2017年10月31日火曜日

野党が質問できないと、国会は死にます。


 昨日、
「国会がますます骨抜きに~野党の質問時間が減らされる!?~」
という記事で、政府と自民党が、野党の質問時間を減らそうとして
いることについて書きました。


 菅官房長官はじめ「議席数に応じた質問時間を配分するのはもっとも
だ」という主張が相次いでいます。

 あぁなるほど…議席数に応じて質問時間を配分するっていうのは、
なるほど公平かも…と一瞬でも思った方、いらっしゃるのでは?


 いえ、まったく違うのです。
 公平どころか、国会の死につながります。


 国会が主に何をする場所かと言えば、
 政府から提出された予算案を審議して決議する場所。
 政府が締結してきた条約を批准するかどうか決める場所。
 そして、政府から提出された法案を審議して成立させるか廃案にする
かどうか決める場所です。


 ここで忘れてはならないのが、日本の政治システムは三権分立といえ
ども議院内閣制だということです。
 国会のマジョリティ(つまり自民党+公明党)の代表が内閣を組織して
行政を指揮する政府となる。
 与党の意向が政府の意向となり、政府から出てくる法案や予算案は事前
にじゅうぶんに与党の意向を反映したものです。政府から法案や予算案が
出てきた段階では、すでに与党に説明もされ、与党の了承も得ているわけ
です。
 だから国会審議は、野党のためにあると言っても過言ではないのです。
提出されて初めて法案や予算案を見た野党が、「この予算配分は不公平だ」
「この法案はおかしい」と欠陥を指摘し、批判し、矛盾点をあぶり出し、
それを突かれた政府と与党が再検討や妥協を重ね、よりよい形の法案・
予算案を作る。

 これが国会審議の本質です。
 
 国会審議の核は、野党の質問です。

  森友学園にタダ同然で国有地を売った問題を追及したのは与党ですか?
 いえ、野党です。
  安保法制は憲法違反じゃないか、と追及したのは与党ですか?
 いえ、野党です。
  共謀罪は穴だらけでどんな一般市民でも対象になると指摘したのは与党
 ですか?
 いえ、野党です。
  加計学園があまりにも不自然な“待遇”を受けて獣医学部の認可がされそう
 になっていることを「権力の私物化だ」と追及したのは与党ですか?
 いえ、野党です。


 「議席数に応じた時間配分」がなされれば、つまりほとんどの質問時間
が与党に配分されることになりますが、それがどれほど「意味の無いこと」
か、もうお分かりかと思います。
 質問時間は、圧倒的に野党に多く配分されて「当たり前」なのです。


 野党が質問できなければ、国会はただただ、政府の案を「はい、わかり
ました」とうなづくだけの機関になります。
 そうなったら、もう三権分立など崩れます。
 どんなにおかしな法案や予算案が出されても、批判的な質問ができない
なら、おかしさをあぶり出す報道も少なくなり、おかしいと声を上げること
自体が封じられるも同然です。
 与党の独裁といっても過言ではない…そういう提案をしてくる安倍首相は、
どこまでも民主主義を嫌うのだな、とまざまざと感じませんか。
 よっぽどの独裁志向でないと、野党の質問時間を減らす、なんていう手は
思いつきません(-_-;)。


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