に
お住まいで憲法のこと知ってみようと思った、というだけの
共通項のご縁で初めて同席したわけですが、椅子をぐるりと
輪に並べ、簡単な自己紹介から始め、和気あいあいでした。




 今回は、主催者(そのカフェで、趣味でジャズライブ演奏を
されてるご夫婦)の方に演劇の素養があるという素晴らしい
特殊事情?があったため、「こういうケースどう考えますか?」
という短いコントをやるという斬新なスタートをきりました☆




 例えば…
 趣味ながらプロ級の腕前のギターを駅頭で弾いている方。

最近の改憲の動向に問題意識があって、これでなんか戦争
の方向に向かっちゃったらイヤだなと思い、反戦歌を1人路上
でギターで弾き語りをしています(実際の現場では、いきなり、
ギターの迫力生演奏が始まり一同度肝)。
 「俺これからもこういう路上ライブやりたいんスけど、憲法が

変わったら、こうい
うことできなくなるの?」




 
 ここへ講師が、改憲案やそれを巡る情勢を説明しつつ解説、

という流れでした。
 こんな感じ↓
 「そうなっては困りますね。関連する改憲草案の条文をご紹介

しますと、表現の自由に関する21条で『公益及び公の秩序を
害することを目的』とするような表現行動をしてはいけない
と新しい条文が追加されています。
 さて『公益及び公の秩序』ってなんでしょうか。たとえば反戦、

反原発が『公益及び公の秩序』を害すると判断されたら? 
そんなことないと思いますか?でも、政府の多数派がそう考え
たらどうでしょうか。特定秘密保護法に反対するデモを『本質に
おいてテロと変わらない』と言った政治家もいましたよね」
 




 参加者の方からは色々な感想を頂きました。
・ 実は、憲法は国民が守るものだと思っていた。国、公権力に
対して向けられたルールだというのがなんだか一番衝撃的に
新鮮だった。


・ 憲法改正に関心はあったが96条改正のところまでしかついて
いっていなかった。今の国会で「解釈改憲」が大きな話題とよくわかった。


・ 集団的自衛権の意味がわかってよかった


・ 特定秘密保護法の成立など、あれだけ反対しても通ってしまう
など「どうせ」変わらないのだろう、「どうせ」憲法も変わってしまう
のだろう、と思っていた。でも、こういうカフェでの学習会にすごく
新しさを感じた。この新しさには「どうせ」を打破するパワーがある
と思った。





 ぜひ、憲法学習会のご依頼を、お待ちしております!



2014年2月24日月曜日

元内閣法制局長官 阪田雅裕氏の講演&あすわかのアピール



 先日(20日)、参議院議員会館講堂にて「集団的自衛権を
考える超党派の議員と市民の勉強会(第1回)」が開催され
ました。
 基調講演は元内閣法制局長官の阪田雅裕氏による「政府
の憲法9条解釈」。
 立憲主義・法の支配・法治主義の観点から、解釈改憲が
いかに不当か。政府の中枢で憲法9条の解釈を磨き上げて
きた法制局のトップであった阪田氏のお話は、実に説得力に
満ちていました。


  まず、今現在、国際法上許される戦争はもはや「集団的
自衛権の行使」しかなく、アメリカのベトナム戦争も、ソ連の
チェコ侵攻も、すべて集団的自衛権の行使を名目に開始さ
れました。あれらの戦争自体の当否はともかく、集団的自
衛権行使を理由にしないと、国際社会では是認されない、
というわけです。
 日本国憲法は、すでに98条で国際協調主義を規定して
いて、国際法のルールを守るよと言った上で、さらに9条で
戦力の不保持を宣言しています。なのに、「憲法9条は集団
的自衛権の行使を認めている」ことにしてしまったら、9条は
空文化します(意味が無くなります)。
 単なる国際法水準(集団的自衛権行使の戦争なら許され
る、という考え)よりも上のレベル(一切の戦力を持たない)
だからこそ、9条平和主義は日本国憲法の3大原則の1つ
なのに、9条に国際法水準の意味しか持たせないことにな
ると、もはや9条がわざわざ存在する理由が無くなるのです。


 そうまでに、憲法とこの国のあり方を解釈で変えてしまう
のが、解釈改憲です。
 
 阪田氏は、続けて、解釈改憲は「立憲主義と法の支配
の否定」だと話しました。
 時代が変わったからとか、安全保障環境が厳しくなった
からとかいっても、日本は法治国家なのだから、時代遅れ
な法律があれば、それは「改正」することで対応しなければ
なりません。なぜ憲法にかぎって、政府が突然「時代遅れ
なので読み方変えます。今までの読み方はぜんぶ間違い
でした」という方法で実質的に変えることが許されるので
しょうか?こんな手法が許されるのであれば、立法府(国会)
など不要ということになります。


  この60年間(そのほとんどが自民党政権)、政府は
自衛隊の海外派兵がなぜ憲法9条のもとで許されるか、
その理屈をひたすら練り上げてきました。

 
 「自衛隊は戦力ではない。自衛のための最小限度の実力
部隊だから、戦力ではないのだ!戦力ではないから戦争
には参加できないが、非戦闘地域での、直接の武力行使で
はない作業には参加できるのだ!」


 この政府解釈には、厳然たる「憲法9条の下、集団的
自衛権の行使は許されない。日本が攻撃を受けていな
いのに、他の国が攻撃を受けたからといって戦争に参加
するのは、明らかに『自衛』ではない」という前提があります。


 言ってみれば、政府は60年間、「集団的自衛権の行使
は許されない」と厚く、厚く、塗り固めてきたわけです。
イラクやアフガニスタンへの派兵自体の批判はもちろん
あります(名古屋高裁は自衛隊のイラク派兵を違憲と断じ
ました)が、政府なりの「ある意味風雪に耐えて磨き上げら
れた解釈、60年間論理の破綻をきたすこともなく整合的に
一貫してとられてきた緻密な解釈」(by阪田氏)だといえます。


  その積み重ねを、
今、安倍政権は、「全部まちがいでした~!」とひっくり返そう
としている。
これが解釈改憲です。

 9条を最終的に名文改憲すべきなのかどうかは、それぞれ
立場の違いがあるでしょう。しかしそれらの立場を超えて、
「解釈改憲などという卑怯な手は許されない」と連帯しなければ
ならない時にきていると、改めて思いました。
 残念ながら、今の日本は、そういう連携をはからなければ、
立憲主義も民主主義も守ることができない瀬戸際にあるの
ですから。

法制局が解釈を決めてきた??? 渡辺代表の発言について


 報道によると、みんなの党の渡辺代表はBS11の番組で、

「憲法解釈を(内閣)法制局の役人が決めてきたという、
おぞましいことがあった。こういうおかしなことはないと、
いま安倍政権は言っている」


と発言したそうです。 … (-_-;)


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140220-00000195-jij-pol


 渡辺代表は、国会でそれなりのキャリアがおありになるはず
ですが、いろいろと誤解(?)があるようで、こういうミスリードな
発言は残念です。

 内閣法制局の憲法解釈は「役人」の作業だけでは決まるはず
がありません。また、法制局長が指名もされないのに、しかも
独自の解釈を国会で答弁することもありません。
 法制局は内閣(政権運営する政治家たち)の参謀なのですから。
法制局は内閣が国会に提出する法案について、各省庁が作成
した原案を審査(憲法や他の現行の法制との関係とか立法内容
の法的妥当性とか)しますが、国会に提出するためには、最終的
には内閣が当該法案を閣議決定しなければなりません。

 また、質問主意書に対する答弁を確定する際には、やはり
法制局が審査しますが、答弁はあくまでも閣議決定を経て
正式な答弁書として国会に提出されます。

 憲法解釈に関しては、この60年間、膨大な質問と答弁の
積み重ねがありますが、答弁を閣議決定してきたのは歴代自民党
政権ですし、渡辺代表の父親である渡辺美智雄氏はその重鎮で
したね!
 


 そもそも、新たな法案を作成し、新たな答弁をする際に一貫した
体系的な法解釈をすることは「法の支配」にとって極めて重要な
ことですが、こんな職人のような高度な能力と技術を(日々膨大な
政治案件に奔走する)政治家に望む事は不可能なので、だから
こそプロのリーガルアドバイザーとして法制局があるわけです。
そういうプロのスタッフが奔走しているからこそ、内閣は機能して
いるのです。

 それは別に憲法解釈に限ったことではありません。
アメリカだって大統領のリーガルチームがいますが,最終的な決定
権限はもちろん大統領にあるのであって,これを「官僚制度だ」など
と批判するのはお門違いです。
 国会にも議院法制局がありますが(内閣法制局とは実質的な権限
が違って、議員立法をする時のアドバイザーですが)、そんなに官僚
制度に頼るのがイヤなのであれば、議院法制局通さず法案を作成
してみてはどうでしょうか?
 しかも、渡辺代表は日本版NSC設置法に賛成し、秘密保護法に
ついては同法案に慎重だった江田氏らを排除して党の頭越しに
自民党と手を打ちました。NSCの事務局である国家安全保障局を
構成し、また秘密保護法の下で膨大な秘密指定をしていくのは防衛、
外務、警察官僚です。しかし、特に秘密保護法は、これらの権限に
対する歯止めが極めて不十分であり、権力の濫用が危惧されて
います。NSC設置法や秘密保護法には目を瞑り、内閣法制局の
しかも憲法解釈の部分だけを取り出して「おぞましい」という。
官僚主導打破を主張する渡辺代表のこの姿勢は、ダブルスタン
ダードに映ります。


 立憲主義をないがしろにする解釈改憲を「それだけは許しては
ならない!」という批判が日々高まりつつあります。元法制局長官
阪田雅裕氏や、元内閣官房副長官補の柳澤協二氏といった、いわ
ゆる「護憲派」ではなくむしろ自民党政権のブレーンであった方々で
さえ、先頭に立って異を唱えている状況です。いまこそ解釈改憲を
阻むために超党派の連携が不可欠であるという時に、渡辺代表の
この発言は、残念ながら、それらへの理解を欠くことを暴露する
ものとなっています。
 ぜひ、理解を正して、私たち国民のために、この国の民主主義と
立憲主義を守って欲しいものです!

2014年2月22日土曜日

人権後進国ニッポン その1

オリンピック、楽しいですねぇ。
私は、北国生まれなので、北国出身の方々の活躍がなんだかうれしいです。

頑張った人に対して「見事に転んだ」などと、暴言を述べる方もおられるようですが、
やはり、一生懸命になっている人を応援するのは、なんだか楽しいです。


さて
世界ランキング59位
これって、なんのランキングでしょうか?

ソチでの日本のメダル数? いやいや、金1・銀4・銅3はかなり多い方ですよ、17位(2014.2.22時点)です
FIFA? 惜しいですね、それは50位ですね(2014.2時点)
錦織圭? いや~、全然違いますね、15位だそうですよ(2014.2.17時点)
日本の男女格差? 残念ながら、日本は105位(世界136か国中)ですね
世界遺産の数? 日本は17件の登録で世界13位だそうですよ


まぁ、タイトルからして、憲法がらみなんですが、
正解は  報道の自由  なんです。

国境なき記者団の選考らしいんですがね
http://rsf.org/index2014/en-asia.php
日本は、180か国中59位なんです。
これって、やっぱり、先進国!っていうわりには、低いですよね
世界第2位(3位?)の経済大国なのに・・・

アジアでは、韓国や台湾より下なんです。
盗聴しまくっていたらしいアメリカよりも下ですし、偽物通訳が話題になった南アフリカよりも下なんです

ちなみに、原発事故情報の秘匿が問題になっていた昨年よりも6位も順位が落ちているんです


まぁ、
福島原発の関係では、選挙後に情報が公開されるってこともありましたし
特定のメディアの取材を受けない、って政治家さんや電力会社さんが言っていたのもありますでしょうし
なにより、ツワネ原則(国際的な基準)に反する秘密保護法ができちゃいましたからねぇ。

本来マスコミから監視される対象である首相が、マスコミ関係者と頻繁に食事をとっているってことが、ランキングに影響したのかもしれないですね。


人権後進国ニッポン
これでは、国に誇りを持てないですよ。



自民党さんの改憲草案では、この報道の自由を充実させる条文、なんてないのでして
むしろ、
秘密保護法を作るための条文
 「機密の保持に関する事項は、法律でこれを定める」(9条の2第4項)
表現の自由を「公益」に劣後させる条文
 「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行」うことは認められない(21条2項)
があるんです。

今後、ますます、報道の自由の順位が下がらないか不安です。



あって、報道の自由といえば
3月22日に石巻市で、表現の自由に関する学習会やりま~す
詳しくは、http://www.seihokyo.jp/shiryou/15jinken-shuukai-chirashi.pdfまで!

2014年2月20日木曜日

NYタイムズの社説

安倍政権の憲法解釈の見直しについて批判をして、最後に、もし本当にやるなら
「普段はずっと憲法解釈を控えてきた最高裁は、どんなリーダーでも個人的な意
思では憲法を書き直すことはできないのだ、と、彼の解釈を拒否すべき」とまと
めています。(当会会員による要約&翻訳)


http://www.nytimes.com/2014/02/20/opinion/war-peace-and-the-law.html?_r=0


憲法に縛られているはずの内閣総理大臣が、勝手に憲法解釈を変えてしまったとしても、
最高裁がその解釈を認めず違憲判決を出すことで、立憲主義に反する解釈改憲に立ち向かうことができます。


紙芝居「王様を縛る法~憲法のはじまり」のような王様の時代には、
行政だけでなく立法も司法も、王様の権限でした。
でも、それでは王様が一人ですべての権力を握るので、憲法を破って圧政に走りやすい。
そこで、憲法で権力を縛ること(立憲主義)をきちんと維持するために、
権力を立法、行政、司法の3つに分けて、別々の機関に担わせたのです(三権分立)。
そうすれば、1つの機関だけで憲法を破ろうとしても、ほかが阻止することができる。
(自民党憲法草案の中の、三権分立を壊す「緊急事態宣言」について、当会リーフレットで取り上げています。動画http://www.youtube.com/watch?v=V7EcIEdNZ4A&feature=youtu.beの4,08以降をご覧ください。)


この「立憲主義に反する解釈改憲は、司法がきちんと止めてね!」という指摘は、
まさに、立憲主義という仕組みの中での司法の役割(やるべき仕事)を踏まえているといえます。


ただ、最高裁による違憲判決は、歴史上とても少ない。


だから、「立憲主義を破る解釈改憲はやってはいけないこと」という国民の強い監視の目が、
今はとても重要だし有効なのです。


私たちも、司法制度を担う弁護士として。がんばります。

ご覧になりましたか?ファッション誌『VERY』で憲法トーク!



 先日予告した女性ファッション誌『VERY』3月号(光文社)、
現在絶賛販売中です。
  女優・井川遥さんの白いニットがまぶしい表紙が目印です。


 記事のタイトルは





 VERY白熱教室第10弾 
「お母さんこそ、改憲の前に知憲!

今、改憲が実現したら、将来、戦地に行くのは誰?」


 記事タイトルの下には、この座談会のコンセプトが端的に書かれています。


* * * * *


 『いつの間にか』決まっていた国の制度に驚いた経験は
誰にでもあるでしょう。我が子が戦争にいかなければなら
ないことが『いつの間にか』決まっていたら?知らなかった
ではすまない日本の未来を左右する改憲と、私達ができるこ
とを当たり前に考えてみませんか?


* * * * *


 座談会メンバーは、
『VERY』専属モデルのクリス-ウェブ佳子さん、
タレントのパトリック・ハーランさん(パックンマックンのパックン)、
社会学者の古市憲寿さん、
元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤さんと、
そして当会会員太田啓子弁護士☆


 とっつきづらい「立憲主義」についても、かわいいイラストの
漫画が引用されるなど工夫満載です。
  特定の意見を押し付けるのではなく、まずはみんなで「憲法
のこと知ろうよというスタンスが好印象です(「知憲」とは初めて
聞きました… さすが数々の造語を生み出してきた『VERY』!)


 「ねえねえ、イマドキ、ファッション誌でもこんな特集やるんだね~。」
 「確かに、今はみんなが、ほんとに憲法のこと知っておいたほうが
いいみたいだもんね~」
 と、この記事が、改憲をさりげなく(!)おしゃべりのネタにする
ためのアイテムになりますように。意外と、だれか一人が「最近
憲法が気になるんだけど」と勇気を出していってみると、「実は
私も~」とあとに続く方がいたりするものですよ(経験談あり)☆


 太田弁護士も、この座談会に参加するにあたり、「ママどうしの
井戸端会議とか、職場のランチタイム、アフター5の飲み会、
とにかく色々な場所で、当たり前のように、憲法や集団的自衛権
について、みんなが気軽に話せるようなきっかけになればいい
かなと思って」と話していました。


 そうですよね、今の国会で、集団的自衛権が行使できるよう
にしたいんだ、って連日のように首相が答弁してるのですものね。
このままだと、あと数か月後、日本は、戦争可能な国に変わり
果ててしまう可能性が高いのです。
  国家の命令で殺し合いさせられる国へ…
 なのに、そんな大事なことなのに、巷では話題にさえのぼら
ないって、おかしいですよね。
 座談会の記事が、こんな社会の流れを変える1つの小さな
きっかけになりますように。
  


 そして、読んでみて、おしゃべりしてみて、
なんか大事らしいけど、うーん、やっぱりよくわからない、と
思ったらぜひ、お友達同士で学習会を開いて、弁護士に直接
聞いちゃいましょう!
 2時間あれば分かる憲法のイロハを語りに、講師として
リクエストに応じております。
 お申込みは peaceloving.lawyer@gmail.com まで(^^)/
 実際に、発売後早々、『VERY』記事をお読みになった方から、
「ぜひ友達と憲法のこと勉強したくなった」と、当会宛てに
学習会のお申し込みがありました!
 


 それにしても、『VERY』は去年、都内の、放射能から
こどもたちを守る活動をしているママ達の取材記事も
載せていて、女性ファッション誌でありながら社会派な
一面も持っている素敵な雑誌です。子育てに忙しすぎて、
本とか新聞をしっかり読むヒマがない女性が、政治や
社会をしっかりフォローできるきっかけを作りたいという
意思があるのでしょうし、「一人の自立した女性であり
子どもを育てる母でもあるなら、憲法のこと考えずには
いられないはず。それが真のハンサムウーマンだよね。」
というメッセージ性も感じます。

 よかったら、ぜひ、読者アンケート等で、編集部に感想
をお寄せ下さい♪
 皆さまの他の愛読誌に、『改憲をテーマにした記事が
あったらいいと思います』とリクエストしてみるのもいいかも
しれませんね。
 

2014年2月19日水曜日

若手弁護士300名!

いつも、「明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)」の活動にご理解、ご支援をいただき、誠にありがとうございます。
おかげさまで、当会所属の若手弁護士の人数が、300名に達しました!

あすわかは、自民党改憲草案に危機感を抱いた若手弁護士により結成され、この1年間、1人でも多くの方に憲法や民主主義の考え方を知ってもらうべく、憲法の紙芝居やリーフレットを作成したり、カフェ学習会やトークイベントを開催して参りました。

憲法のことはもちろん、特定秘密保護法の危険性や集団的自衛権行使容認の持つ意味など、国民の方々に知っていただきたい、そして考えていただきたい問題はたくさんあります。
これからも、全国各地で、「あすわか」らしい取り組みを積極的に企画し、実行してゆく所存ですので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

*新入会員も随時募集中ですので、弁護士の方は是非一緒に活動しましょう*

2014年2月17日月曜日

集団的自衛権 勉強会のお知らせ☆



 超党派の国会議員さんたちが、新たな連携を模索しているようです。


 20日15時から、「集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の
勉強会」が開かれますので、下記に詳細を貼り付けます。
   安倍政権の、穏やかでない動きを食い止めるためには、まず
私たちはじめ国民全体が、集団的自衛権ってそもそも何なの?と
知るところから始めなければなりません。
 




*・。*゜・。・o゜・。*゜・。・o*゜・。*゜・。・o*゜・。*゜・。・o*゜・。・o*




集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会




日時: 2月20日(木) 15:00~17:00


場所: 参議院議員会館 講堂 (資料代500円)




基調講演「集団的自衛権と政府の憲法解釈」


   阪田雅裕さん(元 内閣法制局長官)




 各界からのリレートークあり


 発言:国会議員、市民団体ほか





 安倍内閣が集団的自衛権行使容認へ踏み出そうとしています。
戦後、自民党政権を含めて全ての内閣が明確に「違憲である」と
してきた大原則を、解釈変更だけで180度変えようとしています。




 戦後日本社会の大きな曲がり角に立たされつつある私たちは、
この重大な問題に関して、様々な視点から、多くの人々と共に
しっかり学び、議論を深めていきたいと思います。




 そこで、政党・党派の枠を超えて共に学び合う目的で、超党派
の議員と市民とが同じテーブルに集うための勉強会を立ち上げ
ました。今後さらに多くの政党、議員、市民に拡げていこうと思い
ます。




 第1回目として、内閣法制局長官という経験を踏まえながら
集団的自衛権行使に関して発言を続けている阪田雅裕さんを
お招きし、「集団的自衛権と政府の憲法解釈」というテーマで
講演していただきます。
 たくさんの議員、秘書、市民、メディアのみなさんの参加を
お待ちしています。ぜひお集まりください。




<呼びかけ人(2/13現在、順不同)>
近藤昭一(衆)、江崎孝(参)、有田芳生(参)、藤末健三(参)、
小野次郎(参)、真山勇一(参)、赤嶺政賢(衆)、仁比聡平(参)、
玉城デニー(衆)、主濱了(参)、小宮山泰子(衆)、
照屋寛徳(衆)、福島みずほ(参)、糸数慶子(参)、山本太郎(参)




<連絡・問い合わせ>
 江崎孝事務所(03-6550-0511)、
真山勇一事務所(03-6550-0320)、
仁比聡平事務所(03-6550-0815)、
主濱了事務所(03-6550-0817)、
福島みずほ事務所(03-6550-1111)

2014年2月16日日曜日

表現の自由企画@石巻のお知らせ

3月22日(土)午前9時から、宮城県石巻市で、表現の自由を考えるイベントを開催します!

講師は、
TBS「報道特集」のメインキャスターとしておなじみのTBS報道記者・金平茂紀さん、
東京都青少年保護育成条例で初の「有害コミック」指定を受けたことで知られる漫画家・山本直樹さん、
そして、東京都青少年保護育成条例等に関して積極的に発言を続けている弁護士・山口貴士さん、
という非常に豪華なメンバーです。

ここ最近、表現の自由をめぐる状況がかなり緊迫していることをご存知でしょうか。

昨年7月の参院選直前、自民党がTBSに対して、「NEWS23」で公平公正を欠く部分があったということで、党役員の出演・取材を一時停止すると通告しました。
「はだしのゲン」が学校などで自由に閲覧できないように求める動きが各地で起こっています。
昨年12月には、国民の知る権利に対して激しい制約を加えることになる特定秘密保護法が成立しました。

表現の自由をめぐって、今何が起きているのか。
そしてその情勢が、報道や表現活動にどのような影響を与えるのか。
お三方のお話をうかがいたいと思います。

この企画は、3月21日(金)、22日(土)の2日間にわたって石巻市で行われる「第15回人権研究交流集会」の中の1分科会として行います。
一般参加費は500円です。
ぜひお越しください☆
詳細はまたあらためてご連絡します。

第15回人権研究交流集会
主催:第15回人権研究交流集会実行委員会
後援:石巻市
連絡先:青年法律家協会弁護士学者合同部会 
 〒160-0004 東京都新宿区四谷2-2-5 小谷田ビル5階
 TEL 03-5366-1131 FAX 03-5366-1141
 E-mail bengaku@seihokyo.jp

2014年2月14日金曜日

バレンタイン企画 安倍首相に憲法の本をプレゼント


 今日はバレンタインデーですね。
 きれいに包装されたかわいらしいチョコがショーウィンドーから
溢れそうです♪


 そんな時節柄に合わせて、「明日の自由を守る若手弁護士の
会」は、立憲主義を守るためにこんな企画を立てました。


 題して、
 「安倍首相に立憲主義を学んで欲しい!
若手弁護士たちから思いを込めてプレゼント」作戦

  (^^)/


 説明いたしますと、
 ご存知の通り、国会では憲法や集団的自衛権に関する質問が
相次ぎ、そのたびに安倍首相から暴言が飛び出しています。
 「憲法の性格」について「国家権力を縛るものだという考え方が
あるが、それはかつて王権が絶対権力を持っていた時代の主流
的考え方だ。」と答弁したことについては、すでにFBでも取りあげ
ました。
 さらに2月12日の衆院予算委員会では、集団的自衛権の行使
容認(解釈改憲)について、「最高の責任者は私です。私が責任者
であって、政府の答弁に対しても私が責任をもって、その上におい
て、私たちは選挙において、国民から審判を受けるんですよ。審判
を受けるのは法制局長官ではないんです。」と答弁しました。
  選挙で勝ち、支持率も高いのだから、手続を踏まずにこちらの判断
で改憲できるのだ、とでも考えているかのようなこの発言に、唖然と
した方は少なくないでしょう。


 一国の首相が、権力を法で縛ること(立憲主義)への懐疑をあらわ
にし、「数の論理」だけが民主主義のルールかのように理解(誤解)
していること自体が、国民の自由と民主主義にとって脅威であること、
また国際社会からの信頼を失うきっかけになりかねないことを、改
めて強く思います。

 強く思うので…


 どうしても、


 どーーしても、


 どーーーーしても、安倍首相に立憲主義を理解してほしいっ!
  憲法とはなんぞや、と真剣に学び直してほしいっ!!


  …という思いが募ったところで、そうだ、読みやすい憲法の基本書
をプレゼントしよう!という今回の企画が生まれました。


 ということで、当会は安倍首相宛てに、
チョコレートと、芦部信喜著『憲法』(第5版)、そしてお手紙を
送りました(本日到着予定)☆


 勉強しろ、なんて、上から目線のイヤミに見えますか?
  でも、考えてみて下さい。
  首相は我が国の元首であり、国民の生命・財産・暮らしを守るため
の数々の政策の執行する、重責を担うエリート中のエリートです。
その職をまっとうするためには、(たとえ多くのスタッフの手を借りよ
うとも)まず誰よりも法律政治経済等々の知識・造詣が深くあるのが
当然なはず。その方に「立憲主義を正しく理解していないのかもしれ
ない」重大な疑惑が生じてしまっている今、私たち法律家は、たとえ
イヤミに聞こえても、「今一度学んで下さい」と進言しなければならな
い、と考えるのです。


 この思いが通じて、首相が立憲主義への深い理解へ到達した日
には、解釈改憲なんていう理不尽な計画も白紙になるでしょうっ!
それを願ってやみません。


 安倍首相への手紙は、以下のとおりです。
 (長文ですが、どうぞご容赦下さい。)

∞*:;;;;;;:*∞*:;;;;;;:*∞*:;;;;;:*∞*:;;;;;:*∞*


謹呈 早春の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。


 突然お手紙を差し上げる失礼をお許しください。
 私たち「明日の自由を守る若手弁護士の会」は、2012年4月に
発表された自由民主党憲法改正草案について問題意識をもつ
若手弁護士の全国ネットワークです。


  総理は去る2月3日の衆院予算委員会における質疑において、
「憲法の性格をどう考えるか」と問われた際、「国家権力を縛るもの
だという考え方があるが、それはかつて王権が絶対権力を持って
いた時代の主流的考え方だ」とお答えになられました。


 大変失礼ながら、私たちは法律家団体として、総理によるこの
ような憲法観のご表明について大いなる懸念を抱かずにはいら
れません。
 そこで、法律に関わる者にとって「そもそも一体憲法とは何か」
という問題が一般的にどのように理解されているかをご説明申し
上げます。


 およそすべての人が社会において個人として尊重されるために、
憲法が最高法規として国家権力を制限し、人権保障をはかると
いう考え方を「立憲主義」といいます。これは、人間が個人として
尊重され、幸福な人生を追求する上で不可欠な自由や民主主義
を確かなものにするために、人類が苦難の歴史から学び取った
教訓であり叡智であります。これはおよそ現代の民主主義国家
全てが共有する、基本中の基本の考え方であり、日本国憲法も
当然この立憲主義に立脚し、我が国が敗戦後国際社会において
信頼を取り戻す道のりの基盤となってきたことは,言うまでもあり
ません。


 民主主義の政治体制をしく現代の日本においても、およそ主権者
たる国民が国家に統治権力を信託し、国家が権力を保有している
以上、権力の濫用を防止して国民の自由と人権を確保するために
は、この「立憲主義」が憲法の土台であることは今なお必要不可欠
です。この意味で、国家権力を縛る機能を有していない憲法は、
実質的には「憲法」ではないと申し上げざるを得ません。これは我
が国をはじめとする民主主義国家における憲法学のゆるぎのない
到達点であり、その普遍性は疑いようもなく、大学法学部ではすべ
ての学徒が基本として学ぶことでもあります。


 ふりかえって先日の、総理の上記答弁は、一国の元首としてわき
まえるべき当然の知識を、果たしてお持ちなのか、私たちに不安を
抱かせるものでした。


 もしそうであるならば、率直に申し上げますと、そのこと自体が、
およそ日本社会に住む全ての市民の自由と民主主義に対する
深刻な脅威であると言わざるを得ません。


 総理は、ご自身が握る権力を濫用することは無い(従って憲法に
よって縛られる必要はない)とお考えかもしれません。


 しかし、権力の無謬性を前提とした政治が必ず権力の暴走を招き、
国民の人権が脅威にさらされたことは歴史が証明しており、それゆえ
法が権力を縛る発想が生まれたことへ、今一度思いを馳せて頂きた
く存じます。


 他方、総理は、1月24日の施政方針演説において「私は、自由や
民主主義、人権、法の支配の原則こそが、世界に反映をもたらす
基盤であると信じます。日本が、そして世界が、これからも成長して
いくために、こうした基本的な価値を共有する国々と、連携を深めて
まいります」と述べられました。自由と人権に何より尊い価値を置く
総理の姿勢を大変心強く感じつつ、それではなぜそれらの価値と
密接不可分な関係にある立憲主義の考えを、あたかも現代に通じ
ない過去のものであるかのように答弁されたのかという疑問が払拭
できません。


 総理が立憲主義ないし憲法の本質につき十分にご理解されていな
いのであれば、自由・人権・法の支配の原理を基本的な価値とする
他国と「連携を深める」ことなどできるはずもなく、私ども法律家団体
といたしましては、憂慮せざるをえません。


 大変僭越ながら、法律家団体として、お願い申し上げます。
総理におかれましては、今一度、立憲主義ないし憲法の本質を深く
ご理解頂きたく存じます。一国の元首としてはもちろん、さらにご自身
が先頭に立って改憲の議論を盛り上げるおつもりであるならなおさら、
これらの基本知識が誰よりも万全でおられなければ、残念ながら私た
ち国民は総理と総理が率いる政権に安心して国政を信託できかねます。


 時節柄、バレンタインデーですので、当会より総理に、チョコレート
と憲法の基本書を謹呈いたします。その基本書が最良か、当会内
でも議論がございましたが、我が国戦後の憲法学を先導し、今なお
多くの法学の徒から支持を受け続ける故芦部信喜東大教授の著書
を選ばせて頂きました。どうぞお納め下さい。
 我が国の民主的な発展と繁栄を心から願うがゆえの進言です。
失礼の段、どうぞご海容下さい。

 2014年2月14日

「明日の自由を守る若手弁護士の会」

 共同代表 弁護士  神保 大地
 同   元弁護士 黒澤 いつき

 内閣総理大臣 安倍晋三様 

2014年2月13日木曜日

王様を縛る縄のゆるさを、王様が決めるの?!

安倍首相が、集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更を、閣議決定によって決めると発言したそうです。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201402/2014021100231

これって、アリなんでしたっけ??


当会が発足当時から訴え続けているとおり、憲法とは、権力を縛るものです。
人はみんな、生まれながらにして自由・平等なのだけど、権力はそれを邪魔してしまいがち。
だから、憲法で権力を縛っておくことで、権力による邪魔から自由を守る。
これを立憲主義というんですね。

それは、王様の時代だけの話ではありません。
選挙で選ばれた人たちだって、国民が頼んでもいないことを勝手にやってしまうかもしれない。
国民(の、選挙で勝った多数派)が頼んだからって、少数派や選挙権のない人(子どもなど)の自由を奪っていいわけではない。
そういった事態を防ぐために、選挙の時代になっても、立憲主義は必要なんです。

当会が作った紙芝居「王様を縛る法 ~憲法のはじまり~」のテーマも、立憲主義です。




権力が自由を与えるのではダメだ。
それでは、「権力が認めた範囲でしか自由がない」ということになってしまう。
自由は王様にもらったものじゃない。生まれた時から持ってるものだ!
そうやって、立憲主義を学習し、勝ち取っていったのです。
立憲主義は歴史の教訓であって、人間の発明なんです。

そうであれば、王様を縛る法である憲法の解釈(どんなふうに縛られているか)を、
王様(ここでは行政権力をもっている内閣)が決めるなんて、おかしな話です。
自分を縛る縄をどんな縄にするか、どのくらいのゆるさにするかを、
縛られる王様が決めていいの?っていう話です。
おかしいですね!
安倍首相、憲法のことを「しっかり」あるいは「責任を持って」勉強しないとダメですよ!

というわけで、当会では、安倍首相にとあるプレゼントを用意しています。
詳しくは、のちほど!

2014年2月8日土曜日

本日の企画、延期のお知らせ


いつも「明日の自由を守る若手弁護士の会」の活動に
ご理解・ご支援をいただき、まことにありがとうございます。


当会では、本日2月8日午後3時から、学生限定企画
「憲法・政治・人権…イマドキのイケてる活動って?
 ~よく分かんないことは若手弁護士と考えよう!~」
の開催を予定しておりました。


しかしながら、本日は関東で10年に1度の大雪となることが
予報されており、交通機関の麻痺も予想されるところです。
参加者のみなさまの安全を考慮し、大変残念ではありますが、
  本日の学生限定企画を延期することと決定いたしました。

参加を予定してくださっていたみなさまには大変申し訳ありません。
近いうちに日を改めて実施したいと考えておりますので、
その際にはぜひご参加くださいますようお願い申し上げます。

ご不明の点がありましたら、事務局
peaceloving.lawyer@gmail.com
までご連絡くださるようお願い申し上げます。

2014年2月8日

明日の自由を守る若手弁護士の会

2014年2月6日木曜日

<明日発売>ファッション誌上で憲法トーク!



 ここ数日、ものすごーく寒いですね!
 まだまだ真冬のコートを手放せませんが、ファッション誌では
すっかり春物の装いが中心で、目に鮮やかなビタミンカラー
ばかりです☆


 さて、春物ファッションをチェックしたり美容情報をゲットする
ついでに、憲法のこともちょっとだけ考えてみませんか?


 明日(2月7日)発売予定の女性ファッション誌『VERY』
(光文社)では、いまどきのハンサムマザーなら憲法のこと
考えるの常識だよね、ということで、モデルさんやタレント
さんが、憲法について語る座談会の記事が掲載される
予定です!(まだ言えませんが、すごく豪華なメンバーですっ。)


 なーんと、当会メンバーの太田啓子弁護士も座談会に登場します♪


 『VERY』といえば…
 「シロガネーゼ」「イケダン」(イケてるダンナ)といった、
時代を彩る造語を数々輩出し、妻になっても母になっても
素敵なオンナであることを諦めないという女性たちに幅広く
指示されているナンバーワン女性誌。


 そんなファッション誌を支持するハンサムな女性たちが、
「いまどき、憲法について知って、自分なりの考えをもつ
のが常識ね」と考えるきっかけづくりになること間違いなしの、
必読記事です~


 なかなか、お友だちに憲法の話題を切り出すきっかけが
ないとモヤモヤしてる方も、たとえばこの『VERY』記事が、
話題のきっかけになるかも?固そうな「論壇誌」だと、これ
読んでみて、とは言いづらいけど、ファッション誌だったら
ハードル低く伝えられませんか?


 ぜひ、一家に一冊。
 男性も、奥さまに、ご友人に、娘さんに、プレゼントを。

 コンビニでもアマゾンでも買えますよ★

 繰り返しですが、発売は明日(2月7日)予定でーす!


 

2014年2月4日火曜日

立憲主義は「かつて」あった過去のもの?



 報道によると、安倍首相は3日の予算委員会にて、
「憲法の性格」について、


  国家権力を縛るものだという考え方があるが、
それはかつて王権が絶対権力を持っていた時代の
主流的考え方だ。

  と答弁したとのことです。

 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201402%2F2014020300729&g=pol


  第2次安倍政権発足後1年が経過しました。
発足当時から、首相はじめ与党自民党の議員さんたちは
憲法改正を目指していることを隠さずに歩まれています。
誰よりも熱烈に憲法を語るのであれば、まずはご自身が
誰よりも熱心に憲法を学ぶべきところ、今になってもこの
ような発言が堂々となされてしまうことが、残念でなりません。


  国民が自由と人権を確保するためには、権力の暴走を
防がなければならない。だから法によって権力を縛らなければならない。


  これは、人というものが自分らしく豊かな人生を送る上で
どうしても必要な自由や民主主義を確かなものにするために
たどり着いた叡智です。およそ現代の民主主義国家が共有
する基本中の基本の思想です。
 (私たち「あすわか」は、発足以来ずっと、この「立憲主義」と
いうものの考え方について、多くの人に知ってもらいたいと、
紙芝居を作ったりして活動してきました。)


  それなのに、その考えを、まるで過去の遺物かのように
言ってしまわれる日本の首相。
 ならば、首相ご自身は、憲法のあるべき性格をどのように
考えているのでしょうか、それを聞きたくてたまりません。


  政府は国際協調主義を強調していますが、他の民主主義
国家と価値を共有できないかのような発言を首相ご自身が
なさると、ますます欧米諸国はじめ国際的に「失望」を買い
かねないと思うのですが、杞憂でしょうか。

「何を言うか」と同じくらい「どう言うか」が大事!



 ちょっと前、昨年12月26日の東京新聞の記事は
ご覧になりましたか?
 記者さんと坂本龍一さんの対談が掲載されていました。
 大変共感する内容だったので、まだ読んでいない皆さま
にもご紹介いたします☆


  http://www.tokyo-np.co.jp/feature/sakamoto/list/131226_2.html


  タイトルは「対談<上>原発神話をぶっ壊せ」というもの
ですが、ここで皆さんに紹介したいのは原発問題のところで
はなく、市民運動一般について言及されている箇所です。


 * * * * *


  深刻な問題をしかめっ面で言われると、大事な問題でも
心を閉じてしまう。
 伝え方によって受け取る側はずいぶん変わる。
 同じ内容でも、昔ながらの市民運動型がたくさんある。
 事故前に原発の集会に行ったことがあるが、僕も引いて
しまった。
 紙面もそうかもしれない。
 同じ内容を伝えるのでも、相手が心を開くような伝え方を、
僕もいつも心がけている。

 * * * * *


  草の根市民運動を展開する者の1人として、深く胸に刻み
込まなければならないことだと思います。
 「何を言うか」と同じくらい、「どう言うか」「どのように伝えるか」が
とても大事だと、皆さんも感じませんか?


  もしかしたら、
 憲法のこと最近けっこう気になっているんだけれど…
 もっと多くの人に関心を持ってもらいたい、とは思うんだけれど…
 でも友達に話すと「重たい話」「暗い話」「真面目な話」とドン引き
されてしまうのかなーと思うと、なかなか話す糸口をつかめないんだよね、
 なーんて、モヤモヤしたりしてませんか?


  「こんなに大変なことが起きようとしている」
 「一大事だからみんなも今考えなくちゃだめ!」
 …危機感を募らせるあまり、焦って、ついつい悲壮感漂わせて
しまったり、激しい口調になってしまったり、なんていうある種の
「失敗」、ありますよね。
 でも、そこは一工夫が必要なんだと思います。
 どう伝えたら、あまり関心を持っていない人が振り向いてくれるか、
共感してくれるか。実は「何を伝えるか」以上に難しいことです。


  私たち「あすわか」も、試行錯誤の繰り返しです。
 たとえば可愛いイラストの憲法紙芝居を作ってみたり、
憲法学習会の場所を、堅苦しい場所でなくおしゃれなカフェで
やってみたり、というのもその工夫の一環です。
 ワインを飲みながらでも、居酒屋で飲みながらでも、いいですよね。
 小芝居うってみたりしてるメンバーもいるんですよ!
 何か、楽しく憲法情報を知ってみるアイディアがありましたら、
いつでも大募集中です!


  最後に、坂本さんの言葉をもう一つ。


 * * * *


   書き方や見せ方、アプローチのやり方に気をつけないと。
『正しいことを言っているんだから聞けよ』という態度だとダメですね。
従来の市民運動にもそういう人が多く見られ、僕も嫌だなと思う。


 * * * *


  ちょっと、ドキっとしますね。
 もちろん、自分たちの考えが正しいと思ってるからこそ、
いろいろな人に伝えたいのだけれども、上から目線で
「教えてやる」みたいな態度じゃ、全然聞く気がしませんよね。
そういう人、周りにいるなぁ…なんて、思いませんか?
 議論において、謙虚であることとかオープンマインドである
こととか、自戒を込めて、心にとめておかなければ、と思います。

2014年2月2日日曜日

バカな都民はNHKのいうとおりに投票する!?

いや、このタイトルは、私の思っている内容ではないことを、始めにお断りしておきます
もっとも、このタイトルをみて、ご気分を害された方がおられるかもしれません、予めお詫び申し上げます


ヘイトスピーチ規制の話のときなど、当会では、よく「知る権利」について取り上げてますんで、くどいかもしれませんが、「知る権利」ってなんで重要なんでしたっけ??

さまざまな説明の仕方はありますが、私が考える「知る権利」が重要なわけ
それは、「知る権利」がなければ、きちんと判断できないから、だと思っています

民主主義の世の中では、判断権者は民衆です
民衆は、判断をする前に、判断の前提となる資料を必要とします
民衆が、その資料をきちんと得るために、「知る権利」が必要なのです

ちゃんとした情報がもらえなければ、ちゃんとした判断が出来なくなる、ということです。
「知る権利」が無くなれば民主主義じゃなくなる、というのは、こういうことですね。


もっとも、
このお話には、とっても肝心な大前提があります
それは、
民衆は、情報が与えられれば適切に判断ができるはずだ、という大前提です
逆に言えば
民衆は、間違った情報に惑わされない、地位のある人・有名な人・肩書のある人の意見に流されたりしない、という大前提です
この前提があるから、適切な判断をするために様々な情報を得ることが重要だ!ということになるのです

つまり、
「知る権利」が大切だ、という考え方は、すなわち、情報の受け手を信頼している、ということなんだと思います


つい先日、この大前提とはちょっと違う出来事がありました
それは、
NHKが、
「原発の稼働コストが上昇し、石炭や石油による発電コストと差が縮小しているほか、事故の発生確率を減らしても、1件当たりの損害額が巨額になる」
という経済学者さんの指摘を、「有権者の投票行動に影響を与える」という理由から放送することを拒否した、という出来事です
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2014013000395


これ、みなさんは、どう思われますか??


原発の是非はともかく、このNHKの対応は、ちょっと都民をバカにしているのかな、と思ってしまいました

この経済学者さんの話す内容が真実かどうかは私は分かりませんが
(この記事が正しいとすれば)NHKさんとしては、「この情報が流れたら、都民はこれに流された投票行動をとってしまう、そうすると特定候補に有利ないし不利な報道をしたことになってしまう、それはいけない」と考えた、ってことですよね。

「都民は、経済学者さんの言うことやNHKの言うことを真に受けてしまう、そのまま信じてしまう、そしてそれを受けて投票をしてしまう」

そうなんですかね!?

都民のみなさんは、ほかの情報もあわせて検証したりしないんでしょうか?
ほかの経済学者さんの意見は無視するのでしょうか?
そもそも、争点って原発だけなのでしょうか?


何を言いたいかと言うと、
(決してNHK批判ではなく)、
知る権利は、ほかの方への信頼で成り立っている、ってことです


なお、自民党改憲草案では、
知る権利は保障されず、逆に国民に情報保護の義務が課せられます
(国民は信頼されていない!?)
また、公益や公の秩序のために表現活動が制限されます
(これも、国民は信頼されていない!?)


私は、不信ばかりの世の中よりも、ほかの方を信頼する世の中がいいんですが、いかがでしょう?