2013年4月7日日曜日

事務局研修で

私が働いている法律事務所では,春と秋の年2回,事務局研修を行っています(もちろん弁護士も参加します)。
先日,春の研修があったのですが,今回は午前中に家事事件手続法と接客マナーについて学び,午後は憲法について学ぼうということで私から話をさせてもらいました。
事務所以外で憲法についてお話させていただく機会はあるのですが,ふと,いつも一緒に働いている事務員さんたちはどれくらい憲法のことを知っているのだろうと思い,まずは足元からということで事務所内の会議で提案してみたのです。

さて,内容としては,憲法とはどういうものなのか,今自民党が提案している改憲草案は立憲主義の観点からしてどう考えられるのかという内容で話をしました。
話のあとの質疑応答の時間では,
・  立憲主義の意味などはわかったけど,なぜ人権規定が確立されたのかその歴史的経緯をもっと詳しく述べたほうがよいのではないか
・  自民党改憲草案については,もっと,「ちゃんちゃらおかしい」と言い切っていい。
・  立憲主義の具体化ということで,大日本帝国憲法と日本国憲法の比較を入れるとわかりやすいのではないか。
・  少数者の権利がないがしろにされるというのをもっと具体例を示して言ってもらったほうがいい。(その後,生活保護受給者の市民による監視の問題の話が出ていました。)
などなどのご意見をいただきました。

…意見というよりも,私の講義に対する改善点とかアドバイスがほとんどですね。わかっていたことなのですが,先輩弁護士の前で話をするだけでやりにくいのに,針のむしろ状態でした(笑)。でも,率直な意見が聞けて,自分自身とても勉強になりました。
一般の人にとってあまり身近ではない憲法というものを,身近なものとして感じてもらいその価値を理解してもらえるよう,もっともっと研鑽を積んでいかねばと思いました。

私の場合,偉そうに憲法の話を人前でしていても必ずしも理解が完璧ではない部分がありますので,質問にたじたじになったりしてしまうのですが,そこから自分自身が学ぶことも多く講義の毎回が私にとっては勉強です。これからも,このような機会をとおして,みなさんと一緒に考え憲法に対する理解を深めるとともに,より多くの人々に伝えていけたらと思います。