2013年4月22日月曜日

緊急事態条項?

今日は、緊急事態条項のお話です。
東日本大震災以降、憲法に緊急事態条項を作るべきだという話が急に出てきました。これはいったいどういうものなのでしょうか?

自民党改憲草案98条と99条は、緊急事態条項を定めています。これは、ものすごくてっとり早く言うと、地震や戦争などで内閣が「緊急事態」と判断したときには、
三権分立をやめて、内閣が法律と同じ効力のある政令を作れるようにする(国会の権限の重要部分を内閣にも与える)、
というものです。

では、緊急事態宣言がなされたらどうなるか。

緊急事態宣言がなされた場合には、「何人も」、国の指示に従わなければならないとしています(草案99条3項)。つまり国民も、企業も、地方自治体も、国などの指示に従う義務を負うことになります。
... 自民党は、緊急事態条項の説明として、「国民の生命、身体及び財産という大きな人権を守るために、その範囲でより小さな人権がやむなく制限されることもありうる」としています(Q&A33頁)。ここで「大きな人権」に入っていないものの代表例は、政治的言論をはじめとする表現の自由ですね。
そうすると、内閣が緊急事態宣言をした場合、「国民の生命や身体の安全を守るため」という「名目」で、内閣に不都合な言論を禁止してしまうということが容易にありえる、ということになります。報道規制や、デモや集会の禁止、ということがすぐに思いつきますね。
緊急事態には国などの指示に従わなければならないわけですから、内閣に不都合な言論を禁止した場合、それに従わずに言論を続けたら処罰される、ということも想定されます。

こういったことが、内閣の独断でできるようになってしまうわけです。

以前にも書きましたが、立憲主義の考え方は、「権力は、放っておくと、圧政・独裁・暴走するようになる」という考えから、国民の権利と自由を守るためには権力を放っておいてはいけない、権力を縛らなければならない、というものです。
このことから、権力は1つのところにまとめておいてはいけない、立法、行政、司法に分けて相互に監視、抑制させなければならない、とされているのです。
みなさんが学校で習った三権分立も、立憲主義から生まれた考え方なのです。
 

 なのに、内閣が好き勝手にできるようになっていいのでしょうか?
 
そもそも、東日本大震災のときに緊急事態条項があったら、今より良くなっていたのでしょうか?