2014年6月30日月曜日

「米艦の邦人輸送」の事例がイタイほど空想なワケ


 安倍首相が事あるごとに自信を持って示す、あの事例。

 「近隣諸国で紛争が起こって、逃れようとする邦人を輸送する
米国の船が襲われたとき、その船を守れなくていいのか」

 そうそう、これこれ。言ってますよね~。


 これだけでなくて、政府が挙げる「こんなとき集団的自衛権が
使えなくてどうする!事例リスト」は、別に集団的自衛権を行使
しなくても対処できたり、非現実的なものだったりっていうケース
ばかりなのですが、今日は特に、この頻出の事例がどう非現実
的(というか正直、空想に近い)か、ご説明します。


① まず、日本人の避難者を乗せた船を自衛隊が護衛することは、
日本自身の防衛上不可欠な行動なのだから、個別的自衛権を
行使する、という問題なはずです。なので集団的自衛権を行使しな
くても全然困らない…ですね。


② そもそも戦争になってる段階で日本の民間人が大量に朝鮮
半島に残っている、という想定自体がありえない。
  外交が決裂し、国と国との関係が悪化し、戦争に発展するその過程は、
当然日々報道されますし、どこよりも日本含め各国の政府・情報機関が
詳しくキャッチします。そして自国民の命を守るために、情勢が悪化し始
めた段階で渡航制限や帰国を促したりします。海外旅行に行く前に、外務
省のHPで確認することもありますよね?なので、朝鮮半島で実際に戦争が
勃発した時点で、日本の民間人が(しかもお年寄りや子どもが)残っている、
という想定自体が、実はけっこう非現実的なのです。(そんな状況になる
まで邦人を朝鮮半島に残していた政府の怠慢・能力の無さがまず問われて
しまいます。)

③ それでもごくごく一部の民間人は、やむを得ない事情で朝鮮半島に
留まっているかもしれません。だから日本に連れて帰らなければ、たしか
にそうなるでしょう。
 しかし、自国民の命を守るための軍事的な基本のキですが、まずは

戦況が落ち着くまでは身の安全を確保していてもらうわけで、戦闘機が
飛び交い、いつ撃沈されるか分からないとかいう戦火をかいくぐって船に
乗せ、海を渡らせることなどするわけがありません。軍事的に、非常識です。


④ ついでにいうと、臨戦状態の軍艦には武器・兵器が詰め込まれています。
民間人が乗るスペースはありません。


⑤ 米艦は邦人輸送を事実上しない、と事実上宣言されています。
  報道もされましたが、日米の「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)
に基づく周辺事態法を作る際、アメリカ側の強い意向で、避難する日本人を
米軍が運ぶ「非戦闘員救出作戦」(NEO)は拒否されたのです。
 それもそのはずで、米軍は海外の自国民らを救出・保護する際のルールを
自分で決めています。
 そこにはハッキリと国籍による4段階の優先順位があって、

 第1順位 米国のパスポートを持つ者(米国籍)
 第2順位 米国の永住許可証(グリーンカード)を持つ者
 第3順位 英・加・豪・ニュージーランド国民
 第4順位 その他


 つまり日本は「その他」なのです。この優先順位から、「アメリカ自身が
真の同盟国だと思ってる国はどこか」が素直に伝わってきて面白いですよね!
 韓国に居住している米民間人は14万人いますから、戦争になるまでに
減っているとはいえ、日本人が実際に運んでもらえる日が来るまでには
戦争終わってるんじゃないか、というほど、事実上、「米軍は日本人を輸送
しない」のです。


 。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。


 いかがでしたか?
 こんな事例を挙げて、「こんな事態が起きたらどうするんですか!?」と
迫ってくるなんて、ちょっと反則だなぁ、と思いませんか?
 非現実的にもほどがある、という、そういう事例なのです。


 集団的自衛権がなくっちゃ日米同盟は終わりだ!なんて言われても、
不安にならないでください。
 不安にさせるのが、たぶん、「あの方々」の思惑なのですから。




2014年6月29日日曜日

リーフレット 今こそご活用を~!



 カクギケッテイに向けて、自民党は意気揚々としているのでしょうか。
公明党の内部ではまだまだ「それは党の信念と違うでしょ」と反発も
根強いようですが、それでも振り返ることなく、ねじ伏せてしまうのでしょうか。
 日々の報道から、目が離せません。
 
 あまりにも国民の声や民主主義のルールを無視する現政権を前に、
「もはや何を言っても無駄な気がする…」と気落ちしている方はいらっ
しゃいませんか?
 たしかにしんどいですよね、こんなに対話をしてくれない政権が相手では。

  でも、まだまだ私たち、やり残してることがたくさんあります!
 だって、周りのあの人もあの人も、まだまだ無関心でしょう?
 今、これをご覧になってる皆さん1人ひとりが、明日、例えば3人の
友人・家族に、集団的自衛権の問題を知らせて、新たな共感の輪を
拡げることができたら、それだけでもすごい数に積み上がるのです。
1人でも多く、「怒る国民」「自分の頭で考える国民」が生まれることが、
「民主主義国家としてのこの国」を守るための大前提です。
 そして、ぜひ、与党議員の方々の地元事務所へ、手短なメッセージを
送って下さい。メールでもFAXでもかまいません。自分の落胆、怒りを
伝えて、このままではこの政権も政党も支持できない、と伝えて下さい。
署名よりもデモよりも、手っ取り早くできる意思表明です。

 集団的自衛権の問題を、周りの方々に伝えるには、(我ながら)
当会のリーフレットがベストアイテム!
 おかげさまで、この4ヶ月で早くも15万部を売り上げました。 
 
 ご注文は以下のメールフォームからどうぞ↓
http://www.asuno-jiyuu.com/p/11510-300350-301-500500500-10-1-2-3-4-5.html

  リーフレットは動画化されてます♪
https://www.youtube.com/watch?v=5d66mRUASZM

  ちなみに、タレントの室井佑月さんからはこのリーフレットについて、
『たくさんの人に知ってもらいたい。こういうことなんだよね』
 というメッセージを頂きました☆

 
 縁起でもないことを承知で言いますが、もしも7月1日、最悪のシナリオ
通りに進んでカクギケッテイされたとしても、それで「もうすべて終わり」
「もう後戻りできない」「何をやっても無駄」なんてわけがないのです。
 
 カクギケッテイを具体化させようという政府の動きを止める、という
大仕事が待っているのです。それができるのは、「怒る国民」「自分の
頭で考える国民」だけです。
 
 「君たち国民は何も考えなくていいよ、民主主義なんてめんどくさいだろう?
政治は全部こっち(権力)がやるから、君たち国民は黙って従っていれば
いいんだよ。」
 立憲主義を破壊したがっている政府から送られているメッセージは、
こういうものです。
 
 そんなのイヤだ、と怒る、あなたが必要なんです。

2014年6月28日土曜日

【明日(6月29日)! いまの憲法どこが悪いの!?】

連日憲法がらみのイベントが相次ぎますね
7月1日に閣議決定してしまうかも、ってことで、さまざま緊急イベントが予定されているみたいですね

あすわかの会員も、みないろんなイベントに声をかけて頂いています

すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、
6月30日に官邸前で大きなアクションがあるみたいですね
http://got.angry.jp/0630/
札幌でも数千人のデモがあったと聞きました
秘密保護法のときのような大きな運動になってきていますね

以下、あすわか会員の明日のイベントです(^O^)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

どうして改憲するの?
今の憲法のどこがわるいの?

国民主権はどうなる? 表現の自由をまもりたい
集団的自衛権って、戦争できるってことでしょ?
教育改革? 共謀罪? 96条改憲? 国民投票?

あなたの不安・疑問も、持ち寄って一緒に作ってゆきましょう!

日時 6月29日(日)午後1時~3時 終了後、交流会も予定しています
講師 武井由起子氏(弁護士)
会場 世田谷ボランティアセンター
    03-5712-5101 下馬2-20-14
参加費 500円
参加申込み 事前に申し込んでいただけると助かります

共催 いかすぜ憲法!世田谷の会
   世田谷こどもいのちネットワーク

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
詳しくは、https://www.facebook.com/pages/%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%99%E3%81%9C%E6%86%B2%E6%B3%95%E4%B8%96%E7%94%B0%E8%B0%B7%E3%81%AE%E4%BC%9A/597888490228996をご参照ください

2014年6月27日金曜日

明日(6月28日)! 寺子屋憲法@中野



  明日6月28日(土)、JR中野駅近くのNPOユニ東京センターにて、
「第2回寺小屋憲法学習会」が開催されます☆
 http://npouni.net/topics/terakoya_kenpo0628/



 講師は当会会員の倉持麟太郎弁護士。
 チャリティマーケットやらボードゲームやらイベントも満載で、なんか、
これと憲法のコラボってすんごく新しくない? て感じですよね★

 以下、主催者の方のご案内文でーす。





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 最近ニュースやネットで議論されている『憲法改正』。
 実は、改憲って、私たちの生活がガラっと変わってしまう可能性
あるのです。でも、「自分には関係ないだろう。」なんて無関心になっ
いませんか?そこで! 気軽に楽しく憲法を学び、改憲についての
疑問や不安を軽くしましょう♪
 講師は弁護士。でも、堅苦しい会ではありません。倉持麟太郎弁護士
のとても気さくな人柄に、あなたの弁護士のイメージはガラっと変わって
しまうことでしょう。

  「今後、どのように憲法が変わる可能性があるの?」「憲法が大切に
しているものって何だろう?」「憲法ってそもそもどうして出来たの?」
本当は改憲は、私たちの生活に関わる大問題。明るい未来を創るには、
まずは自らが知ることでは?

  さらに!今回はなんと、スペシャルコラボが実現しました♪今年1
月に、
軍隊を捨てた国「コスタリカ」を訪れたネットワーク地球村の吉信誠一さん
から、「コスタリカの『積極的平和主義』とは?」「コスタリカの平和教育
とは?」など、現地で見て聞いて感じたビックリ訪問記を思いっきりお話
いただきます。

  当日は、楽しみながら支援に繋がるチャリティイベント(タオ療法、
ユニマーケット)や、大人も子供も大興奮のボードゲーム対戦、キッズ
プレイコーナーなど、わくわくイベントを同時開催!是非、ご家族・ご友人
を誘って遊びに来て下さい。 

 日時: 6月28日(土)   
   憲法学習会 14:00~17:00 
   (学習会は2時間程度+感想シェアなど:1時間を予定。)     
    同時開催イベント 11:00~
 

会場: 和田寺東京タオサンガセンター     
    (JR中野駅より徒歩約13分)東京都中野区野方1-5-11     
    地図はこちらhttp://bit.ly/1hfuEyQ



参加費: 700円(お茶&おやつ付き(砂糖不使用))
 

講師: 倉持麟太郎(くらもち・りんたろう)弁護士     
 

<プロフィール>     
 1983年1月16日生まれ 東京都出身     
 慶応大学法学部法律学科卒業 中央大学法科大学院修了     
 大学時代から憲法研究者を志し、憲法及び法哲学を専攻するが、実務での法理論の具現化や実践を目指し、弁護士を志望。     
 弁護士登録後も、研究会での発表や市民学習会の開催等を行っている。     
 昨年7月には、自民党憲法改正草案の解説で、tvk(テレビ神奈川)の参院選特番に出演。     
 2014年9月からは、慶応大学大学院法務研究科非常勤講師。     
 5歳からピアノを習い、また学生時代からの野球も続けるなど、文武両道に長けた新進気鋭の若手弁護士!



ゲスト: 吉信誠一(よしのぶ・せいいち)さん       
     NPOネットワーク「地球村」会員



 対象: どなたでもご参加頂けます。お子様連れでの参加もOK!     
   (学習会の内容を理解できるのは中学生以上となると思います。)     
    集中して学習会へ参加されたい方には、チャイルドケアで
    お預かりも可能です。

 同日開催イベント詳細
時間 11:00~17:30     
◆気と経絡の癒し『タオ療法』チャリティ施術。
 (タオ療法:http://taoshiatsu.com/)     
 ※イベント参加申込時、または当日、ご予約ください。     
 ・施術時間 約25分     
 ・施術料 1000円     
 ・支援先 バングラディッシュ・ラカイン族孤児支援など
 「タオ療法 チャリティ施術」   

◆チャリティーマーケット     
 手作りお菓子や石鹸洗剤などの販売や、xChange
(洋服の物々交換:http://letsxchange.jp/)を開催。     
 xChangeでは、ご持参頂いた数だけお気に入りの洋服をお持ち帰り頂けます。     
 自分ではもう着ないけれど、誰かに着てもらいたい洋服があればご持参下さい。
 (1人5点まで)   

◆☆戦争をやめてゲームをしよう!~大人も子供も大興奮?
 ボードゲーム『チャリティックス     
 ・参加費 無料 「ボードゲーム:チャリティックス」     

◆お念佛会(音楽念佛)     
 ゴスペルのような音楽念佛、そして楽しいワークが体験できます!     
 ・時間 18:00~19:30     
 ・参加費 無料     

◆和田寺住職:遠藤喨及法話ライブ鑑賞     
 ・時間 20:00~20:30     
 ・参加費 無料

 【申込み・問合わせ】     
 メール:event_tokyo@npouni.net     
 お電話:03-3385-7558 

7月2日 女子会企画@大宮 のお知らせ☆


 大宮で活躍中の当会会員・竪十萌子弁護士(絶賛子育て中!)が、
緊急憲法女子会を開催しま~す☆
  ぜひぜひお集まり下さいね(^^)/


*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~


 集団的自衛権ってな~に?
 憲法が変わるとどうなるの~?
 特定秘密保護法ってな~に?
 「よく分からない…」を「分かった!」にしよう☆


 集団的自衛権、特定秘密保護法、憲法改正の話がニュースで毎日流れています。賛成の人も反対の人もいるみたい。重要そうなんだけど、よく分からない。
   私たちに関係あるのかしら?
 そんな女性達の疑問に、女性弁護士が優しく解説します。

 お子様連れOK!軽食も持込可です。
 みんなでお菓子やお茶でも飲みながらゆるーく憲法のこと、ニュースのことを知り合いましょう。 

   どうぞお気軽にお越し下さい!


日時 7月2日(水) 11時~12時

場所 埼玉中央法律事務所
  あじせんビル4階(大宮駅東口徒歩5分)
  

http://saitamachuuou.gr.jp/

参加費 100円(資料代・お菓子付)
 

講師 弁護士 竪十萌子
         (明日の自由を守る若手弁護士の会所属)

 
問い合わせ先  電話 048-645-2026

2014年6月26日木曜日

また赤ペンで添削しちゃったぞ☆政府の「基本的方向性」



先日、安保法制懇の報告書を添削してくれたイケメン先生が、
あまりの出来の悪さにショックで寝込んでしまい…
添削から1か月以上が経ってもいまだ立ち直れない、というコトで、
当会が誇る?美しき女王様、わか子先生が添削してくれました☆


今度の答案の提出者「あべしんぞー」君
お友達の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が
作った報告書について、説明してくれたようです。


が!


集団的自衛権の定義を忘れて違う話(個別的自衛権とか)を
してしまっていたり、
ありえない事例を作って、それを前提に回答してしまったり、
やっぱり「集団的自衛権」とは関係ない話をして「集団的自衛権
は必要」と結論づけてしまう、悪い癖が出ているようです。

…( ̄□ ̄;)


さらに、「国民の理解」とか言いながら、
「解釈で」集団的自衛権を認めなくてはならない理由(国民投票
をしない理由)も説明されてない!


わか子先生、怒るとコワイんですよー?









2014年6月25日水曜日

そんなカクギケッテイ、ありえなすぎて、サッカー観戦に集中できません


 サッカー観たいのに…
 しかもウィンブルドンも観たいのに…
 報道によると、24日、集団的自衛権の行使をめぐる与党協議において、
自衛権発動の「新3要件」の修正案が提示されたとのことです。
公明党執行部も大筋で了承する方針で、与党が近く合意し、解釈改憲の
閣議決定をするそうです。


 憲法で縛られているはずの国家権力が憲法の読み方を勝手に変える、
 「戦争放棄」が放棄される、
 国民の意思が全く問われないまま、国のあり方が根本的に覆される、
 そんな瞬間に、民主主義国家の主権者であるはずの私たちが、立ち
会わなければならないのでしょうか。


集団的自衛権容認で大筋合意 公明、文言修正で妥協
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140624-00000048-asahi-pol
 
 もう一度、そもそもの自衛権発動の3要件をおさらいしてみましょう。
もちろん、日本は戦争放棄して専守防衛に徹しているので、今現在の
「自衛権発動の3要件」とは、「他国から攻撃された時の反撃の3要件」です。


 ① わが国に対する急迫不正の侵害があること
 ② この場合にこれを排除するために他に適当な手段がないこと
 ③ 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと



 これが、24日に与党協議で自民党から示された「新3要件」では、
このように様変わりしています。


 ①' 我が国に対する武力攻撃が発生したこと、または我が国と密接な
関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立
が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆され
る明白な危険があること
 ②' これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に

適当な手段がないこと
 ③' 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
という3要件に該当する場合の自衛の措置としての『武力の行使』に限られる。



 …これが、どれだけ際限のない「戦争への口実」になってしまっているか、
お分かりになるでしょうか。
 ①’は、結局アメリカがどこかの国から攻撃されたら、日本は他国の
戦争に参戦できることが書かれているのです。「これにより我が国の
存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から
覆される明白な危険があること」などという文言に、何の制約の力も
ないこと(そんなことはどうとでも言えること)は明らかですよね。

 ②'の「我が国の存立を全うし」という言葉の意味も、分かりません。
時の政権がどっかの国と国の戦争を見て、「この戦争は我が国の
存立にかかわる(ってことにする!)」と見なせば、それで参戦できて
しまうことになるのです。


 そして、この(要件という概念に反する)「新3要件」は、
集団安全保障への参加を可能にしかねないものなっています。
 先日、突然自民党が提案した集団安全保障。

 それ、なによ突然? と。

 国連の決議に基づいて多国籍軍に参加して、戦争することです。
 イラク戦争でイラクと戦った多国籍軍のような、あれです。
 つまり、自衛隊が日本政府の指揮を離れ、国連の指揮の下で
参戦するわけです。
 憲法9条は「国際紛争を解決する手段としての武力行使」を放棄
していますが、もう、どこをどう読み替えるとかいうレベルではなく、
この条文を無視して、「国際紛争を解決する」口実で参戦することに
しよう、というのです。
  
 与党協議で示されている「新3要件」は、集団安全保障への参加も
可能になっています。


 まさか、9条護持を信念とする公明党が、このような「憲法の蹂躙」
「立憲主義の破壊」を容認するとは思えず、報道が間違いであることを
期待するばかりです。

 しかし万が一、公明党が、党是や信念よりも、政権与党に組みし
続けるという結論だけにしがみつく選択をするのであれば、

 私たちは、立憲主義の崩壊を見ることになります。
 「戦争放棄」をうたい、実践し、実績と信頼を積み重ねてきた歴史に
つばを吐く瞬間に立ち会うことになります。

 そういう国の、そういう政権を選んだ国民として、子どもにどんな国と
未来を残してあげられるというのでしょうか。

2014年6月24日火曜日

全弁護士会が反対です!

日本に弁護士は何人いるか、ご存じでしょうか?

今年6月1日時点で、3万5094名です。

この、3万5094名の弁護士は全員、日本弁護士連合会の会員ですが、
自分が活動拠点を置く地域の「単位弁護士会」にも所属しています。
「東京弁護士会」とか「京都弁護士会」とかです。

この「単位弁護士会」、全国に「52」存在します。
(東京には3つ、北海道には4つあるので、都道府県数より多くなってます)

実はこれまでに、日本弁護士連合会はもちろん、
日本の全弁護士3万5094名が所属する「52」の全単位弁護士会で、
「集団的自衛権容認のための憲法解釈変更」に反対する声明や決議を出したことをご存じでしょうか。
(ちなみに、7つの単位弁護士会は、3度も重ねて声明・決議を出しています。)

国家権力は、国民が生まれながらにして持っている基本的人権を侵害してきた。
その反省から、「国民が国家権力を縛る法」として作られたのが憲法でしたよね。
国家権力は、主権者である国民が決めたルール「憲法」を守って政治をすべし。
この「立憲主義」は、近代民主主義国家において、基本中の基本です。

それを、縛られる側の国家権力が好き勝手に「憲法」を解釈して、ゆるゆるの縄にしてしまったら、国家権力は国民の権利を侵害し放題です。
国民の意思を問うことなく憲法を解釈で変更することというのは、まさに民主主義と立憲主義に真っ向から対立することです。
法律家である弁護士が、こんなことを許せるはずがありませんよね。

実際、日本弁護士連合会は、次のような決議(一部抜粋&超訳)をしています。

憲法の基本原理を、憲法改正せずに、内閣の判断で変えてしまうことは、
憲法を最高法規とし、権力に縛りをかけた立憲主義を、根本から否定するもの。
立憲主義の狙いは、個人の尊重と人権の保障ですから、立憲主義の否定は、個人の尊重と人権の価値を否定することで、到底許されません。

憲法は、軍事力によらない平和を実現しようとするもので、世界に誇れるもの。
憲法のもとでの外交・防衛政策は、軍事力によるのではなく、
平和的な方法による国際的な安全保障の実現でなければなりません。

日本弁護士連合会は、政府が憲法解釈の変更によって集団的自衛権の行使を容認しようとすることに強く反対します。

日弁連2回目の決議はこちら
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/assembly_resolution/year/2014/2014_2.html

ちなみに、日弁連1回目の決議はこちら
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/assembly_resolution/year/2013/2013_1.html

他にも、東京弁護士会では、政府が集団的自衛権行使容認の根拠に持ち出した「砂川事件判決」について、「判決を歪曲して容認の根拠とすることに強く反対する」との会長声明を出しています。

また、京都弁護士会では、安保法制懇の報告書について、「国民を誤導する議論により、憲法9条2項(戦力不保持)の廃止に等しい解釈変更を試みるもの。立憲主義に危機をもたらすものである」との会長声明を出しました。

みなさんも、お住まいの単位弁護士会がどんな決議や会長声明を出しているのか、
単位弁護士会のホームページでチェックしてみてはいかがでしょうか。
「プレスリリース」や「意見書・会長声明」などでご覧になれます。

法律家は、これだけ問題意識を持っています。
主権者である国民1人1人にも自分のこととして考えていただくべく、
あすわか「知憲」の活動を急ピッチで進めていきます!

2014年6月21日土曜日

憲法ってなぁに? W杯の報道から

いや~、悔しかったですね、ギリシア戦
そのうち点数が入ると思ったんですが、なかなか攻めきれず、やはりギリシアも強かったです。


W杯開幕直線、やたらと耳にしたのが、「ストライキ」ですね。
ブラジルの地下鉄労働者や警察官などが、物価の上昇に見合った賃上げを要求してストライキに入ったんですってね。
報道見ていたら、ストライキって邪魔、ストライキって怖い、ストライキって自分勝手、って感じしませんでした??

ストライキをするってことは、その時間帯、仕事をやってくれないので、その仕事を期待していた人は、その仕事の提供を受けられず、困りますよね。

そんな、人を困らせる結果になるこのストライキ、憲法上の権利だって知ってました?

「団体行動権」って言うんですよね

なんでこんなはた迷惑な権利が憲法上の権利なのかっていうと、簡単に言うと弱い者も守るためなんです

憲法って弱い者を守るためのものですよね
権力っていう強いものの横暴勝手から、国民っていう弱い者(の権利や自由)を守る
で、その強弱関係って、会社と労働者の関係でも起こりうるんですよね
会社が横暴勝手やると、そこで働く労働者がひどい目に遭う、って意味です。

たとえば
食料品とか生活費が値上がりしているのに給料が上がらないと生活に困りますよね
でも、会社は、食料品が値上がりしても給料をあげなければその分儲かりますよね

それだと労働者が困るから、労働者は文句を言うわけです
でも一人で文句を言っても「お前なんてクビだ!」と言われて終わりです
そこで、大勢で文句を言うわけです
でも、大勢で文句を言っても、「そんなもん知らん」と会社が取り合ってくれない可能性があります
そういう場合に、会社に言い分を聞いてもらうために、ストライキってのをやって、「僕らの言い分を聞いてくれないと仕事しないぞ、会社が回りに迷惑かけるんだぞ、それでもいいのか」ってやるわけです

つまり、ストライキってのは、弱い者がまっとうな生活をするための権利なんですよね。

だから、そのストライキを「はた迷惑だ」、「やめてくれ」って思うのは、そのストライキを行使せざるをえない人の権利を制約しちゃうことになるんです
困ったもんですね

他人の人権を護るってことは、自分にも我慢が必要なんですね、でもそれがめぐりめぐって自分の人権を護ることにつながるって、発想なんですよね、きっと。


ところで、このストライキ権
これを制限しちゃお、ってのが、自民党の改憲草案なんです。
弱い者を守るための憲法じゃないような感じです。

エンタメ憲法シリーズ 「風立ちぬ」と特定秘密保護法

★ネタバレ注意…といっても、もうみんな見てるかも★

 「風立ちぬ」といえば、スタジオジブリが製作した、零戦を作った堀越二郎の生き様と恋の物語ですね。私も2回見たんですが、自分の病気を顧みず二郎に会いに行く菜穂子の姿とか、二郎の仕事が成功するのを見届けずにそっと山に帰る菜穂子とか、健気で泣けてきます。瀧本美織さんの声もよかったですよね。え、もちろん庵野監督の声も独特で良かったと思いますよ。あと、國村隼さんの声も渋いですよね。取ってつけたようですか?そうですか。

 ところで、「風立ちぬ」の舞台って、軍需産業で戦闘機を作っている会社です。大好評、3刷決定の「これでわかった!超訳特定秘密保護法」(https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/1/0238840.html)でもご紹介させていただいたように、民間人でも、国防のための秘密にかかわるのであれば、特定秘密保護法の対象になりうるわけです。しかも、その対象者は意外な程たくさんになる可能性があります。特定秘密保護法が施行された場合、二郎は気を付けないといけませんよね。二郎って、ついポロッと話しちゃいそうなキャラですもんね。

 それで、見ていてぎょっとしたのは、軽井沢からの静養から戻ってきた二郎のところに、特高(特別高等警察)が調べに来ているというシーンが出てくるのです。特高は、思想専門の警察で、無実の人たちも捕まって大変な目にあったと黒川さんが言っていましたね。それで、二郎がかくまわれて、1人だけ別室で仕事をしていたりしました。

 どうも、軽井沢でドイツ人のカストルプ氏と交流していたのがまずかったようです。ファンの間の分析では、カストルプ氏は、戦時中、日本を舞台に活動したスパイのゾルゲをモデルにしているのではないかということでした。そのような怪しい外国人と接触したということは、思想的に怪しいんじゃないかということで、それだけで調査に来たということも考えられますね。しかし、スパイと接触した秘密の保有者ということで、秘密を洩らしたんじゃないかという疑いをかけられて特高が来た可能性も高いですよね。

 鑑賞していて、これが特定秘密保護法が施行された社会の様子なのではないかと感じられて、うすら寒くなりました。誰かがあなたの行動を監視しているかもしれない、たとえ秘密が漏れていなくても取り調べを受ける可能性がある、取り調べを受けたと言うだけで社会的評価にダメージを受ける、場合によっては、取り調べをして社会的評価を悪化させること自体が目的になることもある、そういう法律なのです。

 もちろん、国の安全のための秘密は守らなければなりません。それは十分に理解しています。しかし、その方法や法律を成立させるプロセスがあまりにもおかしいのです。「これでよかったの?特定秘密保護法」という続刊が出てしまいそうな勢いです(岩波さん、どうすか?)。

 政府は、着々と施行の準備を進めて、国会に特定秘密の監視組織を作るとか言ってますが、その組織の勧告に強制力はなく、実効性がありません。これだけ問題点が指摘されていても、修正される気配もありません。本当に、今年12月頃に、このまま特定秘密保護法を施行させてしまっていいんでしょうか。

 そんなことが気になった方は、とりあえず超訳本の前書き『なんで「特定秘密保護法」は問題なの?』と、4ヶ所に出てくる8コマ漫画をお読みいただければ、ざっくりと問題性がお分かり頂けると思います。知った上で、議論していきましょう。施行まで、あと半年近くあります。まだまだ間に合います。

 …ところで、「風立ちぬ」の中で、どうも「紅の豚」のポルコと、「ラピュタ」のドーラに似たキャラが出てきたような気がするんですが、みなさんはどうでしたか?かなり冒頭の、カペローニ氏と出会ったシーンくらいだと思いますが。他にも過去のジブリキャラがこっそり出てるんじゃないかと思い、もう一度見てみるつもりです。

2014年6月19日木曜日

セクハラ野次も憲法の問題です


今日は、都議会での野次がニュースになりました。
特に詳しく書いたリンク
http://www.j-cast.com/2014/06/19208144.html

なぜ、こういう野次を飛ばすのでしょうか?

やはり、「女性は結婚・出産して初めて一人前」
「結婚しない、産まない女性は半人前で発言する資格はない」...
そんなふうに考える人が、まだいるということでしょうか?
でもね、そう考えている皆さん。
いったいいつからそうだったの?

もちろん、結婚・出産という人生を歩みたいと望む女性がいるのは当然のこと。
でも、それを望まない人がいたっていいし、
望んでもできないからといって、その人の人生に価値がないというわけではない。
持って生まれた自由と違って、「人は成人したら●歳までに結婚して、子どもを…」なんて、誰かが勝手に決めたことです。
まして、そういう道を歩まない人の価値を国家が否定しては、絶対にいけない。

それが、憲法13条の「個人の尊重」ということなのです。

野次を飛ばした犯人は今のところ分かっていませんが、
憲法13条「個人の尊重」が消えてしまったら、
こういった野次が大手を振って歩く日が来るのかもしれません。

憲法13条から「個人の尊重」を消そうとしているのは誰でしたっけ?
皆さんなら、もうお分かりですね。

今日、一人の女性政治家が悲しい思いをしたこと。
これも単なる「セクハラ問題」というだけではなく、
個人を尊重しない自民党憲法草案の世界への警鐘であり、
立派な憲法問題なのです。

2014年6月17日火曜日

あすわかKYOTOすたーと!


6月14日、あすわかKYOTO結成総会&Partyを行いました!

結成総会には、京都のあすわか会員(約30名)のうち12名ほどが参加し、
支部長に三上侑貴、事務局長に諸富健、会計に高木野衣を選任しました。
そして、民主主義・立憲主義をないがしろにする安倍政権の暴走を止める「知憲」!
この動きを関西からも盛り上げるべく、京都らしい活動をしようという方針を確認しました。

Partyには、本部事務局長や兵庫支部事務局長を含む弁護士16名、大学生や一般の若者14名、子どもさん2名、記者さん1名、盲導犬1匹、合計33名(+1匹)のご参加をいただき、大盛況でした!
ちなみに、お店の方いわく、過去最大人数の貸切Partyだったでそうです。
ご協力いただきましたDining&RestaurantMOETスタッフの皆様、本当にありがとうございました。 http://hitosara.com/0006042414/

Partyでは、紙芝居「王様を縛る法~憲法のはじまり~」を上演。あすわかの原点を、みんなで懐かしく振り返りました。

つづいて、あすわか&憲法クイズ!景品無しの発表に、大ブーイングが。笑
紙芝居の題名「王様を○○○法」?に対し「しばく」という答えが出たのには一同爆笑。関西verに採用するか、検討中します。笑

そして、豪華賞品の当たるビンゴゲーム!
1位に秘密保護法超訳本、2位&3位にリーフ詰め合わせ、4位に京都支部ティッシュ、5位に紙芝居をプレゼントしました。
紙芝居をゲットした院生さんは、「私も語り部になります!」と心強いコメントをくださいました。

最後は、会場の方々から、憲法に関するリレートーク。

3人の子どもを持つ30歳の若いパパは「子供達に平和な日本を手渡すため、今こそ力を合わせて行動したい。」とおっしゃいました。

大学生からは、「今の憲法でも不十分なところがある。安倍政権の憲法改悪に対抗して、僕らは僕らの憲法を創る!」と、「創憲」の活動が力強く語られました。

法律家の卵、司法修習生は、「明日の自由ってか今の自由も守られていないですが・・・」
との前置きで会場に笑いを起こした後、広く連帯する必要性を力強く訴えました。

医療現場で働いている青年からは、「医療は人を救うためにあるけれど、戦争なんかになったら救いきれない。政治も国民の命を守るためにあるのでは?」と問いかけました。

とっっっっっても充実した支部結成総会&Partyでした。
ちなみに早速、京都新聞さんが、京都支部結成を取り上げてくださいました!
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20140614000127

京都といえば町屋カフェ!はんなり憲法talkをします!
京都といえば寺院いっぱい!今こそ寺子屋を開きましょう!
京都といえば鴨川!カップル等間隔の法則!デートに紙芝居なんていかが?笑
京都といえば学生のまち!大学へ出かけて行って学生と交流したい!

妄想が膨らみます。
いえいえ、妄想ばかりではありません。

6月20日(金)午後7時から、京都の宗教家の方々が集まる総会で、あすわかKYOTOによる学習会が決まっています!
7月27日(日)午前10時半~12時半には、「地域戦争展」のオープンスペースで、紙芝居とリレートークを行います!

京都からも、知憲の動きを盛り上げます!
みなさま、今後とも、どうぞよろしくお願いします!


2014年6月15日日曜日

「限定」?「必要最小限」?そんな言葉にはごまかされませんYO!



 「限定品」に弱い日本人 …そんな言葉を頭がよぎります。
 日本限定モデルとか、オープン初日限りとか聞くと、ついつい
並んでしまう、あの感覚。




 そんな話とは全然違いますが、「限定」という言葉にからめ
とられる方が、やはり少なくないのかなぁと思う、今日この頃です。
そうです、集団的自衛権の話です。




 自民党と公明党との間で、集団的自衛権の行使容認をめぐる
協議が続いています。ここ最近では、公明党が「限定的」な行使を
容認する方向で調整に入ったという報道が流れています。
http://digital.asahi.com/articles/ASG6D64K7G6DUTFK017.html?_requesturl=articles%2FASG6D64K7G6DUTFK017.htmlamp




 集団的自衛権の行使を「限定」して容認する方向で党内調整に…ほほぅ。
 自民党も以前からそう説明していますが、「限定的」で「必要
最小限」の行使なら、国民の理解が得られる、と考えたのでしょうか。
 




 これを読んでおられる皆さまも、こう思われますか?
 「集団的自衛権の行使はなんとなく不安だけど、限定的な行使なら
いいんじゃないかな?」
 「必要最小限の武力行使なら、まぁ、憲法9条の枠内なんじゃないかな?」
 





 でも、よーーーーく考えてみてください。
 集団的自衛権の行使とは、すなわち他国間の戦争に参戦する
ことです。当事者でないのに、殺し合いに参加することです。
 それは日本が戦後70年間、戦争放棄を宣言し、軍隊を派遣
しない形での国際貢献のあり方とは何かを模索し続け、成功し、
信頼を勝ち得てきたその積み重ねと歴史をかなぐり捨てることです。
 国家の都合で国民(自衛官)が人を殺せと命じられ、殺しあいをし、
あるいは殺される国家へと変わることです。




 現政権は、まるで、従来の政府見解をがらりと変えることを
国民に知られたくないかのように、「今までレベル50まで許され
ていた自衛権行使をレベル60まで広げるだけですよ」みたいな
話をしているように思えます。
  でも、
 「ちょっとだけ、国のあり方を根本的に変えるだけだよ」
 「少しだけ、戦争する国になるだけだよ」
 どんなに「限定的行使」といったって、
 どんなに「必要最小限度」といわれたって、
 戦争放棄が放棄され、憲法9条が空文化する、という事の本質は
何も変わりません。




 それに、日本がどんなに「必要最小限度の武力行使です」と
言ったところで、集団的自衛権行使の名の下に参戦すれば、
日本からの攻撃を受けた側は、攻撃を受けたその瞬間、日本を
「敵国」認定し、攻撃の対象と見なすわけです。
 それは全く量的な問題ではなく、相手国が、「小さなミサイル
だったから、まぁ許してやろう」とか、「1~2人しか殺されていない
から、目をつぶってやろう」などと判断するわけもないのです。
それはまぎれもなく、戦闘状態への突入なのです。




 公明党の議員さんたちはおそらく、与党協議を進める上で
さまざまな方向からの圧力を受けておられることでしょう。
9条護持を掲げる平和の党としての矜恃を忘れることなく、
信念を貫けるかどうかの正念場であることは間違いありません。
「限定的」「必要最小限」なる言葉でご自分たち自身を欺くような
ことが万が一にもあったとすれば、その瞬間、「平和の党」の看板
は下げることになることも、一番よく分かりのはずです。
私たちは、その良心に期待します。




 もう誰1人も、「限定的」とか「必要最小限度」などという言葉の
罠でごまかされることなく、問題の本質を見つめていただきたい
と思って止みません。
 また、現政権はそういった言葉ではぐらかさずに、せめて、
「戦争できる国にしたいから、憲法の読み方も変えたいんです
。いい理屈はぜんぜん思いつかないんだけれど、僕たちの執念
を黙って見ててください。」と本音を語ってほしいものです(そんな
姑息な考え、一刻も早く変えていただくのが一番なんですけどね!)

2014年6月14日土曜日

6月17日 憲法カフェのお知らせ



  国会会期末を控え、憲法をめぐる情勢はますます
ややこしい
ことになっていますが…、、、

  今更聞けない、そもそも憲法ってなんで変えるってことになって
るの?集団的自衛権ってなあに? というきほん情報を、ゼロから
勉強してみませんか?
 

 6月17日、今や引っ張りだこな当会会員・太田啓子弁護士の
法カフェ開催です。
 場所は鎌倉の超ステキなカフェ兼雑貨屋さん、詳細は以下です!

  新聞に書いてあることの意味が急に深くわかるようになってしまい、
お子さんにもニュース解説できるようになって「ママ、すごーい」とか
言われちゃいますよ☆



 おかげさまで、すごーい売れ行きの
「これでわかった 超訳 特定秘密保護法」(岩波書店)も
著者割でのお買い得な販売を予定してまーす♪...



 ●日時 6月17日(火)10:30~12:00

●場所 カフェ ComoriB*Cmorebi(コモリビ*コモレビ)
        
http://comorib-comoreb.com/
  神奈川県鎌倉市御成町5-41 (鎌倉駅西口徒歩3分)

●講師 太田啓子弁護士(明日の自由を守る若手弁護士の会)

●参加費 1000円(ランチ代別途)

●お申込 県議会議員早稲田夕季事務所   
    0467-24-0573





たくさんのお申し込みお待ちしてます♪

超訳本 売り切れ続出 絶好調☆

さっそく重版も決まった
『超訳本 これでわかった、特定秘密保護法』
街(北海道S市)の書店でも売り切れ続出です。

今月6日に入荷したK書店では、本日で最初の入荷分が売り切れてしまい、明日10冊程度入荷するそうです。

また別のJ書店では、最初に入荷した分が12日に売り切れてしまい、10冊入荷予定だそうですが、問合せが多いため、入荷後すぐに売り切れてしまうとのこと。

お問い合わせいただいたみなさま、ありがとうございます☆


さて、
この『超訳本』の置いていない別なK書店では、自民党の石破さんの集団的自衛権の本が置いてありました!
どうやら、TV・新聞で集団的自衛権のことが話題になっているので、推進派の方の書籍も置いたようです

この石破さんの本、面白い(興味深い)んですよね。

①たとえば、日本が集団的自衛権を行使するのは、どんな場合だと思いますか!?
石破さんの予想では、北朝鮮が韓国を攻めたときなんです

ん!?
北朝鮮が韓国を攻めたときに、韓国が日本に応援を頼む!?
あれ? 米韓同盟は?
って思って、石破さんの本を見ても、米韓同盟の話はそこには出てないんです。
なんでなんでしょう、その理由はよく分からないんです

ほかにも
②たとえば、集団的自衛権を行使することで自衛官が犠牲になるのはまずいんじゃないか、って意見ありますよね。
どう思います!?
石破さんのご意見では、自衛官は任官するときに命をかけることを誓約しているからやむを得ない、ってお考えなんです

ん!?
命をかけるって何のためでしたっけ?
他国の応援じゃなくて日本国民を守るためじゃなかったでしたっけ?
って思って、石破さんの本を見ても、自衛官が何に命をかけるのかって話は出ていないんです
なんでなんでしょう、その理由はよく分からないんです

面白い、実に面白い(TVの影響)


この記事書いていて
人の言っていることを、なぜだろう、本当だろうか、論理的なんだろうかって疑問に思う気持ちがとっても大事だなぁ、って思ったのでした(TVの影響・笑)

2014年6月13日金曜日

エンタメ憲法シリーズ 「火垂るの墓」と憲法


 集団的自衛権の行使容認について、自民党と公明党の間で議論がされて、これまで平和主義を掲げてきた公明党が苦しい立場に置かれているような報道もされていて、かなり切迫した状況になってきています。

 あすわかのサイトをご覧の皆さんはご存じのとおり、集団的自衛権というのは、日本が攻撃されていないにもかかわらず、他国を守るための戦争に行くものです。安倍首相は、細かく事例を挙げているようですが、なぜかもっとも中心的な事例、つまりアメリカから「どこかの国に対して自衛権を行使するから援軍に来い」と言われた場合を取り上げていないのが不思議です。口では、「イラクに行くようなことはない」と言っていても、いつまた解釈を変えるか分かりません。TPP交渉には入らないと言っていたのに入ったし、アンダーコントロールと言っていた汚染水はコントロールできていないし。

 それで、集団的自衛権を行使した場合、その「どこかの国」からすれば、自分が日本を攻撃していないにもかかわらず日本から攻撃されたわけですから、日本に対して反撃してきますよね。すると、自衛隊に対してだけでなく、日本自体を標的にしてくることもあるわけです。つまり、日本が集団的自衛権の行使をしなければ、日本が攻撃されることはなかったのに、行使したばっかりに日本が戦場になる可能性があるということです。
 
 最近、アメリカは先制自衛的にテロ集団を攻撃していますが、それに日本が加わったら、今度はテロ集団が日本を狙うことになる可能性があります。そして、日本には原発が51基もありますから、標的はたくさんあるわけです。日本を守るために集団的自衛権を認める必要があるんだと言われることがありますが、どこかの国から侵略される前に、日本が集団的自衛権で他国に攻撃をしたら、侵略される前から、自分から先に戦争に巻き込まれていくことになりかねません。そして、戦争になると、どれだけ国民が苦しむのかということは、「火垂るの墓」で描かれていたとおりです。

 「火垂るの墓」では、空襲で母親を失った兄と妹が、苦しい生活の中でも無邪気に遊ぶ姿も描かれていました。しかし、生活はどんどん苦しくなっていって、兄は盗みをするようになり、とうとう妹が…という、大変重たい作品です。でも、戦争の現実から目をそむけてはいけないと思いましたし、戦争で苦しむのは社会の中で一番弱いところにいる人たちなんだということも実感しました。「塗炭の苦しみ」ということの意味が、「火垂るの墓」を見て分かったような気がします。

 実は、複数のあすわかメンバーが、「火垂るの墓」を見て、トラウマになっているそうです。でも、敢えて言わせていただくと、トラウマになるくらいの方がいいと思うんです。戦争を知る世代が少なくなってきて、日本人も血を流すべきだという政治家もいますから。戦争で苦しむのは戦場にいる自衛隊だけではなく、国民も苦しむことになるんですよね。

 それだけ苦しい思いをしたから、いくら押し付け憲法と言われても、戦争が終わってから、国民は平和主義をうたう日本国憲法を歓迎したんじゃないかと思うんです。今年5月3日に開催された秘密保護法に反対する学生デモのときに、学生たちが言っていました。「押し付け憲法という人がいるけれど、こんなに素敵な憲法をプレゼントしてくれたアメリカにありがとうと言いたい」と。

 話は集団的自衛権に戻りまして、容認すべきという人は必要性ばかりを主張されますが、まずその必要性自体が本当にそうなのかという疑問があります。確かに、アジアの緊張が高まってきているようにも感じられますが、安倍首相自身が靖国神社を参拝する等して緊張を高めている要素もあるように思われます。そして、安倍首相が中国を訪問したのは、野田首相が日中韓サミットで北京に行った2012年5月以来、もう4年もありません。果たして、外交努力は十分にされているのでしょうか。

 そして、仮に必要性があるとしても、立憲主義からすると、勝手なことをしてはいけないのです。政治や行政は、法律の根拠なくしてはいけないし、憲法に違反してはならないのです。まず、憲法を改正すべきかどうかを、国民に問うべきなのです。憲法のせいで国民が守れないのではなくて、戦争に至らしめた政治や外交の負けなんです。もう憲法のせいにするのは止めましょうよ。
 もちろん、日本が攻撃されたら個別的自衛権で必要最小限度の範囲で反撃します。
 
 そして、個別的だろうと集団的だろうと、戦争になってしまったら「火垂るの墓」に描かれていたように、国民は大変苦しむことになってしまいます。集団的自衛権を容認する前に、ちょっと立ち止まって、「火垂るの墓」を見てはいかがでしょうか。69年前に、もう戦争はコリゴリだと思ったはずなんです。

2014年6月12日木曜日

琉球新報でも「面倒くさいヤツ」宣言!


超訳本が、今度は琉球新報でも取り上げられました!
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-226848-storytopic-12.html?fb_action_ids=735742043150418&fb_action_types=og.likes&fb_source=other_multiline&action_object_map=%5B549614768481130%5D&action_typ...e_map=%5B%22og.likes%22%5D&action_ref_map=%5B%5D

(執筆者からは「前書きほぼそのまんま…」なんて声も上がっていないことはないのですが、
まるっと新聞に載せたい文章を書いた者がいることも、
言いたいこと、こんなふうに取り上げられたいと思ったことを新聞が載せてくれたことも、
当会としてはオイシイ☆ということで。)

政権が立憲主義を壊そうとすればするほど、
あすわかはしつこく、ねっとりと権力に付きまとい、
「ねーねー立憲主義は?」(耳元で)ってカンジでやかましく発信していきたいと思います。

皆さんの声を、あすわかに届けてください。
そのために、地元のカフェで、居酒屋で、ギャラリーで…
あすわか会員に会ってください。
そして、面倒くさい国民を増やしていきましょう。
面倒くさいヤツでなくてはならないのは、弁護士や一部の「意識の高い」市民だけではありません。
みんなで力を合わせて、立憲主義を壊そうとするヤツを見つけて、
ねっちょりと付きまとって目を光らせる。
そうすることができたなら、権力なんて怖くありません。
憲法の鎖で、しっかりと縛っておくことができるのです。

2014年6月9日月曜日

エンタメ憲法シリーズ 図書館戦争と憲法

 「図書館戦争」という作品のことを聞いたことがある方は多いかと思います。
「阪急電車」「フリーター、家を買う」「県庁おもてなし課」等、多数の作品を書いておられる有川浩さんの書かれた小説で、アニメや映画になっています。

★ネタバレな内容を含みますので、ご注意ください★

 昭和末期、公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まるディア良化法が、検閲の禁止を定める憲法に反すると主張する反対派を押し切って成立してしまい、そこから30年後を舞台にしています。メディア良化委員会は、公序良俗に反する書籍等を取り締まる権限があり、その執行機関である良化特務機関は武器まで使用できます。
 この検閲に対抗するために、既存の図書館法に、図書館の自由を定める条文を追加し、それを根拠に、図書館も武装して図書隊を設立して対抗します。
 高校時代に、本屋で検閲対象図書を買おうとしていた主人公の笠原郁は、そこで良化特務機関の検閲に遭遇してしまいますが、ある図書隊員に助けられます。それで、その図書隊員のようになりたいと思って、図書隊に入ったのですが…というのがさわりの部分ですが、

1 メディア良化法は立憲主義に反しています。
  耳タコ状態かと思いますが、政府が勝手なことをしないようにするために憲法で権力を制限しているわけです。検閲を認める法律は違憲ですので、そのような法律を国会が通してしまうのは、立憲主義に反するのです。最初に原作を読んだときは、こんなのあり得ないと思ってたんですが、集団的自衛権の話を聞いてると、現実になっちゃいそうで、怖いですよね。

2 憲法に定める検閲の禁止に反しています。
  いや、もう、検閲の禁止って絶対なんだって習うんですよ。普通に。法学部では。
  だって、何か出版しようとしたら、事前に政府がチェックして、都合が悪いと思ったら、その流通を止めちゃうんですよ。情報がなければ、政府のやっていることが正しいのか、間違っているのか判断できません。何が正しいか、美しい国なのかを決めるのは政府ではないのです。こんな表現は価値がないよと思われたら、市場で受け入れられないわけで、それに任せればいいのです。情報が流通することは、民主主義の大前提です。
  そして、表現をするためには、情報を知る権利も大事です。知らなければ、表現できませんから。その「知る権利を侵害しちゃうぞというのが、ご存じ、特定秘密保護法なのです。私たちも、国を守るために適切に秘密を守ることは必要だと理解しています。しかし、この法律がとんでもなくヤバいことは「これでわかった!超訳特定秘密保護法」で書かせていただいたとおりです。是非、書店でお手に取っていただければと思います。

 なお、天声人語でご紹介いただいたためか、パーティで多くの方に知っていただいたためか、amazonでは品薄になっている模様です。書店でも見当たらない場合は、書店でご注文いただくか、岩波書店に直接ご注文いただけたらと思います。

<岩波書店ブックオーダー係>
電話 049-287-5721 FAX 049-287-5742
●お問い合わせの際は最終確認欄のオーダー番号をお知らせ下さい
●書籍購入以外のお問い合わせはご容赦下さいませ。
●FAXは24時間受け付けております。
●お電話によるお問い合せは月曜~金曜(祝日・社休日を除く)9:00~17:00とさせていただきます。

 ところで、この図書館戦争の映画の中で私のツボは、笠原が書店で勝手に見計い権限を行使してしまって、堂上に助けてもらい、堂上の目の前で「私の王子様をバカにしないでっ!」と言ってしまうところなのですが(悶絶必死)、みなさんのツボはどこですか?

2014年6月7日土曜日

出版記念パーティー! ②


 パーティーではほんとに楽しいひとときが流れましたが、
でも共通して話題になるのは急進的ともいえる強硬な
政権運営への警戒と憂い。

 目下、政権が集団的自衛権の行使容認(つまり他国の
戦争に参戦すること)を、解釈改憲という許されない手法
によって可能にしようとしていることは、皆さまもご存知の
通りです。集団的絵自衛権行使容認(解釈改憲)と特定
秘密保護法は、別々の問題ではなく、一体となって、この
国のあり方を根本から変えるものです。

 国民から情報を奪って、一体自衛隊が国外で何をして
いるのか知らされない、原発でどんな事故があったのか
知らされない、政治に疑問を持つことが許されない、そし
て疑問を持たない民へと変えてしまいかねないのが特定
秘密保護法。そして国民の批判を受けることなく国会の
歯止めもないという土壌が整ったところで、容易に政府の
胸先三寸で、自衛隊を他国の戦争に投入する。

 多かれ少なかれ、このような「2つセット」のシナリオに
沿って、現政権は突っ走っています。国民の疑念や不安
など、かなぐり捨てて。

 
 いわば民主主義の崖っぷちで、状況は深刻です。
でも深刻だからといって眉間にしわを寄せて悲壮感漂わ
せてシュプレヒコールをあげるだけじゃ、やっぱり、伝わり
きらない。こんな時だからこそ、笑顔で、こんなイケイケな
パーティーで盛り上がることが大切です!

 めでたく本を出版できた昨日が、新しいスタートです。
1冊でも多く売れなきゃ意味がなーい(笑)!
あすわか、販促活動もがんばりますよ☆
いらっしゃいいらっしゃーい(^^)/


 
 
   ↑  集合写真☆ 



   
   

    ↑  特にお世話になった谷口真由美先生、中島京子さま、大島史子さま、
     中本直子さまへ、感謝の気持ちを込めて花束贈呈♪



   
 

                          ↑  小説家の中島京子さま



   

                                      ↑  近藤昭一衆議院議員
                                        (立憲フォーラム代表) 




                                  ↑  谷口真由美先生
                                    (全日本おばちゃん党代表代行)



          ↑ 三浦まり先生(上智大学教授)
 













 

2014年6月6日金曜日

出版記念パーティー!①


 昨夜、「これでわかった! 超訳 特定秘密保護法」の出版を
記念して、都内某所でパーティーを開催いたしました。

 あいにく昨日から梅雨入り、ということでお天気には恵まれ
ませんでしたが(>_<)、それでも100名近い方にご参加いた
だき、あっという間の2時間、大盛況のうちに終えることが
できました。

 ゲストはあまりにも豪華すぎて、お名前を挙げだしたらキリ
がありません(^_^;)、、、
 しかしご挨拶いただいた方々誰もが、本を待ち望んでいた
こと、あすわかへの期待を語って下さり、会員一同「ここまで
がむしゃらに活動してきてよかった」と胸が熱くなりました。

(続く)



  ↑ 福島みずほ参議院議員と執筆者一同




   ↑ 坂本史子目黒区議と、広吉敦子目黒区議






                           ↑  仁比聡平参議院議員





        ↑ 山田正彦元大臣


 

                               ↑  山本太郎参議院議員




2014年6月5日木曜日

いよいよ本日、「これでわかった! 超訳 特定秘密保護法」発売!



 日付が変わって6月5日となりました。
 本日ついに、「これでわかった! 超訳 特定秘密保護法」が発売されます。


 ☆、。・:*:・゚`キャーq(≧∇≦*)(*≧∇≦)pキャー.。・:*:・゚`☆


 いや、キャー、というテンションではありませんが(笑)、
多くの人のお力を借りながら、やっとこの日を迎えることが
できたことを思うと、万感の思いがあります。
 

 振り返れば、特定秘密保護法が成立して、早くも半年が
経過しようとしています。
  施行に向けた国会の動きが停滞する一方で、世間の同法
廃止に向けた気運も、成立直後の熱気を失いつつあるように
感じます。

 でも、この法律を受け入れることは、近代国家に生きる1人
の誇りを持った人間として「やってはいけないこと」だということ
を、今一度皆さまに思い出して頂きたいのです。

 「21世紀の民主主義国家において最悪の法」と、アメリカの
元政府高官であるモートン・ハルペリン氏は評しました。
国民から「情報」を奪い、怒ることのできない、ものを考えること
ができない存在へとおとしめるその内容は、国内外へ衝撃を
与えました。どの世論調査を見ても、国民が強引な国会運営に
危機感を募らせ、同法の必要性に疑義を募らせていたのは
明らかでした。
 与党内からも異論は最後まで出続け、修正合意に至った
政党も採決は棄権するというぐだぐだな中、「成立させたい」
情念・執念だけにとらわれた政権が、民意も何もかも無視して
つかみとったのが同法、なのです。

 賛成する政党の足並みをぐだぐだにさせて、「臨時国会で
圧倒的多数の議員によりあっさり成立」という政権のシナリオ
を壊したのは、言うまでもなく、怒って、立ち上がった、国民の
力です。

 この法律に書かれているおぞましい国家像、国民像を、
1人でも多くの人に伝えたい。そして、改めて怒りと、アク
ションを起こせば意外と政治って変えられるかもね、という
希望を持って、廃止に向けて立ち上がって欲しい。
そんな思いを込めて、あすわかはこの本を世に送り出します。


 新しいチラシもできました!大島史子さんのかわいい表紙絵と、
小説家・中島京子さんの寄せて下さった推薦文もドーン!
店頭に見あたらない場合は、どうぞご活用下さい☆





2014年6月3日火曜日

横浜あざみ野の素敵なカフェで

「つどい、つながり、楽しさを生む」
人々が出会い、つながりを深め、元気になれる場所を作りたい。
カフェあり、ギャラリーあり、フェアトレードショップあり、スタジオありの「スペースナナ」さんで、憲法カフェ開催です!
当会会員の鈴木律文(すずきのりふみ)弁護士と、お茶を片手に「憲法」についてお話しませんか?

日時:2014年6月7日(土)14時~16時
会費:1000円(お茶付き)
定員:30名
場所:スペースナナ
〒225-0011 横浜市青葉区あざみ野1-21-11
(東急田園都市線、横浜市営地下鉄あざみ野駅西口~徒歩6分)

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<抜粋>
最近、改憲とか集団的自衛権とかよく耳にするけど、
それって、どんなこと?
「憲法」って実はどういうもの?
もし改憲して自民党案になったら、どうなるの?
ちょっと知りたい「憲法」のハテナ、弁護士さんに聞いてみませんか。

2014年6月2日月曜日

エンタメ憲法シリーズ~「ウィキッド」後編

 今日は、昨日に引き続き、劇団四季「ウィキッド」の中にある憲法問題について書いてみたいと思います。

★ネタバレな内容を含みますので、ご注意ください★

あすわかのサイトをご覧の皆さんは、もうお分かりの事と思いますが、このウィキッドの中には、さまざまな憲法問題が含まれていました。

1 エルファバが肌の色で虐められていたこと

肌の色での差別というのは、現代で言えば人種差別ですよね。
国際会議に出てみると、人種、性別、国籍、肌の色などは関係なく、話している内容で価値が決まるんだということを痛感します。
差別していると、相手の素晴らしいところを知ることなく終わってしまって、とてももったいないことです。
日本で言えば、非嫡出子の相続分が差別されていたのが、最高裁で違憲だとされました。日本にも、まだまだ差別が残っています。

また、同級生たちは、エルファバの肌の色で、結構あからさまにいじめていますので、最近話題のヘイトスピーチにつながる話でもあります。
表現の自由は保障されているものの、他人の人権と衝突する場合には、制約される場合があると考えられています。ヘイトスピーチは、その対象とされている人の尊厳を無視したものですし、ヘイトスピーチが放置されてホロコーストにつながったという見方もあります。
現在の法律では、ヘイトスピーチだからといって、ただちに規制できるわけではないのですが(名誉棄損、脅迫、不法行為などの問題になることはあります。)、それは表現の自由という価値が重要だと考えられているからです。表現の内容によって規制をしてしまうと、権力側の都合によって規制すべきではない表現行為まで規制されかねないから慎重に考えなくてはならない、というわけです。

2 動物の言葉を奪うこと

動物たちの言葉を奪うというのは、ある人種・民族について表現の自由を認めないかのような話です。
もちろん、動物に「人権」はありませんが、ウィキッドの世界にいる動物は、人間と同じように言葉を話すので、人間と同じような存在なんですね。人種・民族の違いに近いように感じられました。そうすると、1で書いたように、差別の問題になります。

さらに、動物を小さい頃から調教してしゃべれないようにしておけば、そもそも言葉を覚える危険がなくなるだろうという、オズの魔法使いの政策。これは、義務教育の内から、権利がないんだというような思想を教え込んでおけば、政権を批判するような言動はしなくなるだろう、というように見ることもできます。
教育内容の統制は、実質的な思想統制につながっていきます。
そういえば、ごく最近、教育内容を政治が左右できるような法律改正がありましたね。教育勅語を見直そうという発言もありました。とても心配です。

3 罪をかぶせられたこと

本当は、オズの魔法使いの方が動物から言葉を奪うという悪いことをしているのに、逆にエルファバがテロリスト扱いされて追われてしまっています。
自民党の憲法改正草案では、表現の自由は「公の秩序」に反してはならないとしています。
そうすると、政権が悪いことをしているからということで政権批判をしていたら、それは「公の秩序」に反すると言われて弾圧されてしまうこともあり得るのです。
しかも、政権のしている悪いことが特定秘密に指定されていたら、それを知った人が内部告発をしようとしても、特定秘密保護法によって処罰されてしまうわけです。

4 秘密を知ってしまい、追われていること

オズの魔法使いは、実は魔法が使えなかったなんて、とんでもない秘密なわけですが、知り過ぎたエルファバは、捕まえられそうになってしまいます。特定秘密を知ってしまった人が、内部告発したら処罰されてしまうような状況と同じですよね。
オズの魔法使いがエルファバを追いはじめる前に言った「彼女は知りすぎた」というせりふは、とても象徴的です。

権力者にとって一番怖いことは、国民が賢くなることです。権力者の痛いところをついて、説明を求められ、嘘だと分かったら、次の選挙で落とされてしまうかもしれません。
それで、あたかも情勢が厳しいように言ってみたり、時間がないかのように言ってみたり、誇張していってみたり、事実と異なることを言ってみたりすることがあるのです。

そんなときには、まず「知憲」。
今の憲法の中身を知ってみましょう。

そうやって憲法を知ってからウィキッドを見てみると、どうして憲法が必要なのか、実感をもって知ることができるかと思います。
憲法は身近なものではないと思われがちですが、ウィキッドという作品一つとってみても、こんなに憲法問題が潜んでいるんですよね
ウィキッドは今年11月16日(日)に千秋楽だということですので、ご興味のおありの方は、お早めにどうぞ。

エンタメ憲法シリーズ~「ウィキッド」前篇


皆さんは、劇団四季のウィキッドをご覧になったことはあるでしょうか?

ウィキッドを見に行ったら、素晴らしかった一方で、今の日本のことを言われているようで身につまされることがたくさんあったのです。

★ネタバレな内容を含みますので、ご注意ください★ 

2人の主人公、エルファバとグリンダは、魔法使いになる学校に通っていましたが、エルファバは肌の色が緑色で、そのことで虐められていました。一方で、魔法の力を認められて、校長先生の特別指導を受けられるようになりました。

オズの国は、人も動物も同じ言葉を話す国ですが、どうやら過去に大きな政変やら戦争やらがあったようです。その学校で教えている動物のディラモンド先生は、歴史の授業で、過去に起こった出来事とその問題について話していました。
ところが、ある日、動物が言葉を話してはいけないということになり、ディラモンド先生は、秘密警察っぽい人たちに捕まってしまいました。
しかも、秘密警察っぽい人たちは、動物を小さい頃から調教しておけば、そもそも言葉を覚える危険がなくなるだろうというのです。
ちょうどその頃、オズの魔法使い陛下に謁見する機会を得たエルファバは、動物たちから言葉を奪う企みがあるので、助けてあげてほしいとお願いします。
オズの魔法使いは、助けることを約束しますが、そのためには、まず力を見せてほしいと言葉巧みにエルファバに言い、魔法の本をエルファバに渡します。エルファバには、なぜかその本の文字が読めて、魔法を唱えることができ、猿に翼が生えてきます。しかし、猿は苦しそうにしていて、どうもおかしいことに気づきます。
実は、オズの魔法使いには魔法の力はなく、エルファバを利用しようとしていただけでした。しかも、動物たちの言葉を奪っていたのはオズの魔法使いだったことが分かり、エルファバは逃げ出そうとします。
オズの魔法使いは、エルファバは知り過ぎたから外に出してはいけないと言い、動物たちに悪いことをしているのはエルファバだとして罪をエルファバに被せて、国中に宣伝してしまいます…。

…その後は、見てのお楽しみ☆

 

…こんなところに注目してみていた観客がどれだけいただろうかと思いつつ、どこかで聞いたような話で、身につまされる思いがしました。まさに今の日本を見ているようで、この脚本家は、どうしてこんな話が描けたんだろうと不思議に思いました。
 
オズの魔法使いが、「国じゅうにあふれる不平不満を取り除くには、敵を作ることがいちばんだ」というシーンがあります。これまでの歴史の中で、幾度となく繰り返されてきたことです。

パンフレットによると、脚本家は、ブッシュ(子)大統領をイメージしてオズの魔法使いを書いたようですね。クリントンの要素もニクソンの要素も入っているようです。政治に対する風刺を、それとなく盛り込むことができるのが、ミュージカルの良いところだとも書かれていました。大量破壊兵器があると嘘を言ってイラク戦争に突入したことを皮肉っているようにも感じました。

そういえば、最近も、集団的自衛権の問題で、似たような話がありますよね。アジアに脅威があると言いますが、安倍政権になってから日中の協議の機会がほとんど持たれていません。そのせいでギクシャクしているようにも見えますし、危機を作り出して煽っているようにも見えます。北朝鮮の問題も、日本に攻めてくるならその前に韓国に攻め込んでいるのではないかとも思いますので、どこまで現実的な想定なのかよく分かりません。 


ところで、オズの魔法使いは、あたかもエルファバの希望を叶えてくれるかのようなことを言って、エルファバに魔法を使わせ、かえって悪いことをしてしまいます。
これって、「集団的自衛権の行使を容認したとしても、イラクに行くようなことにはならない」とか、「特定秘密保護法は、一般の国民には関係ない」と言いつつ、実際には一般の国民も処罰可能な条文になっていたり、「TPPには参加しない」と選挙のときには約束して、今では協議に参加していたりするのと、同じですよね。
弁護士として色々な事件を見ていると、「悪いようにしない」というのは、大概、「悪いようにする」ものだと感じます。

また、オズの魔法使いは、大衆の前には姿を現さず、機械仕掛けの大きな顔の像を操って、大衆に向けて威厳や魔力があるような印象を持たせようとしていました。
なんとなく雰囲気で権力者の地位に付けてしまうことは大変危険なことです。その政治家がどのような思想信条を持っているのかということは、過去の言動、経歴を見ていくとよく分かりますので、そういったことまでよくチェックして投票したいものですね。

一方、「良い魔女」と呼ばれるようになったグリンダは、真実でないと知りながら、権力側に都合の良い宣伝をし、国民から人気を得ます。
真実でない宣伝をすることに良心の呵責を感じながらも、これで国民は喜び、自分も人気を得るからそこから逃れられない。
これも、どこかで見たような話ではありませんか?
 
とまあ、いろいろ気になりながら見ていたのですが、苦難を乗り越えようとする姿に純粋に感動しました。歌もダンスも素晴らしく、涙なしには見ることができません。今年11月16日(日)に千秋楽だということのようですので、見るなら今のうちですよ☆
 
明日は、ウィキッドの中にある憲法問題等について書いてみたいと思います。