2017年4月1日土曜日

やや日めくり憲法41条 国会は最高機関☆


 今年の元日、憲法11条から順番にやってきた「やや日めくり憲法」、
 今日から新しい章に入ります。そう、憲法にも「章」があるんです。

 今までやってきた11条から40条は、すべて「第3章 国民の権利及び義務」
の条文でした。いろんな権利があるのを見てきましたよね。

 41条からは、「第4章 国会」に入ります。
 ちなみに、第5章は内閣、第6章は司法と続きます。
 つまり、第4章から第6章まで、「三権分立」のそれぞれについて規定している
ということですね。
 国民の権利を守るために権力を縛るのが憲法なら、その「縛り方」を定めている
のがこの4章以下です。

 さて、国会の章の最初の条文には何が書いてあるのでしょうか。

第41条 
 国会は、国権の最高機関であって、
        国の唯一の立法機関である。



「国権の最高機関」
…って、なんか強そうですよね!

 最高機関なんだから、内閣や裁判所よりもえらいのか、…というと、そういう
わけではありませんw。
 内閣は衆議院を解散することもできるし、裁判所が国会の作った法律を憲法
違反だといって無効とすることもできます。
 なので、最高機関というのはリップサービスとまでは言わないけれど、
「政治的美称」だなんて言われています。

 日本では、国民が直接選ぶことができるのは、三権のうちでは国会議員だけ
ですね。国会は、民意を代表するところなので、尊重されなければならないと
いうわけです。

 それよりも意味があるのは、「唯一の立法機関」というところです。
 法律を作ることができるのは国会だけ、という意味ですね。

 どういう行いが犯罪になるか、どういう手続で人を逮捕することができるか、
どういう手続で警察が人の家に踏み込むことができるか、などなど、すべて法律
に書かれています。
 法律をどんなものにするかは、人権や自由に直結している。
 少数派のなかにもいろいろな意見や立場がある。
 なので、国民の代表で話し合って決めましょう、というわけです。


 ですが、いま自民党が憲法改正のテーマにしようとしている「緊急事態条項」は、
これを崩すかもしれません。

 自民党改憲草案では、非常事態宣言がなされたとき、内閣が法律と同じ効力を
持つ政令を出すことができるとされています。
 つまり国会ができる権限を、内閣が持つ、ということ。
 緊急事態ダー!だから国会でいろいろ話し合っている場合じゃないから、
今後すべて内閣が決める!…って、少数意見を無視して人権や自由に直結する
ルールまで決めてしまえる…三権分立が、壊れてしまうのです。