2017年4月11日火曜日

防衛大臣は高評価(>_<) 教育勅語がどれだけトンデモかというと


 
●防衛相「教育勅語には現代でも通用する価値観 」(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170411/k10010944231000.html?utm_int=news_contents_news-main_005

 相変わらず、稲田防衛大臣は、教育勅語を高くたかーく評価
しているようです。
 記者会見では、教育勅語について「私自身としては、親孝行とか、
夫婦仲よくとか、友達との信頼関係とか、現代でも通用するような
価値観というものはあると申し上げている」と述べました。
 
 教育勅語を「いいことも書いてあるじゃないか」「内容すべて悪い
と決めつけるのはよくない」等々と擁護する声が、政府や与党から
上がっていることに、がく然としてしまいます。

 もしかしたら、教育勅語というものをよく知らない「優しい人」は、
こういう防衛大臣の発言などを聞くと、「そっか、いいことも書いて
あるなら、100%悪いものってわけでもないんだね」と思ってしまう
のでしょうか…


 教育勅語は、絶対的な権力者(というか神)である天皇を頂点と
する宗教国家にし手軍事国家「大日本帝国」を作り上げるための、
経典のようなものでした。

 明治天皇が、臣民(←「国民」とすら呼ばない)に対して、「あるべき
臣民とはどのようなものか」と説いたものです。
 夫婦仲良くとか、兄弟仲良くとか、友達を信頼し合おうとか、一見
無害に見える「徳目」は、ここに並べられています。

 でも、その「徳目」は、こういう文につながっていきます。
「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ 以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」

  ↑
 つまり、万が一戦争・内乱などの事態になれば、天皇の軍隊として
立派に命を捧げ、そのようにして、天皇の皇室の繁栄が永遠に続く
よう最善を尽くして仕えるべし。」ということです。

 列挙されていた徳目は、ぜんぶ、「天皇と皇室が永遠に栄えるため
にひたすら仕える“よい臣民”」としての徳目なのです。

 これを国民に暗唱させて身体にたたき込み、天皇のために「喜んで
死ぬ」国民を育て、「おめでとう」と言って子どもを徴兵し、おびただしい
数の国民を戦死・餓死させたのが、大日本帝国です。


 ハッキリ言ってしまえば、カルトに近い。
 

 「いいことも書いてある」という指摘は、あまりにも木を見て森を見ず、
あるいは「教育勅語にほんとは何が書いてあるのか、バラしたくない」
のか…どっちかなーなんて…(-_-)フゥ


 ちなみに、教育勅語は天皇制国家を作るためのメッセージなので、
その「徳目」には決して
「平等」「個人の尊重」「人権擁護」「弱者の声を聞く」「差別根絶」などは、
もちろんどこにも書かれていません(苦笑)

 教育勅語を今さら教材として利用したいという国会議員は、こういう
人権思想については、どうでもいいのですね。
 教育勅語は、日本国憲法(人権思想・民主主義)とはまったく相容れ
ないものなので、1948年、国会で無効が決議されています。


 こういう「トンデモ」文書を持ち出す国会議員は、民主主義国家の
“全国民の代表”としては、失格なんじゃないかな、と思わざるを
得ません。