2013年11月7日木曜日

改憲に直結する特定秘密保護法案



 特定秘密保護法案が7日の衆議院本会議で審議入りするようです。

 そもそも、何が「特定秘密」なのかが秘密なのです。

 つまり、自分がいつ何をしたら(話したりSNSで情報共有したら)
罰せられてしまうのか分からない。


 万が一にも「特定秘密」を漏らしたかどで逮捕されても、一体自分の
どの行為が特定秘密に関わる行為だったのか、どの話題が問題だった
のかも、「秘密だから明かせない」ということになる可能性が高いのです。


 これは、何が罪でどう罰せられるのかをあらかじめ法で定めな
ければならないという近代国家の基本ルール「罪刑法定主義」に
反します。

 (一定の公務員だけでしょ、なんて思っていませんか?
例えば原発にかかわるメーカーや作業員の方々、省庁にAO機器を
納入するメーカーの方々も、テロ対策の機密情報に触れるといえば
触れるわけですから、決して無関係ではありません。)

 また、その「特定秘密」とは何なのか、定義をはっきり定めず、
国民に知られると都合が悪い情報(例えば原発事故情報やオス
プレイ飛行経路など)を時の政権が簡単に「特定秘密」として国民
から隠すことができてしまうのです。

 民主主義という政治システムは、
情報を得る→考える→議論する→自分の考えを発信し合う→
情報を得る→考える→議論する…の永遠のサイクルが正常に
機能していることが大前提のシステムです。
 国家が都合の悪い情報を国民から隠して独占することは、
このサイクルを機能不全に陥れることです。有権者が、政治に
ついての正確な情報を得ることができなければ、考えたり議論
する前提が欠けてしまうのですから。

 国家がこれほど容易に情報を操作・独占する特定秘密保護法は、
民主主義国家においてはあってはならない法であり、国の在り方を
変えてしまうほどの恐ろしい法です。
 憲法改正をせずに、実質的に立憲主義と民主主義を骨抜きに
していこう、という意思の表れなのではないか、とすら思えてしまい
ます。

 民主主義と立憲主義を破壊して国の在り方そのものを変えよう
という自民党の改憲草案に反対する私達「明日の自由を守る若手
弁護士の会」は、改憲草案の実現を先取りすることになる特定
秘密保護法案の成立を許すことはできません。





北海道新聞社説(11月6日)
「秘密保護法案 早くも欠陥を露呈した」


http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/502394.html


(一部抜粋)
 「案の定というべきだろう。秘密漏えいに重罰を科す特定秘密保護法案をめぐり、所管の森雅子少子化担当相はじめ政府・与党の発言がぶれたり、食い違ったりする場面が頻発している。」
「政府は特定秘密の恣意的な指定を防ぐため、有識者会議を設置して指定基準を策定するとしたが、その基準も拡大解釈は可能だろう。 政府の勝手な秘密指定を、第三者が排除する仕組みもないままだ。法案には多くの市民グループや弁護士会などが批判の声を上げ、共同通信の世論調査では反対が50%を超えた。与野党とも、こうした国民の意見を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。」