2017年4月3日月曜日

やや日めくり憲法 43条(両議院の組織)



日本国憲法 43条〔両議院の組織〕
  両議院は、全国民を代表する選挙された議員で
 これを組織する。
 2 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。


  国会議員は「全国民の代表」です。国会議員は、「自分に票を入れてくれた
人たち」を代表しているのではありません。
  全国民って言ったら、与党支持者・野党支持者、選挙権を持たない子どもたち、
あらゆる弱者がいます。
  ぜんぶひっくるめた「全国民」の幸せを考えるとなると、そうとう謙虚な姿勢
で市井の声に耳を傾けて、深く議論し、問い続ける態度が必須です。

  また、選挙の際にさまざまに公約を掲げて、当選後に誠実に実現に向けて努力
することはもちろんですが、情勢の変化やより熟慮を重ねた結果、場合によって
は潔く公約を変更することもありうるでしょう。
 ただ、その場合には、「なぜ自分が公約を変えたのか」を国民に対して、言葉を
尽くして説明しなければなりません。
  国会議員が「全国民の代表」たりうるためには、こういう姿勢が必要です。


  次に、国会が文字通り「全国民の代表」の組織として機能するためには、国民
の多様な声が、国会に反映するような議員の構成でなければいけないはずです。
  「お金持ちの代弁者」とか「中年以上の男性」ばかり、みたいな現状は、国会
に社会の多様な声が反映できているとは到底言えません。
 せめて選挙制度だけは、社会の多様性を国会にきちんと反映させられるもので
あってほしいですね。
 少なくとも、マジョリティの意見が過大に反映される一方で、それ以外の声が
切り捨てられちゃう、小選挙区制がダメすぎることは確かです~…(-_-;)。


  でも、残念ながら、選挙制度を変える、というのは、小選挙区制で勝利を
重ねてきた議員にとっては自分の利益を失いかねないので、なかなか進みません。
だからこそ、私たち国民の側から、「この選挙制度おかしいやろ!」としっかり
声を届けること、あるいは、メディアに対して、「もっと選挙制度のおかしさ
について特集してほしい」とリクエストし続けることが、とってもとっても
重要です(不断の努力です!)。


  最後に、国会議員の数について。
  よく、議員が多すぎるとか歳費(議員の給料)がもったいないから「国会
議員をもっと減らすべきだ」という主張を聞きます。実際、日本の国会議員の
数はどんどん減らされていきました。
  その結果、「国会議員1人あたり、何人の国民を代表してるか」の統計を
見ると、日本は先進国の中で最低水準です。

 * 参考資料(「OECD加盟国における人口10万人当たりの総議員定数比較」
 P26)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/kaigijoho/kentoukai/pdf/senkyoseido-houkoku-n.pdf


 国民10万人あたり、何人の国会議員が代表してくれているでしょうか。
  OECD加盟国34カ国を見てみると、国会議員は2~3人のようです。
  ところが日本は、国民10万人あたり、国会議員は0.57人。
  ギョ Σ( ̄□ ̄;)
 つ、つまり国民20万人を国会議員たった1人が代表して、20万人分の
多様な意見をたった1人の国会議員が反映しなければならない…

 いやいや、できるわけありませんよね。


  日本は、国会議員が少なすぎるのです。
 それはつまり、国民が、自分たちの声を国会に届けるためのパイプが
ほとんどない(民主主義っぽくない)、ということです。
  「国会議員多すぎる」説は、とても謎な上に間違っています。

 歳費がもったいない!? 
 確かに、質問もしないでずっと寝てたりヤジしかしてないような議員は
歳費返せよって思いますけど、でも、ちゃんと声を反映してくる議員は
多くいてほしいし、支出を抑えるって話は、「1機100億円以上する
オスプレイ買うのを控える」「解散総選挙を乱発するのをやめる」など、
何百億円という規模のお金の動きをまず議論すべきなのではないでしょうか~。

   なんか、43条、意外と面白い条文でしたねw!
  書いてる私自身、いろいろ考えされられました。長くなってすみません!