2017年10月31日火曜日

野党が質問できないと、国会は死にます。


 昨日、
「国会がますます骨抜きに~野党の質問時間が減らされる!?~」
という記事で、政府と自民党が、野党の質問時間を減らそうとして
いることについて書きました。


 菅官房長官はじめ「議席数に応じた質問時間を配分するのはもっとも
だ」という主張が相次いでいます。

 あぁなるほど…議席数に応じて質問時間を配分するっていうのは、
なるほど公平かも…と一瞬でも思った方、いらっしゃるのでは?


 いえ、まったく違うのです。
 公平どころか、国会の死につながります。


 国会が主に何をする場所かと言えば、
 政府から提出された予算案を審議して決議する場所。
 政府が締結してきた条約を批准するかどうか決める場所。
 そして、政府から提出された法案を審議して成立させるか廃案にする
かどうか決める場所です。


 ここで忘れてはならないのが、日本の政治システムは三権分立といえ
ども議院内閣制だということです。
 国会のマジョリティ(つまり自民党+公明党)の代表が内閣を組織して
行政を指揮する政府となる。
 与党の意向が政府の意向となり、政府から出てくる法案や予算案は事前
にじゅうぶんに与党の意向を反映したものです。政府から法案や予算案が
出てきた段階では、すでに与党に説明もされ、与党の了承も得ているわけ
です。
 だから国会審議は、野党のためにあると言っても過言ではないのです。
提出されて初めて法案や予算案を見た野党が、「この予算配分は不公平だ」
「この法案はおかしい」と欠陥を指摘し、批判し、矛盾点をあぶり出し、
それを突かれた政府と与党が再検討や妥協を重ね、よりよい形の法案・
予算案を作る。

 これが国会審議の本質です。
 
 国会審議の核は、野党の質問です。

  森友学園にタダ同然で国有地を売った問題を追及したのは与党ですか?
 いえ、野党です。
  安保法制は憲法違反じゃないか、と追及したのは与党ですか?
 いえ、野党です。
  共謀罪は穴だらけでどんな一般市民でも対象になると指摘したのは与党
 ですか?
 いえ、野党です。
  加計学園があまりにも不自然な“待遇”を受けて獣医学部の認可がされそう
 になっていることを「権力の私物化だ」と追及したのは与党ですか?
 いえ、野党です。


 「議席数に応じた時間配分」がなされれば、つまりほとんどの質問時間
が与党に配分されることになりますが、それがどれほど「意味の無いこと」
か、もうお分かりかと思います。
 質問時間は、圧倒的に野党に多く配分されて「当たり前」なのです。


 野党が質問できなければ、国会はただただ、政府の案を「はい、わかり
ました」とうなづくだけの機関になります。
 そうなったら、もう三権分立など崩れます。
 どんなにおかしな法案や予算案が出されても、批判的な質問ができない
なら、おかしさをあぶり出す報道も少なくなり、おかしいと声を上げること
自体が封じられるも同然です。
 与党の独裁といっても過言ではない…そういう提案をしてくる安倍首相は、
どこまでも民主主義を嫌うのだな、とまざまざと感じませんか。
 よっぽどの独裁志向でないと、野党の質問時間を減らす、なんていう手は
思いつきません(-_-;)。


 「ヤバいなこれ」と気づいた方は、ぜひ、TV局や新聞にご意見のメール
や電話を送って下さい。この件がどれだけ日本の未来にとって危険か、
もっと報道してくれ、とみんなで迫りませんか!

2017年10月30日月曜日

11月5日(日) 憲法BINGO@大阪府豊中市☆



 第10回とよなか「市民力」フェスタのステージで、
あすわか大阪の憲法BINGOやりま~~す☆

 午後早めの時間にスタート予定です。
 美味しいもの食べつつ
 掘り出し物を見つけつつ、
 ついでに 憲法で楽し~く遊んじゃいましょう。

 BINGO以外にも、あすわか大阪のテントで
 憲法グッズの販売や 無料法律相談をやっていますので、
 お気軽にお立ち寄り下さい(憲法カフェのご依頼も大歓迎♪)。

 憲法BINGOのお問い合わはkotani@room.ocn.ne.jp(小谷)まで(^^)/


<第10回とよなか「市民力」フェスタ>

日時: 11月5日(日)10:00~15:00

会場: 大塚公園(大阪府豊中市)



国会がますます骨抜きに~野党の質問時間が減らされる!?~


 「丁寧な説明」や「謙虚に」とアピールし続ける安倍首相ですが…
 耳を疑う報道がありました。

● 野党の衆院質問時間、削減検討 政府・自民、配分で(朝日)
 http://www.asahi.com/articles/ASKBW5J39KBWUTFK010.html?iref=pc_extlink


 政府と自民党は、衆院での与野党の質問時間の配分を見直す、
つまり野党の質問時間を減らす方向で調整に入った、とのこと。
安倍晋三首相(自民党総裁)は27日、首相官邸で「これだけの
民意を頂いた。我々(自民党)の発言内容にも国民が注目して
いるので、機会をきちんと確保していこう」と指示したのだそう
です。


 これが、国会の「死」につながること、なんとなく想像できるで
しょうか。


 議院内閣制のシステムでは、国会のマジョリティの代表が首相と
なって内閣を組織するので、政府の意向≒与党の意向です。
政府の出してくる法案は、事前に与党の了承を受けているので、
与党が政府の出してくる法案に真っ向から反対することは、まず
あり得ません。

 野党は、法案に対して懐疑的に、なぜそんな法律が必要なのだろう?
国民にとってむしろ有害な法律なのではないか?と批判的に考え、問い、
問題点をあぶり出し、あるときは廃案にし、あるときは大きく内容を
変えさせる。野党の質問こそが、国会審議の核なのです。


 共謀罪の審議しかり、安保法制の審議しかり。もともと法案に賛成な
与党の“質問”には実質的な「質問」としての意味は薄く、野党の質問
が国会審議の質を左右することは、もう実際に見てきて実感されている
方も少なくないでしょう。(当たり前ですが、これはたとえ自民党が
野党となっても同じです。)


 その野党の質問時間を減らす、ということは、国会審議を意味の無い
ものにすることと同じです。もっと端的に言えば、国会を無くすこと
と同じです。
 国会は、政府のやることに、ただ「はい」とうなづけばいい。
首相がどんなに「国民は自民党の発言に注目している」云々と言い訳
したところで、それは通用しません。
 国民は、野党の質問に対する首相と政府の「丁寧な説明」が聞きたい
のです。
 野党の質問を減らせばいいなんて、誰も思っていません。
 質問に答えて下さい。

11月10日(金) 楾大樹弁護士の「檻の中のライオン」カフェ@三浦


 政府と自民党は、衆院での野党の質問時間を削減する方向で
調整に入りました。
 議員内閣制というシステムでは、国会のマジョリティの代表が
首相になるので、政府は実質的に与党です。
ですから政府の出す法案というものは与党が望む、与党が賛成して
いるものです。
 つまり国会で野党の質問時間が減れば、実質的な審議がなくなる
に等しい。
 「こんな法律、要らないのではないか?」「この法案のこの部分
は国民にとって不都合じゃないか」…そういう視点からの批判や
質問ができない国会なんて、もう国会ではありません。当然、政府の
不正を追及する時間も減ります。
 安倍首相は、国会を本気でつぶすつもりでしょうか…

 秋真っ只中。学問の秋・読書の秋、そして“知憲”の秋です。
 今、この国で起きていることをモヤっと感じるだけでなく、
まっすぐ見つめるために。私たち国民全員の生活と人生がかかって
いる憲法の行方がどうにかなる前に、ぜひ、憲法のキホン、おさえて
おきませんか。

 ベストセラー「檻の中のライオン」の作者・楾大樹弁護士の憲法カフェ
11月10日に神奈川の三浦で開かれます☆


◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*◆*



檻の中のライオンin三浦


日時: 11月10日(金)
   10:00~12:30 講演
   12:30~13:30 ランチで交流


 (ご希望の方にMashukaさんのランチBOXミニデザート付き1,000円)


参加費: おはなし会1,000円 
  ※ランチBOXご希望の方は別に1,000円


定員: 15名位


場所: 土間カフェ http://doma-cafe.com/ 
 (京急三浦海岸駅からバスで約15分 バス停「小浜 」から徒歩約3分)

* 別室での託児はありませんが、子どもたち見守りメンバーが見守る
 予定です。


お申し込み、問い合わせ:
    miuramama.for.peace@gmail.com 
     090-9887-3458ママの会@三浦 奥村雅美



イベントページ:
    https://www.facebook.com/events/1570699533019832/




2017年10月27日金曜日

自民党、あんまり票もらってない→でも議席たくさんって…w(°o°)w


 先日の選挙の結果、自民党は284議席を上回りました。
 衆議院議員の76%が自民党というわけです。
 これってつまり、投票した人の4人中3人が自民党の投票した、という
ことなのかな?というと、実は違うのです。
        ↓
●衆院選分析 自民、得票率は48%どまり 議席占有率は76% (日経)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS15H4Q_V11C14A2M10600/


<一部抜粋>
 「得票率に比べて議席占有率が高くなる小選挙区の特性は、今回の衆院選
でもはっきり表れた。」「自民党の得票は48%と半分以下だったにもかか
わらず、議席占有率では76%に達して、他党を圧倒した。」
 「有権者全体に占める得票割合は25%にとどまった。」
 「各選挙区から1人しか当選できない小選挙区制度では勢いがある大政党

ほど有利に働く。」


 うーん、おかしいですよね、どう考えても。
 48%しか票をもらってないなら、76%も議席をもらっていいはずが
ない。
 こんな国民の意思がそのまま素直に反映されない、ゆがんだ選挙制度では、
せっかく主権者が“主権”をダイレクトに最強に行使できるチャンスが、有効
に機能しませんね。
 民主主義を正常にまわしていくために、この選挙制度を変えなければなら
ないこと、忘れずに、国会議員に要請し続けましょう。
 メディアにも、どんどん記事に書いてもらいましょう。
 国民はこの制度のおかしさにとても関心があって、この選挙制度を変えよう
と分渡欧する政党を支持する、と発信しつづけなければ、メディアも、政治も
動きません。


 下世話な話ですが、選挙制度を変える、というのは、利権とからまないので
いわゆる“族議員”もいません。
 つまり、お金に結びつかないので、民主主義や自由といったものに心から
価値をおく議員さんでないと、熱心に動いてくれません。
(そういう意味では、小選挙区制を変えなきゃと思っているかどうか、議員
さんのリトマス試験紙になります。)
 なので、国民からの突き上げが必須です。

 選挙の時だけ選挙制度について考えていても不十分。
 “全国民の代表”を民意に正確に選ぶシステム、とっても大事です。

2017年10月25日水曜日

10月28日(土) 雨宮処凜さん登場!「私たちの憲法生活」@リバティおおさか


 あすわか大阪のパネル展示が絶賛開催中のリバティおおさか
(大阪人権博物館)。今
 週末の28日には、雨宮処凜さんをゲストにお招きしたイベントが
開催されます♪
 やはり、なかなか憲法がスポットライトを浴びることなく選挙が
行われました。けれど安倍首相や自民党は着々と憲法を変えようと
準備しています。
 私の生活と憲法、なにか関係あるの…?ぜひ、知っておいて下さい!


*・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・

 「私たちの憲法生活」


日時: 10月28日(土)13:30~15:30


会場: リバティおおさか(大阪人権博物館)
    リバティホール


参加費: 大人1000円、中学生以下200円


FBイベントページ:
   https://www.facebook.com/events/345968599158098/?active_tab=about



 作家の雨宮処凜さんが関西中心に各地を歩き、暮らしの中の憲法を
気楽に考える連載記事「雨宮処凜と憲法生活」が2013年4月から
2年間、毎日新聞に掲載されました。
 現代を生きる若者たちの生きづらさを代弁し続ける雨宮さんが関西
のまちを歩き続けて見えてきた憲法の価値とは?
 雨宮さん、連載を担当した毎日新聞の鈴木英生さん、あすわかの
弘川欣絵弁護士が、自由に憲法について語り合います。


* 憲法クリアファイル(定価200円)プレゼント♪



2017年10月23日月曜日

市民+野党共闘で野党第一党の誕生!これがほんとの“希望”デショ☆


 カオスな政治情勢の中での、しかも台風にジャマされながらの
投開票でした。
 自民党と公明党は憲法改正の発議に必要な3分の2の議席を確保
しました。安倍首相と自民党が進める改憲(自衛隊明記+α?)に
共感する議員も多い希望の党や日本維新の会が与党の補完勢力で
あることを考え併せれば、実に衆議院の8割が"与党"ともいえます。
 おそらく…安倍政権の改憲スケジュールは計画どおり、来年の
通常国会で発議されるでしょう。民主主義や立憲主義の回復を求めて
声を上げてきた私たちあすわかや市民にとっては、厳しすぎるほど
厳しい現実です。
 フゥ…、、、

 とはいっても、キラリと光る成果もありましたよね!
 突然、民進党が(少なくとも衆議院で)なくなり、希望の党が
誕生したことで、野党共闘や市民の連帯は危機に陥りました。
ところが、その危機の中から生まれた立憲民主党が、(公示前には
わずか15議席にもかかわらず)最終的には希望の党を上回る54
議席を獲得して野党第1党となったのですから、これこそほんとの
“希望”です q(≧∇≦*)(*≧∇≦)p。
 共産党が立憲主義の回復をなによりも重んじ、小選挙区で大量に
候補者をおろして候補者一本化に尽力したことはとても大きなこと
です。
 安倍政権が復活してからの5年弱は、憲法のある社会そのものの
破壊、そして権力の私物化の歩みでした。もうこれ以上、国民をバカ
にするこんな政治は許せない、という市民の奮闘は、どの選挙区でも
胸に迫るものばかりでした。
 そう、立憲民主党の立ち上げ、共産党の決断、政党間の橋渡しなど、
すべて市民からの突き上げがあったからこそ実現できました。
だから今後の立憲民主党が、選挙中に語られたとおり市民と手を携え
て進む政党として育つか、そして議席を減らしてしまった共産党や
社民党と確実に共闘していくかどうかは、やっぱり私たち市民の働き
かけ方次第です。


 小選挙区制という民意を極端にゆがめるサイアクすぎる選挙制度の
もとで、悪天候で、しかも野党編成が混沌として圧倒的に不利な状況
下で確保できた立憲野党の議席は、奮闘した私たち市民のデモクラシー
の証です。
 分断の危機の中から野党第一党を作り上げた市民(主権者)の力は、
与党にしてみれば改めて脅威と受け止められているでしょう。
公明党の山口代表は、さっそく改憲について、野党第一党(=立憲民主
党)の理解が不可欠だ、と発言しています。立て板に水、のようには
進ませないチャンスが、まだある!
「自公勝利」という表面的な結果にとらわれる必要はありませんし、
落胆している余裕はないのです。というか、自信を持ちましょう。
 まずは、おかしな改憲を発議させないために、やるべきことは山ほど
あります!
 ε=ε=ε=ε=┏( ̄▽ ̄)┛ go!
 
 日本国憲法は私たちにこう語ります。
「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる
自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に
堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利と
して信託されたものである。」(97条)。
 ぜひ、声に出して読んでみて下さい、私は…涙が溢れて最後まで
読めませんでしたw


2017年10月20日金曜日

GO VOTE(投票に行こう)! あなたの“主権”をカメハメ波のように☆



 衆院選挙の最終盤ですね。
 日々、メディアが世論調査を報道して、自民党の圧勝がもう決まって
るかのような雰囲気になってますが…でも、どこまで正確に現実を反映
できているかは、まだまだ分かりません。最後の最後まで分からないの
が選挙です(あ、受験に似てますね、現役生は前日まで伸びる、みたいなw)。

 お天気が悪いので、投票率も心配ですが、ぜったいに棄権や白票は
ダメです。
 選挙に行きましょう。主権を行使しましょう。

 小説家の平野啓一郎さんの、すてきな寄稿をご紹介します。
      ↓
●「何か変」思うことから 作家・平野啓一郎さん (毎日)
 https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171020/ddm/041/010/056000c
 (一部抜粋)
 「有権者の人に伝えたいのは『何かおかしいんじゃないか』と思ったら、
その感情に従って投票をしてほしいということ。今回の選挙をばかばかし
いと思うなら、余計に投票に行くべきです。悪いことに目をつむる態度は、
決して現実主義ではないのです。」


 以下、あすわかツイートをご紹介します。
 お友達・お知り合いに向けてシェアしていただければ幸いです☆


● https://twitter.com/asuno_jiyuu/status/921200534299611136

「どうせ世論調査どおり自民党が勝つんでしょ?と、早くも虚無感がわき
出ているそこのLadies&Gentlemen。みなさんが投票に行かなかったら、
その通りかもしれません。投票率次第で、どうとでもひっくり返せます。
投票は、自分の主権者力を発揮するダントツで最大のチャンスです。」



● https://twitter.com/asuno_jiyuu/status/921203246600826881

「どれだけ政治に無関心でも、政治と無関係ではいられません。あなたの
お給料から差っ引かれた税金が、戦闘機や沖縄の基地建設に使われること
に納得できなければ…「なんで貧困家庭や奨学金にまわさないの?」と
疑問を抱いたならば…今の政権には賛成できない、と、投票で示すしか
ありません。」



● https://twitter.com/asuno_jiyuu/status/921205396630511616

「棄権したり、白票を投じたりするのは、今の安倍政権に白紙委任したの
と同じです。賛成でもなく反対でもなく第3の力ある意思表示のように
見えてるならば、それは間違いです。どの候補者も好きになれないとして
も、一番「マシ」な人を選んで下さい。選択する苦しみは、確実に貴方の
主権者力を高めます。」


● https://twitter.com/asuno_jiyuu/status/921215647953989632
 
「お子さんを愛しているなら、投票は親としての義務です。
「予防接種した方がいいのか」「どの学校に進ませようか」たくさん真剣
に悩んだのと同じです。キミにどんな社会を残せるか、どんな国で生かさ
せてあげられるか、パパもママも必死に考えて政治に参加したんだよ、
と、いつか話してあげてください。」

明日開催! 投票の前に憲法カフェ@リバティおおさか♪


 リバティ大阪(大阪人権博物館)でのかわいいパネル展示
「いまこそ知りたい!楽しく学ぼう日本国憲法展」始まってます♪

 憲法を知れば知るほど、「こんなに大切なものだったんだ、、、」
と思うでしょうし、同時に「今の政府の人たち,ナニやってんの!?」
という苛立ちも覚えるはずです。

 おそらく、このままだと安倍政権は憲法を変える猛スピードのスケ
ジュールを変えずに動きます。1日でも早めに、「憲法ってなに?」
「私の人生とか生活と、なにか関係あるの?」というギモンを、解消
しちゃってください☆

 明日、リバティ大阪で小谷成美弁護士が憲法カフェを開きます
(なんと2回も)!
 投票の前の、絶好の「憲法知っとこ」日和です。
 都合のいい方に、お誘い合わせの上、カモーーーーーーーーン(^^)/


*・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。 

◆憲法カフェ~憲法ってなあに?


日時: 2017年10月21日(土)
    13:00~13:40

    15:00~15:40


講師: 小谷成美弁護士
   (明日の自由を守る若手弁護士の会)


参加費: 大人500円、中学生以下200円


☆ あすわか特製憲法クリアファイル(定価200円)を全員にプレゼント。

☆ お子さん連れ大歓迎!



<いまこそ知りたい!
      楽しく学ぼう 日本国憲法展>


 日本国憲法は11月3日で公布後71年を迎えます。
 私たちはふだんの生活で「憲法」を意識することはあまりありません
が、実は私たちが生きる上でとても大切な役割を担っています。
 憲法には何が書いてあるの?誰が守らないといけないの?
 イラスト付き解説や楽しいイベントで、楽しく憲法を学びましょう!!

期間: 2017年10月18日(水)
            ~12月16日(土)

場所: リバティおおさか(大阪人権博物館
     大阪市浪速区浪速西3-6-36

     http://www.liberty.or.jp/

主催: あすわか大阪×リバティおおさか

<展示構成>
 Ⅰ 憲法とは何か/Ⅱ 平和主義/Ⅲ 基本的人権/Ⅳ 国民主権

<開館時間>
 水~金 10:00~16:00(入館は15:30まで)
 土    13:00~17:00(入館は16:30まで)
 日・祝・月・火・第4金は休館

<入館料>
 大人500円、大・高校生300円
 小・中学生 200円
 65歳以上 300円
 障害者(介助者含む)は無料


2017年10月18日水曜日

振り返ってみませんか 女性輝く「はずない」アベ政治年表…( ̄Д ̄;) ②


 安倍政権&自民党が、「すべての女性が輝く社会」をスローガン
にしながら、実際に女性にどんなまなざしを向けてきたかを年表で
振り返る、後半です。

 この年表、昨年の春に作成したものなので、現時点までの更新が
できていないのが、申し訳ないところです(>_<)。
 「こんなのもあったよ!」というコメント、大歓迎です。




 結婚したらどちらかの姓に統一しなければならない民法の規定は、
現実的に女性の姓を奪う機能を持っているので、憲法違反だから無効
でしょ!と争った裁判で、最高裁が合憲判決を出したことは、忘れら
れません。
 「旧姓を使える便利な世の中になってきたから問題ないでしょ」という
判決の理屈は、女性の苦しみを分かろうともしない男性の論理そのもの
でした…この判決を書いた裁判官のメンバー、小池裕判事と大谷直人判事
は、今回、国民審査の対象になっています。
 罷免したかったら「×」印です。


 敗戦で日本が無条件降伏するまで、日本には家制度がありました。
 一人ひとりの「自分らしさ」なんてどうでもよくて、戸主に家族が従属
する「家」の維持・繁栄がなによりも大切だ、と徹底的に教育されました。
特に女性は、男性の所有物で、相続権もなければ選挙権もなく、要するに
人間扱いされなかったのです。
 そんな家制度を廃止させ、女性も男性と対等の誇りある人間だ、と宣言
してくれたのが憲法24条。一人ひとりの尊厳あっての家族だ、と、
「あるべき家族」像に押しつぶされていたすべての人を解き放ってくれ
ました。
 その24条を、ちゃぶ台ひっくり返すかのように変えてしまっているのが、
自民党の改憲草案24条。
 自民党をバックアップする「日本会議」の強い意向があるのでしょう。
わざわざ1項を「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。
家族は、互いに助け合わなければならない。」なんて書き換えているのです
から…


 家なんですよね。とにかく、家。
 社会の基礎的な単位は、個人ではなくて、家族なのです。
 助け合えればいいけれど、そんなわけにはいかない、離れていた方が幸せ
な事情を抱える家族は、少なくありません。DVやモラハラで命からがら逃げ
る母子をはじめ、深刻な事情で絶縁せざるを得ない家族…そんなここの事情
をいっさい無視して、「家族なんだから助け合いなさい」と迫る自民党さん
の頭には、個人の尊厳などはなく、「あるべき家族」というファンタジーしか
ないように思えます。


 自民党は、早くも「選挙に勝った」前提で、秋に改憲案を国会に提出する
なんていう報道もあります。公約には、24条の改憲は掲げてありませんが、
必ず狙ってくるテーマですし、その前倒しのように家庭教育支援法の成立を
公約に(政策集の中にこっそり)書いてあります。
 
 この年表に「うっ」と気持ち悪さを抱くかどうかで、ご自身の人権への姿勢
が分かるともいえます。どうでしたか?

振り返ってみませんか 女性輝く「はずない」アベ政治年表…( ̄□ ̄;)①


 すべての女性が輝く社会 …って、もう古いでしょうか。
 安倍政権が打ち出したスローガンだったような気がします。

 でも、女性の皆さんに聞きますっ(ダン←机を思わず叩く)、
なにか安倍政権のおかげで輝けましたか?

 女性が、男性と同じように、自分らしく生きていける社会に変えるには、
まず男性の生き方を変えなければならない、と、安倍政権は気づいている
のでしょうか。
 気づいているけれども気づかないフリをしているのでしょうか。
 どちらにしても、罪深い。

 男性(中心で回る社会)側が自分たちのライフスタイルを変えずに、
「輝きたいのね?いいよいつでも、男女平等だものね、僕たちと同じように
働けるならどうぞ」と女性に呼びかけたところで、女性たちは身動きとれ
ません。
 保育園の送り迎えはもちろん、子どもの急な発熱で会社を早退しなければ
ならないのはなぜもっぱら妻(母親)なのか。
 なぜ保護者会に出るのはもっぱら妻(母親)なのか。

 保育士さんのお給料も、ぜんぜん高くなりませんね。
 か弱い命と向き合い、人格形成の基盤を作り上げるアシストをしてくれる
保育士の仕事は、肉体労働でもあり頭脳労働でもあり、激務です。
 いまだに「誰にでもできる仕事だ」という無理解が消えない社会に、安倍
政権はなにか一石を投じてくれたでしょうか?
 保育士さんという仕事を大事に思い、お給料を良くして待遇を上げ、保育士
のなり手を増やすこと。これって、保育士として輝きたい女性と、たしかな
保育園に子どもを預けて輝きたい女性の、両方を助けることです。 

 安倍政権が、女性へどんなまなざしを向けてきたか、この年表をごらん
ください。
 作成したのが昨年なので、現時点までの更新ができていませんが
(まずは、前半1枚)…ご覧になれば、「女性、輝けるはずないじゃん…」と
脱力してしまう方、少なくないはずです。



 一人ひとりの「自分らしさ」になによりも価値があると考えるのが
日本国憲法。
 憲法に忠実に、女性が生きづらい社会を変えてくれるのは…少なくとも
安倍政権ではないようです。

投票日イブ(21日)! 弘川弁護士の憲法カフェ@神戸市西区


 もう、投票日まで数日ですね。

 あの強行採決の場面、思い出して下さい。
 自衛隊が内戦に巻き込まれていること報告した日報を隠蔽したこと、
思い出して下さい。
 おかしいでしょ!って怒る市民を指でさして「こんな人たちに負け
ない!」と逆ギレいした首相の姿、思い出して下さい。
 
 国民みんなでとことん話し合って政治を進めるんだ、という気が
みじんもない安倍政権に、私たちはほとほと、疲れ切っています。
 民主主義のシステムを無視する、ということは、国民をバカにして
いる、のと、イコールです。
 もうこれ以上、こんな政治を見ていたくありません。
 憲法や民主主義という視点から、どの候補者に票を入れようか、
決めて下さい。
 投票日イブ(21日)に、弘川欣絵弁護士の憲法カフェが開かれます♪


**************************** 

 憲法カフェ@神戸市西区

 カフェ・ド・けんぽう10月
 「わたしがわたしであるために
        個人の尊厳と憲法24条」



日時: 2017年10月21日(土)
    14:00~16:00



場所: 西区民センター2F 第2会議室
  http://www.kobe-bunka.jp/facilities/nishi/


資料代: 300円(高校生以下無料)

講師: 弘川欣絵弁護士
   (明日の自由を守る若手弁護士の会)

主催: 西神ニュータウン9条の会
     TEL 078-991-1955


 ☆ 託児はありませんが、お子様連れ大歓迎です!


 憲法改正をめざす自民党の『憲法草案』をご覧になったことが
ありますか?
 9条が注目されがちですが、ほとんどすべての条項が書き換えられ、
憲法の意味そのものが大きく変わる内容だという事をご存じですか?
 「そもそも憲法って何?」「家族ってなんだろう??」etc・・・
 個人の尊厳と両性の本質的平等をうたった24条にスポットを当て、
弁護士の弘川欣絵さんにおはなしをしていただきます。
 考える材料の一つとなれば幸いです^^


2017年10月12日木曜日

参考動画☆ 自民党の描く理想の国家・憲法がよく分かります。


 選挙期間になるとピタっと改憲の発言をやめるのが、安倍首相の
クセです。
 あまり誠実とは言えません…あんなにも前のめりに憲法を変えよう
とスケジュールを組んでいるのに、なぜ選挙になると、堂々と語ら
なくなってしまうのでしょう。ご自分の理想とする国家像や憲法の
形に、自信がおありなら、国民に語るべきです。
 語らずに改憲するなら、当然「そんなの聞いてないよ」です。

 どちらにせよ、選挙の結果が安倍政権と自民党のあたためる改憲の
スケジュールに大きく影響します。有権者のみなさまは、ぜひ、憲法
の行方を意識しながら投票してください。

 今日は参考資料として、動画などを紹介いたします。

 2012年の5月の映像です。
 https://www.youtube.com/watch?time_continue=1008&v=BrxAi30Szpw
 創生「日本」という団体の研修会で、登壇した自民党の議員さんたち
が次々にスピーチしている様子が撮影されています。
 
 例えば…
●稲田朋美議員
 「国防軍を創設する、そんな憲法草案を提出致しました。
前文に、私たちの国は私たちで守りませんなどと嘘の書いてある憲法は
今すぐ破棄をして自主憲法を制定しなければなりません。」拍手喝采

●下村博文議員は、「自虐史観」からの脱却について。
 
●新藤義孝議員
 「憲法改正しましょうよ。」
 「自民党の基本は家族です。自分が幸せになりたかったら、家族を
守ろう。家族を守るためには、地域と国と世界が安定しなければなら
ない。これが、自民党の原点ですよ。」

●長勢甚遠議員(←今は政界を引退されています。)
  「(自民党の憲法草案について)正直言って不満なんです。
…国民主権、基本的人権、平和主義、これは堅持すると言ってるんです。
みなさん、この3つはマッカーサーが日本に押しつけた戦後レジーム
そのものじゃないですか。この3つをなくさなければ本当に自立した憲
法にならないんですよ。」拍手喝采

●木内実議員
 「日本にとって一番大事なのはなにか、私は皇室であり国体であると,
常に思っております。」「皇室をしっかりお支えしなければならない。」

 …まだまだたくさんおられますが、こんな感じです。

<まとめサイト>
 https://matome.naver.jp/odai/2146647747327851701


 「よくわかんないけど、まぁ自民党でいいや」とぼんやりお考えの
お知り合いがいたら、ぜひ、この動画やまとめサイトを、紹介して
あげてくださいね!
 きっと自民党の方々も、自分たちの主張がみなさんに知られるのは
うれしいことだと思います。たくさん拡散させましょう(^^)/

2017年10月11日水曜日

10月18日 太田啓子弁護士の憲法カフェ@神奈川・二宮


 安倍政権が復活してからの5年弱…民主主義を真っ向から否定する
特定秘密保護法や共謀罪が作られてしまいました。
 戦争しないし軍隊も持たない、とあれほど憲法が宣言しているのに、
戦争したくないとあれほどママたちや若者たちが叫んでいるのに、憲法
9条を死文化させるような安保法制が作られてしまいました。
 もうこれ以上、こんな政治を見ていたくないし、こんな政治に未来を
狂わされたくない…そんな必死な思いがかかった選挙です。
 あれ選挙の争点ってなんだったっけ?消費税の使い道?北朝鮮情勢?
 分かりませんよね、それは仕方ないんです、安倍首相自身に大義は
ないし、発言のたびにおっしゃることが変わっているので(-_-;)。
 首相や自民党の言うことはクルクル変わりますが、憲法への影響が
絶大であることは間違いありません。投票までに、ぜひ、ぜひ、憲法の
キホンを知っておいて下さい!
 18日には、太田啓子弁護士の憲法カフェが神奈川の二宮町で開かれます♪


☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚

 太田啓子弁護士と一緒に!憲法カフェ@二宮


  あすわか(明日の自由を守る若手弁護士の会)の太田啓子弁護士による
憲法カフェ(子連れ大歓迎)を二宮で開催!!
 選挙を控えた大事な時期。憲法改正って何?憲法って誰のためのどんなもの?
太田弁護士に伺いましょう!


日時: 10月18日(水)
      13:30~15:30

場所: 二宮ふるさとの家 

   (〒259-0134 神奈川県中郡二宮町一色432)
   二宮駅北口よりバス 秦60秦野駅南口行 または 
      秦91秦野駅南口行に乗り、バス停一色で下車 徒歩3分



参加費: 500円

駐車場: 有

申込:下記イベントに参加表明をお願いします。
 イベントページ→ https://www.facebook.com/events/869426669875015/


講師:太田啓子氏
    (弁護士/明日の自由を守る若手弁護士の会) 
  2002年弁護士登録(湘南合同法律事務所所属)。
  2013年憲法カフェ開始、以降各地で200回ほど憲法カフェ開催。
 VERY、クロワッサン、婦人公論、LEE、週刊女性、AERA、ジュニアエラ等
 で憲法についてコメント、座談会出席等。
  共著「これでわかった!超訳 特定秘密保護法」(岩波書店2013) 、
 「憲法カフェへようこそ」(かもがわ出版2016)。


* なお午前中は同会場にて、渡辺優子プレゼンツ「くらしのゆんたく コス
 タリカの奇跡&ローカル選挙トーク」を開催します。
 https://www.facebook.com/events/1564217806975539/
* 両方のご参加大歓迎。
* 「コスタリカの奇跡」上映は1000円となっています。

10月20日 川本弁護士と憲法で飲む!憲法カフェ&バー@鎌倉



 突然のワケ分からない解散で、選挙へと突入したわけですが、
民主主義をとことん嫌って、壊してきた安倍政権を、やっと
終わらせることができるかもしれないチャンスととらえた方が
いいですね☆前向きに!

 面白いツイートがありました↓
 https://twitter.com/picoyai/status/917914569808297984
 安倍首相は、やはり選挙では、ご自分の改憲への執念について
語ろうとはしないのですね。どんなに自分や自民党が改憲に
前のめりになっているか、なぜ説明しないのでしょう?
自分が憲法を変えて、この国をどんな国に変えたいのか、自信が
あるなら理想を語ればいいと思うのですが…(-_-;)ワケガワカラナイ。
 
 どんなに首相がだんまりを決め込もうが、自民党が憲法を変える
プランをあたためていることは事実。選挙の結果は、大きく影響
します。だからもし今、「憲法っていっても、あんまり意識した
ことないし、よく分からない…」のであれば、投票までにキホンを
おさえちゃいましょう!

 10月20日、投票前の最後の週末、鎌倉で川本美保弁護士の
憲法カフェが開かれます。夜ですし…場所もカフェ&バーなので、
もうアルコール入れちゃって下さい!

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 憲法カフェっていうか憲法バー@鎌倉


日時: 10月20日(金)19:00~21:00


場所: 鎌倉百年の蔵 カフェ&バーtsuu
  (鎌倉市小町2-23-6)



参加費: 1000円


講師: 川本美保弁護士
  (明日の自由を守る若手弁護士の会)


申込先:0467-31-2950



最終回だよ!やや日めくり憲法 10条(国民の要件)



「やや日めくり憲法」シリーズ、ついに最終回。
11条から始まって、99条まで行き、1条に戻って…
最終回の今日は10条です。



<日本国憲法 10条>  
 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。

 憲法10条に基づいて、1950年、明治憲法下で制定された国籍法は、
全面的に改正されましたが、当時の国籍法は,出生の時に「父が日本国民
であれば」子が日本国籍を取得する(!)父系優先血統主義を採用する
男女平等に反する法律でした。

 1984年,女子差別撤廃条約が国連で採択されたことを契機として,
母が日本国籍の場合にも子どもに日本国籍が付与されることになりました
このように,父母いずれかが日本国籍者である場合,どの子に日本国籍
付与されることを血統主義(ヨーロッパなど)といい,親の国籍とは
関係なく,出生地の国の国籍が付与されることを生地主義(アメリカ・南米
諸国など)といいます)。


 2008年,法律婚をしていない日本人の父とフィリピン人の母の間に
生まれた子どもが出生後に父から認知を受けたことで国籍取得届出を提出
したものの、両親が結婚していないことを理由に却下されてしまいました。
両親が結婚してようがいまいが、父親は日本人なのだから日本国籍を得ら
れるはず。子どもは,法律上の婚姻関係ない,日本国民の父と日本国民で
はない母との間で生まれた子には日本国籍を認めていない国籍法3条1項は
憲法に違反すると訴え、裁判を起こしました。最高裁はこの国籍法3条1項
は「憲法14条に違反する」と認定しました。

 ところで,1910年の日本による韓国併合により,コリアンには日本
国籍が取得され,1947年5月3日に,日本国憲法が施行された当時も
日本国籍がありました。しかし,1952年の講和条約の発効により,
日本は朝鮮半島に対する主権を放棄しました。このとき,日本は,講和
条約の発効と同時に,法務省の通達をもって,一方的に在日コリアンから
日本国籍を剥奪したのです。つまり,憲法10条が日本国民たる要件は
法律で決めるとしているにもかかわらず,法律よりも下位にある通達に
よって在日コリアンの日本国籍を喪失させ,在日コリアンの人権保障を
否定したのです。

 オーストリアを併合したドイツ政府が1956年に,ドイツ国内に居住
するオーストリア人に対し,国籍を選択する権利を付与する法律を制定した
こととはまるで対照的です。

 「日本国民」であるか否かによって,憲法に定めた権利そのものが認めら
れない,あるいは,著しく制約されてしまう可能性があるのです。


 日本国籍を持っている人を「日本国民」ということの並びで考えてみたい
ことがあります。みなさんは「日本人」を定義できますか?

 私は、すぐにはかっちりとした定義を言えません。

 ここ数年、「日本人スゴイ」と、ことさら「日本人」というルーツを強調
して褒め称えるTV番組が増えているような気がします。


 一方で、日本に帰化したモンゴル人力士の偉業を「日本人力士すごい」とは
決して言わずに、「日本出身力士」という言葉をあらたに作って賞賛したり
します。
 ノーベル文学賞をとったガズオ・イシグロ氏は5歳で英国へと移住し、英国
の国籍を持ち、コミュニケーションはもっぱら英語でとっていますが、それで
も日本のメディアは彼のルーツが日本にあることを強調して、日本の偉業かの
ように報道します。
 こういう人たちにとって、「日本国民」と「日本人」は違うということなの
しょう。

 このように、モヤっとした定義できない「日本人」であることに強烈な
アイデンティティを置こうとする空気が充満する社会は、とても息苦しい
ものです。
 そう、いうまでもなく、日本は多民族の地です。日本に住み着いた人たちは、
台湾の方面、朝鮮半島の方面、北方の方面、この3つのルートで入ってきた
と言われています。大和朝廷朝鮮半島や中国からの渡来人のアドバイスの下、
政治体制を整えました。他方、広く本州に住んでいたアイヌの人たちを
「征伐」して北へ追いやり、明治政府により同化政策をとりました。
 沖縄として併合された琉球王国も、例えば奄美大島と沖縄本島とでは、文化は
かなり異なります。このように、忘れてはならない侵略と同化の過去を背負い
つつ、たくさんの民族のたゆまぬ交流の歴史があってこそ、今の日本、今の
日本人があることを思えば、決して「日本国民」とは違う「日本人」という
くくりで優越感を感じたり、あるいは他者を排除したりするようなことは
できないはずです。

 少なくとも、日本国憲法はそういう偏狭な排外主義を容認しているとは
思えません。

 とてもシンプルな条文ですが、アイデンティティや尊厳について、立ち
止まって考えさせられますね。

2017年10月10日火曜日

やや日めくり憲法9条 戦争の放棄が憲法に入ったのは


日本国憲法 9条〔戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認〕
  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実
 に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は
 武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久
 にこれを放棄する。

 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。



 みなさんよくご存じの9条です。1項では「戦争の放棄」、2項では
「戦力の不保持、交戦権の否認」が謳われています。
 かなり徹底した反戦・反軍の平和主義といえます。




この9条は、戦後、自衛隊や日米安保体制などが違憲ではないかという
疑問が出されたり、改憲を求める人たちからは変えるようにと強く主張
されてきました。今も、安倍首相の「加憲論」が取り沙汰されています。


 では、そもそも、なぜ9条は、かなり徹底した反戦・反軍の平和主義を
採用したのでしょう。



憲法の前文には、こう書いてあります。

 「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを
決意し、…この憲法を確定する」と。


これは日本国憲法の前の大日本帝国憲法のとき、日本の軍隊が権力を持ち
すぎて暴走し、無謀な戦争に突っ込んで、結果として、国内、国外の両方で
多くの戦争被害を出した、ということに対する強い反省があります。


 特に、1930年代、
国内では、32年の5.15事件、36年の2.26事件など軍人たちが、
自分たちの気に入らない政治家(しかも、時の総理大臣も含む)などを暗殺
してしまったり、首相官邸を武力で占拠してしまったりしました。

 また、国外では、31年の満州事変、37年の日中戦争における南京進撃
など、派遣先の軍隊が勝手に大規模な軍事行動に走って戦争を開始・拡大した
りと、とてもじゃないけど近代的な法治国家とは言えないような暴走をして
いました。

 このことがアジア太平洋戦争での悲惨な戦争被害の結果の原因となったこと
から、日本国憲法は、かなり徹底した反戦・反軍の平和主義を採用したのです。


 これは、権力の行使を憲法で制限して、国民の権利自由を守ろうとする立憲
主義の考え方にもマッチするものです。


 もし、日本が、戦後このような9条を持たず、大日本帝国憲法の手直し程度
の憲法であったなら、場合によっては、戦後の朝鮮戦争やベトナム戦争などの
戦争に日本も参戦し、多くの日本人が戦争の中で殺し合いをさせられ、死んで
いったのかもしれません。
 今後、もし日本が対外戦争への参加ができるようになった場合、最悪のケース
では、また70数年前の悲劇を繰り返すことになるかもしれません。
 そのようなことがないよう、我々国民は「不断の努力」を怠らないことが
必要だと思います。

 私たち戦争を知らない世代が、直接戦争の被害を受けたことがないこと
自体は、とてつもなく幸せなことです。
 ですが、自分や家族、大切な人たちの命が常におびやかされたり、食べ物や
生活物資が足りないなど貧困におちいったりしない、その「平穏な生活」が
当たり前のものになっていると、戦争は他人事となり、どれくらいひどいもの
かも分からなくなり、戦争が起きている国の方々の苦しみにも無関心に
なっていく危険もあります。

 差別や貧困など、暴力(戦争)を生み出す温床がいくらでもはびこる現代
社会は、まだまだ戦争が起きる可能性をはらんだままです。
 戦争を知らない世代が、「戦争だけはしない」という決意を持ち続ける
には、どうしたらいいのか… だれか一人の天才的なリーダーが現れて
解決してくれるような課題ではありません。

 経験したことがなくても、知ることはできます。
学ぶことはできます。
そして、想像することはできます。

 東西ドイツの統一を果たしたヴァイツゼッカー西ベルリン市長は、
「過去に目を閉ざす者は、現在に対しても盲目となる。」と述べました。
単純で地道なことですが、戦争を語り継ぐこと。戦争の加害と被害を
見つめ続けること。人間が、時として歯止めない狂気にかられる存在で
あり、自分もまたその人間の一人であること。自分が加害者にならない
ためには、どうしたらいいのか、常に問い続けること。
 これこそ「不断の努力」で、続けることに意味のあることで、しんどさも
伴うことだとは思いますが、そういう姿勢でのみ、人間の狂気も、
戦争という狂気も、食い止められるのだろうと、思います。
 

投票日前日! 憲法カフェ@国分寺「ゆずりは」☆


 選挙にまつわる報道で、たくさん「憲法改正について云々…」と
流れていますね。
 憲法改正、憲法改正…って、これだけたくさん言われると、
「もう、憲法を変えることは決まってる」ようにも聞こえてくるので、
私たちあすわかとしては「ちょっと待って~」と思うところ。
 憲法の、どこを、どう変えるって?
 それ、誰が勝手に言ってるの?
 ちょっと立ち止まって考えてみなきゃいけないところです。
 そもそも…そもそも憲法ってなんなんでしょう。なにが書かれている
のかな。
 どの政党が、憲法をどうしようと考えているのか、知ってから投票
しないと、たぶん一生後悔してしまうかもしれません。
 投票日イブに、笹弁護士が分かりやすく憲法のキホンを語ります。
お茶しながら、ぜひ耳を傾けてください♪


・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・

憲法カフェ@国分寺ゆずりは3rd.


日時: 10月21日(土)
     13:00~15:00


場所: アフターケア相談所 ゆずりは
   (〒185-0011 東京都 国分寺市本多1-13-13)


参加費: 1500円
    (資料代込。スイーツ+お茶付き)


講師: 笹 泰子弁護士
    (明日の自由を守る若手弁護士の会)


イベント詳細
  https://www.facebook.com/events/2005084379706176/


参加申込
  http://www.kokuchpro.com/event/40893676806e4dafe04fab47ec722671/


 今年の1月、5月に続き、ゆずりはさん(http://www.acyuzuriha.com/)での
3回目の憲法カフェです。
 憲法カフェでは、護憲や改憲を唱えることではなく、憲法を知る「知憲」
を大切にしています。
 今、憲法改正をめぐる議論がとても活発になされていて、憲法改正の是非
を問う国民投票の実施も、かなり現実味を帯びてきています。
 この国の憲法をどうするべきか、答えがあるわけではない。確実にあるのは、
私たちの生活と、私たちの考え。
 そんなときだからこそ、日本国憲法のもとで暮らすひとりひとりが、そも
そも憲法とはなんだろうと、基本から考え、お互いの話に耳を傾けてみること
が大切だと思っています。
 今回も、憲法の基本と今の争点をお話しします。参加者の方々からも多様な
ご意見を伺えることを楽しみにしています。


やや日めくり憲法8条(皇室の財産授受)

日めくり憲法は、残るは3つとなりました。
今日は、有名な9条の前の条文です!


第8条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。


これまでは、天皇の権限について御話しをしましたが、
ここで、天皇(と皇室)の財産についての条文です


皇室の財産については88条で、国に属するというのが決まっています
そして、皇室の費用は、国会の議決を必要としました


この8条は、88条と同じように、天皇の財産について、国会の関与を認めることで
戦前のように、厖大な皇室財産が形成されるのを防いだり
皇室財産の授受を通じて、天皇が何らかの影響力をもってしまうことを防ぐものです


権力を縛る(立憲主義)って発想がこんな形で体現されているのです


なので、大して外部への影響力が生じないような
・相当の対価による売買等通常の私的経済行為
・外国交際のための儀礼上の贈答
などは、いちいち国会の議決はいらないとされています(皇室経済法2条)


大きな財産の移動の場合には
天皇に対して助言と承認を行うことになっていことに内閣が、国会に議案を提出することになっています。


財産までがちがちに縛らなきゃいけないほど
大日本国憲法での天皇って、影響力があったんだぁと実感させられる条文です。

10月19日(木) 太田啓子弁護士の憲法カフェ@横須賀☆



 好きな人と結婚する、なりたい職業を目指す、男も女も選挙で
投票できる…
 これ、当たり前…のはずですよね。
 でも実はこういう当たり前の生活は、憲法に「この自由は奪われ
ない」と書かれているからこそ、送れているんです。
 あんまり意識したこともないし難しそうなイメージ満載の憲法
ですが、その行方は私たちの生活や人生にダイレクトに影響して
きます。
 ぜひ投票する前に、憲法のキホンをおさえておきませんか♪
「もっと早く知っておけばよかった…!」と思うこと間違いなしです(^^)/


☆:;;:・:;;:*:;;:・:;;:*:;;:・:;;:*:;;:・:;;:*:;;:・:;;:☆


 憲法カフェ@横須賀「コトノハ」


日時: 10月19日(木)10:30~12:00


場所: コトノハ CAFE+学び舎
   横須賀市不入斗町3-53-2
   京浜急行横須賀中央駅より徒歩20分
   またはJR横須賀線横須賀駅/京浜急行汐入駅よりバス5分
   
参加費: 1000円(飲み物付き)
    ランチも希望の方はプラス1000円


要予約(定員20名)


申込はメールにて 山岸香 まで
  メール: k.yamagisi07@gmail.com

  人数とランチ(パンorご飯)有無をお知らせください


FBイベントページ
 https://m.facebook.com/events/158135024781840/permalink/158135034781839/?notif_id=1507129855505400&notif_t=like&ref=notif



10月14日(土) 『気軽に話そう憲法BAR足柄。』☆



 衆議院議員選挙の公示日ですね。
 特定秘密保護法、解釈改憲、安保法制、共謀罪…安倍政権の5年弱は、
「憲法がある社会を壊す」5年弱でした。。。
 
 言いたいことを自由に言い、おかしいと思ったら素直に疑問や不安を
口にできる生活…憲法が“元気”でないと、そんな当たり前のはずの生活も、
とたんにままならなくなります。
 憲法が“元気”でいられるかどうかは、私たち国民次第。これ以上、憲法を、
私や子どもの未来を壊さないでほしいと思ったら…やはり、まずは憲法を
知り、そして投票に行かなければ!
 14日に、太田啓子弁護士の『憲法BAR』が開かれます♪憲法のキホン
から、なんかおかしい最近の政治へのギモンなど、語り合ってみませんか?


*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆

気軽に話そう憲法BAR足柄。

 「明日の自由を守る若手弁護士の会」所属の太田啓子弁護士をふたたび
足柄にお迎えして、今度は「憲法カフェ」ではなくて「憲法bar」を開催
します!
 知ってるようで知らないことだらけの憲法について、子育てママでも
ある太田弁護士にお話ししてもらいます。それから、飲んだり食べたり
しながらフリートーク。「いまさら、こんなこと・・・」と思うような
ことでも、どんどん聞いちゃって下さい!


日時: 10月14日(土) 
     17:00~20:00


場所: Cafe&bar nika
  〒258-0003 神奈川県 足柄上郡松田町松田惣領1324-1
  (小田急小田原線新松田駅徒歩5分 JR御殿場線 松田駅徒歩5分)


会費: 3000円(ワンドリンク+おつまみ付き)
 
定員: 20名

  定員になり次第締切


問い合わせ・申込
  電話・FAX 0465-82-8163
  メール yrk-eureka@mk.scn-net.ne.jp
  足柄で憲法カフェを開く会 平野(ひらの)

↓FBイベントページ
https://www.facebook.com/events/225672981299176/permalink/226822087850932/?action_history=[%7B%22surface%22%3A%22timeline%22%2C%22mechanism%22%3A%22surface%22%2C%22extra_data%22%3A[]%7D]&pnref=story




2017年10月8日日曜日

やや日めくり憲法 7条(天皇の国事行為2)

第7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。

ここに並べられているのは、天皇が行うこととされている「国事行為」です。
明治憲法の頃と違い、天皇は主権者ではなく、政治に口出しする存在ではないので、
国事行為はいずれも形式的な行為ばかりです。

天皇が交付する「憲法改正、法律、政令」の決定をするのはいずれも天皇ではありません
(憲法改正なら国会の発議と国民投票、法律なら国会、政令なら内閣が内容を決定します)。
国会の召集、衆議院の解散も、天皇が「やる」と決めて行うものではありません。
すべて、「内閣の助言と承認」が前提です。

ところで、
「内閣は、内閣不信任決議案が可決されなくても、衆議院を解散できるのか」という問題があります。
憲法の中で、衆議院の解散について触れているのは、この7条のほか、69条があります。
「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。」

それ以外にどういう場合に衆議院を解散することができるのか、特に書かれていないのです。
そのため、現在の政府の解釈は、この7条を根拠に、
内閣の判断で、不信任決議がなくても解散をすることができる、という見解に立っています。
今回の衆議院解散も、内閣不信任決議を前提としない解散です。

他方で、衆議院を解散して選挙をすることで何ができるかというと、
国民の信を問う、つまり改めて「誰に立法を任せますか」と意見を聞くことです。
選挙を1回やれば、莫大なお金がかかりますし、
その間、解散してしまった衆議院は開催できないことになります。
つまり、必要ないときに解散をすることは、不利益が大きいということです。

そういう衆議院解散を、何の制限もなく、内閣の判断で好きなようにできる…のでしょうか?
内閣が、「今なら自分のお友達に有利だ!」と思ったときに衆議院を解散して、
自分とそのお友達の地位を盤石に…ということもできるのでしょうか?

憲法に答えがない以上、解釈するしかないところなのですが、

もう少しきちんと決めておいてもよかったのかもしれません。

やや日めくり憲法6条(天皇の国事行為1)


《日本国憲法第6条》

天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。

天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

 

これまで、天皇は、「象徴」だから権限がないよ、ってことをお話ししてきました。

「内閣の助言と承認」が必要なんだよ、だから独立して権限を行使することはないんだよ、ってことでしたね。

 

ところが、この条文見てください!

「助言と承認」って書いてない!????

あれ!? 矛盾? って思った方、鋭いです!

 

でも、内閣総理大臣を任命するときにも、一応内閣が助言と承認があるようです。

国会法65条2項で「内閣を経由して」天皇に「奏上する」ってなっているのは、その現れです。

 

最高裁判所の裁判長については、さすがに、内閣が指名したわけなので、改めて「助言と承認」をする必要はありません。

あえて言えば、指名が「助言と承認」を兼ねているって感じでしょうか。

 

これ、そもそも、なんで天皇がやるんでしょうかね?

権力を抑制する(立憲主義)観点からすれば

国会が指名するんだから、国会が内閣総理大臣に儀式的なことをやればいいわけで

最高裁判所の裁判長(長官)もそうですよね。

あえて天皇を登場させる必要はないはず。

 

これには、いろんな理由があるのですが

大日本帝国憲法では、天皇が全ての公務員の任命権者だったので、その名残って言ったら分かりやすいですかね。

 

昔と同じで天皇は国家権力に関わるように見えるけど、でも権限はないよ、という意味合いが込められているんです

この条文は、天皇が単なる国家機関にすぎないのではなく、三権に関わり合いをもつ「象徴」であること、その関わり合いがごく形式的なものであることを示すものなのです。

象徴天皇制を権限面から裏付ける条文だといえます

 

なお、天皇の権限については、第7条にも詳しくありますが、

この6条は、三権に関わるものだけを特筆して別な条文としたものです。

そういう意味でも、特別な意味が込められているんですね。