2021年9月16日木曜日

太田啓子弁護士が語る 「男らしさ」の刷り込みの危険


 男性の性被害が、女性の性被害以上に実態がつかめないのはなぜか。

 あすわか太田啓子弁護士が、悪しき「男らしさ」の刷り込みが男性を

追いつめている結果だと語っています。男性を性暴力の加害者にも被害

者にもしないために、親ができることは何なのか、ぜひ考えるきっかけ

にしてみてください。


● 太田啓子さんに聞く

           "男の子"を性被害の被害者・加害者にしないために (NHK)

 https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0026/topic027.html



<一部抜粋>

 個人差もあるにせよ、全体の傾向としては、男の子か女の子かに

よって、相当違うメッセージを親や先生や社会が発しているからだ

と思います。「男が弱音を吐くんじゃない」「男は弱いままじゃ

けない、やり返せ」と周囲から言われると、男の子たちは性暴力

の被害に遭ったときに、被害者としての自分を受け入れづらくなって

しまう。

男性たちによる、理由が不明の無差別連続殺人事件などの凶悪事件など

を背景に、アメリカでは2010年頃から、男性の問題行動について

「Toxic Masculinity(トクシック・マスキュリニティ)」という用語

で語られ始めました。日本語では「有害な男らしさ」と訳されることが

多いですが、「男らしさそのものが有害」というより、「男らしさ」に

過剰に執着するゆがみが、自他を害する暴力的な行動につながりかねない

と警鐘を鳴らす言葉です。

弱音を吐かず、危機的状況でもくじけずにたくましく切り抜けるといった

「男らしさ」を社会が男性に求めることは、よい効果を生むことがある

反面、男性が痛みや恐怖といった感情を抑え込んだり、弱みを開示でき

なかったりする、有害な面もあります。

男性の自殺率が女性に比べ2倍以上高いのも、こうした背景が関係してい

る部分もあるのではないでしょうか。

<抜粋終わり>


 幼少期から「男は自分の弱さや苦しみ、悩みを外に見せてはいけない」

と思い込まされることで、いざという時に周りに助けを求められず、

孤立を深め、心の傷を深めてしまう…。ジェンダーが男性にとっても

害悪であること(すべての人にとって有害であること)を確認し合い

ましょう。