前代未聞の治安立法「重要土地調査規制法案」について、沖縄弁護士
会から会長声明がでました。「基本的人権を侵害するおそれが極めて
大きい」同法案に反対し、廃案を求めています。
<沖縄弁護士会>
重要土地等調査規制法案に反対する会長声明
http://www.okiben.org/modules/contribution/index.php?page=article&storyid=220
ぜひぜひ上記URLから全文お読みいただき、シェアなさってください。
「重要施設」「注視区域」「情報」「利用者その他の関係者」…
なにからなにまで無限定で、政府の胸三寸で市民のプライバシーが侵され、
刑罰で脅されて土地建物の利用や行動が押さえつけられる、およそ民主
主義国家においてはありえない治安立法です。
(この法案は、市民が読んでも、一体自分がどこで何をしたら処罰され
るのか分かりません。漠然としすぎていることで過度な萎縮効果を生む
法律自体、憲法違反です。)
<一部抜粋>
しかし、その防止が立法目的とされた「機能を阻害する」行為は
限定されておらず、広範かつ曖昧である。それゆえ、内閣総理大臣が
曖昧な要件の下で罰則付き命令を広く行うことが可能となり、その
結果、プライバシー権や思想・良心の自由、財産権等のほか、居住
移転の自由や表現の自由、取材の自由等、多くの基本的人権が侵害
されるおそれが大きいといわざるをえない。
そもそも本法案は、自衛隊基地周辺の外国資本による土地取得を
問題視し、その規制を求める声から立案されたものではあるが、
これまでかかる土地取得などで自衛隊の運用等が阻害された事実が
ないことは政府も認めていることであり、立法の必要性に疑問がある。
<抜粋終わり>
この法案の危険性を書けば、「中国が離島の土地を買いあさって
危険」と、ハンコを推したような反論がたくさん来ます。
ですが、この声明にあるように、土地の買い占めなどで実際に自衛隊
の基地運用が阻害されたケースは一度もなく、それは政府も認めています。
外国人は日本の土地を買ってはいけないというルールはそもそもありませ
んし、もっと「そもそも論」を言えば、土地を買い占めたところで、
(不動産をお持ちの方は特に理解できると思いますが)なんでもやりたい
放題なわけはなく、多かれ少なかれ利用の態様には制限があります。
「外国人が基地の周りの土地を買い占めたら日本の安全保障がガッタガタ」
という命題が、すでに妄想の域を出ないことを、一度立ち止まってほしい
と思います。
そういう意味でも、「この法案を作る必要はない」のです。