2017年10月8日日曜日

やや日めくり憲法6条(天皇の国事行為1)


《日本国憲法第6条》

天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。

天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

 

これまで、天皇は、「象徴」だから権限がないよ、ってことをお話ししてきました。

「内閣の助言と承認」が必要なんだよ、だから独立して権限を行使することはないんだよ、ってことでしたね。

 

ところが、この条文見てください!

「助言と承認」って書いてない!????

あれ!? 矛盾? って思った方、鋭いです!

 

でも、内閣総理大臣を任命するときにも、一応内閣が助言と承認があるようです。

国会法65条2項で「内閣を経由して」天皇に「奏上する」ってなっているのは、その現れです。

 

最高裁判所の裁判長については、さすがに、内閣が指名したわけなので、改めて「助言と承認」をする必要はありません。

あえて言えば、指名が「助言と承認」を兼ねているって感じでしょうか。

 

これ、そもそも、なんで天皇がやるんでしょうかね?

権力を抑制する(立憲主義)観点からすれば

国会が指名するんだから、国会が内閣総理大臣に儀式的なことをやればいいわけで

最高裁判所の裁判長(長官)もそうですよね。

あえて天皇を登場させる必要はないはず。

 

これには、いろんな理由があるのですが

大日本帝国憲法では、天皇が全ての公務員の任命権者だったので、その名残って言ったら分かりやすいですかね。

 

昔と同じで天皇は国家権力に関わるように見えるけど、でも権限はないよ、という意味合いが込められているんです

この条文は、天皇が単なる国家機関にすぎないのではなく、三権に関わり合いをもつ「象徴」であること、その関わり合いがごく形式的なものであることを示すものなのです。

象徴天皇制を権限面から裏付ける条文だといえます

 

なお、天皇の権限については、第7条にも詳しくありますが、

この6条は、三権に関わるものだけを特筆して別な条文としたものです。

そういう意味でも、特別な意味が込められているんですね。